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過去最高益「サンリオ」は買いか?決算で見えた“強い事業”と“脆い統治”の同居=澤田聖陽

海外事業も総じて高い成長を示した。

なかでもアジアは売上高380億円で前期比62.6%増、営業利益162億円で同140.4%増と顕著な伸びを記録した。中国では玩具カテゴリを中心に人気ライセンシーの供給網拡大が進み、物販店舗も前年比31店舗増の59店舗へ拡大したことが業績を押し上げた。

欧州では、大手グローバルファストファッションブランドとの複数キャラクター展開がアパレル分野で成果を上げ、売上高は115億円と前期比85.4%増となった。

一方、営業利益は8億円で同47.1%減となったが、これは連結子会社の決算期相違に伴う連結会社間調整額14億円の計上が主因であり、事業実態の悪化を意味するものではない。

北米では売上高275億円で前期比0.4%増と伸びは限定的であったが、クロミ育成施策やデジタルカテゴリーの伸長によって営業利益は97億円で同10.0%増を確保した。

南米でも売上高33億円、営業利益8億円といずれも大幅増となり、メキシコの学用品、ブラジルのコスメなどが寄与した。

地域ごとの寄与の仕方は異なるものの、サンリオのIPが世界各市場で多様な商品・業態へ浸透していることが確認できる決算であった。

健全度を増す財務状況

財務面でも内容は良好である。

総資産は2,346億円で前期末比322億円増加し、純資産は1,559億円で同483億円増加した。

自己資本比率は66.4%と前期末から13.5ポイント上昇しており、利益成長が財務体質の改善へ直結している。

利益剰余金の積み上がりに加え、転換社債の権利行使による資本剰余金増加も純資産を押し上げた。

高収益体質を維持しながら自己資本を厚くし、将来投資の余力を確保している点は、エンターテインメント企業としてきわめて重要である。

配当方針についても、同社は連結配当性向30%以上を目安に安定的かつ継続的な配当を行うとしており、2026年3月期の年間配当は69円、2027年3月期予想は株式分割後ベースで年間16円、分割前換算では80円相当としている。

これは実質的な増配であり、成長と株主還元の両立を意識した姿勢がうかがえる。

2027年3月期も好調が続く見込み

次期見通しも強気である。

2027年3月期の会社計画は、売上高2,298億円で前期比18.4%増、営業利益895億円で同15.0%増、経常利益902億円で同13.7%増、親会社株主に帰属する当期純利益638億円で同16.8%増としている。

すでに2026年3月期で非常に高い利益水準に達しているにもかかわらず、なお二桁成長を見込む点は注目に値する。

背景には、IPポートフォリオの拡充、ゲーム事業「Sanrio Games」の立ち上げ、映像・LBE領域の拡大、北米・欧州市場でのシェア上昇など、中長期の成長施策が並行して進んでいることがある。

2026年10月には「サンリオ パーティーランド」の発売も予定されており、物販やライセンスにとどまらず、デジタル体験へ接点を広げる戦略が明確である。

今回の決算は、足元の好調さだけでなく、サンリオがIPプラットフォーマーとして次の成長段階へ移行しつつあることを示したものでもある。

Next: サンリオは買いか?ガバナンスの立て直しが急務

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