■新興市場は買い手不足気味で売りが優勢
今週の新興市場は下落。日経平均は週末19日に史上最高値を更新し、先週末比7.92%高と2週ぶりに上昇した。一方、グロース市場指数は同3.48%安、グロース250指数は同4.06%安と、ともに4週連続で下落した。プライム市場でキオクシアホールディングス<285A>を中心とする少数の生成AI関連の超大型銘柄に物色人気が集中し、新興市場は買い手不足気味の中、売りが優勢となった。時価総額最上位グループの銘柄を算出対象とするグロース市場コア指数も同7.02%安と3週連続で下落した。
時価総額上位銘柄では、MTG<7806>が先週末比8.36%高と上伸した。16日に、宿泊施設向けシャンプーなどのセットを7月から出荷すると発表し、販路拡大期待が株価を押し上げた。タイミー<215A>は同24.61%高と急騰し、年初来高値を更新した。NTTドコモおよびSBI住信ネット銀行とタイミー利用者向け金融サービス事業で提携すると11日に発表して地合いが急速に改善。来週は外資系証券会社による投資判断引き上げが買い材料視された。一方、パワーエックス<485A>は同29.74%安と急落した。新規上場から180日間株主の売却を制限するロックアップが17日に解除され、需給悪化懸念が売りを呼んだ。
その他、笑美面<9237>が同46.68高と値上がり率は新興市場で最大だった。26年10月期第2四半期は、主力の高齢者施設紹介の成約件数が増え、売上高が前年同期比34.4%増と好調だったことが評価された。Smile Holdings<7084>も同42.08%高と値を飛ばした。先週末の12日大引け後、27年3月期の配当予想引き上げと株主優待拡充を発表し、株価水準を一気に切り上げた。一方で、FUNDINNO<462A>は同じく12日に26年10月期の営業損益予想を赤字に下方修正し、今週末19日に上場来安値を更新した。
今週はタクシー配車アプリGO<581A>がグロース市場に新規上場した。公開価格ベースで時価総額1864億円と今年最大のIPOだったが、初値は公開価格を21.3%上回った。
■防衛関連以外の銘柄が短期売買マネーの受け皿に
来週の新興市場は、キオクシアHDなどプライム市場の生成AI関連銘柄への集中物色のあおりから、買い物薄が警戒される。Synspective<290A>、アストロスケールホールディングス<186A>、Terra Drone<278A>など防衛力強化を切り口とした人工衛星・ドローン関連の主力銘柄も今週軒並み下落し、防衛関連株は来週も軟化が予想される。こうした中、今週の相場で堅調だった技術承継機構<319A>やフリー<4478>など防衛関連以外の銘柄が短期売買マネーの受け皿となろう。
また、今週はプライム市場で、イオン<8267>、神戸物産<3038>など小売り関連株の年初来安値更新が相次いだ。グロース市場でも、時価総額が最大のトライアルホールディングス<141A>など国内特化企業はさえない値動きを強いられよう。反面、衣料品小売りでも訪日客を含めた海外売上が過半を占めるHUMAN MADE<456A>などに投資家の関心が移りそうだ。所得環境悪化をキーワードに、出張買取のBuySell Technologies<7685>なども個別に物色されよう。
来週は、23日に金融機関向けシステムのLiNKX(リンクス)<584A>がグロース市場に新規上場する。4月9日上場のソフトテックス<550A>から今週6月16日上場のGOまで6銘柄連続で初値が公開価格を上回り、新興市場全体の地合いの強弱とは別に初物人気が続いている中、好発進が期待できそうだ。LiNKXの後は、30日に子ども向け体操教室や放課後デイサービス施設を運営するネイス<589A>が、7月15日にはAIを駆使したチャットによる顧客対応システムを開発するチャットプラス<598A>が、それぞれグロース市場に上場予定となっている。なお、来週は東証による上場承認はなかった。
いま読まれてます
記事提供: 
元記事を読む