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コロナ不況で地方銀行がヤバい? 宿泊・飲食は壊滅的も、好調を維持する業種とは=栫井駿介

先々週で株価が上昇して一段落と思ったら、先週は再び大きく下落しました。そしてきょう4月6日の日経平均株価終値は前週末比+756円の大幅続伸で1万8,576円まで戻しています。このような動きを見るにつけ、いかに上がったときに慌てて買うことが無用かを思い知らされます。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

恐慌は金融を介して発生する。宿泊・飲食の先にある危険信号

アメリカでの感染拡大はとどまるところを知らず、街はロックダウンされたままです。

各国政府は経済支援のためあらゆる政策を模索していますが、感染拡大が止まらないことにはどうしようもありません。全体感としては先が全く見えない状況です。

そんな中、3月調査の日銀短観が公表されました。

企業の景況感を示す業況判断DIが製造業(大企業)でマイナス8となり、7年ぶりにマイナスに転じました。すでに明らかなことですが、経済は完全に不況入りしています。

特にひどいのが宿泊・飲食サービス業です。DIはマイナス59を記録し、壊滅的な状況を示しています。外国人観光客の激減に加え、国内でも外出・外食を避けるようになったことから閑古鳥が鳴いています。

これらの中から倒産してしまう企業は少なくないでしょう。

新型コロナショックを受け、これから倒産する企業は過去に例を見ないほど増える可能性があります。そして、企業の倒産は銀行の融資を焦げ付かせます。

本来、銀行は倒産の危険がある貸付に対しては引当金を積んでいるのですが、今回は全く予期しないところからも倒産が出てくる可能性があります。

そうなると銀行は慌てて融資を引き上げようとするので、ギリギリのところはとどめを刺され、倒産の連鎖が拡大してしまいます。

このように「金融」を介して恐慌は発生するのです。

地方銀行がもっとも危険?

特に危険なのが地域金融機関です。

10年前にリーマン・ショックの危機を乗り越えるため「金融円滑化法(モラトリアム法)」が行われました。これは、融資や返済条件の緩和を求めた他、10年以内に経営改善が実現するような計画を作れば返済条件を変えても不良債権として扱わなくてよいとされました。

これによって、銀行の融資姿勢はかなり緩んだと考えられます。

経営計画さえあれば不良債権に分類しなくて良いのですから、低金利の中、貸出件数を増やすことが目の前の収益拡大につながります。その結果、金融機関には「見えない不良債権」が蓄積している可能性があるのです。

したがって、私は宿泊・飲食はもとより、地方銀行セクターに対しても厳しい見方をしています。

メガバンクはすでに中小企業への融資からはかなり手を引いていましたから、影響は限定的と考えていますが、それでも一時的なショックは逃れられないかもしれません。

Next: しかし、厳しい言い方をすれば、私は倒産が経済にとって必要なものだと――

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