■NECキャピタルソリューション<8793>の業績動向
1. 2026年3月期業績
2026年3月期業績は、売上高306,155百万円(前期比20.1%増)、営業利益10,617百万円(同36.4%増)、経常利益11,427百万円(同21.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9,180百万円(同38.9%増)となり、増収増益、最終利益は過去最高を記録した。期初予想に対する達成率は、売上高295,000百万円に対し103.8%、営業利益15,500百万円に対し68.5%、経常利益16,000百万円に対し71.4%、親会社株主に帰属する当期純利益10,000百万円に対し91.8%で、利益面は未達となった。2025年度のリース業界での取扱高が、前期比3.0%増の5兆2,120億円※と、DX投資の活発化や設備投資需要の回復を背景に堅調に推移した。同社のリース事業においても官公庁大型案件やGIGA案件の需要等に恵まれ、契約実行高が前期比22.6%増、成約高も同28.9%増と大きく伸び、売上高は同5.4%増を達成した。またインベストメント事業やその他の事業において不動産売却収入等があり、インベストメント事業の売上高は同76.4%増、その他の事業は同621.2%増と大きく伸長した。ファイナンス事業は企業向け融資の増加で同14.4%増となった。
※ (公社)リース事業協会「リース統計(2026年3月)」より引用
利益面では営業利益、経常利益とも増収効果などで前期比では伸長したが、期初予想比では一部案件の売上計上のずれ込みや、投資有価証券評価損、非支配株主持分を含むファンド案件の評価損の計上が重なったことで下回った。また、与信関連費用の内訳については、リース事業で減少したものの、ファイナンス事業やインベストメント事業で企業融資の拡大により引当金繰入額が増加したため、全体としては14億円から22億円に増加した。最終利益については、ファンド案件において子会社が計上した評価損のうち、非支配株主の持分に対応する部分は親会社に対する戻入益となるという会計ルールがあるため、乖離幅は縮小した。
2. 事業別業績動向
リース事業は、売上高241,618百万円(前期比5.4%増)、売上総利益18,146百万円(同13.4%増)、営業利益は6,231百万円(同42.7%増)で増収増益となった。特に営業利益が大きく伸びた。売上面では官公庁・自治体向けDX案件の増加やGIGA案件等の受注のピークが寄与したほか、民需も通期で堅調に推移した。契約実行高は同22.6%増の3,114億円、内訳は主力の賃貸事業で同25.3%増の3,004億円、一方で割賦販売は同22.7%減の110億円となった。成約高は同28.9%増の3,067億円で、賃貸事業が同31.4%増の2,951億円となった一方、割賦販売は同12.7%減の116億円となった。官公庁・自治体向け案件のうち、「GIGAスクール構想第2期」への取り組みは当初計画を上回り、成約高は約750億円に達した。受注のピークは過ぎたものの、2027年3月期においても引き続き案件獲得が見込まれ、2025年からの第2期累計で約900億円規模以上の成約をねらう。また、利ざやの改善に加え、保険事故に関する契約が機器調達とは別契約となることから、採算性の向上が期待される。その他の官公庁・自治体向け案件についても、PCのWindows 11への更新やネットワーク更改、各種DX案件の進展により、成約高は順調に積み上がった。
リース事業の業種別契約実行高比率は、官公庁68.2%(前期は62.3%)、民需(サービス業・流通業・製造業・その他)31.8%(前期は37.7%)で、官公庁向け案件はGIGA案件に加えDX等の大型案件が増加し、前期に続き比率が高まった。民需ではサービス業が前期比4.0%増の339億円と堅調で、流通業が同28.0%増の197億円と大きく増加した。一方で製造業は同8.0%減の237億円、その他は同2.0%減の215億円となった。機種別契約実行高比率は、情報通信機器(電子計算機及び関連装置・ソフトウェア・通信機器及び関連装置)が82.6%(前期は83.7%)、事務用機器・その他機器が17.4%(前期は16.3%)となり、情報通信機器の比率がやや低下した。ただし、実行高自体は、情報通信機器が同20.9%増の2,573億円、事務用機器が同10.8%増の173億円、その他機器が同43.3%増の369億円と増加した。情報通信機器については電子計算機及び関連装置の増加が顕著で、同48.5%増の1,471百万円となった。業種別成約高では官公庁向けが同50.5%増の2,167億円と好調であった。民需は全体では同4.1%減の900億円、業種別では製造業のマイナスを除いて微増となった。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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