■CRGホールディングス<7041>の事業概要
(c) オシエテ
(株)オシエテは、通訳・翻訳分野において、誰でも手軽に利用できるオンラインサービスを提供している。最先端テクノロジーと専門家の知見、世界各地のパートナーシップを組み合わせることで、企業の国際化を支えるビジネスインフラの構築を目指しており、36言語に対応した幅広いサービス展開が特徴である。
OCiETe通訳では企業と通訳者のマッチングプラットフォームを提供し、独自データベースを活用して案件に最適な通訳者をアサインする仕組みを整備している。1時間から依頼可能という柔軟性は、利用企業にとって利便性が高い。また、OCiETe翻訳では、SNS投稿やホームページの翻訳から、字幕・吹き替え・ナレーションまで多様なニーズに対応し、専門性の高い翻訳を提供している。サービスはオンラインで完結する設計となっており、発注から通訳・翻訳の実施に至るまでを一貫してオンライン上で進行できる。そのため、従来型サービスと比較して中間コストを大幅に削減できる点が、導入企業側のメリットとなっている。ミスマッチ防止のための取り組みとして、登録者の自己紹介動画やスキル・経歴の閲覧機能を備えているほか、Web面接によるスキルチェックを実施することで、一定水準以上の品質を担保している。さらに、セキュリティリスクへの対策として、三井住友海上火災保険(株)との連携による「サイバープロテクター」を導入。通訳者の過失による情報漏洩などで損害賠償が発生した場合、一定額まで補償される。
(2) 製造関連事業
製造関連事業では、取引先メーカー及びその関連会社からのペット関連製品の製造請負・製造・物流・倉庫業務など製造業に関連するサービス提供のほか、培われてきたノウハウを活かしたその他製品の製造請負を展開している。
(a) プロテクス
プロテクスは、製造と物流の現場を一体で支援する事業モデルを特徴とし、「メーカーにより近く」という発想を軸に製造請負事業を展開している。工場内における設備操作や原料・包装資材の供給から、ライン作業、梱包、さらには品質検査に至るまで、多岐にわたる工程を包括的に請け負うことで、製造現場の生産性確保と品質向上を同時に実現している点が強みである。単なる作業の代行にとどまらず、クライアントの生産性向上に直結する改善活動の提案を積極的に実施している点が特徴である。さらに、工場内物流においても、原料・資材の入荷・格納から、製品の工場内搬送、積み込みまで正確かつ迅速なオペレーションを提供し、製造工程と物流工程を一体運営することにより、顧客企業の効率最大化に寄与している。倉庫運営では、保管貨物の入出庫や在庫管理を一括して担うことで、原料・資材をジャストインタイムで供給できる体制を整えており、製造プロセス全体の安定化を下支えする役割を果たしている。
また、配車・輸送・事務業務など関連業務にも柔軟に対応することで、顧客の現場ニーズに即した総合支援が可能となっている。加えて、資格保有者の採用優遇と資格取得支援制度を設けており、フォークリフトや玉掛け、クレーンなどの資格取得費用を全額負担することで就労者の技能向上と定着を促進している点は、現場力の底上げにつながる取り組みと評価できる。
さらに企業のグローバル化を背景に、アジア地域への事業展開を視野に入れた取り組みを進めている。ベトナム人やインドネシア人スタッフの採用や専門ビザ取得、技能実習生の受入れなど海外展開の基盤形成に着手しており、日本の高品質な製造技術を武器に海外生産拠点への人材供給を可能とする体制構築を進めている点は、中長期的な成長機会の拡大につながると考えられる。製造業務の一括請負に求められる専門性にも対応し、国内外のスタッフへ高水準な教育を施すことで、品質確保とサービス水準の均質化を実現している。
2. 市場環境
同社事業を取り巻く市場環境は、日本の人口動態の変化を背景に、中長期的に構造的な人手不足が常態化する局面にある。少子高齢化の進行に伴い生産年齢人口は減少基調をたどっており、労働需給のひっ迫を受けて賃金水準も上昇傾向にある。この結果、企業にとって人材の確保は最優先の経営課題となっており、外部の人材サービスへの依存度は今後も高まらざるを得ない構図にある。足元の有効求人倍率や完全失業率の動向からは、人材需要が回復していることが示されているが、これは単なる景気循環的な回復にとどまらず、中長期的には構造的な人手不足として継続する見通しである。こうした背景から、働き方の多様化や業務効率化への要請が一段と強まっており、外部環境の変化に柔軟に対応できる人材ビジネスの重要性は、今後さらに増していくと考えられる。
人材ビジネス関連市場においては、コロナ禍により一時的に人材需要が減少したものの、構造的な人手不足という基調に支えられ、今後は堅調に推移していくものと予測されている。人材派遣業は比較的安定した市場環境が見込まれることに加え、人材紹介サービスでは高い成長率を維持すると見られている。職種別有効求人倍率に目を向けると、労働集約型の業界ほどマージン率が低く、収益性の改善が進みにくい傾向が確認される。今後は、こうした労働集約型業界において自動化が進展するとともに、高スキル人材に対する需要が一段と高まることが想定され、人材サービス事業者には付加価値の高い領域への対応力が求められる。
テレマーケティング関連市場は、新型コロナウイルス感染症関連のスポット案件が利益率の高い分野として寄与したことで、2020年度以降に市場が急拡大した。しかし、2023年5月に感染症の法的な位置付けが「5類」へ移行したことに伴い、これまで市場をけん引していた特需案件が剥落し、派遣会社に寄せられるコールセンター案件は大きく減少することとなった。これにより、同市場は一時的な急拡大局面から平常時の需給環境へと移行しており、今後は一過性の需要に頼らない、安定的な需要を前提とした堅実な事業運営が求められる局面に入っている。
また、障がい者雇用関連分野は、人材市場のなかでも成長性と社会的意義の双方を併せ持つ領域である。民間企業における障がい者雇用は拡大を続けており、CSRの観点からも注目が集まっている。障害者雇用促進法に基づく法定雇用率は段階的に引き上げられており、2018年4月に2.2%へ引き上げられた後、2021年4月には2.3%となった。さらに2024年4月には2.5%となり、2026年7月には2.7%へと引き上げが施行された。法定雇用率を下回る企業には不足人数1人当たり月額5万円の納付金が求められるため、障がい者の雇用状況は14年連続で過去最高を更新しており、関連サービスへの需要も着実に拡大している。
こうした環境を受け、人材大手各社はグループ会社を通じて障がい者雇用サービスを展開しており、特例子会社による多様な自立支援の取り組みや、企業向けの人材紹介、コンサルティングなどを提供している。加えて、障がい者就労支援サービスや専用ポータルサイトの運営など、市場規模の拡大に伴い多様なサービスが誕生している。同社を取り巻く市場環境は、このように人手不足という構造的課題を基軸に、分野ごとに異なる成長フェーズが混在しており、環境変化への対応力と事業ポートフォリオの柔軟性が、今後の競争力を左右すると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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