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船場 Research Memo(4):調査・分析から運営まで、空間創造を一気通貫で支援(2)

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■船場<6540>の事業概要

7. 海外事業
海外事業は1980年代に香港に進出したのを皮切りに、アジアで実績を積み上げてきた。受注の増減は毎年あるものの、右肩上がりで業績が拡大した。2025年12月期の売上高は、前期比386百万円増の3,944百万円であり、全社売上高の12.0%となった。国別では、台湾が2,800百万円と最大で、シンガポール554百万円、上海463百万円、ベトナム308百万円と続く。これまでは、日系企業の進出に合わせた海外進出が基本であったが、今後は現地企業に対しての事業展開も拡大する見込みである。近年の事例としては、台北南港の新都心に開業した台北市初の「ららぽーと」で調査・MD企画・環境デザイン・施工まで一貫して担当した。

8. ディスプレイ業界でのベンチマーク
同社の業績をディスプレイ業界で比較すると、相対的に規模の大きい業界3社と肩を並べる水準であることがわかる。収益性・効率性を表す指標であるROE(自己資本当期純利益率)では同業他社並みの10%超え、安全性の指標である自己資本比率でも無借金経営により業界他社に並ぶ水準である。成長性に関しては、僅差ではあるがトップランナーである。

■業績動向

2025年12月期は「オフィス・余暇施設等分野」が成長をけん引、上場来最高益を更新

1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の連結業績は、売上高が前期比13.4%増の32,831百万円、営業利益が同20.2%増の2,305百万円、経常利益が同17.1%増の2,349百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.1%増の1,515百万円と、前期比で2ケタ増収及び営業増益、経常増益となった。

同社を取り巻く事業環境では、引き続き人件費やエネルギー価格・原材料費の高騰などによる採算面での厳しさが増すなど不安定要素も残るが、企業の好業績やインバウンド需要などにより、商業領域のみならずオフィスやインフラ施設、余暇施設など空間づくりにおける設備投資が活況である。

売上高の増加要因としては、注力して取り組む「オフィス・余暇施設等分野」が前期比3,279百万円増、「専門店分野」が同1,603百万円増と増収をけん引した。具体的には、戦略的営業活動により受注拡大に取り組むオフィス関連施設、余暇施設及びラグジュアリーな空間の飲食店及び物販店の新装、昨年から継続して推進していたインフラ施設の案件などが増収に寄与した。海外では、台湾の長期にわたる大型開発案件の進捗などにより、売上高で同386百万円増の3,944百万円となった。売上総利益は、増収を主因に同5.8%の増加、一方で売上総利益率は同1.4ポイント低下の18.5%となった。これは、売上の増加に伴い事業部門社員の増員含め事業に関わる業務比率を増加させたこと、その人件費・工事経費を売上原価に計上したことが主な要因である。販管費は、逆に上記の事業部門の人件費・工事経費を売上原価に計上したことにより減少し、販管費率は同1.8ポイント低下の11.5%となった。結果として、営業利益は同20.2%増と大幅な増益となった。各利益の水準は同社上場来の最高益を更新した。

自己資本比率65.9%と安全性高く無借金経営。将来のM&Aへ余力十分

2. 財務状況と経営指標
2025年12月期末の総資産は前期末比1,181百万円減の22,138百万円となった。そのうち流動資産は1,132百万円減であり、売上債権が1,531百万円増加した一方で、現金及び預金の2,749百万円減少したことが主な要因である。固定資産は49百万円減であり、大きな変動はなかった。

負債合計は前期末比2,147百万円減の7,548百万円となった。そのうち流動負債は2,359百万円減であり、仕入債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)の1,611百万円減少、未払法人税等の減少、未払消費税等の減少などが主な要因である。固定負債は211百万円増であり、繰延税金負債の増加が主な要因である。有利子負債はなく無借金経営である。純資産合計は同965百万円増の14,589百万円となった。配当(744百万円)を行った一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,515百万円を計上したことが主な要因である。

経営指標は、流動比率が279.0%(前期末は221.5%)、自己資本比率が65.9%(同58.4%)となっており、高い安全性がさらに向上した。収益性・効率性に関しても、ROEで10.7%(前期は11.6%)と10%超を維持した。安全かつ収益性の高い事業モデルが財務に反映されている。将来的にM&Aなどによる成長戦略を描くなか、十分な投資余力があると言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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