■事業概要
ミライト・ワン<1417>の事業ドメインは、祖業の国内通信建設事業を中心とする「通信基盤ドメイン」と、「超・通建」に向けた事業領域の拡充により強化してきた「企業/環境社会基盤ドメイン」の大きく2つに区分される。また、事業区分としては、「企業/環境社会基盤ドメイン」に属する1) 環境・社会イノベーション事業、2) ICTソリューション事業、並びに「通信基盤ドメイン」に属する3) NTT事業、4) マルチキャリア事業の4つを展開している。
同社では、「企業/環境社会基盤ドメイン」のなかでも、「街づくり・里づくり/企業DX・GX」「グリーンエネルギー事業」「ソフトウェア事業」「グローバル事業」の4つの成長分野を「みらいドメイン」として定義し、新たにグループ入りした西武建設(株)及び国際航業(株)を含む経営リソースを結集することで成長を加速する戦略である。
同社グループは、同社並びにLantrovision (S) Ltd(シンガポール)、(株)TTK、(株)ソルコム、四国通建(株)、西武建設、(株)ミライト・ワン・システムズ、国際航業を含む、連結子会社83社(国内62社、海外21社)などで構成される(2026年3月31日現在)。
各事業の概要は以下のとおりである。
(1) 環境・社会イノベーション事業
再生可能エネルギー関連工事や電気・空調工事、社会インフラ(土木・水道)工事のほか、西武建設による建築・リノベーション工事や、国際航業による企画・コンサルを展開しており、自治体や民間企業向けなどに一連の総合的なソリューションを提供している。
(2) ICTソリューション事業
データセンター(DC)・クラウド、オフィスソリューション(LANやWi-Fiの導入、セキュリティ関連)などICTインフラの構築のほか、ソフトウェア(コールセンターソリューションなど)、グローバル(アジア12ヶ国・地域でのDC関連事業、通信タワー事業など)、物販などを、自治体や民間企業向けなどに提供している。
(3) NTT事業
NTT<9432>グループの固定系・モバイル系の通信設備の建設・保守・運用、光ファイバーネットワークやモバイルネットワークの普及を支えているほか、災害発生時には応急復旧工事や復興工事を通じ、通信ネットワークの守り手としての役割も担う。NTTグループの通信建設関連投資は減少傾向にあるものの、確固たる市場シェアの維持により安定した収益基盤となっており、長年培ってきた「現場力」「キャリアグレードの技術力」は同社の本源的な強みを形成し、成長分野への展開にも生かされている。
(4) マルチキャリア事業
NTTグループ以外の移動体(モバイル)通信設備を中心に建設・保守・運用を行い、高速・大容量化するモバイルネットワークを支えている。足元では5Gサービスのエリア拡大に向けた工事がほぼ一巡した。
■沿革
通信建設会社3社の経営統合により発足。M&Aなどにより事業領域の拡大を図る
同社は、通信インフラ設備の構築を中心に半世紀以上にわたり事業を展開してきた、大明(株)、(株)コミューチュア、(株)東電通の3社の経営統合により、(株)ミライト・ホールディングスとして2010年10月に発足した。同社グループの源流である3社は、いずれも戦後復興や高度経済成長期における電話需要の拡大のなか、日本電信電話公社(現 NTT)との取引を中心に成長することで、経営資源と事業基盤を拡充してきた。経営統合に至ったのは、国内通信建設市場の緩やかな縮小を見据え、事業構造改革へのシフトを加速することが目的であった。同社設立と同時に、東京証券取引所及び大阪証券取引所の市場第一部に上場した(現在は東京証券取引所プライム市場に移行)。
経営統合以降、M&Aなどにより事業領域を補完・拡大し、「総合エンジニアリング&サービス会社」への構造転換を推進してきた。2012年10月に大明が東電通と合併し、(株)ミライトに商号変更するとともに、コミューチュアが(株)ミライト・テクノロジーズに商号変更し、事業会社3社体制から2社体制へ移行した。2016年6月にはシンガポール企業のLantrovisionを子会社化し、グローバル事業を拡大した。2018年10月にTTK、2019年1月にソルコム、四国通建との経営統合を実施し、事業基盤の拡大を図った。さらに2022年3月には西武建設を子会社化し、フルバリュー型モデルへの転換に向けて拍車をかけると、2022年7月にミライト・ホールディングスを存続会社として、ミライト、ミライト・テクノロジーズと3社合併により「(株)ミライト・ワン」を発足した。併せて傘下にあるグループ会社のSI事業組織並びに5社のSI事業会社を再編し、ミライト・ワン・システムズを設立した。2023年12月には国際航業並びにその連結子会社10社を子会社化し、事業シナジーの発揮によりフルバリュー型モデルを加速する「縦の統合」の実現を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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