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スマサポ:岩谷産業から業務譲受&提携、賃貸から戸建て領域進出の意味合いは大きい

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スマサポ<9342>は、岩谷産業および岩谷設備システムが展開する「イワタニハウス」ブランドの戸建住宅向けアフターメンテナンス・リフォーム事業の一部を譲り受けるとともに、岩谷産業と業務提携契約を締結した。譲受事業は既存住宅の修繕や保守、建設工事請負が対象で、長年蓄積された顧客基盤や施工履歴、メンテナンスノウハウを取り込むことで、同社の入居者アプリ「totono」などデジタルサービスとの相乗効果を狙う。さらに、岩谷産業が提供するLPガスやウォーターサーバーなど生活インフラサービスの提案を通じ、双方の事業拡大を目指す。譲受価格は守秘義務により非公表で、決済は現金。事業譲受日は2026年9月1日の予定で、2026年9月期業績への影響は現時点では軽微と見込まれているが、賃貸だけでなく戸建ても事業領域となること、全国の工事業者ネットワークへリーチできるようになる意味合いは大きい。

スマサポは「不動産管理会社」と「賃貸入居者」の一方向のコミュニケーションをデジタルの力でスムーズにすべく、安定的な収益基盤である「スマサポサンキューコール」をもとに、「totono」で大きな飛躍を目指している。

「スマサポサンキューコール」は、不動産管理会社の先にいる入居者に対して生活サポートを提供するサービス。入居者に新生活をスタートするにあたって必要不可欠となる付帯商品の販売を行っている。具体的には、インターネット回線やウォーターサーバーなどを入居者に案内し、商品を提供する企業から顧客紹介料を得るビジネスモデルとなっている。

「totono」は入居者と不動産管理会社のコミュニケーションを円滑にし、入居中に快適なサービスを届けるプラットフォーム。電話が主になっている不動産管理会社と入居者のアナログなコミュニケーションを「totono」でデジタル化した。不動産管理会社は業務コストの削減ができ、入居者もアプリの中で必要な情報が網羅できる。不動産管理会社に月額のサブスクモデルで提供しており、チャットなどの問い合わせ代行などBPOとしてのアップセルも強化している。その他の機能としては契約情報の連携、スマートロックなどIoT機器連携なども備えている。2025年9月期末のアプリダウンロード数は、32.9万、今期末には46.6万ダウロードを見込む。

「totono」はリリース以来、不動産管理会社から毎月サービス利用料を収受するSaaSモデルで提供しており、入居者側は無償でアプリをダウンロードし、掲示板・チャット・クレーム対応のほか、契約更新などの機能が利用できる。スマサポはこれを「totono 1.0」と呼ぶ。

スマサポは「totono 2.0」へとビジネスモデルの変革を進めている。不動産管理会社は、物件の獲得が収益に直結するため少ないリソースで物件を獲得する必要があるが、物件の獲得に伴って管理する物件も増えることに加えて、物件は徐々に老朽化していくため、入居者からの問い合わせやトラブル・クレーム対応は増える一方である。「totono 2.0」では、「totono」は単なる不動産管理会社と入居者のコミュニケーションの窓口としてのITサービスに留まらず、不動産管理会社の入居者に関する業務全般をアウトソーシングするサービスを付加し、「アウトソーシング×SaaSモデル」=「BPaaS※」としてのサービス提供を目指している。入居者とのチャットのやり取りなどの対応業務、入居者サポートの代行業務、問い合わせ内容のデータ分析業務などを同社が巻き取り、不動産管理会社がコアビジネスに集中できる環境を提供する。

※ Business Process as a Serviceの略であり、業務プロセスをクラウド上で提供するアウトソーシングサービス。

料金面については不動産管理会社から毎月サービス利用料を収受する流れは変わらないが、利用料の課金体系が変わる。「totono 1.0」では、管理戸数などにより個社ごとに算出した固定金額を収受していたのに対し、「totono 2.0」では入居者のアプリのダウンロード(以下、DL)数に応じて利用料を支払う。すなわち「totono」の売上高は、DL数×単価により計上される。

Phase2.0では、入居者のアプリDL数に応じて売上高が計上されるため、新規導入時には不動産管理会社の管理戸数に対するDL数の比率が低く、1社当たりの利用料の収受金額はPhase1.0と比較して一時的に低くなる可能性がある。しかし、「totono」のDLを促進する施策によって同比率が高まっていけば、「totono 1.0」より多額の収受金額が見込まれる。また、「totono」は入居者側の日々の生活に密接に結びついており、不動産管理会社側の業務効率化にも重要な役割を果たしていることから高い顧客エンゲージメントが見込まれるため、解約率は低水準で推移するだろう。

足もとでは「totono 1.0」から「totono 2.0」への戦略的な移行により、業績は踊り場となっている。2026年9月期第2四半期(中間期)決算は、売上高で前年同期比3.9%減の1,368百万円、営業利益が同47.1%減の60百万円となっているものの、順調に移行が進んでいることから早晩増収に転じよう。

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