■事業概要
3. エネルギー&ソリューションズ事業
サーラコーポレーション<2734>の同事業は、愛知県東部・静岡県西部地域を中心に、都市ガス・LPガス・電気などのエネルギー事業やリフォーム事業などを展開している。エネルギー事業においては、従来の安定的なエネルギー供給に加えて、カーボンニュートラルへの対応により、顧客の豊かな暮らしや事業課題解決の実現を目指す。同社の祖業で、約54万件(2026年5月末)の顧客基盤があり、都市ガス供給エリアでは2世帯に1世帯が同社の顧客である。リフォーム事業は相対的に規模の小さい特定部位のリフォームを行っており(ハウジング事業では総合的なリフォームを行う)、110億円の規模だが、今後は安江工務店との融合を進める。また、BtoB向けのエネルギー供給にも力を入れており、地域に自動車など製造業の産業集積があることなどから、大口の顧客を多数抱える。
近年の業績は、エネルギー原価の変動(販売価格高騰時は需要減の要因)や気候の影響などを受けたものの、顧客数の増加に伴い売上高・利益ともに安定成長している。2026年11月期中間期は、売上高で前年同期比4.5%減の64,960百万円、営業利益で同7.1%増の5,442百万円となった。売上高は、ガス販売量の減少に加え、原料費調整制度に基づき都市ガスの販売価格を下方調整したため減収となった。利益面では、暮らしのリフォームとビジネス向けのカーボンニュートラル化や生産性向上に関連する器具や工事の販売が増加し、付加価値の高い事業の構成比が上がり、営業利益が増加した。
4. エンジニアリング&メンテナンス事業
同事業は、安全・安心、豊かで快適な空間づくりを目的として、オフィスビルや工場、病院、学校、マンション、公園、道路、橋、港湾施設など高度な技術が求められる都市インフラの建設及び修繕を行っている。加えて、省エネ、創エネ、カーボンオフセットなど脱炭素に寄与する設備、メンテナンスの提案により、顧客の事業活動におけるカーボンニュートラルへ貢献している。同事業の売上構成比は約4割が土木部門で、建築部門、メンテナンス部門、設備工事部門がそれぞれ約2割(2025年11月期)となっている。歴史的に港湾土木に強みがあり、また空調設備、給排水衛生設備、エネルギー関連設備などの設備工事にも強みを持っている。
近年の業績は売上・利益ともに安定して成長している。特に利益面はエネルギー&ソリューションズ事業に匹敵し、営業利益率は9.8%(2025年11月期)と相対的に高く、同社の収益向上をけん引する。近年はエネルギー事業のBtoB顧客への営業を強化し、シナジー効果が表れてきた。2026年11月期中間期は、売上高で前年同期比13.5%増の19,526百万円、営業利益で同11.1%増の2,189百万円となった。設備工事、建築及びメンテナンスの各部門において大型案件の工事が順調に推移し、増収となった。利益面は、完成工事高の増加に加え、プロセス管理の継続的な改善に取り組んだことにより、2ケタ増益となった。
5. ハウジング事業
同事業は、住みごこちにこだわった戸建住宅の販売や、住宅用建築資材・設備の販売など、住まいづくりに関する総合的なサービスを展開している。注文住宅「SINKA(シンカ)」シリーズでは、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に対応した省エネ・環境性能に優れた住まいを開発・提供している。ZEH比率は68%に達する。2025年1月には、断熱等性能等級7(最高等級)に対応した新商品「SINKA KIWAMI(シンカ キワミ)」の販売を開始した。家庭用エアコン1台で建物全体を快適な温度にコントロールする全館空調に加え、湿度を40~60%に保つ調湿システムを搭載し、年間の光熱費を一般的な個別空調と比較して約40%安く抑えられる、競争力ある商品である。
近年の業績は売上高が安定して推移し、営業利益は変動あるものの通期で黒字を継続してきた。2026年11月期中間期は、売上高で前年同期比1.2%増の20,654百万円、営業利益で123百万円(前年同期は56百万円の損失)となった。住宅販売部門は「SINKA」シリーズが受注伸長したのに加え、新築着工棟数が減少するなかで住宅部資材加工・販売部門は前年同期並みの受注を確保し、増収増益となった。
6. プロパティ事業
愛知県東部・静岡県西部地域に密着して、不動産、ホスピタリティ(飲食店、ホテル運営)、スポーツ(スポーツクラブ運営)に関する事業を展開している。不動産部門の売上高が約6割を占め、ホスピタリティ部門が約3割、残り約1割がスポーツ部門である(2025年11月期)。不動産部門では、グループの顧客基盤やネットワークを最大限に生かし、顧客ニーズに沿った総合的かつ最適なソリューションを提案している。
コロナ禍で損失計上した時期もあったが、2023年11月期以降は利益が回復し、2025年11月期の営業利益率は5.5%となっている。2026年11月期中間期は、売上高で前年同期比1.0%減の3,247百万円、営業利益で285百万円(前年同期は3百万円の損失)となった。売上高では、前期の業績に前々期の分譲マンション販売実績が含まれていたため減収となった。利益面は、自社保有資産の売却や流通物件の買取再販が進んだことに加え、新規物件の取得に伴う賃貸収入が伸長したため大幅な増収となった。
7. カーライフサポート事業
フォルクスワーゲンとアウディの輸入自動車の正規販売店として、愛知・静岡・東京に13店舗を展開する(同ブランドを扱う法人として販売台数全国トップレベル)。新車及び中古車の販売・サービス部門が一体となった事業運営により、顧客ニーズに対して最適な提案を行うとともに、保険やファイナンス、付帯サービスも展開し、事業収益力の強化を図っている。新車と中古車をバランス良く販売する点も特徴である。
近年の業績は、売上高が安定成長傾向にあるが、サプライチェーンの混乱などの影響も受けている。2026年11月期中間期は、売上高で前年同期比8.3%減の8,263百万円、営業損失で316百万円(前年同期は693百万円の損失)となった。売上高は、前年同期に実施した中古車在庫処分の反動減に伴い減少した。利益面では、在庫処分の影響の解消に加え、フォルクスワーゲン中古車部門とアウディ新車部門の販売台数増加、サービス部門の業績向上などにより収益性が改善した。
8. アニマルヘルスケア事業
本州各地域及び北海道に事業所を展開し、全国規模のサービスネットワークを構築して動物用医薬品等の卸売販売を行う。畜産部門売上構成が5割強、ペット部門(動物病院向け)が5割弱であり、業界内ではペット部門に強みがある。現在業界2位クラスのシェアであるが、物流・サプライチェーンの強化、営業力の強化などを図り、2030年に業界1位を目指している。
近年の業績は売上高が安定的に成長してきたが(2022年11月期に売上高が減少しているのは、収益認識会計基準等の適用に伴い4,789百万円の減少があったため)、2025年11月期は、減収、営業損失であった。これは、ペット関連部門において仕入先の商流変更により療法食の一部の取り扱いがなくなったこと、倉庫集約による物流網の効率化や新たな営業モデルへの転換に向けた改革の費用が先行したことが主因である。2026年11月期中間期は、売上高で前年同期比1.1%増の12,512百万円、営業損失で190百万円(前年同期は83百万円の損失)となった。ペット関連部門において受注が堅調に推移したものの、全体に価格競争の激化により利益率が低下した。なお、通期では構造改革の効果の顕在化による、営業黒字への回復を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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