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カウリス、第1四半期は前期比で2桁の増収増益、クロスセルが計画を上回り進捗 「Grid Data KYC」の実証成果も確認

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2026年5月18日に発表された、株式会社カウリス2026年12月期第1四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

CONTENTS

島津敦好氏(以下、島津):代表取締役社長の島津です。よろしくお願いします。みなさま、お集まりいただきありがとうございます。それでは、2026年12月期第1四半期決算説明会を開始します。

本日のアジェンダはご覧のとおりです。まずは、事業内容についてお話しします。

企業理念

弊社の事業は「情報インフラを共創し、世界をより良くする」というテーマで展開しています。従来は、各社が個別に不正利用者の情報をモニタリングして見つけるという手法をとっていましたが、弊社のサービスをご活用いただくことで、不正利用者の情報をお客さま同士で共有できる仕組みを提供しています。

「Fraud Alert」という本業に加えて、昨年9月に「Grid Data KYC」という本人確認サービスを開始しました。現在、このサービスを第2の柱とするべく、ブラッシュアップを進めている状況です。

金融犯罪対策サービス

「Fraud Alert」というサービスは、主に銀行や証券会社に提供しているものです。このサービスでは、口座の乗っ取りや転売が行われているものを当社で発見し、転売口座や乗っ取り口座にログインしている端末の情報をお客さま同士で共有する仕組みを提供しています。

また、利用会社さまの一部からは、不正口座情報自体も提供いただき、それを流通させる取り組みを行っています。

もう1つのサービスである「Grid Data KYC」は、現在2社のお客さまにご利用いただいています。口座開設時の本人確認や、一度お客さまとなった方の住所異動の有無を継続的にチェックする目的で活用されており、この2社において、2月から4月の実証実験で大幅なコスト削減効果が確認されています。現在は下期の拡販に向けて取り組んでいる状況です。

エグゼクティブサマリー

第1四半期の業績についてですが、売上高は4億円、営業利益は1億2,000万円、当期純利益は8,000万円となり、前年同期比でそれぞれ22パーセント、33パーセント、28パーセントの増加となっています。

MRRの増加要因として最も大きいのは、既存のお客さまからの売上が増加している点です。特にアップセルやクロスセルの増加が寄与しています。契約獲得高は10億3,000万円となっており、徐々に残高が収益(売上高)として計上されていくこととなります。

第1四半期には更新・新規を含めて37社と契約を締結しました。日本では4月開始、3月末で終了する会計年度の会社がほとんどであるため、この期間に合わせて契約期間を昨年調整しました。その結果、ほとんどの会社は4月開始、5月末着金というかたちになっています。

「Fraud Alert」の新規申し込みは3社ありました。「Grid Data KYC」については、UI銀行で実証が終了し本契約となっており、現在実証期間中の信用金庫が1社ある状況です。

今期はAnthropic社の話題も出てきているため、当社でも膨大なデータをAIに活用すべく、AIの内製化を積極的に進めています。開発チーム以外にもビジネスサイドやバックオフィスがAIツールを活用し、ヘッドカウントを増やさずに業務の効率化に取り組んでいます。

当社では、フルタイムメンバーのうち約15パーセントから20パーセントがリモートワークを行う地方在住者です。その中でも特に福岡のメンバーが多いため、福岡に拠点を設け、九州や中国、四国のお客さまへの営業活動を行っています。

さらに、自己株式を初めて取得しました。上限は3億円と設定していましたが、4月の初めにはこの3億円を消化しており、株価の安定にも寄与しています。

財務ハイライト

財務ハイライトとして、契約残高が増加しています。また、既存のお客さまへのクロスセルにおいても、売上成長が順調に進んでいる状況です。

基本的にストック収益として、ARRは15億5,000万円で、ストック型収益率が93.4パーセントとなっています。ARPUもわずかに増加し、1社当たりの売上が平均的に上昇している状況です。営業利益率も回復しています。

Fraud Alertの主要KPI

今期の第1四半期では、スライドのとおりMRRが増加しています。契約社数は残念ながら伸び悩んでいますが、既存顧客におけるクロスセル・アップセルが増加しており、契約残高は着実に増えています。

FY2026業績見通し 売上高

売上高については、前期比で1億7,000万円の増加を計画しています。第1四半期ではクロスセルが計画を上回って推移しており、通期の見通しとしては、昨年からの売上高の累計が2億3,000万円プラスになると見込んでいます。この中には、「Grid Data KYC」は新規契約に含めています。商談進行中のものもあるためさらなる上積みが期待できると考えています。

主要KPI Fraud AlertのMRR

「Fraud Alert」のMRRはご覧のとおりです。お客さまの先にいらっしゃるユニークユーザー数が増加し、オンライン化が非常に進んだ1年であったことがうかがえます。

2025年の期中には、契約時よりもユーザー数が増加している会社が複数見受けられました。今回の契約更新に際して「追加のユーザーが2割から3割増しになっています」というお客さまがいらっしゃったことが、アップセルにつながっています。

主要KPI Fraud Alertの契約社数

残念ながら、証券会社で解約が1社出てしまいましたが、契約社数には変動がありません。ただし、単価は上昇しています。今後は新規のお客さまが少しずつ増加し、「Grid Data KYC」の顧客獲得も増えてくると考えています。

主要KPI Fraud AlertのARPU

ARPUについてご説明します。スライドの左側は新規と既存を両方混ぜたARPUを示しており、右上は新規のお客さま、右下は既存のお客さまのARPUを表しています。

右上にある新規のお客さまのARPUについて、弊社サービスを導入いただく企業は、2018年以降、大手のお客さまが多い状況でした。しかし現在では、中堅のお客さまへシフトしてきています。

そのため、新規のお客さまのARPUは減少しているように見えますが、1年後、2年後と経過するにつれて、弊社の「Fraud Alert」を設置する場所が増加することで、基本的にARPUは右肩上がりになると考えています。

主要KPI 契約残高

こちらは、契約残高に関するデータです。基本的には一括で注文を受け、月次で売上を計上していく形式のため、この残高が積み上がっていくことで、将来的にARPUの増加が見込めるということの参考資料として、契約残高を開示しています。

昨年および一昨年には、「3月末で契約終了、4月頭から新たに開始」といったように、契約期間を年次に合わせたいという強い要望が多くありました。その結果、現在では48社中37社がこのような契約期間を採用しており、第1四半期で契約残高が非常に上がりやすい傾向となっています。

残りの十数社は契約更新時期がばらばらで、第2四半期以降、第3四半期、第4四半期に契約更新となる会社があります。そのため、契約残高が最も増えるのは第1四半期ということになります。

財務ハイライト PL

財務ハイライトとしては、売上高、粗利、販管費、営業利益がいずれも増加しています。特に営業利益率は30パーセントを超えています。先ほど、積み上げてきた売上高が当初の予想よりも増える可能性があるとお伝えしましたが、それがさらに増加すれば、最終的な利益率も若干ながら改善すると予想しています。

財務ハイライト BS

BSです。自己株式の取得が、第1四半期の主要なトピックだと思います。負債については若干残っていますが、今期の8月に1億円ほど返済する予定のため、ほとんどなくなると考えています。その結果、自己資本比率は第3四半期から改善されると予想しています。

財務ハイライト 販管費と売上原価

販管費と売上原価です。ヘッドカウントについては大きな増加はありません。販管費に関しては、「Grid Data KYC」の費用として、支払ギャランティなどがいくつか発生しています。これらは主に一般送配電事業会社(電力会社)へ支払うものが計上されています。

また、売上については通期で約1億円の「Grid Data KYC」の売上達成がもし出来たとすれば、「Grid Data KYC」はサービス単体で黒字転換すると見込まれます。そうなれば、さらなる利益率の向上も期待できるようになってきます。

上田七生美氏:管理担当の上田です。売上原価に関してですが、前年同期の1億2,500万円に対し、今四半期では約1億6,900万円とおよそ4,400万円増加しました。この増加分のうち、約2,700万円は新サービス「Grid Data KYC」のコストに相当します。

グロスレベニューチャーンレート

島津:グロースレベニューチャーンレートについては、特に大きな変化はありません。ご覧のとおりです。

新株予約権等の行使状況

新株予約権の行使状況です。従業員による行使が6,800株増加しました。ただし、権利未確定、失効、未行使の分も増加しているため、結果としてスライドのとおりの数字となっています。

今回取得した自己株式については、従業員の新株予約権と相殺(自己株式の処分)する予定ですので、基本的に投資家のみなさまの株式の希薄化はないと考えています。

リリース事例

ここからは、第1四半期の振り返りです。大きな成果としては「Grid Data KYC」において、当社として初めて信用金庫と取引したことが挙げられます。現在、実証期間が終了しデータを集計中ですが、お客さまにおいて継続的顧客管理の管理コストを大幅に削減できた結果となり、その内容がお客さま内部の経営層にも報告されているとうかがっています。

また、当社では初期のお客さまであるソフトバンクに続き、通信キャリア系の2社目となるKDDIグループのauフィナンシャルサービスにもご利用いただいている状況です。

Grid Data KYCの拡販

「Grid Data KYC」は昨年9月にリリースされましたが、サービスリリースが10月の直前となったこともあり、期中の予算取りが間に合わなかった企業もありました。今年に入ってからオンラインやオフラインでセミナーを開催し、累計で1,200名から1,300名が参加することとなり、多数の金融機関、クレジットカード会社、証券会社、信用金庫などのみなさまに認識していただけたと考えています。

現在2026年においても、複数の商談が進行中です。UI銀行や飯田信用金庫での暫定的な成果データをお預かりして、「こんなかたちになっています」「これだけコスト改善が見込めます」というような、データを基に成果の説明を行っています。

1社目および2社目の顧客企業において一定の成果や効果が出ていることから、営業協力としても各社に動きを広める展開となっています。現在、飯田信用金庫とUI銀行の両方で「正直、使ってどうでしたか?」という問い合わせが多数寄せられており、UI銀行では約30社のお客さまから成果に関する質問が寄せられています。

飯田信用金庫においても、信用金庫全体で220社がある中で、すでに5社ほどの信用金庫さまから「口座開設時にどういうふうに使っていますか?」や「継続的顧客管理の管理コストはどれだけ下がりましたか?」といったお話をいただいています。

近いうちに、両者の実証結果について、どの程度の効果が出たのかをニュースリリースとして発表する予定です。これにより、他の会社も導入しやすくなる状況が整うのではないかと考えています。

2026年は、ネット銀行や大手クレジットカード会社、大手ネット銀行が最終導入に向けて調整を進めており、最終段階に達している企業がいくつかあります。

しかし、想定外の事態として、昨年、生成AIが急激に普及したところがありました。それに伴い、多くの金融機関では、「当社のようなベンダーの提供するクラウドに生成AIが入っているかどうか」や「自社内でセキュリティ関連業務に生成AIを使用していないか」など、クラウドやAIの使用方法に関するガイドライン自体を、社内のコーポレートガバナンスの観点から見直さなければならない状況となりました。

同様の見直しを必要としている銀行は、実は相当数存在しますが、3月にご注文を予定していた会社から、社内の情報セキュリティガイドラインを大幅に改定しなければならないという話が出てきています。

このように、生成AIの登場により、ガイドライン策定など、お客さまのコーポレートアクションが変化してきました。その影響で進捗がやや遅れている会社もあります。成果を得られた際は、IRニュースとして開示します。

従業員が「ChatGPT」や「Google Gemini」などの生成AIを勝手に使用してしまう「シャドーAI」に対し、昨年の期中から本格的にNGを出す大手企業が増えています。

生成AIのガイドラインが整備され、「Grid Data KYC」の成果がこれだけ出るという具体的な成果イメージが見えてくると、この2つの流れが合致し、拡販体制がさらに整ってくると考えています。

2027年以降については、黒字化に向けて2028年を目指すと記載していますが、現在いらっしゃる見込み顧客をすべて加味すると、単年度の黒字化はかなり現実味を帯びてくると考えています。「Grid Data KYC」は2027年には収益に寄与してくるのではないかと感じています。

売上高

売上については、「設置箇所(利用シーン)を増やしましょう」というお話です。昨年7月28日に、金融庁と警察庁から、金融庁管轄下のQRコード決済や資金、消費者金融、社会保険、銀行・証券などすべての会社に対し、非対面チャネルのモニタリングを実施するように、との強い要請文が出されました。

そのような背景もあり、ある地方銀行のお客さまでは今年、クロスセルによる法人口座のインターネットバンキングとスマートフォンアプリの導入が決定し、3月からアプリが始動しています。

法人口座のモニタリング市場は、今後さらに拡大していくと考えています。

正社員数及び営業利益率

こちらのスライドは、従業員数と営業利益率の相関を示しています。ご覧のとおり、ヘッドカウントはほぼ横ばいですが、「Grid Data KYC」の赤字を吸収しても、32パーセントの利益を維持できる状況です。「Grid Data KYC」の拡販が進むと、利益率が4割近くまで達すると考えています。

従業員の業務については、主に「Google Gemini」「Google NotebookLM」「ChatGPT」「Claude」などのAIを使用しており、業務の効率化に大きく寄与しています。AIを使用する前提で効率化を進めることで、ヘッドカウントを大幅に増やす必要はないと見ています。

最近のメディア関連実績等

こちらのスライドには、最近のメディア掲載事例を記載しています。

昨年1年間で、証券口座の乗っ取りにより7,300億円が売買されてしまったという事例です。金融犯罪の被害額が4,000億円を超えたという数字を合算すると、被害総額は1兆1,000億円にものぼります。これを踏まえ、どのような対策を講じるべきかについて、政府の方々とも意見交換を行っています。

今年のトピックとしては、私、島津が4月10日に自由民主党政務調査会の金融調査会に有識者として出席し、日本における金融犯罪の手口や、民間が講じることができる対策と、民間では対応が難しい点について意見を述べました。

また、BSテレ東のテレビ番組にも出演しました。マネー・ローンダリングの被害額が1兆1,000億円を超える話題は、日本国民の日常生活にも非常に身近な問題として受け止められています。

このようなニュースが取り上げられること自体、当社の認知度向上につながると同時に、金融犯罪の存在を認識し、注意を促していくことが非常に重要であると考えています。

セミナー登壇

「Grid Data KYC」の途中経過の報告を含めて、2月に開催したセミナーについてです。オンラインで約700名、リアル会場でも約100名の方にご参加いただきました。この場で累計約70名の方と名刺を交換しました。

偽造免許証や偽造マイナンバーカードを使用した銀行口座開設やクレジットカード入会による被害が微増している企業がある一方で、既存のお客さま宛の連絡更新のためのはがき送付で年間数億円のコストがかかっている企業もありました。

さらに、すでに空き家になった家や第三者が住んでいる家に対しても、はがきを送付してしまうケースが見られます。特にクレジットカード事業者では、本人限定受取郵便の料金が1通あたり約900円かかる現状があります。

また、クレジットカードの原価が上昇しており、有効期限切れに伴う再発行の場合、郵送代だけで900円、原価が約1,000円のカードを送ると合計で約2,000円のコストが発生します。

そのような中で、第三者が住んでいる住所や空き家への郵送に900円かけるのは過剰であるとの判断から、簡易書留や普通郵便で再発行カードを送付することが業界で標準となってくると、空き家や第三者の住所にクレジットカードが届いてしまうリスクも懸念されています。

現在、SNS上でもクレジットカードが普通郵便で送られてくることに対する意見が急増しており、第三者にカードが届いてしまう事態が構造的な問題となっています。

これに対応するため、空き家にはカードを送らないようにし、第三者が住んでいる場合には郵送を避けるよう普及指導することが、国民の個人情報と金融資産を守るという点で有効であると考えています。

主要方針

中長期の成長戦略についてご説明します。まず、「Grid Data KYC」の拡販を進めることが最重要だと考えています。「Fraud Alert」に関しては、既存顧客の深耕をさらに進めていきます。また、AIの活用や官民連携をさらに推進したいと考えています。

2番目の項目についてですが、2025年6月27日をはじめ、これまでにも金融庁から再三モニタリングに関連する要請が出されています。

しかし、昨年6月27日の金融庁の報告によると、金融庁が求めているモニタリングを実現できている企業は、まだ26パーセントにとどまっています。つまり、74パーセントの企業がモニタリングに未着手、もしくは未検討という状況です。

当社のお客さまの中には、2017年頃から取引を開始した企業もあります。その中には、口座開設、ログイン、一部の入出金を当社でモニタリングし、フィッシング被害が3年連続で発生していない企業も存在しています。

まずは、現在の状況を見据え、しっかりとモニタリングを実施している企業に対し、さらにサービスの提供を進めていくことが極めて重要であると考えています。

Fraud Alertにおけるクロスセルの推進

クロスセルについては、ブラウザから始めてアプリに導入するケースや、アプリから始めてブラウザに導入するケースがあります。また、個人口座から始めて法人口座に導入する会社もあれば、最初から法人口座にも導入している会社もあります。

入出金の導入については、類似するサービスもあるものの、銀行口座単位でブラックリスト登録またはホワイトリスト登録を行う、あるいは口座単位で入出金をリアルタイムで検知するというサービス自体は、国内ではほとんど存在しません。

そのため、リアルタイムに入出金を止めるというサービスが、ニーズに合っていると思われます。現在、すでに6社にご利用いただいており、今後さらに入出金モニタリングの拡販を進めていきたいと考えています。

クローズドなデータ集積による価値向上

Anthropic社の話題が出て以降、機関投資家のみなさまから「SaaSは大丈夫ですか?」という質問が多く寄せられるようになりました。

生成AIはパブリックに公開されている情報を学習することが可能です。一方で、当社が扱うのは、金融犯罪と関連する機密性の高い個人情報であり、これらは一般に公開されるものではありません。

「Grid Data KYC」についても、「この家が空き家になった」「第三者が住み始めた」「引っ越してどこかに行った」といった情報が、毎月更新される性質のものであることが特徴です。約8,000万世帯のほぼすべての個人情報を扱い、かつ非常にセンシティブな情報を取り扱っています。これらを生成AIが学習することは基本的に不可能です。

また、仮にこれが学習されるような事態となれば、国民の個人情報がすべて外部に開示されている状態になってしまいます。そのため、この点については生成AIによる代替は基本的にないと考えています。

取引データを活用した不正口座の分析

当社のお客さまであるセブン銀行をはじめ、いくつかの企業で入出金モニタリングを実施しています。

入出金モニタリングを通じて不正が疑われる口座を見つけた場合、その口座を凍結していただきます。凍結後に該当口座に入金があった場合、送金先の口座は詐欺被害者の口座である可能性が考えられます。

不正口座間で送金が行われるため、送金先の口座も不正口座とみなされるケースも多いです。こうしたデータを現在、ネットワーク分析に活用しています。

1社のデータだけでは不正口座を特定することが難しい場合でも、複数の企業でモニタリングを行うことで、ある企業で不正と判断された口座が送金先として別の企業にも存在している場合、同様に「そちらの不正口座の送金先がこの口座だったんですね。それであれば止めたほうがいいですね」と判定されます。

当然ですが、銀行口座情報そのものを扱うため、銀行の支店番号や銀行口座番号に加えて、入金元や入金先の情報を当社でネットワーク分析しています。

直近では、この情報を月1回集計しており、現在では不正口座の送金先の約54パーセントが法人口座となっています。以前は資金洗浄には個人口座が多く使われていましたが、現在では半数以上が法人口座となっています。そのため、当社は法人の不正口座の特定を業界に先駆けて行っています。

スライド右側の図は上下に分かれていますが、1つの口座を表しています。1つの法人口座として見ると、売上があり、従業員への支払いがあるという通常のキャッシュフローが上段の図になります。しかし、同じ口座内で資金洗浄を手助けしている口座が数多く見受けられます。

銀行口座を開設して転売し、第三者が使用する従来型の手法から、本業を行いながら第三者の資金洗浄を手助けする口座が急増しています。当社では、日々そのような口座の特定において、お客さまと一緒に取り組んでいる状況です。

また、株式会社マネー・ローンダリング対策共同機構が不正利用口座情報共有に関するシステム開発を行い、来年4月から稼働するという話を聞いています。凍結された口座がどの口座と相関関係にあるのかを分析する必要があるため、当社では業界に先駆けてネットワーク分析の推進を進めていく考えです。

官民一体となったマネロン対策

日本国内で4,000億円もの被害が出ている現状は、我々の計算では、昨年盗まれた金額の規模で見ると、日本は世界でおそらく3位か4位に位置すると考えています。日本はGDPが大きいという背景もありますが、世界約200の国や地域の中で、上から数えて3番目に多く盗まれている国家です。

引き続き金融庁や警察庁と情報提供を行う中で、霞が関の官僚のみなさまだけでなく、最近では自民党の金融調査会に参加する政治家の方々にも、現在何が起きているのかという情報を提供しながら、官民連携をより強固なネットワークにしていかなければならないと考えています。

業績計画

最後に業績計画です。「Grid Data KYC」の拡販が進み、売上規模が30億円から40億円を超える段階まで成長すれば、営業利益率も改善すると考えています。

まずは、売上高30億円、40億円を早期に達成し、体力のある会社にしていきたいと考えています。

本日はありがとうございました。

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