ユーソナー<431A>は2月13日、2025年12月期決算を発表した。売上高が前期比18.4%増の71.91億円、営業利益が同52.7%増の13.90億円、経常利益が同51.5%増の13.77億円、当期純利益が同40.2%増の8.88億円となった。企業のDX投資が加速するなか、独自の法人データベース「LBC」を核としたサービス群が順調に推移し、すべての段階利益で大幅な増益を達成した。
利益面において、営業利益が売上高の伸びを大きく上回る大幅増益となった背景には、独自のビジネスモデルがある。無形資産であるデータベースを扱う同社の事業は、構築に一定の固定費を要するものの、データの複製コストが極めて低いため、ユーザー数の増加に伴って利益率が向上する営業レバレッジが効きやすい収益構造となっている。実際に、主力の「ソナーサービス」の売上高は対前期比19.9%増の60.23億円に達し、全社売上高の約8割を占める安定したストック収益基盤が利益成長を強力に牽引した。
KPIの状況も極めて良好だ。期末時点のARR(年間経常収益)は54.6億円と前期比24.2%の大幅増を記録した。特筆すべきは、月次解約率が0.21%という極めて低い水準で推移している点である。これはカスタマーサクセス部門の確立による成果であり、利用率が低下した顧客に対する勉強会や研修会の実施、さらには顧客へのきめ細やかな対応と、その要望をもとにした迅速なサービス改善が奏功している。また、自社サイトへの来訪企業を可視化する「ライブアクセス」機能においては顧客へ提供している同機能を自社でも積極的に活用して営業成果に繋げており、こうした自社での成功体験を顧客に還元している点も解約防止に寄与している。
市場環境においては、生成AIの台頭を強力な追い風と捉えている。生成AIの出力精度を高めるには高品質なインプットデータが不可欠であり、約30年にわたりデジタルとアナログの双方によって蓄積された「LBC」の価値が再評価されており、現在では入手困難な過去の履歴を含む膨大な情報の蓄積は、極めて高い希少価値を有している。AI関連のサービスが普及しても、同社のデータベースは可読性・信頼性の高いデータソースとして不可欠な存在であり、各社においてAIによるデータ利活用が進むほど同社の「データ」そのものの優位性は強固になる構造である。昨今のSaaS企業全体の株価の落ち込みの影響を受けている側面はあるものの、本質的にデータベース会社である同社は、AI時代を支えるベースデータの提供者として独自の立ち位置を確立しており、その構造的優位性が市場に理解されれば今後の大きな反転上昇も期待できる局面と言えよう。
2026年12月期の業績予想については、売上高が前期比15.1%増の82.80億円、営業利益が同26.9%増の17.64億円、経常利益が同27.9%増の17.62億円、当期純利益が同18.8%増の10.56億円を見込んでいる。販管費は人件費を中心に増加する計画だが、これは2月に実施した既存社員の昇給や、4月の24名の新卒採用を含む人員増強、さらにはエンゲージメント強化を目的とした譲渡制限付株式(RS)の付与など、将来の成長に向けた積極的な人的投資を優先するためである。株主還元については、現在はグロース市場上場企業として事業成長を最優先するフェーズにあるが、将来的な還元の実施についても検討を進める方針だ。
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