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セレコーポレーション Research Memo(7):2027年2月期は全セグメントで増収、大幅増益見込み(2)

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■セレコーポレーション<5078>の今後の見通し

2. セグメント別の業績見通し及び重点施策
(1) 賃貸住宅事業
売上高は11,030百万円(前期比16.2%増)、セグメント利益は1,576百万円(同38.0%増)を見込んでいる。同事業では、受注拡大を基軸としながら、工事品質の向上と工期短縮、設計力強化及び原価圧縮を並行して推進する。加えて、千葉工場の生産性向上を通じて供給能力とコスト競争力の強化を図る。カンパニー別の重点施策については以下のとおりである。

a) アセットマネジメントカンパニー
アセットマネジメントカンパニーにおいては、SNSやSEO対策による集客力向上に加え、士業との連携強化を通じた成約率向上を目指す。足元でもSNSやSEO施策によりウェブサイト閲覧数は増加傾向にある。また、適正な価格設定により一棟単価と利益率の向上を図り、商品力強化による付加価値創出を推進する。省エネ性能などの付加価値を強化することで一棟単価の引き上げを図り、単なる値上げではなく、商品力向上による適正価格の設定を志向している点が特徴的である。

b) 建設カンパニー
建設カンパニーでは、アパート専門メーカーとしての強みを生かし、施工品質のさらなる向上を図るとともに、協力業者との関係強化により安定的な供給体制を構築する。また、施工現場のシステム化を推進し、現場管理や入退場管理、リアルタイム監視を通じて業務効率の向上と安全性の確保を実現する。設計カンパニーとの連携強化により、着工までのリードタイム短縮を図り、受注から施工への移行を円滑化する点も重要な施策である。加えて、建設業界における人手不足や高齢化、原価高騰といった構造的課題に対しては、協力業者との関係強化及びIT化の推進により対応していく。

c) 設計カンパニー
設計カンパニーは、顧客視点に基づく設計力及び企画力の強化により、高賃料の実現と事業性の向上を目指す。具体的には、法令遵守を前提としたコストパフォーマンスの高い設計に加え、外構計画におけるデザイン性・安全性・維持管理性の最適化を推進する。また、省エネ法や東京ゼロエミ対応に向けた設計及び申請業務の効率化を進めるとともに、資材や設備仕様の見直しにより原価高騰の抑制を図る。資材に関しては、同社が一括で仕入れて供給する「支給材」の提供と協力業者による材料一括引き受けで対応しているが、資材の見直しを行う中で、変更可能な資材を「支給材」に変更することで、原価削減につなげる。この「支給材」化によりスケールメリットを生かした調達が可能となり、資材価格上昇局面においても原価コントロールの精度向上が期待されると弊社では見ている。加えて、検査体制の強化を通じた品質向上と現場の安全性確保にも注力する。

同カンパニーは2026年3月1日に新設され、従来は複数のカンパニーに分散していた設計人員を集約した点に特徴がある。この組織再編により、設計力及び敷地対応力を横断的に発揮できる体制が構築されており、同社の競争優位性がより明確化するものと考えられる。

d) 千葉工場カンパニー
千葉工場カンパニーでは、生産性向上によるコスト競争力の強化を重点課題とし、設備稼働率の向上や業務プロセスの効率化を進める。また、安全で働きやすい職場環境の整備を推進するとともに、福利厚生の充実や安全活動の徹底により休業災害ゼロを目指す。さらに、ジョブローテーションや品質管理活動を通じた人財育成を進めることで、現場力の底上げと継続的な改善文化の醸成を図る。

(2) 賃貸開発事業
売上高は2,161百万円(前期比56.0%増)、セグメント利益は80百万円(同32.9%減)を見込んでいる。原価高騰及び金利上昇の影響は継続すると想定しており、セグメント利益率は低下する見通しだ。一方で販売活動自体は堅調に進め、大幅な増収を見込む。戦略面では、市場環境の変化に対応するための商品力強化や顧客開拓の多様化を重点施策として掲げている。

商品開発では、足元の投資家やオーナーのニーズを勘案し、従来の「資産性重視」から「利回りとのバランス重視」へと軸足をシフトしている。これまで重視していた角地や好立地は取得・販売コストが高く、資産性は高いものの利回り面では必ずしも優位とは言えないケースもある。このため、多少不整形な土地であっても同社の強みである敷地対応力を生かし、賃料水準を維持しつつ取得コストを抑える戦略へ転換している。用地取得基準についても緩和を実施しており、駅距離や面積条件等に幅を持たせている。

商品力強化に関しては、新空間設計の導入により1m2当たりの賃料価値を最大化し、資産性と事業性の両立を図ることで物件の魅力向上を図る。また、柔軟な設計力を生かした用地仕入れの強化や、長期安定経営を支える管理サポートの提供を進めるとともに、優良住宅地の仕入れや敷地全体計画の最適化、耐震等級3の確保などにより、資産価値の高い物件開発を推進する。さらに、顧客層の拡大に向けては、地方銀行の東京支店との関係強化を通じた地方富裕層の開拓に加え、自主企画によるBtoCスキームの確立に取り組む。同施策においては、自主集客による購入希望者向けセミナーや完成物件見学会の開催、新聞広告(電子版)の実施、さらには他社も含め賃貸オーナーである富裕層に対するDM送付といった複数の施策を計画している。今後も購入者層との接点拡大に向けた企画検討を継続する方針で、マーケティング手法の多様化により顧客基盤の厚みが増すことが期待される。組成基準の見直しにより資産性と事業性のバランスを再構築する点も含め、これら一連の施策は収益回復に向けた重要な取り組みと位置付けている。

(3) 賃貸経営事業
売上高は11,082百万円(前期比5.3%増)、セグメント利益は1,231百万円(同4.7%減)を見込んでいる。賃貸経営事業では、社内カンパニー間の協業強化により管理戸数の維持・拡充を図る。建築受注前からの営業連携や、開発カンパニーとの協働による物件最適化を通じて、質の高い管理戸数の確保を進める。

また、協力業者との連携強化及び新規業者の採用により業務体制の強化を図り、賃料改定の推進や業務効率化を目指す。さらに、大規模修繕工事の獲得や保険代理店業務などの手数料ビジネスの拡大により、新たな収益源の創出にも取り組む。

加えて、賃貸管理システムの入替と業務フローの見直しにより、業務効率及び精度の向上を図るとともに、統制機能の強化によるリスク低減を推進する。賃貸管理システムの入替にあたっては、一定期間の並行稼働を想定しており、移行リスクを抑えながら段階的に切り替えを進める。当該システム入替関連費用及び賃貸保証事業における販売商品変更に伴う一時的な手数料減少が、2027年2月期のセグメント利益に影響を与える見込みだ。しかしながら、これらは将来的な収益基盤強化に向けた先行投資と位置付けられ、中長期的には収益性向上に寄与する施策であると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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