fbpx

なぜディズニープラスの会員急増?Netflix超えは時間の問題か。アプローチが異なる両社のグローバル展開=シバタナオキ

「Disney+」の成長が止まりせん。サービス開始直後から急成長を遂げ、会員数は早くも2億人が視野に入るようになりました。Netflixとの差はどんどん埋まっています。成長が鈍化しているNetflixはどう戦うのでしょうか?(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

(筆者注:この記事はカネコシンジさん、masmさんとの共同制作です。)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2021年10月12日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Q. Disney+の会員数が1億超え、成長が鈍化するNetflixの次なる打ち手は?

<ヒント>
●●展開、特に●●への注力が大きなポイント。一方、ディズニーも●●にて、Disney+やその派生のサービスのリリースを控えている。

今年の3月に、ディズニーの公式動画配信サービス「Disney+」の会員数が1億人を突破したという記事を公開しており、大変好評でした。

【関連】「Disney+」わずか1年半で会員数1億人突破!Netflixを超える日はいつ? 傘下のHulu・ESPN+も絶好調、今後の伸び代は=シバタナオキ

今回はその続編として、改めて両サービスを比較していきます。

前回の記事では、ディズニーの動画配信サービスにフォーカスし、これからの会員数の成長曲線をNetflixと比較しながら予測していきました。

今回の記事では、両社の直近(2021年4-6月期)の決算からそれぞれの成長率の変化などを確認していきながら、これからの具体的な成長戦略について考察していきます。

特にNetflixは、ディズニーの動画配信サービスの比べ成長率が鈍化傾向にあるため、Netflixの具体的な打ち手を中心に考察していき、比較としてディズニーの成長戦略についても取り上げていきます。

ディズニーの決算概況

001

まず、ウォルト・ディズニー社の2021年Q3(2021年4-6月期)の決算を見ていきます。

売上は$17.0B(約1.7兆円)、YoY(前年同期比)+45%と、大きく成長しています。純利益は923M(約923億円)で、前年同期の-$4.7B(▲約4,700億円)から大幅に回復し、黒字化しています。

ディズニーの売上比率、および会員数

002

次に、ディズニーの売上構成を見てみましょう。

ディズニーの事業は大きく2つあり、

・メディア事業(Disney Media and Entertainment Distribution)
・パーク事業(Disney Parks, Experiences and Products)

このように分かれています。

全体の売上$17.0B(約1.7兆円)に対して、メディア事業は$12.7B(約1.27兆円)で全体の74.5%の売上を占めており、パーク事業は$4.3B(約0.43兆円)で同じく25.5%の売上構成比となっています。

メディア事業はYoY+18%、パーク事業はYoY+4倍以上となっていますが、前年同期である2020年Q3は世界的にコロナ禍の真っ只中で、パーク事業は大打撃を受けていた時期であり、そこから回復してきているという見方が正しいと考えられます。

実際に、前々年同期(2019年Q3)のパーク事業は売上が$6.6B(約0.66兆円)となっており、今期はまだ前々年(コロナ禍以前)の水準に戻り切っていないことから、回復過程であることがわかります。

そういった事情を考慮しても、売上構成比はメディア事業が大半を占めており、ディズニーと聞くとディズニーランドなどのテーマパークが思い浮かべられるかもしれませんが、実態としては「メディア事業の会社」と言って良いでしょう。

Next: ディズニーは「メディア事業」の会社。Netflixを追い抜く勢い

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー