■要約
1. 会社概要
ユニリタ<3800>は、金融や製造をはじめ、幅広い業種向けにデータ活用とシステム運用に関する製品・サービス開発と販売、周辺システム開発、コンサルテーション事業を手掛けている。ITの役割が「守り」(業務効率化やコスト削減など)から「攻め」(ビジネスの競争優位性を実現する手段)へ変化するなか、「サービスマネジメント」と「データマネジメント」領域における強みを生かし、デジタル変革(DX)に取り組む企業の業務課題を直接解決するソリューション提供力を発揮してきた。最近では、「サービスシフト」の経営方針の下、クラウド活用による自社サービス提供を特徴とする継続課金型収益モデルへの移行やデジタル技術を活用した社会課題解決(働き方改革や地方創生、一次産業活性化)ビジネス、AI機能の搭載などに取り組み、ビジネスモデルの変革を進めてきた。
2. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上高が前期比5.6%増の12,342百万円、営業利益が同14.4%増の962百万円と増収増益となった。計画的なマイグレーション戦略が奏功した自動化領域を中心に「プロダクトサービス」が堅調であったほか、サービスマネジメント領域での需要拡大などに伴う「クラウドサービス」の伸びが増収に大きく寄与した。また、「プロフェッショナルサービス」についても、コンサルティング、システムインテグレーション、アウトソーシングがそれぞれ好調に推移した。損益面でも、人的資本投資がコスト要因となったものの、「クラウドサービス」や「プロフェッショナルサービス」によるベース利益の積み上げに加え広告宣伝費の見直し及び外注費の削減等により大幅な増益となった。活動面でも、生成AI活用の特許技術を搭載した新サービスのリリース、グループ横断的な事業モデル(エコシステム)による受注獲得などで成果を上げた。
3. 2027年3月期の業績見通し
中期経営計画の最終年度となる2027年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比7.4%増の13,250百万円、営業利益を同9.1%増の1,050百万円と増収増益を見込んでいる。売上高は各事業が引き続き堅調に推移する見通しである。特に2026年3月に公表した価格改定並びに付加価値向上への取り組み(各製品・サービスへのAI搭載、セキュリティ強化、開発・運用体制の強化)が収益の底上げに寄与する想定だ。一方、損益面では、今後の成長に向けた先行費用を戦略投入するものの、増収効果に加え、「クラウドサービス」におけるベース利益の積み上げや「プロフェッショナルサービス」の高付加価値化によりカバーし増益を確保する。年間配当については前期比3.0円増配の1株当たり75.0円と、3期連続の増配を予定している。
4. 中長期の方向性
中期経営計画では、コアコンピタンスを「サービスマネジメント」と「データマネジメント」に再定義したうえで、グループエコシステムによる新たな価値提供モデルの確立を目指している。特に、クラウド成長領域への投資を継続し、協業パートナーとの連携を含む価値共創の推進により、各クラウドカテゴリーのスケールアップを推進してきた。最終年度は、部分最適から全体最適に向けた体制強化により、顧客接点の強化や投資効率の向上、新規ビジネス創出への道筋をつくり、次期中期経営計画での成長加速を目指す。
■Key Points
・2026年3月期は各事業が堅調に推移し増収増益
・生成AI活用の新サービスやグループ横断のエコシステム受注などで成果
・2027年3月期は先行費用を戦略投入するも増収増益予想、3期連続で増配予定
・中期経営計画は最終年度を迎え、部分最適から全体最適への体制強化に取り組む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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