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ホンダ、EV失敗で株価急落…買いか見送りか?長期投資家が見極めるべき実態と投資リスク=元村浩之

「ハイブリッド回帰」の勝算

EV戦略の挫折を受け、ホンダは現実的な「ハイブリッド回帰」の路線を打ち出しました。
2020年代後半に向けて大型の新ハイブリッドシステムを搭載したモデルを米国に投入するほか、中国に代わる成長市場としてインドを最重要拠点に据える計画です。

しかし、ハイブリッド車におけるホンダの立ち位置は決して楽観できるものではありません。
現在、北米で展開しているハイブリッド車はCR-Vやアコードなどわずか4車種程度です。
これに対し、トヨタ自動車は17車種、韓国のヒョンデは15車種ものラインナップを揃えています。
北米で人気の高いピックアップトラックや大型SUVの領域で、ホンダはハイブリッド車の投入が遅れており、競合他社に大きく列後しているのが現状です。

HV再構築の膨大なコストとインド市場の試練

これからハイブリッド車でトヨタやヒョンデを追いかけるためには、今回の2.5兆円の損失とは別に、膨大なコストが必要になります。
新たな研究開発費はもちろん、製造ラインの再編、販売マーケティング費用などが重くのしかかります。

また、新天地とするインド市場も一筋縄ではいきません。

インドではスズキが圧倒的なシェアとブランド力を持ち、「いかに安く、良いガソリン車を作るか」というコスト競争において絶対的な地位を築いています。
ホンダが二輪事業の相乗効果を活かしてどこまで四輪のハイブリッド車を浸透させられるかは、極めて高いハードルを越える必要があります。

株価下落は「絶好の買い場」か?見極めるべき真の企業価値

ホンダの今回の決算発表は、かつての「EV一本足打法」とも言える極端な戦略が、市場の実態や政治情勢と乖離していたことを認めるものでした。
全方位戦略を貫いたトヨタとの差は、皮肉にもこのような危機局面で鮮明となりました。

二輪事業という盤石な収益源があることは救いですが、四輪事業が再び「稼ぐ力」を取り戻すまでには、相当な時間と追加のコストを要することになるでしょう。

目先の株価下落を「絶好のチャンス」と捉えるには、まだ乗り越えるべき試練があまりに多いというのが、客観的なファクトに基づく判断です。

長期投資家としては、一時的なニュースに惑わされず、各市場における販売台数の推移や利益率の回復を慎重に見極める必要があります。


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image by:Colin Temple / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』(2026年3月24日号)より※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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