fbpx

タイミー、1Q増収増益で通期予想を上方修正 物流・小売の利用拡大と長期アルバイト採用支援で成長基盤を強化

マネーボイス 必読の記事

2026年3月12日に発表された、株式会社タイミー2026年10月期第1四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

クライアントのAI活用が事業に与える影響 – ソフトウェアAI –

小川嶺氏(以下、小川):株式会社タイミー代表取締役の小川です。本日はお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。2026年4月期第1四半期の決算説明を行いたいと思います。

直近、IRとして多くの投資家の方々とお話をする中で、AIやロボットに関する話題が非常に多いと感じています。そのため、冒頭ではそれらに伴う業績への影響についてお話ししたいと思います。

まずは、ソフトウェアAIについてです。生成AIを含むソフトウェアAIはタイミーにとって追い風なのか、向かい風なのかについて、ご質問をいただく機会が多くあります。

タイミー上のプラットフォームにおけるホワイトカラーの求人、例えば営業事務やコールセンターのような業務は、募集全体の約1パーセントという状況です。ほとんどがブルーカラー領域の求人となっています。

ソフトウェアAIによって、タイミーから求人がなくなっていくということは、基本的にないと考えています。

一方で、生成AIを活用して求人の雛形作成を自動化したり、アルゴリズムを用いて働き手に応じて案件をレコメンドするなど、さまざまな取り組みがAIによって加速している状況です。そのため、基本的には追い風になると考えています。

クライアントのAI活用が事業に与える影響 – フィジカルAI –

フィジカルAIについてです。ロボットは昨今、さまざまな種類が登場しており、非常に速いスピードで進化していると感じています。しかしながら、日本のマーケットにおいて、フィジカルAIが突然流行するかというと、難しい点が多いのではないかと思います。

私たちは「どこでスポットワーカーが働くことができるのか」「ここは正社員がやったほうがいいんじゃないか、ここはスポットワーカーがやったほうがいいんじゃないか」といったマニュアル作成に取り組んでいます。

そのため、私たちはロボットが最も導入されやすい現場をタスク単位で把握しています。どういったタスクを任せるべきなのか理解しているため、今後のロボット導入において、BPR(Business Process Re-engineering)が非常に重要な役割を果たすと考えています。

また、この膨大な現場データを活用し、今後フィジカルAIの研究にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。

タイミー上では、接客に関連するホスピタリティ業務が多岐にわたっています。接客スキルが高い人材に関する情報が蓄積されつつあり、これらはロボットでは代替できない、人が行うべき業務の領域で当社の強みとなると考えています。

こうしたトレンドを追い風として活用できるよう、経営の観点から注視していきたいと考えています。

続いて、CFOの八木から第1四半期の決算概要についてご説明します。

FY26/4 1Q決算概要

八木智昭氏(以下、八木): 株式会社タイミー取締役CFOの八木です。従来どおり、決算概要をスライド1枚にまとめています。

今回から、連結、スポットワーク、「タイミーキャリアプラス」「スキマワークス」などのスポットワーク以外に分類しています。この分類は、前四半期の昨年12月に決算発表を行った際に開示したスポットワークとスポットワーク以外に基づいたガイダンスに沿っています。

ここでは、全体の概略のみをお伝えし、詳細は後続のスライドでご説明します。今回から、決算期を変更しています。第1四半期の終了時点で、2026年4月期も半分が経過したことになります。

連結P/Lについては、スライドに記載のとおりです。売上高は108億5,000万円、営業利益は21億円と、いずれも前年比で増収増益を達成しました。成長率および営業利益率の観点からも、業績は好調に推移しています。

スポットワークおよびスポットワーク以外のいずれも計画に対して順調に進捗しており、足元の状況は良好です。

通期の業績予想について、今回同時に開示していますが、業績予想を修正しました。詳細は後ほど触れますが、進捗率が良好であることと、第2四半期についても足元の状況を踏まえ、好調に推移する見込みを考慮し、売上・利益ともに上方修正しました。

連結業績推移(売上高・営業利益)

売上高および営業利益についてです。スポットワークとスポットワーク以外のいずれも好調に推移しており、増収増益を達成しています。営業利益率は、スライド右側のグラフのとおり19.4パーセントと前年に対して3ポイント改善しており、好調が続いています。

FY26/4 1Q連結実績

第1四半期の連結実績についてです。詳細は先ほどと重複するため省略しますが、大きく2つのポイントがあります。今回はスキマワークス社のグループ加入に伴い、連結会計となっています。

スキマワークス社は、主に請負事業を行っているため、売上高・売上総利益・営業利益について、タイミーとはややビジネスモデルが異なります。その影響で、売上総利益率は前年95パーセントでしたが、今回は92.1パーセントとなりました。

親会社株主に帰属する当期純利益についてです。昨年は繰延税金資産の影響により、第1四半期に親会社株主に帰属する当期純利益が大幅にプラスとなる要因がありました。今期は特段そのような要因がなく、当期純利益率のみがマイナスとなっています。

連結業績推移(コスト)

コストについて、大きなトレンドに変化はありません。今期から戦略的な投資を進めていることから、スライド右側に記載した、Field Manager施策や介護福祉業界、「タイミーキャリアプラス」については、計画どおり着実に戦略的な投資を行ってきています。

一方で、戦略的な投資領域以外の領域では、効率性をしっかり見定め、コスト単価を含めて確認した上で投資を行う方針を掲げていました。

この方針が功を奏し、全体として戦略的な投資を行いつつも、利益率を向上させるとともに、コストを抑えることができたことが第1四半期の成果となります。

FY26/4 1Q連結実績(サービス毎)

サービスごとの第1四半期の実績については、スライドに記載しています。お時間のある時にご覧ください。

FY26/4 通期連結業績予想に対する進捗率

連結業績予想に対する進捗率です。売上高と営業利益はいずれも好調に推移しています。特に利益については、コスト効率化がしっかりと寄与し、進捗率はレンジの上限、下限ともにプラスとなっています。

基本的には、売上高の成長を最優先事項として追求しており、利益についてはさらに戦略的な投資へ再配分する計画です。

FY26/4 通期連結業績予想の上方修正

それらを踏まえ、今回は業績予想を上方修正しました。具体的な数値はスライドに記載のとおりです。売上高および営業利益以下すべてを上方修正しています。

営業利益は好調に推移し、大幅な上振れとなっています。第2四半期については、上振れた利益を再配分し戦略的な投資をさらに加速させるため、投資額が相当に増加する見込みです。

その結果、上方修正は行ったものの、利益率は前年とほぼ同じ水準で着地する予定です。この点を踏まえて業績予想を修正しました。

FY26/4 通期連結業績予想の上方修正(サービス毎)

スライドには、サービスごとの業績予想修正後の数値を記載しています。

スポットワーク 業界別のトレンド

スポットワークに関して、業界ごとのトレンドをお伝えします。物流業界については、好調に推移しています。前期第4四半期においては、業界環境や慣習の変化により、やや弱含んだ状況が見られました。

要因として、前期第4四半期が閑散期にあたるため、外注人件費全体の発注金額を抑える一方で、抑制した部分を繁忙期に寄せるという動きがあったと考えられます。第1四半期は物流業界の最繁忙期にあたるため、前期第4四半期で抑えられた発注が上乗せされて進んできた状況です。

スキマワーク社については、請負事業において計画比で順調に進捗している状況です。

飲食業界と小売業界についてお話しします。飲食業界については、引き続きマイナス成長が続いています。しかしながら、個々の企業には、タイミーの利用を増やすソリューション提案をしっかりと行うことで、一部では減少していた数字が反転の兆しを見せています。コントラクト業務については、引き続き好調に推移しています。

小売業界については、昨年は一部で厳しいコスト抑制が見られました。しかし、コスト抑制を行っていたお客さまの一部が、徐々に回復しているというトレンドが足元で確認されています。サブインダストリーにおいては、ドラッグストアの成長が顕著に見られる状況です。

以前よりご説明しているとおり、飲食業界のマイナス成長や課題克服に向けて、長期アルバイトの採用支援サービスについて、利用顧客の拡大やプロダクトサービスの磨き込みをしっかりと進めています。

新しい業界として介護福祉業界についても、これまでと同様にマーケティング、営業、プロダクトのすべてにおいてリソースを投下し、改善を図っている状況です。

スポットワーク 深刻な人手不足を背景とした順調な売上高の拡大

具体的な数字については、スライド右側に売上高のYoY成長率を記載しています。飲食業界は引き続きマイナス成長となっていますが、それ以外のセクターは高い成長をしっかりとキープできていると考えています。

(ご参考)主要3業界のYoY成長率はQoQで同水準で推移

ご参考として、スライドに売上高のYoY成長率を四半期ごとに掲載しています。前期第4四半期については、第3四半期から大幅に下がるという事象がありました。しかし今期第1四半期は、売上高のYoY成長率がプラスもしくは維持という結果になっています。

スポットワーク 主要KPI:全社ベース

全社ベースでは、具体的な数字は省きますが、アクティブアカウント数の増加が成長の推進要因となりつつ、アクティブアカウント当たり流通総額が以前のマイナスからプラスに転じ、継続的にプラスのトレンドを維持しています。

この背景には、アクティブアカウント当たり流通総額が高い物流業界の割合が安定して高い水準を保っていること、小売業界においてアクティブアカウント当たり流通総額がBPRなどの影響でプラスに転じたことが、大きな推進要因となっています。

スポットワーク 主要KPI:物流業界

物流業界についてです。アクティブアカウント数の増加やアクティブアカウント当たりの流通総額については、Field Manager施策を中心に、主要なお客さまにしっかりと入り込むことができており、業績は好調に推移しています。

スポットワーク 物流業界の状況:業界環境の変化

スライドは、先ほどの業界トレンドの話をまとめた内容です。重複しますので省略します。

スポットワーク 物流業界の状況:受入負荷軽減Project

Field Manager施策については、第1四半期の最繁忙期に向けて、約半年前から準備を進め、お客さまとしっかり交渉を重ねてきました。その結果、人手不足が顕著に現れる年末も無事に通過しました。現在は、Field Managerの採用も順調に推移しています。

スポットワーク 主要KPI:飲食業界

飲食業界については、マイナス成長が続いています。しかし、アクティブアカウント当たり流通総額についてはマイナス幅が着実に改善しており、底入れ反転の兆しが一部見られるのではないかと思っています。

スポットワーク 主要KPI:小売業界

小売業界も、アクティブアカウント当たり流通総額が、BPRの効果と合わせて前年同期比で大きくプラスに転じています。

スポットワーク 主要KPI:介護福祉業界

介護福祉業界では、アクティブアカウント当たり流通総額は小規模クライアントのミックスによりマイナスとなっています。しかし、アクティブアカウント数が顕著に増加しており、これが全体の成長を押し上げています。

スポットワーク 安定して高い稼働率を実現

稼働率について、第1四半期は繁忙期であり、例年QoQではマイナスになる傾向にありますが、今回も同様にマイナスとなりました。しかし、YoYでは0.3ポイント改善しています。最繁忙期でありながらも、しっかり高い稼働率を維持することができた四半期だったと考えています。

スポットワーク 重要施策の進捗:長期採用サポートサービス(飲食、小売)

小川:新しいプランについてです。従前の決算でもお話ししましたが、飲食業界のマイナス成長を改善するために、さまざまな取り組みを進めています。

タイミーは現在、労働人口の15パーセント以上である1,300万人超が利用するサービスとなっています。主にスポットワークを中心に、主婦や学生、シニアの方々がご利用されています。「ちょっとしたスキマ時間でタイミーをやりたい」という正社員の副業としてのニーズもあります。

また「今、仕事を探しているんだけど、仕事が見つかるまでの間にスキマバイトをしてちょっとお金を稼ぎたい」という繋ぎとして利用されるワーカーの方々もいらっしゃる状況です。

タイミー上でアンケートを行った結果、働き方に対する意向を確認できたワーカーの約27パーセントに該当する約70万人から「もし良い場所があれば長期就業したい」と回答をいただきました。

このワーカーに対して、長期雇用を望むクライアントが優先的にマッチングできる仕組みを導入することで、長期就業意向者を的確に採用することが可能になります。これにより、求人媒体を利用するよりも確度が高く人材に出会えるというメリットが生まれると考えています。

実際に、実証実験を繰り返してきました。ある企業との取り組みにおいて、タイミーを通じて採用された方と求人媒体を通じて採用された方の定着率を比較したところ、タイミーのほうが定着率は高いという実績が確認されています。

タイミーを利用された方は、1度現場で働いた経験を基に入社するため、どんな環境か、何を行うのか、どんな雰囲気なのかということを理解した上で職場に入るかたちになるからです。

求人媒体の場合は、面接だけで入社するケースが多いため、ミスマッチが生じやすく、それによる早期離職が発生しやすいと考えられます。タイミーの場合は、こうしたミスマッチを限りなく低く抑えることができるというのが特徴だと思います。

スポットワーク以外 タイミーキャリアプラス、スキマワークス

「タイミーキャリアプラス」と「スキマワークス」についてです。これらの新規事業に関しては、比較的順調に進んでいます。「タイミーキャリアプラス」は正社員の人材紹介事業で、前年同期比で現在3.6倍の成長を遂げています。

スキマワークス社についても、M&A後に堅調に推移しており、PMIが順調に進んでいることをご理解いただけるかと思います。

飲食業界のマイナス成長をしっかり転換させることを非常に重要なテーマとして取り組んでおり、現在その兆しが出始めている状況です。

このような新しい取り組みを着実に行うことで、タイミーが成長率をしっかりと反転させ、さらに大きな会社へと成長していくことを実現したいと思っています。

決算期変更の主なポイント

八木:再掲となりますが、決算期変更の主なポイントについてもう一度お伝えします。昨年12月の通期決算後に、決算期変更を開示しました。従来の決算期は10月末でしたが、今回から4月末に変更しています。そのため、今期については12ヶ月決算ではなく、6ヶ月間の変則決算となります。

年末は繁忙期であり、物流業界に限らず、飲食業界や小売業界でもクリスマス商戦を含めて非常に忙しい時期になります。10月決算の場合、11月と12月は期初対応やさまざまな事務作業が重なり、一番営業に注力しなければならない時期にリソースを最大化できていないという課題がありました。

そのため、決算期を半年ずらし、お客さまにしっかり向き合い、リソースを効果的に投下できる体制を整えるため、決算期変更を行うことにしました。

決算期変更後のスケジュール

したがって、変則決算となるため6ヶ月の決算となります。第2四半期で期末を迎え、新しい期は5月から始まる予定です。次の決算では、通期決算を行うとともに、来期である2027年4月期の業績予想を含めたガイダンスを開示する予定です。

質疑応答:長期採用サポートサービスの進捗状況について

質問者:小売業界について、新しいビジネスモデルの提供を行っていたかと思いますが、どのような状況でしょうか? また、それが実際にどのように進展しているのかについて教えてください。

小川:長期採用サポートサービスのお話かと思います。スライドにあるとおり、クライアントが長期採用に向けて求人広告媒体に費やしている費用を、タイミーに振り向けていただけるよう営業活動を行っている状況です。

料金プランについてはまだ開示できませんが、すでに有料サービスを一部顧客に提供しており、実際に「求人媒体よりも採用単価が安くタイミーから採用できました」という声が事例として挙がっています。

スライドに記載されているとおり、ワーカーの定着率が高いことも証明されています。このように、求人媒体と戦える武器をここでしっかりと作ることができたというのが現状です。今後は、正式なプライシングやリリースを目指して進めていきたいと考えています。

質問者:ローンチまでの期間はどれくらいでしょうか? また、長期採用サポートサービスに興味を持っているアクティブアカウントの割合はどの程度か教えてください。

小川:リリースタイミングについて具体的にお伝えするのは難しいですが、年末という話ではなく、今年の中旬、夏に近い時期にはリリースできればと考えています。

アクティブアカウントの割合についてです。現在、エンタープライズ向けのプランと個人店舗でも利用可能なプランの2つを用意しています。

プランを整えることで、現在タイミーをご利用いただいている企業全体をカバーできる仕組みを構築できるのではないかと考えています。したがって、現状タイミーをご利用いただいている企業が主な対象となるのではないかと考えています。

質疑応答:会計期変更による営業への影響について

質問者:会計期の変更があり営業に影響がありましたが、第1四半期は、当初の予想よりも売上高が少なかったのでしょうか? それは、会計期の変更によるものなのか教えてください。

八木:決算期の変更は、今年4月から実施されます。昨年末の繁忙期は10月決算で対応しています。そのため、決算期変更に伴い大きく効果が出るのは、今年の年末になると考えています。

質問者:期間を変更することで、いろいろと変わろうとしているようですが、その結果はどうでしょうか? 今期第1四半期の結果がもう少し良かった可能性があるのでしょうか?

八木:10月決算の場合、社内的な事務対応が年末に集中するため、あまり営業リソースに投下できません。一方で、今年の年末については、10月決算ではなく4月決算になっているため、リソースを営業にしっかり投下できます。その結果、今年の年末はフルに活用できる状況です。

現時点で開示している第1四半期についても、リソースをもう少し投下できていれば、もっと良い結果が出た可能性があります。

質疑応答:長期採用サポートサービスのブラッシュアップ要素について

質問者:長期採用サポートサービスについて、「リリースはそれほど遅くならない段階で」とのことでした。現時点で試験的に運用しているプロダクトが正式リリースされるまでに、どのような点にブラッシュアップの余地があるとお考えでしょうか?

具体的には、システムとしてのプロダクトに問題があるのか、あるいはサービスそのものの運営方法に改善の余地があるのかについて、お考えがあれば教えてください。

小川:アルゴリズムの調整はすでに行っています。その中で、実際にこうした方々が働きに来ることが実現した際に、店長が現場の忙しさから「うちに直接来てよ」という声掛けをなかなか行えないという課題がありました。

結果として、コンバージョンレートが低くなってしまったというのが発生しています。そこで私たちは、「どのような体制であればしっかりとそのような声掛けができるのか」というマニュアルを作成し、サポートを行いました。

上位のクライアントに関しては、すでに求めていたコンバージョンレートを達成し、求人媒体に対しても高いパフォーマンスを実現しています。社数が増加した際にも、持続可能で工数がかかりすぎず、労働集約型にならないかたちで展開できるモデルをどのように構築するかを、最終調整しています。

採用が可能であることが確認できたため、実際にいくらでこのサービスを売るべきなのかというプライシング設計も最終調整している段階です。したがって、現在の重要な課題はオペレーションとプライシングの最適化だと認識しています。

質疑応答:物流業界の成長見通しと繁閑差の影響について

質問者:物流業界について、第1四半期の数字を拝見すると、流通総額ベースでも前期第4四半期と同水準の流通総額成長率かと思いますし、売上では再加速に転じたと見受けられます。第2四半期以降について、ここへの期待感はいかがでしょうか?

第1四半期はField Manager施策もあり、ここが下支えされた印象があります。繁忙期を過ぎた後で、トップラインの持続性についてのご見解があればお聞かせください。

八木:物流業界自体は、第2四半期も一定の好調を維持しています。そのため、第1四半期だけが一過性で伸びているかたちではないと考えています。なにか新しい施策があったというより、着実に取り組んできた結果だと思います。

スポットワークは、物流業界に非常にフィットしています。人手不足が深刻化する中で、派遣会社を使って人を集めていたお客さまがタイミーに切り替える温度感は高まってきています。タイミーを利用することで、稼働率が高い状態をしっかりとキープできるという点も評価されていると思います。

第2四半期は全体としては閑散期ですが、引越しシーズンや年度の変わり目で物流量が増加します。しっかり準備して対応することで、第1四半期と同様に好調を維持することができると考えています。

質疑応答:第1四半期実績が会社計画を上回った要因について

質問者:今期の会社計画について、特に第1四半期が計画を上回り、トップラインが良かった要因についてご説明いただけますか? 物流業界と小売業界が堅調だったのではないかと感じていますが、詳しく教えてください。

八木:ご指摘のとおり、物流業界と小売業界が比較的堅調だったことが主な要因です。また、全体のガイダンスについては、非常に楽観的なものではなく、やや保守的な設定にしていました。

第4四半期は、業界の慣習も含めた不透明な部分が残っていました。小売業界についても見通しが難しい点があったため、計画を慎重に設定していました。

ただ、人手不足が依然解消されていない中で、タイミーのサービスが順調に成長していることから、そこまで悲観する必要はないという判断がありました。この点が、第1四半期の良好な結果の背景にあると考えています。

その上で、物流業界と小売業界が好調に推移していることが、大きな要因になっています。介護福祉業界についても順調に成長していますが、リソースを投下し、高い成長率を目指す計画どおりの推移です。

質問者:物流業界に関しては、業界慣習により繁閑差をリスクとして計画を立てていらっしゃったと思います。今のお話によれば、業界慣習による「特に中小のところが少し弱くなるかも」という懸念が、かなり後退しているというイメージでよろしいでしょうか?

八木:おっしゃるとおりです。繁閑によるボラティリティが高くなる一方で、通年や一定期間で平均化してみると大きな変動はなく、むしろプラスとなる点を把握できるようになってきました。

第4四半期のタイミングでは、一時的に大きく下がる局面がありました。ボラティリティが高くなる、どこかに寄せられる、どこかが少なくなるといったものではなく、全体として下がるのではないかという懸念がありました。

そのため、計画を立てる際には保守的な数字を置いていたということです。

質疑応答:小売業界のKPI向上背景について

質問者:小売業界について、KPIごとに見ると、アクティブアカウント数が前年同期比でプラス16.5パーセントと堅調に成長しています。アクティブアカウント当たり流通総額も前年同期比でプラス8.5パーセントと、順調に伸ばすことができています。

それぞれのKPIに即して、小売業界が良かった背景についてあらためて教えてください。

八木:アクティブアカウント数について、スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった割合の高い領域での拡大が、そもそものベースラインとしてあります。

小売業界全体において、スーパーマーケットやコンビニエンスストア以外の領域、例えばスライドにも記載されているドラッグストアやレンタカーなどが挙げられます。

これらの領域での開拓が順調に進んでおり、アクティブアカウント数の拡大が着実に浸透しています。

アクティブアカウント当たり流通総額に関しては、1拠点・1店舗内で任せる領域や職種の数が、他の業界と比較しても多岐にわたっていることが背景にあります。

BPRが実現できなければ深掘りや単価向上は難しい状況ですが、タイミーの最大の強みであるBPRの実施によって、タイミーで任せられる業務を創出できています。

そこがしっかり成果を上げ、1店舗におけるタイミーへの発注金額が増加していることが、流通総額を押し上げる要因になっていると考えています。

質疑応答:来期の成長再加速のタイミングについて

質問者:前期の説明会で「今期は仕込みの年であり、来期から成長していく」とおっしゃっていたと記憶しています。今回の決算期変更により今期が半年間となり、来期が5月から始まるとのことです。

「来期からの成長」とは、前の決算期における来期を指すのか、それとも新しい決算期の来期後半を指すのか、どのタイミングで高い成長が実現すると見ているのかについて教えてください。

八木:なかなかお答えしにくいところではありますが、来期の5月から急激に成長が再加速するというのは、まだ時期尚早というイメージです。そのため、今期第1四半期、第2四半期についても、さらに投資を加速する期間になる予定です。

したがって、5月からではなく、10月決算ベースの来期が成長のタイミングとして現時点で想定されます。

質問者:新決算期における下期からということでしょうか?

八木:おっしゃるとおりです。四半期ごとに、投資に対する売上高の寄与や効果を確認していきます。前後することはあるかと思いますが、今期第1四半期から第2四半期、来期の上期については、引き続き投資をしっかりと継続していきたいと思っています。

質疑応答:戦略的投資および来期の営業利益率の見通しについて

質問者:戦略的投資について確認させてください。第1四半期に利益が上振れた分が第2四半期に追加投資されるとありましたが、投下領域や追加投資の規模についてお聞かせいただけますか?

また、今期もあと1ヶ月少しとなりましたので、来期の戦略的投資に関する考え方についてもお聞かせください。今期から継続して行うものや、追加的に行う予定のものがあれば教えていただけますか?

具体的には、来期の御社の営業利益率について、今期の修正計画からどのように見込めばよいでしょうか? 現時点でご示唆いただけることがあれば、あわせてお聞かせください。

八木:戦略的な投資については、スライドに記載のとおり、物流業界のField Manager施策、介護福祉業界、「タイミーキャリアプラス」を中心とした新規事業への投資です。

第2四半期の投資に関しては、まったく異なる領域に投資するよりも、これらの領域に引き続き投資を行うことで、確実に売上を作り、成長を加速させる見通しが立っています。そのため、投資のボリュームを増やすという意味合いになります。

具体的な勘定科目としては、主にマーケティングが中心となります。特に、ワーカーマーケティングが主軸になると考えています。

来期以降についてはまだ先のことになりますが、次の決算時にガイダンスも含めて詳細をお知らせしたいと思います。その際、まったく違うところを来期から行うといった内容は想定していません。

引き続き、これらの領域を深掘りしていきたいと考えており、それだけのポテンシャルを持っていると思っています。

利益率についても次の決算でお話しできればと思います。今回、4月決算サイクルに変更しているため、来期の計画については、4月決算サイクルに基づく対前年通期実績との比較になります。

2025年5月から2026年4月までの1年間の利益水準や利益率に対し、2026年5月から2027年4月までの計画がどのように改善するかをご覧いただければと思います。

現時点では減益を想定していませんが、来期上期の戦略的投資に関連するコストによって、利益率の改善幅がどの程度になるかは、まだ計画の策定段階となっています。そのため、具体的な回答は現時点では難しい状況です。

質疑応答:長期採用サポートサービスの投資規模とプロモーションについて

質問者:飲食業界・小売業界の長期採用サポートサービスローンチに伴う投資は、それなりの規模感で必要なのでしょうか? そもそも、大きなプロモーションは必要なのか補足いただけますでしょうか?

小川:まずは、既存のクライアントに提供していきたいと思っていますので、非常に大きなプロモーションの必要はないかと思っています。

タイミーは「スキマ時間で働く」というイメージが、良い意味でもついていますので、「仕事探しがタイミーでできる」というブランディングを少し変えなければならないところがあります。

そのあたりに関しては、年末の繁忙期に毎年出しているCM等のクリエイティブ変更などを用いながら、うまく進めていけるとよいと思っています。追加としてはゼロではなく、ブランディング投資はしたほうがよいと思っている状況です。

質疑応答:Field Manager施策の成果と影響について

質問者:Field Manager施策の成果について、物流業界の売上成長が今期第1四半期で25パーセント、前期第4四半期で22パーセントとなっています。この数字にどの程度貢献しているのか、また何名ほど雇用されたのか教えてください。

八木:具体的な数字は開示していませんので、回答は控えます。Field Managerについては、大手クライアントを主な対象としています。スライドの青色の部分に、主に営業を展開しました。

全体に占める割合としては、すべてがField Manager施策で向上しているわけではなく、導入している事例も含め、影響は限定的です。

成長率については、Field Manager施策によるものだけでなく、お客さまとしっかり向き合い、派遣会社経由ではなくタイミーに切り替えたところが大半を占めています。

Field Manager施策も加わり、ここでの加速が見られることから、完全に要因を切り分けるのは難しい状況です。Field Managerの人数については、しっかり推移していますが、具体的な数字は開示していません。

スライドにあるとおり、順調に推移しているとご認識いただければと思います。

質問者:スライドのグラフでいえば、主に中小企業に効いているのですか? 

八木:Field Managerについては、青色が注力先大規模企業を示しています。大手企業に深く入り込み、営業しています。

質疑応答:長期採用サポートサービス収益化後の展開について

質問者:長期採用サポートサービスがうまく収益に乗ってきた場合、どの部分に付け足せばよいのでしょうか? 例えば、飲食業界の売上にいくのか、それともその他の業界にいくのか、あるいはさらに別の領域に行くのか、どのようなイメージを持てばよいか教えてください。

八木:どこに付けるという定義自体がなかなか難しいため、今後、ディスクロージャーの方針をきちんと定めたいと考えています。

現在は、飲食業界だけでなく小売業界のお客さまにもご利用いただいています。アルバイトを使って人を集めているお客さまに対して、このサービスが提供されています。

そのため、この点について適切なディスクロージャーを社内で検討し、ローンチのタイミングにあわせて進めていきたいと思っています。

質疑応答:前期第4四半期の自社株買い未実施の理由と運転資金の必要額について

質問者:前期第4四半期に自社株買いを検討しているとおっしゃっていたので、個人的に期待していましたが、なぜ実施されなかったのでしょうか?

また、キャッシュも蓄積されており、四半期のGMV(流通取引総額)の約半分程度を保有している状態かと思います。どれくらいの運転資本が必要なのか、ヒントをいただけると幸いです。

八木:前回の決算説明でもお伝えしましたが、年度予算については、成長投資を最優先でしっかりと実施します。その消化ができない場合や、手元流動性などを総合的に考慮して、株主還元についても検討していくというお話をしました。

したがって、毎四半期や次の四半期で行うというお話はしていません。引き続き、株主還元については検討を続けており、手元流動性や予算枠、株価の状況を踏まえ、機動的に実施できる準備はしています。

そのため、いつ行うかという点については、現時点では断言することが難しく、そうした方針となっています。

質問者:事業的にどれくらいの運転資金が必要でしたか?

八木:計算式をお伝えすると、進行月の流通総額が手元に必要である、ということになります。3月に発生する流通総額分が2月末時点で現預金として存在していないと、月中で毎日お金が出ていく状況となるため、この金額が必要となります。

月単位での売上については開示していませんが、やはり100億円以上の額が必要になるかたちです。

いま読まれてます

記事提供:

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー