■パパネッツ<9388>の今後の見通し
1. 2027年2月期の業績見通し
2027年2月期の業績は、売上高が6,213百万円(前期比7.7%増)、営業利益が515百万円(同10.8%増)、経常利益が500百万円(同8.6%増)、当期純利益が340百万円(同11.4%増)を見込んでいる。インバウンド増加に伴う宿泊需要の拡大や、都市部での共同住宅比率の上昇による賃貸管理ニーズの継続を想定しての見通しだ。成長ドライバーは、大型案件の受注が続くマンスリーマンションサポート事業の拡大と、PR強化による認知度向上である。一方、原油高に伴う物流コストの上昇がリスク要因として挙げられるものの、大きな影響はないと見ている。利益面では、2026年8月に予定する基幹システムの更改を通じた業務効率化により、営業利益率は8.3%へ向上する見通しである。
2. 中期経営計画
同社は、「大いなる御用聴きカンパニー」をスローガンに掲げ、既存事業を強化しながら、幅広い顧客サービスを提供し、社会貢献できる事業の拡大を目指す「中期経営計画」を策定している。
中期経営目標として以下の5つを挙げている。
1) 人と人をつなぎ、社会の困りごとを解決できる企業
2) 必要とされる企業となるため、情報に対して、変化ができる企業
3) 関係する人達が、未来に向かえるサポートができる企業
4) 世の中にない、「御用聴き」になれる気付きを創る
5) 小さなことが大きなことへの第一歩 小さなことができないものは大きなことはできない
同社は、「大いなる御用聞きカンパニー」を目指し、全社を挙げて社会の「お困りごと」を解決する企業として、2029年2月期までの3ヶ年で売上高の年平均成長率(CAGR)9.1%の達成を目標に掲げている。また、賃貸住宅管理の市場シェアを0.87%から3%へ拡大し、未来志向のサポートを提供することで、必要とされる企業になることを目指している。さらに、新規事業を通じてパートナーが活躍できる環境を整え、サステナビリティへの取り組みを強化する。
同社は中期ビジョンとして「人と人をつなぎ、社会の困りごとを解決できる企業」を掲げている。変化の激しい環境の中で、情報に柔軟に対応し、関係するすべての人々が未来に向かって進めるサポートを提供する企業となることを重視している。また、「御用聴き産業の確立」をキーワードに、顧客の小さな課題から大きな課題まで真摯に対応し、社会的価値を創出することを目標としている。さらに、サステナビリティにも重点を置き、環境に配慮した輸送・移動体制の構築や、性別を問わず多様な働き方を実現できる仕組みづくりを推進することで、人とテクノロジーの力で持続的に成長する企業像を描いている。
3. 中長期戦略
同社の中長期戦略は、安定成長を続ける「建物・レンタルコンテナ巡回管理」を収益基盤とし、拡大基盤である「マンスリーマンションサポート」のさらなる成長を狙うものである。具体的には、PR施策による認知度向上、基幹システムの刷新を含むテクノロジー活用、及び新卒・キャリア・パートナー人材の確保を成長の3本の柱としている。戦略の背景には、インバウンド需要の増加や賃貸管理業の法規制強化といった外部環境の変化があり、これらの困りごとを解決する「御用聴き」としての競争優位性を確立する狙いがある。
(1) 認知度向上
認知度向上においては、企業のブランドコンセプトである「想いをつなぐ御用聴き」の浸透を目的とした多角的なPR戦略を展開している。具体的には、Webサイトの全面刷新やSNS(X、Facebook、Instagram)の本格運用に加え、同社代表取締役社長の伊藤裕昭氏自らが証券会社主催の講演会やメディアへ露出することで、投資家及び潜在顧客へのリーチを拡大させている。ターゲットは、都市部の賃貸管理需要を抱える不動産管理会社や、宿泊需要の回復が著しいホテル・マンスリーマンション業界である。一連の活動により、リード(見込み客)獲得を加速させ、既存の取引関係を超えた新規市場への参入障壁を低減させる効果が期待される。
(2) テクノロジー
テクノロジー面では、業務の属人化排除と生産性向上を目的とした大規模なIT投資を断行している。最重要施策として、2026年8月に各事業部のシステムを一本化する新「基幹システム」のリリースを予定しており、経営数値の即時把握や管理業務の可視化を図る。また、独自の不動産巡回管理システム「じゅん君」において、作業員の安全確保に向けた動態管理機能の追加を計画している。これらのDX推進は、報告書作成などの事務負担を大幅に軽減し、サービスの品質維持と収益性の向上を同時に実現する強力な競争優位の源泉となる。
(3) 人材採用
人材採用においては、事業規模の拡大を支えるための「質の高い人材の量的な確保」を基本方針としている。特に新卒採用を強化しており、2026年4月入社は過去最高となる9名を採用した。今後も毎年10名規模の継続的な獲得を計画しており、2027年4月末までに従業員数141名への増員を目指す。狙いは、組織の若返りと長期的な成長基盤の構築にあるが、直近の退職者数増加に伴う定着率の改善が課題となっている。これに対し、在宅ワークの推進やメンター制度の導入、さらには社員食堂の開設といった福利厚生と職場環境の整備を進めている。離職率を現在の10.9%から3年以内に5%以下へ引き下げることで、安定的なサービス提供体制の維持を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山 博詞)
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