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ダイレクトマーケティングミックス:営業生産性を武器に再成長局面へ、配当利回り3%超え

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ダイレクトマーケティングミックス<7354>は、営業・マーケティング領域に特化したBPOサービスを展開する企業である。エンドユーザーとの直接的な接点を持つコミュニケーション手段を介して行う「ダイレクトマーケティング」を事業の根幹とし、エンドユーザーの「生の声」に重きを置いて事業を運営している。近年は、従来型のアウトバウンドに加え、Web発の見込み顧客に対するアプローチ、SNSによるコミュニケーション、ビデオ通話でのクロージングなど、あらゆるチャネルを駆使して新たな営業機会を創出するハイブリッド領域、新規デジタルサービスの業務運営を一括支援するDXフルフィルメント領域へと事業領域を広げている。単なるコールセンター運営会社ではなく、顧客企業の事業課題を解決し売上拡大に直接関与する営業支援会社としての性格を強めている点が特徴である。

売上全体の約9割を占めるアウトバウンド、ハイブリッド、DXフルフィルメントを注力ドメインとしており、2025年12月期時点の売上高構成比はアウトバウンド35.9%、ハイブリッド38.7%、DXフルフィルメント12.6%を占めている。アウトバウンド領域は既存の中核事業である。通信キャリアを中心とした顧客基盤を持ちながら、金融、電力・ガスなど非通信領域への展開余地もある。アウトバウンドは大きな市場成長を見込む領域というより、同社の採用力、教育力、マネジメント力を生かして着実に収益を積み上げる領域といえる。

ハイブリッド領域は、今後の成長ドライバーとして注目されており、Web広告や資料請求などで獲得した見込み顧客に対し、電話やビデオ通話によるオンライン接客、対面での面談設定、SNSでのコンタクトなど、あらゆるチャネルを駆使して成約へつなげるモデルである。見込み顧客の温度感を踏まえた接触、商談化、成約支援は、単純な問い合わせ対応よりも高い営業力が求められるため、同社の培ってきた営業生産性といった強みが発揮されやすい。

DXフルフィルメント領域では、金融決済、本人確認、モビリティなど、新規デジタルサービスの運営支援を成長領域として位置付けている。新しいデジタルサービスでは、サービス開始後にユーザー対応、本人確認、審査、問い合わせ対応、事務処理、利用促進などの対ユーザー業務に加え、従業員の採用・研修、導入店舗等への対応といった運営体制の構築・維持に関わる業務も発生する。スタートアップや新規事業部門は、プロダクト開発には強みを持っていても、こうした運用業務を大規模かつ安定的に回す体制を持たないケースが多い。同社は、営業・マーケティングからバックオフィスまでを包括的に支援することで、サービス運営に継続的に入り込むことを目指している。

同社の強みは、アウトバウンド領域で蓄積してきた営業生産性にある。一般的なコールセンター業務では席数や稼働時間に応じた受託モデルになりやすいが、同社は獲得件数、面談設定率、成約率などの成果に結び付く業務設計を得意としている。創業来一貫してアウトバウンドコールセンターを運営しており、年間発信数8,000万コール以上、アウトバウンド人員数2500人以上/日、年間採用数8,500人と群を抜いている。また、年間約30社の新規クライアントを獲得するなか、契約継続率95%以上を維持している。クライアントは、通信及びインフラや公共・通販/ECなどの既存領域に加え、直近は金融・不動産・モビリティ・メディアなどの新規領域に顧客獲得を広げている。そのほか、同じ案件でも他社より高い生産性を出せることが、価格交渉や案件獲得における競争力につながっている。人件費上昇が続くなか、単なるコスト増の価格転嫁ではなく、生産性の高さを背景にした顧客単価の引き上げが進んでいる点は重要である。

2026年12月期第1四半期業績は、売上収益6,111百万円(前年同期比2.1%増)、営業利益925百万円(同23.9%増)で着地した。同社事業は季節性の影響により第1四半期の利益率が高くなる傾向にあるが、今期の第1四半期営業利益率は15.1%(同2.7pt増)と、過去と比較しても高い水準を確保した。増益の主因は、価格交渉の進展による顧客単価の向上、高収益ドメインの構成比上昇、バックヤードコストの改善、低採算案件の見直しである。とりわけ、価格転嫁と高い生産性が利益率改善を押し上げたようで、収益性改善は一過性のコスト削減だけではなく、事業構造の改善を伴っていると見られる。通期計画は、売上収益24,000百万円(前期比5.8%増)、営業利益2,350百万円(同10.2%増)を見込んでいるが、AI関連や事業多角化に向けた成長投資も予定されており、現状は計画を据え置いている。

市場環境としても、足元ではアウトバウンド、ハイブリッド、DXフルフィルメントといった注力領域の受注が堅調に推移しており、回復局面から再成長局面へ移行しつつある。特にアウトバウンドとハイブリッド領域は、同社の営業生産性の高さが発揮されやすい領域である。人件費上昇や採用難により、顧客企業が自社で営業人員を抱えることの負担は大きくなっており、外部の高生産性な営業支援会社を活用するニーズは高まりやすい。AIの進展は、一般的な問い合わせ対応や単純なインバウンド業務は、今後AIによる自動化が進む可能性が高い。一方で、成約につながる高付加価値な営業対応や、顧客の不安を解消しながら意思決定を後押しするアウトバウンド領域では、人による対応の価値が残りやすい。同社は、AIを競合リスクとして受け止めるだけでなく、新たな市場開拓のチャンスとして捉えている。独自のAI活用サービスを導入することで、これまでコストや参入障壁の観点からアプローチが難しかったインバウンド領域での新たな市場の開拓とシェア獲得を目指す。また、オペレーター支援、会話内容の分析、教育効率化、業務設計の高度化にAIを活用することで、営業生産性をさらに高める余地がある。営業現場のデータを大量に保有していることも、AI活用における潜在的な強みとなる。

中長期戦略では、「DmMiX Vision 500」として、2030年12月期に売上収益500億円、営業利益50億円を目標に掲げている。2026年12月期会社計画は売上収益240億円、営業利益23.5億円であり、2030年に向けて売上・利益ともに倍増以上を目指す計画である。成長ドライバーは、既存顧客の深耕、新規業種の開拓、M&Aの3つである。ハイブリッド化やDXフルフィルメント事業が領域拡大を想定しており、特にハイブリッド(売上収益CAGR16.9%)は販売チャネルの統合、コールセンターのプロフィット化の背景から最も成長を期待するドメインとなっている。そのほか、さらなる事業領域の拡大を見据え、M&Aの機会を常に機動的に模索しており、同社が持っていない強みを補完できるBPO関連企業や既存事業と親和性の高い領域でサービス幅を広げるM&Aであれば、営業シナジーも期待できよう。昨年はオンラインFP相談事業を買収しており、足元では高収益業務として業績に貢献している。

株主還元については、2026年12月期の年間配当予想を9.5円としている。2025年12月期の年間7.0円から増配を計画しており、業績回復に応じて還元姿勢も改善している。また、2026年には自己株式取得も実施しており、資本効率を意識した経営姿勢が見られる。中長期的には、2030年12月期に配当性向40%超、ROE15〜20%水準を目指す方針を掲げており、成長投資、M&A、株主還元のバランスを取りながら、利益成長と資本効率向上を両立できるかが今後の評価ポイントである。

総じて、同社は一時的な業績停滞局面を脱し、営業生産性を武器に再成長を目指す段階に入っている。特に、価格転嫁が進んでいること、低採算案件の見直しが進んでいること、高収益ドメインの構成比が高まっていることは、収益基盤の質的改善を示している。今後は、通信キャリア依存からの脱却、非通信領域の開拓、M&Aを含む事業領域拡大、AI活用による生産性向上が重要なテーマとなる。足元の第1四半期決算が第一歩として順調な滑り出しと評価できるなか、PBR1倍台前後・PER8倍台・配当利回り3%超えと割安感が残っており、今後の同社の動向に注目しておきたい。

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