直近決算|売上は伸びているが営業赤字に転落
26年3月期第3四半期累計の売上高は240億2,456万円(前年同期比+12.3%)と増収を維持しています。
内訳はクラウドサービス113億7,241万円(+9.8%)、GPUインフラストラクチャーサービス46億3,893万円(+13.9%)、その他サービス56億8,085万円(+26.4%)です。
<営業利益は赤字転落|先行投資が要因>
一方で営業利益は、前年同期の25億8,541万円の黒字から11億1,748万円の赤字へ転落しました。
赤字の主な要因は先行投資の増加です。
人材投資が17億円増、減価償却費とリース料が16億9,800万円増、販売用サービス原価が9億6,300万円増となっています。
さらに2026年2月25日には通期予想も下方修正しました。
売上高は365億円から352億円へ、営業利益は3.5億円の黒字予想から5億円の営業損失予想へ変更されています。
GPU『B200』約1,100基の大口案件で一部売上が翌期にずれ込んだことが理由です。
案件を取れなかったわけではありませんが、収益化には時間がかかっています。
マイクロソフト協業報道で2日間で53.4%急騰
2026年4月3日、米マイクロソフトが日本へ100億ドル(約1兆6,000億円)を投資すると発表しました。
期間は2026年から2029年で、さくらインターネットとの協業も盛り込まれていました。
この報道を受けて株価は急騰します。
4月2日の終値2,467円から4月3日の終値2,967円へ20%超上昇し、4月6日には終値3,470円でストップ高となりました。
4月3日安値2,448円から4月7日高値3,755円まで、わずか数営業日で53.4%の急騰です。
ただし現時点では「共同開発に向けた検討開始」の段階であり、具体的に決まっている事項はありません。
買い一巡後は売りに押されています。
今後のチェックポイント
さくらインターネットは今から買いに入ってもさらなる値上がりに期待できるのでしょうか。
今後の株価を考える上で、確認すべきポイントは4つあります。
<(1)B200の稼働率と粗利の回復>
まず注目したいのが、エヌビディアの最新GPU「B200」の稼働率と利益率改善への寄与です。
さくらインターネットは、約1,100基のGPU「B200」を国内大手企業向けに提供予定です。
ここで、重要なのは台数ではなく、高い稼働率になるか、そして粗利率が改善するかです。
稼働率と利益率のトレンドを決算ごとに確認する必要があります。
<(2)ガバメントクラウドの売上寄与>
2026年3月27日にガバメントクラウドへの正式採択が発表された直後の株価の反応は小幅高にとどまりました。
市場には、すでに織り込み済みであった可能性があります。
今後は案件化の進捗、継続利用につながるか、単価が上昇するかを見ていく必要があります。
<(3)マイクロソフト協業の具体化>
マイクロソフトとさくらインターネットとの協業は、現時点では検討開始の段階です。
実証フェーズに進むのか、商用化まで至るのか、具体的な受注金額が見えてくるのかを順番に確認していく必要があります。
期待が先行して株価が動いている分、具体化が遅れると下落リスクになります。
<(4)営業利益率の底打ち>
AI関連は需要が強くても、設備投資負担が先行すると利益は残りません。
売上成長だけに注目せず、営業利益率がどこで底打ちするかを追うことが重要です。
利益率の改善が見えてきたときに、初めて業績の裏付けある上昇が期待できます。