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三和HD Research Memo(1):売価転嫁とコスト削減で2027年3月期予想の達成を目指し、株主還元も強化

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■要約

三和ホールディングス<5929>はシャッター、ドアの分野でグローバルに事業展開しており、日本での市場シェアはトップである。また、欧米ではM&Aを活用して業容を拡大するとともに、アジアでも事業基盤の確立による収益貢献の拡大を図っている。さらなる発展を目指して、「中期経営計画2027」を推進している。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上高660,712百万円(前期比0.3%減)、営業利益79,095百万円(同1.8%減)、経常利益80,647百万円(同4.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益59,776百万円(同3.9%増)となった。売上高・当期純利益は期初予想を上回ったが、営業利益・経常利益は予想を下回った。売上高は、市場は軟調だが、売価転嫁の浸透により予想を上回った。営業利益は、売価転嫁が着実に浸透したものの、数量減、原材料等のコストアップにより予想を下回った。地域別営業利益では、日本は増益で予想を上回り、全体の業績を下支えしたが、米州・欧州・アジアは予想を下回った。この結果、営業利益率は12.0%(同0.2ポイント低下)となった。自己資本比率は63.6%、ROEは17.8%と、最新データである2025年3月期の東京証券取引所(以下、東証)プライム市場上場の全産業平均の自己資本比率33.6%、ROE9.4%を大きく上回る高い安全性と収益性を確保している。また、配当はDOE(自己資本配当率)8%目安に基づき、年間配当を130.0円(同24.0円増)へと大幅増配を実施し、株主重視の経営姿勢を示している。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の業績については、売上高677,000百万円(前期比2.5%増)、営業利益81,000百万円(同2.4%増)、経常利益82,500百万円(同2.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益60,000百万円(同0.4%増)を計画している。売上高は、各地域ともに市場環境の回復が遅れるなか、売価転嫁に取り組み、増収を見込んでいる。営業利益は、各地域において売価転嫁に取り組み、原材料等のコストアップを吸収して、最高益の更新を見込んでいる。営業利益率は、前期と同水準の12.0%を見込んでいる。配当は、為替変動の影響を受けないDOE(株主資本配当率)10%を目安に引き上げ、創業70周年の記念配当を含め、年間配当は146.0円(同16.0円増)を予定している。自己株式の取得も公表し、株主還元に前向きな姿勢は変わらない。期初の業績予想は例年どおり保守的であり、想定以上の事業環境の悪化がなければ、目標達成する可能性が高いと弊社では見ている。

3. 中期経営計画
2023年3月期から取り組んでいる長期ビジョン「三和グローバルビジョン2030」では、“高機能開口部のグローバルリーダーへ”を掲げ、その達成に向けて「中期経営計画2027」(2026年3月期~2028年3月期)では、数値目標として売上高7,500億円(年平均成長率4.2%)、営業利益950億円(同5.7%)、ROE19.0%などを計画している。営業利益は、のれん償却前で初めて1,000億円の大台達成を目指す。これらの数値目標達成のための基本戦略として、1) 日本・米州・欧州のコア事業の強化、領域拡大、2) アジア事業の利益を伴う成長、3) 防災・環境対応製品とスマート化製品・サービスによる事業拡大、4) デジタル化とものづくり革新による生産性向上と能力増強、5) サステナビリティ経営と人的資本経営の推進を掲げている。事業環境の悪化に伴い数値目標では苦戦を強いられているが、多くの基本戦略は着実に進展しており、弊社では今後の達成状況を注視したい。

■Key Points
・2026年3月期は、事業環境の悪化により業績予想を下回る。高い安全性と収益性を維持。DOE8%目安に基づき、大幅増配を実施、株主重視の姿勢を示す
・2027年3月期も、市場は軟調傾向ながら、売価転嫁により過去最高の営業利益を目指す。配当方針をDOE10%目安に引き上げ、記念配当を含め、引き続き大幅増配を予定
・「中期経営計画2027」は、営業利益(のれん償却前)で初めて1,000億円の大台を目指す意欲的な目標。事業環境悪化に伴い数値目標は苦戦も、基本戦略を着実に推進

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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