2026年8月21日に発表された、岡部株式会社2026年12月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
本日のアジェンダ
河瀬博英氏(以下、河瀬):岡部株式会社、代表取締役社長執行役員の河瀬です。どうぞよろしくお願いします。本日はみなさま、大変お忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。また、日頃より岡部株式会社にご支援を賜り、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
それでは、岡部株式会社の2026年12月期第2四半期決算説明会を開催します。
本日は、スライドのとおり、大きく6つの項目に沿って進めていきます。まず私から、当社の歩み、ビジネスモデル、中期経営計画の進捗についてご説明します。その後、2026年度第2四半期の業績概況については、管理部門担当取締役常務執行役員の江川がご説明します。そして最後に、再び私から、通期見通し、株主還元、投資計画についてご説明します。
岡部の歩み

当社の会社概要についてご説明します。スライドの年表には、当社の100年以上にわたる主な歩みが示されています。
当社は1917年の創業以来、1世紀以上にわたり、建設資材メーカーとして日本のインフラ構築を支えてきました。
当社の強みは、単に資材を製造するだけでなく、建設現場の常識を変える開発力にあります。1951年には、コンクリート構造物の施工に不可欠な「フォームタイ工法」を開発しました。続いて、1975年にはのり面を保護し、土砂崩れを防止する「フリーフレーム工法」を、1986年には鉄骨の柱と基礎を固定し耐震性を向上させる「ベースパック柱脚工法」をそれぞれ開発しています。
これらの工法は、発売から数十年を経た現在でも標準的な工法として多数の現場に採用され、暮らしの安全・安心を支えています。
また、当社の取り組みは国内の建設分野にとどまらず、2002年の海外建材事業への参入を契機に、北米を中心としたグローバル展開を本格化させました。さらに、豊かな海を守る魚礁事業や産業機械分野など、これまでに培ってきた技術力を多角的に展開し、盤石な経営基盤を築いてきました。
そして、2025年には、70年以上変わらなかった型枠工法に変革をもたらし、現場の深刻な人手不足を解消する画期的な「型枠一本締め工法」を発売しました。
社会課題解決を支える5つの主要製品

当社の成長を支える5つの主要製品をご紹介します。これらは、現代の社会課題を解決するために生み出されました。
まず、スライド左上に記載の防災・安全分野です。当社の主力製品である「ベースパック柱脚工法」は、累計採用数が30万棟を超え、過去の大地震においても柱脚被害ゼロの実績を重ね、建物と人命を足元から守り続けています。
次に、スライド左下に記載の省力化分野です。建設現場の人手不足は深刻です。現場の作業時間を短縮し、負担を劇的に軽減する「OSリング」や「型枠一本締め工法」を展開しています。
そして、スライド右側に記載の防災・環境および海洋保全分野です。土砂崩れを防止する「フリーフレーム工法」や、豊かな海を育む魚礁製品など、「安全・安心の提供を通じて社会に貢献する」という経営理念の下で、持続可能な社会インフラの構築に貢献しています。
事業別・製品別 売上高・営業利益構成比 (2025年度)

スライドは、当社の事業構造をグラフで示したものです。こちらは2025年度の実績です。スライド左側の売上高グラフが示すように、当社の柱は売上の約9割を占める建設事業です。内訳では、耐震の要である構造機材が約3割で最も大きく、土木や仮設型枠がそれに続く、バランスの取れた構成となっています。
また、海外売上比率が3割にまで成長している点も、当社の大きな特徴です。
スライド右側の利益構成を見ると、建設事業が約8割を占め、利益の大部分を稼ぎ出しています。一方で、産業機械製品や魚礁といった多角化事業も2割を占め、収益の重要な柱となっています。
中期経営計画「OX-2026」の進捗について

中期経営計画「OX-2026」の進捗として、本日はスライド右下に記載された4つのトピックスについてご説明します。
OX-2026の概要

スライドは「OX-2026」の概要図です。トピックスに入る前に、「OX-2026」の位置づけを簡潔にご説明します。
OX-2026の位置づけ

現在進めている「OX-2026」は、2040年に営業利益150億円を達成するという大きな目標に向けた極めて重要な変革期間です。現在、不採算事業の整理や米国事業の成長といった戦略が着実に成果として表れ始めています。
この手応えを踏まえ、2026年度の利益目標を51億5,000万円に上方修正しました。「okabe コーポレートビジョン2040」の実現に向けて、各事業が着実に進展しています。
目標達成とその先のさらなる飛躍に向けた基盤が整いつつある状況です。
それでは、この成長をさらに加速させるための4つのトピックスについて、具体的にご説明します。
カスタマー・セントリック:BRシアコネ量産製造方法の確立

1つ目に、中期経営計画に掲げるカスタマー・セントリックの実践事例として、BRシアコネ量産製造方法の確立についてご説明します。
「BRシアコネ」は鉄骨梁とコンクリート床をつなぐ部材です。従来の工法では現場で大量の溶接作業が必要でしたが、本製品はあらかじめ工場で取り付けることで、現場での火気作業ゼロを実現します。
昨今の職人不足に加え、火災リスクの低減による現場の安全性の向上、工期短縮、さらに現場のCO2削減というゼネコンの強いニーズに応えています。
現在、当社では設計段階から自社製品を採用していただくスペックイン活動を推進しており、一度設計に織り込まれることで、継続的かつ広範囲な案件の受注につながる体制を構築しています。
また、当社は「BRシアコネ」の需要を確実に取り込み、利益を最大化するため、製造プロセスを抜本的に見直しました。
本年3月には、従来の個別加工から順送プレス加工へと製造方法を変更し、新たに大臣認定を取得した上で上市しました。これにより、生産能力は従来の20倍へと大幅に拡大しました。今後はゼネコン各社との連携をさらに深め、市場シェアの拡大と利益成長を図っていきます。
環境省「ブルーカーボン大規模実証PJ」の事業主体に採択

2つ目に、当社の成長領域における重要なトピックスとして、環境省の「ブルーカーボン等の吸収源対策に係る大規模実証プロジェクト」採択についてご説明します。
当社が30年間にわたり培ってきた海洋研究の蓄積と、独自開発した「多段式海藻養殖技術」が高く評価され、環境省プロジェクトの主体として実証試験を開始することとなりました。
今回の実証試験では、島根県海士町および宮城県南三陸町において、地元漁協と深く連携し、社会実装を目指します。
当社は1992年に研究開発を開始して以来、国内最大規模を誇る応用藻類学研究所を拠点に、藻場の造成や保全技術の開発を重ねてきました。この30年間の確かな技術基盤が、当社の大きな強みです。
当社が独自に開発した「多段式海藻養殖技術」は、従来の平面的な養殖とは異なり、海面から水深約18メートルまでの空間を利用し、上段・中段・下段の3層で立体的に海藻を育成します。
これにより、同じ海面領域でありながら、単位面積当たりのCO2固定および吸収量を飛躍的に効率化することが可能となります。
さらに、将来的な事業化モデルとして、CO2固定化に伴うブルーカーボンクレジットの創出・活用をはじめ、育成した海藻を建材や資材などとして利活用する収益化など、多角的なビジネスモデルの構築を目指します。当社は本実証試験を通じて、技術の商用化を推進し、将来の収益を牽引する新たな柱へと育てていきます。
OCMグループ売上高推移

3つ目のトピックスとして、当社の海外事業の中核を担うOCMグループの状況についてご説明します。
2002年のOCM設立以来、鉄筋を定位置に固定するための「鋼製バーサポート」や「プラスチックスペーサー」といった建設・土木用コンクリートアクセサリー製品を中心に、北米市場で強固な顧客基盤を拡大してきました。
当社は北米での需要拡大に対応するため、2018年シカゴに新倉庫を設置したことを皮切りに、2021年に製造子会社を設立しました。さらに、2024年には新工場を稼働させ、2025年にはシカゴの新倉庫を拡張するなど、積極的かつ継続的に設備投資を実施しています。
このような体制強化の結果、スライドのグラフのとおり、右肩上がりの継続的な売上成長を実現しています。
OCMグループ成長戦略(OCM設立30周年目標)

OCMグループの中長期的な成長戦略についてご説明します。設立30周年にあたる2032年に向けて、売上高2億ドルおよび「米国No.1コンクリートアクセサリー・メーカー」という高い目標を掲げています。この目標を達成するため、4つの成長戦略を推進します。
1つ目は、土台となる既存事業の強化です。当社の強みである全米販売ネットワークを最大限活用するとともに、物流倉庫の効率化を通じて、事業基盤のさらなる盤石化を図ります。
2つ目は、メイド・イン・USA製品の展開です。製造子会社の生産改善を通じて現地生産比率を高め、新規ビジネスを獲得します。
3つ目は、エンジニアリングの強化です。高付加価値な製品の導入とエンジニアリングサービスにより、新たな市場領域を開拓します。
4つ目は、アライアンス・パートナーシップです。外部提携を強化し、短期間での商品ラインナップの拡充を図ります。
強固な既存事業に加え、現地生産および提携を通じた非連続的な成長を掛け合わせることで、米国における圧倒的なポジションの確立を目指していきます。
国内全生産拠点で使用電力の再エネ100%を達成

4つ目のトピックスとして、脱炭素社会の実現に向けた取り組みについてご説明します。当社は2030年度までに、国内拠点で使用する電力の80パーセントを再生可能エネルギー由来とすることを目標としています。
本年4月に、久喜工場の使用電力を再生可能エネルギー由来に切り替えたことで、久喜・茨城・京都の国内3生産工場すべてで、使用電力の100パーセント再エネ化を達成しました。使用電力量の大きい3工場での達成は、2030年度目標に向けた重要な進捗です。
各工場では、太陽光発電の導入や電動フォークリフトへの切り替えを進めています。特に茨城工場では、溶断用ガスをプロパンガスから水素ガスに切り替えるなど、先進的な取り組みを推進しており、今後は同工場をモデルケースとして国内外の生産拠点に展開する予定です。
さらに、当社グループは、2035年までにGHG排出量をScope 1とScope 2で63パーセント、Scope 3で37.5パーセント削減するというSBT認定目標を掲げています。
2030年度の再生可能エネルギー目標を着実に達成し、その先の2035年度の目標に向けて、グループ全体で脱炭素化を推進することで、企業価値の向上に努めていきます。
着工建築物 床面積・工事費予定額 推移

江川寿紀氏(以下、江川):取締役常務執行役員管理本部長の江川です。私からは、2026年12月期第2四半期の業績概況についてご説明します。
スライドは、1990年以降の着工床面積と工事費予定額の推移を示しています。赤色の棒グラフで示されているとおり、着工床面積は中長期的な減少傾向が続いており、現在も低水準で推移しています。
工事費予定額については、黒色の折れ線グラフで示されているように、リーマン・ショック後の2009年の最低値から1.5倍の水準まで着実に回復しています。これは、建築資材価格の高騰や人手不足に伴う労務費の上昇によって、建築単価自体が上昇していることを示しています。
当社では、この工事量の伸び悩みと建築単価の上昇という構造変化を踏まえ、現場の省力化に対応する高付加価値製品の展開や、適切な価格転嫁を推進することで、着実に収益性を確保していきます。
建設業の出来高と手持ち工事高 推移

スライドのグラフは、2011年以降の手持ち工事高と出来高の推移を示したものです。スライドに赤色の実線で示している「手持ち工事高」、すなわちゼネコン各社が抱える工事残高は、右肩上がりで拡大を続けています。一方、黒色の破線で示している実際の施工状況を表す「出来高」については、横ばい圏での推移にとどまっています。
この両者の乖離は、慢性的な人手不足、職人の高齢化、時間外労働の規制などを背景に、需要と供給のアンバランスが一段と拡大している実態を鮮明に表しています。
第2四半期 業績概況(サマリー)

このようなマクロ環境の下における当第2四半期累計期間の事業別業績概況についてご説明します。
まず、主力の建設関連製品事業です。土木製商品は、政府の国土強靭化政策を背景に、土砂災害防止関連製品の需要を確実に取り込み、底堅く推移しました。
また、国内建材商品については、中東情勢により一部資材の供給難が生じたものの、特約店との連携強化により需要をカバーしました。
さらに、海外建材製商品については、米国のインフラ需要の取り込みに加え、新倉庫の稼働による即納体制の強化が寄与しています。
一方、構造機材では、柱脚製品「セレクトベース」の改良版の販売が好調だったものの、競争の激化や大型物件向けの伸び悩みが影響しました。また、仮設・型枠については、新規顧客の獲得に注力しましたが、市場全体の需要減少を補い切れず、低調な推移となりました。
次に、多角化事業です。自動車関連製品では、主要顧客からの需要を取り込むことで売上が増加しましたが、産業機械製品および海洋資材製品は、案件の期ズレや前期の反動減により苦戦しました。
連結業績概況 前期比

以上の結果、第2四半期連結累計期間における売上高は、前期比4.5パーセント増の345億5,700万円となり、増収を達成しました。
一方、営業利益は、多角化事業における案件の期ズレや前期の反動減に加え、高付加価値製品のプロダクトミックスの変化や一部資材の供給難などが影響し、前期比20.5パーセント減の18億600万円となりました。この結果、営業利益率は前期比で1.7ポイント低下し、5.2パーセントとなっています。
経常利益は前期比18.8パーセント減の19億8,300万円、親会社株主に帰属する当期純利益は15.2パーセント減の14億8,500万円となりました。
連結業績予想に対する進捗状況

第2四半期実績の通期予想に対する進捗状況についてご説明します。スライドのグラフに示しているとおり、売上高の進捗率は47.7パーセントで、前期と同水準で計画に対して順調に推移しています。一方、営業利益の進捗率は35.1パーセントにとどまっています。
当期の業績計画は、例年の季節性や工事動向などを踏まえ、もともと下期偏重の計画として策定していました。しかし、第2四半期累計期間においては、先ほど申し上げた案件の期ズレやプロダクトミックスの変化、一部資材の供給難が影響し、上期としてはやや遅れを取る結果となりました。
事業別・製品別 業績概況

第2四半期実績の事業別および製品別の具体的な数値についてご説明します。建設関連製品事業においては、売上高が前期比6.4パーセント増の318億9,700万円、営業利益は前期比11.2パーセント減の16億3,300万円となりました。
売上面では、建材製商品(海外)が前期比26.5パーセント増の102億3,900万円と、100億円を超え、全体の増収を大きく牽引しました。
多角化事業においては、売上高が前期比14.2パーセント減の26億5,900万円、営業利益が前期比60パーセント減の1億7,300万円となりました。冒頭にご説明した期ズレや反動減の影響により、減収減益の着地となっています。
営業利益の増減要因

営業利益の前期比における主な増減要因についてご説明します。
前年第2四半期の営業利益は22億7,300万円でしたが、当第2四半期は18億600万円となり、約4億6,600万円の減少となりました。
まず、増益要因として、主力の建材製商品(海外)などの伸長による増収により、売上増効果として14億8,700万円のプラス要因がありました。
一方で、減益要因としては、プロダクトミックスの変化や一部資材の供給難に伴い売上原価が14億9,200万円増加しました。また、売上増加に伴う販売手数料や人件費の増加により、販管費が4億6,100万円増加しています。
これらの原価および販管費の増加が、それぞれ利益に対する下押し圧力となり、最終的に営業利益は前年同期を下回る結果となりました。
為替影響額 前期対比

為替が業績に与えた影響についてご説明します。当第2四半期累計期間における適用レートは1ドル154円51銭で、前年同期に比べ約3円の円安となりました。この円安進行により、当第2四半期実績では売上高で2億1,100万円、営業利益で1,000万円のプラス影響がありました。
一方、2026年度の通期予想では、前提レートを前期実績の1ドル148円28銭から、円高方向の1ドル147円に設定し、据え置いています。
ただし、仮に足元の第2四半期の為替レートである1ドル154円51銭の水準が今後も継続した場合、通期では売上高でプラス約10億8,000万円、営業利益でプラス約7,900万円の押し上げ要因となります。
連結財政状態

連結財政状態についてご説明します。当第2四半期末の総資産は前期末に比べ27億1,400万円増加し、877億4,500万円となりました。純資産は前期末に比べ11億1,400万円増加し、630億2,100万円となりました。以上の結果、自己資本比率は前期末に比べ1.0ポイント減少して71.8パーセントとなりました。
私からのご説明の最後になりますが、第2四半期業績発表時に重要な後発事象を開示しています。
2026年度の連結業績への影響についてですが、下期には米国子会社OCM, Inc.の関税還付金および利息として、合計9億6,000万円余りを計上する予定です。
なお、通期の見通しおよび通期計画達成に向けた具体的なアクションプランについては、この後、社長の河瀬よりご説明します。
経営環境(下期)の見通し

河瀬:2026年12月期通期見通しについてご説明します。2026年下期の国内建設関連製品事業の見通しでは、建設経済研究所の最新予測によると、名目建設投資額は前期比6.3パーセント増の約83兆円と堅調に推移する見通しです。
国土強靭化や老朽化対策に伴う公共投資、省力化ニーズを背景とした民間投資の両面で、持ち直しの動きが継続する見通しです。
一方で、労務費の高騰や鋼材価格の再上昇に加え、人手不足に伴う供給制約が続いています。名目投資額が増加する一方で、実質的な工事量はほぼ横ばいにとどまるという「名目投資額と実質工事量の乖離」の構造が、下期も継続すると予測しています。
次に、海外市場についてですが、米国ではインフラ投資雇用法(IIJA)を背景とした道路・橋梁プロジェクトが堅調に推移しています。また、AIの普及に伴い、データセンターなど新たな特定セクターが需要を牽引しています。
一方で、熟練労働者不足による労務費の上昇や工期遅延の常態化に加え、鋼材価格の上昇や中東情勢、新関税措置などによるコスト増の懸念については、引き続き注視が必要な状況が続いています。
このような経営環境を踏まえ、当社が下期に取り組むアクションプランについてご説明します。
下期のアクションプラン

まず、本年は「OX-2026」の最終年度として、掲げた成長戦略を確実に総仕上げし、次なるステージへの飛躍を目指していきます。
また、資本効率の改善と株主還元の強化を通じて、ROEの向上およびPBR1倍超の早期実現に向けて取り組みます。
国内の建設関連製品事業においては、設計段階からのソリューション提案やレンタル事業の強化を図るほか、拠点の集約や自動化による生産体制の再構築を推進します。
さらに、社会インフラの老朽化や激甚化する自然災害に対応するメンテナンス・防災事業といった新しい領域への展開を加速します。
海外事業においては、これまで投資・強化を図ってきた北米の生産・物流拠点を最大限に活用し、販売網の拡大を図ります。
併せて、メイド・イン・USA製品の展開やエンジニアリング領域への進出、戦略的パートナーシップを通じた商品ラインナップの拡充を進め、成長をさらに加速していきます。
通期連結業績予想

これらのアクションプランを着実に実行し、2026年度の連結業績予想はスライドに記載している数値を計画しています。なお、数値は期初予想を据え置いています。
売上高は前期比3.9パーセント増の725億円、営業利益は前期比8.1パーセント増の51億5,000万円と、増収増益を見込んでいます。
また、経常利益は前期比4.3パーセント増の53億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比12.6パーセント増の37億円を見込んでいます。これにより、ROEも前期から0.6ポイント改善して6パーセントの達成を目指します。
通期 事業別・製品別 業績予想

通期業績予想の内訳について、事業別にご説明します。
主力となる建設関連製品事業では、売上高が前期比3.7パーセント増の654億4,000万円、営業利益は前期比16パーセント増の43億4,800万円を見込んでいます。
多角化事業では、売上高は前期比5.7パーセント増の70億6,000万円と増収を見込んでいますが、高付加価値製品の売上比率が低下した影響で、営業利益は前期比21パーセント減の8億200万円となる見込みです。
グループ全体では、確実な需要獲得を進め、通期計画の達成を目指していきます。
1株当たり配当金の推移

株主還元についてご説明します。当社は資本コスト経営を実践する中で、株主還元方針を段階的に強化してきました。
2024年には、DOEに留意した安定性重視の方針へシフトし、2025年からは配当性向40パーセント以上を原則とし、DOE3パーセント以上を目安とするよう目標数値を引き上げました。これにより、利益成長をよりダイレクトに還元へ反映する体制を整えています。
還元方針を強化した2024年には1株当たり35円、2025年には41円、2026年予想では42円と、連続増配を通じて高い還元水準の維持を目指しています。
ROE×配当性向=DOEの推移

スライドのグラフは、当社の還元姿勢をより構造的に示したものです。
2023年から2024年にかけて、不採算事業の整理に伴う特別損失の計上により、ROEが一時的に低下する局面がありました。
しかし、グラフ下段の紫の棒グラフが示すように、配当水準は下げることなく着実に向上させています。
業績回復が進む2025年以降は、ROEの改善を新たな成長ドライバーとし、高水準な配当性向との相乗効果によって、目標であるDOE3パーセント以上を安定的に維持・拡大しています。
特別配当の実施・自己株式の取得

特別配当の実施および自己株式取得の結果についてです。当社は普通配当の増額に加え、特別配当を実施しています。2026年の予想においても、年間10円の特別配当を継続する予定です。
さらに、資本効率の向上と株主価値の拡充を図るため、2026年2月から6月にかけて自己株式の取得を実施しました。取得株式数は約150万株、取得価額の総額は約15億円となり、予定どおり取得を完了しました。
今後も配当水準の引き上げと機動的な自己株式取得を両輪で進めていきます。
投資計画

投資計画についてです。「OX-2026」において、3ヶ年の投資枠としてスライドに記載のとおり合計210億円を掲げています。
キャッシュ・アロケーション

キャッシュ・アロケーションの進捗と着地見通しについてです。この3年間、創出したキャッシュを成長投資と株主還元へバランスよく配分してきました。
設備投資は今期の計画を含め累計で105億円、人的資本投資も年間での賃上げなどを継続し、累計14億円と、いずれも計画を上回る投資を実行しています。
戦略投資およびM&Aでは、投資基準に基づく選別を徹底しています。案件の進捗を見極めた上で、創出した余剰資金を株主還元に積極的に振り向ける機動的なキャッシュ・アロケーションを推進します。
設備投資額・減価償却費

設備投資額および減価償却費の状況はスライドのとおりです。現中期経営計画の最終年度として、優先順位を明確にした投資を実行することで、次期中期経営計画における持続的な成長および収益化へ確実につなげます。
PBR1倍超の達成に向けて

最後に、PBR1倍超の早期達成を目指す当社の取り組み全体像についてです。
本日ご説明したとおり、当社は「資本コスト経営」「成長戦略」「株主還元の充実」という3つの歯車を、財務健全性という強固な土台の上で力強く回し続けていきます。
ROE8パーセント以上の早期達成、持続的な成長のための投資、そしてDOE3パーセント以上を基盤とした高水準な株主還元、これらの施策を三位一体で確実に実行することで、市場のみなさまからの確かな評価を積み上げていきます。
岡部株式会社は、みなさまとともに持続的な企業価値の最大化を成し遂げていく所存です。
引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。本日はご清聴いただき、ありがとうございました。
質疑応答:中東情勢の影響と製品の値上げについて
司会者:「中東情勢の影響と、御社製品の値上げの状況はいかがでしょうか?」というご質問です。
河瀬:中東情勢の影響として、エネルギーコストの上昇に伴い、輸送費や製品、建築資材の価格が上昇し続けています。
また、石油由来の一部資材については、納入量や納期に影響が出ています。仕入先と販売先の連携を強化し、迅速な対応に努めています。
今後も中東情勢の長期化に伴い、建設コストの高止まりや工期延長のリスクが懸念されることから、関連動向を注視しつつ、適切に対処していきます。
製品の値上げについては、適宜実施しており、下期においても予定しています。
今後も競合があり、簡単な状況ではありませんが、物価動向なども踏まえ、必要に応じて値上げを実施する方針です。
質疑応答:関税還付金の業績への影響について
司会者:「重要な後発事象で開示した関税還付金の業績への具体的な影響を教えてください」というご質問です。
江川:トランプ関税に関して、以前課税された部分について判例が出た結果、還付が認められました。この還付金は、米国のOCM, Inc.に入っています。なお、今回の中間決算には含まれていませんが、第3四半期および第4四半期において、順次回収に合わせて会計上で計上する予定です。
損益への影響についてですが、まず仕入原価に影響があるため、売上原価のところが増益となります。また、還付金に対する利息が発生するため、こちらは還付加算金として営業外収益に計上する予定です。
現在の見込みでは9億5,000万円強を計上する予定ですが、為替の影響を受けるため、今後精査の上で適切に計上していきたいと考えています。
質疑応答:次期中期経営計画の方向性と展開について

質問者:河瀬氏が社長に就任されて5年ほど経ち、着実に売上を伸ばし、配当も増やしてこられたかと思います。そこで質問ですが、今期で中期経営計画がいったん終了することもあり、今期がひとつの区切りになると考えています。その後、来期以降の展開についてですが、どのような方向性で事業をさらに加速させていかれるのでしょうか?
よりスピード感を持った展開を進めるのか、それともある程度国内市場の建て直しや収益拡大に注力するのか、次回の中期経営計画のテーマとして何を据えようとお考えでしょうか?
次の展開の方向性について漠然とした質問かもしれませんが、現時点でどのようにお考えになっているかお聞かせいただければと思います。
河瀬:現中期経営計画は今年度が最終年であり、説明のとおり、今期でROE6パーセントを含め、目標を達成できる状況と考えています。
今後の中期経営計画は、来年の2月を目安に発表する予定です。現状は役員で詳細を詰めている段階ですが、現時点で申し上げられることとして、売上ベースで海外比率が約30パーセントとなっており、第2四半期でも30パーセントを超えるまでに成長しています。そのため、成長エンジンとして海外市場をどう伸ばしていくかが課題です。
一方、国内では先ほどの説明にもありましたように、人手不足や工期の長期化により建設コストが上昇し、仕事がなかなか進まないという状況が大きな課題として挙げられます。
そのため、当社の開発力や製品力、お客さまの意見を反映した製品の開発を進め、高付加価値な製品をどのように展開していくかが重要です。
また、それをスピード感を持って進めていくことが、大きな成長エンジンとなると考えています。
質疑応答:事業展開の質を変える可能性と成長戦略について
質問者:御社の展開を拝見すると、着実ではありますが、さらにもう1つブレイクスルーがあればと感じています。
国内の現在の事業環境における状況や競合の動きなどを踏まえ、どのような要素が新たに加われば、事業展開の質がさらに変わる可能性があると社長はお考えでしょうか? 言いにくい部分もあるかもしれませんが、ぜひお考えの一端をお聞かせください。
河瀬:スピード感を持たせるためには、M&Aも大きな戦略の1つと考えています。それを実施することで、大きな成長につながると考えています。現在、M&A戦略としては、よりシナジーの高い企業とのM&Aを大きな目標に掲げており、そのような企業を私たちから積極的に探し、声を掛けている状況です。
具体的な内容については現時点では詳しくお話しできませんが、そうした取り組みを着実に実行し、成長戦略の1つとして進めていきます。現在の中期経営計画では、戦略投資として100億円を掲げており、その実現に向けて慎重かつスピーディに進めていきたいと考えています。
