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共和電業、通期業績予想は据え置き 日章電機の事業譲受や完全子会社3社との吸収合併で中長期的な収益基盤の強化を図る

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2026年9月4日に発表された、株式会社共和電業2026年12月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

目次

下住晃平氏(以下、下住):みなさま、おはようございます。共和電業代表取締役社長の下住です。本日はお忙しい中、ご出席いただき誠にありがとうございます。

本日は、当社のご紹介、2026年12月期第2四半期決算概況、事業の状況、今後の業績予想と取り組みについてご説明します。

会社概要

会社概要についてご説明します。当社は「ひずみゲージ」をはじめとするさまざまな計測機器の開発・製造、並びに各種計測コンサルタント業務を展開しています。当社の製品・サービスは、自動車、産業機器、鉄道、ダムなど、幅広い分野で活用されています。

業績ハイライト

2026年12月期第2四半期の決算概況についてご説明します。当期の売上高は、測定器や変換器などの汎用品が増加したものの、前期の特注・システム品の大口案件の反動減を補いきれず、前年同期比0.4パーセント減の80億2,700万円となりました。

収益面では、材料費等のコスト増加に伴う原価率の上昇および販管費の増加により、営業利益は前年同期比29.6パーセント減の5億2,600万円、中間純利益は前年同期比8.5パーセント減の5億600万円となりました。

一方で、受注高は前年同期比14.1パーセント増の90億7,800万円、受注残高は前年同期比13.9パーセント増の61億300万円と、2000年以降で過去最高水準となっています。下期においては、受注残の着実な実行を図るとともに、販売価格の適正化の推進、並びに各種経費のコントロールを徹底し、通期計画の達成を目指していきます。

売上高・営業利益の推移

売上高・営業利益の推移です。売上高は前年同期とほぼ同水準で推移しています。営業利益は前年同期比で2億2,100万円の減益となりました。収益の増減内訳は後ほどご説明します。

受注高・受注残高の推移

受注状況です。特注・システム品の受注が伸長し、受注高は前年同期比14.1パーセント増の90億7,800万円となりました。受注残は、自動車衝突試験関連やエネルギー関連を中心に、前年同期比7億4,800万円増加しています。

収益の増減内訳

収益の増減内訳です。営業利益は、材料費等のコスト増加による原価率の上昇に加え、新基幹システムの導入に伴う費用などで販管費が増加したため、前年同期比2億2,100万円の減益となりました。

経常利益は、為替差益の発生により営業外損益が改善したものの、営業利益の減少が影響し、前年同期比1億7,700万円の減益となりました。中間純利益は、特別利益として投資有価証券売却益を計上したことから、経常利益段階より減益幅が縮小し、前年同期比4,700万円減の5億600万円となりました。

財政状態の概況

財政の概況です。資産は、売上債権の回収が進み流動資産が減少した一方で、投資その他の資産における投資有価証券が増加したことにより、前期末比で合計5億200万円増加しました。純資産は、有価証券評価差額金等が増加し、前期末比で合計5億3,300万円の増加となりました。

キャッシュフローの概況

キャッシュ・フローの概況についてご説明します。営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の回収が進んだことにより、前年同期比3億7,300万円の増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の増減により、前年同期比9億8,600万円の支出の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式取得の減少により、前年同期比7億5,100万円の支出の減少となりました。

この結果、中間期末における現金および現金同等物は44億7,300万円となり、前年同期比4億600万円の増加となりました。

配当金について

配当についてです。当社は株主のみなさまへのより安定的な還元を目指し、累進配当を基本方針としています。当期の中間配当金は、1株当たり10円50銭と決定しています。期末配当金も1株当たり10円50銭を予定しており、年間合計では21円となる見込みです。

セグメント別・品種別の状況

事業の状況についてご説明します。はじめに、セグメント・品種別の売上状況です。計測機器セグメントは、特注・システム品が前期の大口案件の反動により減少しましたが、測定器・変換器の需要が増加し、汎用品の売上が伸びました。また、保守・修理も堅調に推移し、前年同期比0.2パーセント増の73億5,500万円となりました。

コンサルティングセグメントは、各種計測業務の減少により、前年同期比7.0パーセント減の6億7,100万円となりました。

主要事業分野の売上構成比

主要事業分野別の売上状況です。自動車試験分野は、衝突試験関連の大口案件が増加し、前年同期比で大きく伸長しました。一方で、環境・防災・エネルギー分野は、前期にダム関連の大口案件が集中した反動により、前年同期比で減少しました。その他分野は、前期に防衛関連における特注・システム品の大口案件があった影響で、前年同期比で減少となりました。

主要事業分野の売上高【自動車試験分野】

主要事業分野ごとの状況についてご説明します。まず、自動車試験分野の売上高は前年同期比17.9パーセント増の19億3,900万円となりました。

特注・システム品は、衝突試験関連の大口案件の増加により、大幅な増収となりました。汎用品は、海外におけるエンジン周辺試験のリピート案件が復調したことなどにより、前年同期並みの水準を維持しています。引き続き、自動車各試験における多様なニーズへの対応力を強化し、業績の確保を図っていきます。

主要事業分野の売上高【工業計測分野】

工業計測分野です。売上高は前年同期比2.3パーセント減の16億2,600万円となりました。汎用品は、前期にあった海外日系電機メーカーの大口需要の減少分を半導体関連などの需要増加でカバーし、おおむね前年同期と同水準を維持しています。特注・システム品も、前年同期並みの推移となりました。

半導体関連をはじめ、足元ではお客さまからの引き合いが多く、設備投資意欲は依然として高い水準にあると認識しています。引き続き、国内外の市場情報の収集と設備投資需要への対応力強化を図っていきます。

主要事業分野の売上高【環境・防災・エネルギー分野】

環境・防災・エネルギー分野です。売上高は前年同期比14.8パーセント減の13億円となりました。特注・システム品およびコンサルティングは、前期にダム関連の大口案件が集中した反動で減少しました。汎用品は、原子力等のエネルギー関連が堅調に推移し、おおむね前年同期と同水準を維持しています。

引き続き、魅力的なフィールドエンジニアリングを提供するため、当社グループ全体で連携し、計測サービスの技術力・対応力のさらなる向上を図っていきます。

主要事業分野の売上高【運輸・交通インフラ分野】

運輸・交通インフラ分野です。売上高は前年同期比0.8パーセント減の10億6,700万円となりました。汎用品は、航空宇宙関連の計測需要の増加に伴い、堅調に推移しました。

特注・システム品は、前期の航空宇宙関連の大口案件の反動減があったものの、鉄道関連の更新需要の増加によりこれをカバーし、前年同期並みの水準を維持しています。下期においては、道路関連の大口受注残の着実な対応を図り、業績確保につなげていきます。

主要な海外地域別の売上高

海外の地域別売上状況についてご説明します。海外売上高は前年同期比12.1パーセント増の12億1,100万円となりました。

地域別では、アメリカは通商政策の影響による不透明感の解消に伴い需要が回復し、前年同期比5,200万円の増収となりました。中国は、販売店の製品トレーニングや同行訪問の成果により、前年同期比4,600万円の増収となりました。その他アジア地域は、韓国および台湾が増加し、前年同期比4,200万円の増収となりました。

2026年の業績予想

2026年12月期の業績見通しについてご説明します。現時点における2026年12月期の連結業績予想は、売上高165億円、営業利益14億5,000万円、経常利益15億円、当期純利益12億円を見込んでいます。配当については、年間合計で21円を予定しています。

通期業績予想への進捗状況

中間期における通期業績予想に対する進捗状況です。売上高はおおむね計画どおりに推移していますが、利益については材料費等のコスト増加による原価率の上昇および販管費の増加により、計画を下回る推移となっています。なお、現時点では通期の連結業績予想に変更はありません。

通期業績の達成に向けては、まず売上の確保を目指し、受注残の着実な対応や顧客ニーズに応えた付加価値の高い新製品のリリースを進めていきます。

原価率の改善に向けては、販売価格の適正化を図るとともに、全社的な原価低減活動を徹底します。併せて、販管費についても投資対効果を精査し、支出の適正化に努めていきます。さらに、足元の対策だけでなく、日章電機からの事業譲受といった成長投資や、完全子会社3社の吸収合併などの変革を推進し、中長期的な収益基盤の強化を図っていきます。

新製品リリース

今年は年間6機種の新製品のリリースを予定しています。上期は、製造・開発現場のDX化推進や無線による計測の効率化などのニーズに対応する新製品を4機種リリースしました。下期は、新型加速度変換器および新型計装用コンディショナのリリースを予定しています。

今後も、幅広いお客さまの高度化・多様化する計測ニーズに応える付加価値の高い新製品を開発し、業績拡大を図っていきます。

成長戦略①日章電機株式会社の事業譲受

企業価値向上に向けた成長投資の一環として実施した、日章電機株式会社からの事業譲受についてご説明します。当社は2026年7月1日付で、日章電機が手がける多分力検出器およびその応用製品の開発・製造・販売事業を譲り受けました。

多分力検出器とは、異なる方向にかかる複数の力を同時に測定するセンサで、航空宇宙分野における風洞試験をはじめ、自動車や船舶など幅広い分野で活用されています。

日章電機は、長年培ってきた高い技術力と市場シェア、そして強固な販売チャネル網を有しています。これらを継承することで、航空宇宙分野をはじめとした成長産業におけるさらなる事業拡大を図ります。さらに、日章電機の技術と当社が持つひずみゲージや計測機器の技術を掛け合わせることで、新たな価値の提供を目指していきます。

成長戦略②完全子会社3社との吸収合併に向けた基本合意書の締結を決定

2026年7月27日に開示した「完全子会社3社との吸収合併に向けた基本合意」についてご説明します。当社は、7月27日開催の取締役会において、完全子会社である山形共和電業、甲府共和電業、共和サービスセンターの3社を吸収合併することについて、基本合意書の締結を決定しました。

近年、地政学リスクの高まりに伴い市場環境が激変する中、航空宇宙、防衛、原子力といった分野で受注が大幅に増加しています。このような需要の変化に迅速に対応し、グループ全体の競争力をさらに高めるため、生産機能およびアフターサービス機能を当社に一元化する組織再編を行うこととしました。

本合併により、調達、生産、設計・開発、およびアフターサービスに至るバリューチェーンの密接な連携、並びに資本効率および経営効率の向上を同時に実現し、グループ全体の持続的な企業価値の向上を目指していきます。

なお、本合併は当社の完全子会社3社を対象とするものであるため、当社の連結業績への影響は軽微です。合併の効力発生日は2027年1月1日を予定しています。

トピックス①自社ECサイト「HIZMIN_LAB.(ヒズミンラボ)」を開設

最後にトピックスを3つご紹介します。1つ目は、今年6月にオープンした自社ECサイト「HIZMIN_LAB.(ヒズミンラボ)」についてです。当社は2023年の「Amazon」、2024年の「モノタロウ」への出店を通じ、EC販売の拡大を進めてきましたが、新たに自社ECサイトを開設しました。

本サイトでは、ECサイト限定販売の教育用ひずみ計測器「ME:SURE(ミージャー)」をはじめ、ひずみゲージや各種アクセサリ等を販売しています。次世代エンジニアの学びに貢献するとともに、新規顧客層の開拓と中長期的なファン形成を図ります。

併せて、自社ECならではの直接的な購買データの収集・分析や、お客さまとのダイレクトな対話を通じて市場ニーズを把握し、今後の製品開発やマーケティング施策の強化につなげていきます。

トピックス②人とくるまのテクノロジー展・SPEXAへの出展

トピックスの2つ目は、展示会への出展についてです。当社は、プロモーションおよび新規顧客開拓に向け、さまざまな展示会へ積極的に出展しています。本日は、その中から2つの展示会についてご説明します。

まず、毎年参加しているパシフィコ横浜とAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催された「人とくるまのテクノロジー展」についてです。当社ブースへの来場者数は昨年を上回り、非常に盛況となりました。

次に、東京ビッグサイトで開催された「SPEXA(国際宇宙ビジネス展)」についてです。こちらは昨年に続いて2回目の出展となりました。ブースへの来場者数は昨年の約1.8倍と、大幅に増加しました。当日は、ロケット部品の強度試験やエンジンの推進力測定等において、高温・低温といった過酷な環境下でも安定した計測を実現できる当社の強みを訴求しました。

航空宇宙ビジネスは現在、急速に拡大している成長産業です。当社はこれまで培ってきた技術力を強みに、新たな成長の柱としてアプローチを強化していきます。

トピックス③「KYOWA Report」公開

トピックスの最後の3つ目は、「KYOWA Report」の公開についてです。当社では、ステークホルダーのみなさまとの対話を進め、より透明性の高い経営を推進することを目的として、昨年から「サステナビリティレポート」の発行を開始しました。

今年は、情報開示のさらなる充実を図るため、従来の内容に決算状況や事業の概況等を統合した「KYOWA Report」としてリニューアルし、3月に当社Webサイトで公開しました。当社の財務・非財務情報を1冊にまとめたレポートですので、ぜひご覧いただければ幸いです。

以上で説明を終わります。これからも企業価値向上に向け、各施策を確実に実行していきますので、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

本日はご清聴ありがとうございました。

質疑応答:通期業績予想据え置きの理由について

質問者:営業利益が前年同期比29.6パーセント減となり、材料費や人件費の高騰など、最近いろいろな企業で同様の傾向が見られます。これが一時的なものかと言われると、人件費や材料費が大幅に下がるのは考えにくく、半年後、1年後も若干増加するのではないかと考えています。

通期業績予想を修正する企業もありますが、御社は据え置きとしました。受注残が前年同期比14.1パーセント伸びているため、これが今期中に反映されるという認識でよろしいでしょうか?

下住:上期は営業利益が前年同期比29.6パーセント減となりました。人件費については、毎年5パーセント程度の賃上げが続くと認識しています。当社も期初の計画では、そのような見通しを想定して計画を立てました。

一方、材料費については、想定以上に高騰のスピードが早かったことに加え、当社の価格転嫁がやや遅れたことが要因であると認識しています。価格改定については、9月1日に「10月1日から汎用品の価格を改定させていただく」という開示を行っています。

通期見通しを変更していない理由については、ご指摘のとおり、現在受注が非常に好調であるためです。航空宇宙分野、鉄道関連、エネルギー関連、ダム関連で多くの引き合いをいただいています。これらに確実に対応していくことで通期業績予想を達成できると考えており、業績修正は行わないこととしました。

今期の計画については、これまでと異なり大口案件が上期になく、下期に偏っていることから、もともと上期は増収減益予想、下期での挽回により通期で増収増益を計画しています。今後も取り組みをさらに強化し、通期業績予想の達成に向けて邁進していきます。

質疑応答:機関投資家の保有比率向上に対する考えについて

質問者:御社は個人株主の比率が非常に高いという認識です。今後、いわゆるヘッジファンドなどではなく、国内・海外を含めた機関投資家の保有比率を上げていく方針があるのか、特に考えていないのかをお聞かせください。

下住:「検討はしている」としかお伝えできませんが、最近、投資意欲も高まってきています。当社の事業はニッチで裏方的であるため、理解するのがやや難しい部分もあると思います。日本の産業の発展を下支えする計測は、新しいものを作る際や安全を担保する際に欠かせないものです。当社は、こうした計測を通じて社会に貢献する会社です。

みなさまにも理解しにくい部分があるかと思いますので、株主や投資家のみなさまと対話を深めることが必要であると認識しています。

質疑応答:社長が意識して取り組んでいることについて

質問者:開発畑出身の社長が何を変え、次のステージに持っていくことをお考えなのか、期待していますのでお聞きしたいです。

下住:私は昨年社長に就任しました。もともと開発設計を担当しており、技術系出身の社長ということで、私の最大の目標としては「力強いメーカーの復活」に注力しています。

近年、事業環境は変化しています。これまでの共和電業は、急激な成長や衰退はなかったものの、安定して推移してきました。しかし、現在の物価上昇や社員の給与向上を考えると、これからは成長していく必要があります。

メーカーである以上、成長の鍵は「ものづくり力」、すなわち製品の開発力にあります。しかし、社内での技術伝承を含め、やや弱まってきたと感じています。そこで、共和電業のメーカーとしての存在感を再び強化していくために、完全子会社である山形共和電業および甲府共和電業と一体化することを決断しました。

これまでは別々に分かれていたこともあり、なかなか思うように進められなかった取り組みを、なんとか一体となって進めていきたいと考えています。現地・現物・現実を重視し、開発者や設計者、ものづくりに携わる社員が一緒になり、自分たちの力を高めていくことに最も注力したいと思っています。

また、これは社内の話になりますが、私はこれまで「トライしましょう」と言い続けてきました。社員一人ひとりが「何かしたいな」という状況にあっても、躊躇してしまったり、「どうせダメかな」という気持ちがあったりするのではないかと感じています。そのため、「どんどんトライしてください」と呼びかけています。

私自身も技術者としてトライと失敗を繰り返しながら、その中で成功をつかんできたという経験があります。活気があふれ、みんなが挑戦する会社にして、メーカーの力を伸ばしていきたいと考えています。そこに一番重きを置きながら、さまざまな取り組みを進めているところです。

質問者:「計測機器メーカーらしさ」といいますか、メーカーとしては計測機器を中心に製造している人たちである程度成り立つ部分もあり、「御社らしさ」のような側面もあると考えます。子会社を管理して運営しやすくするという点はそのような流れなのだろうと思いますが、サービスの強化も含めて「らしさ」が出てくるのだろうと思います。

サービスの強化は、具体的にどのような部分で行うのでしょうか? ものづくりの側面で進むのか、補足で説明をお願いします。

下住:計測は、間違いがあってはならない仕事です。正しい計測ができなければ、新しいものは生み出せず、安全も担保できません。私たちが担っている計測事業は非常に責任の重い仕事であり、社員一人ひとりが使命感を持って取り組んでいます。

サービスとしては、校正事業が現在急激に成長しています。その中で、生産に使用する校正設備と、点検・再校正のための校正設備の両方を所有しています。これらはそれぞれ別々に対応していますが、生産と点検の両方に対応できる設備も存在します。そのような観点から、経営と業務の効率化を図るために、一体となって取り組むことが望ましいと考えています。

また、校正の中には「認定校正」と呼ばれるものがあります。「ISO/IEC 17025」の認定を取得した校正について、お客さまからの要求が非常に増えています。特に自動車メーカーは「世界に証明できる計測器を使って計測したデータです」と証明するために、国際的に通じる認定証明付きの校正を求めています。

現在、共和電業本体でその校正対応を行っていますが、設備や人員には限界があります。そこで、共和サービスセンターと一緒になることで、人員および設備の増強を図り、流動性を高めることで対応していきたいと考えています。成長の余地が大きい部分だと考えていますので、このサービスに注力するため、一体化を行っています。

質疑応答:品種別・事業分野別の成長イメージについて

質問者:全体が特注品と汎用品の2つに分かれている中で、自動車試験分野、工業計測分野、環境・防災・エネルギー分野、運輸・交通インフラ分野があります。

利益面や今後の成長について、それぞれの分野がどのように伸びるのでしょうか? たとえば、「自動車分野でどれだけ品質が上がってくると伸びる」ということや、分野ごとに引っ張り合うかたちになるのか、それとも相乗効果で全体が伸びていくのか、具体的に教えてください。

下住:当社は計測において、対象物を検出するセンサから、そのデータを収録する測定器、さらにそのデータを解析するソフトウェアまで、計測の入口から出口まで一貫して対応できる点が強みです。そのため、お客さまから「このようにしたい」と言われたとき、一部分だけではなく、トータルソリューションとして提供できることが当社の特徴となっています。

このような強みを基にさまざまな分野の計測に対応しており、幅広い分野で事業を展開しています。これまでは、いろいろな分野に携わっているおかげで、例えば自動車分野が非常に好調な時期に他の分野が低迷しても相互に補い合い、全体としては維持または増加してきました。

特に昨年から今年にかけて、最も伸びている分野は航空宇宙です。地政学リスクなどにより、防衛関連分野で大手重工メーカーを中心に研究開発が活発化しています。また、ロケット産業は、ベンチャー企業やスタートアップ企業を含む多くの企業がロケット開発に取り組み、新たな企業も続々と創業しています。その結果、当社への引き合いも非常に多くなっています。

引き合いの多さの理由としては、特殊環境下で使用可能なセンサを当社が保有していることにあります。高温、低温、真空状態など、多様な環境に対応可能なセンサ類を開発・提供できることが当社の大きな強みです。また、自動車試験分野も堅調で、毎年着実に成長を続けています。

汎用品と特注品については、汎用品で計測ソリューションを提供できる場合はそちらを使用します。一方で、お客さまは新しいものを創出すべく開発を行っており、従来製品では対応できない環境やこれまで測定したことがない部分を見てみたいということで、それに応える特注品の提供も当社の強みの1つとなっています。

特注品は随時価格算定を行っているため最近は利益率が高く、その価格で購入していただけるだけの付加価値を提供できていると考えています。受注は汎用品も特注品もいずれも伸びており、現在は好調です。利益面では、価格転嫁が遅れた汎用品の原価率が少し上がっていますが、今後は原価率の改善を進めることで、特注品とともにさらなる成長を目指していきたいと考えています。

質疑応答:営業部門・開発部門の人材育成について

質問者:直前の質問にも関連しますが、機動的にお客さまの研究開発ニーズを拾い上げ、それを設計・開発等に活かしていくという極めて柔軟性の高い敏捷なモデルを構築しないと、取りこぼしが生じやすい環境だと考えています。

そのような状況下で、営業部門や開発部門について、機動的に対応できる人材の育成や採用が重要だと思います。新しい成長を取り込むという視点が非常に強いと感じていますが、営業部門・開発部門の結びつきも踏まえた人材育成について、どのようにお考えですか?

下住:人材育成に関しては、営業部門も開発部門も各種研修等に取り組んでいます。営業に関しては、従来は足で稼ぐスタイルでしたが、ECサイトやインサイドセールスといった取り組みも強化しています。

これまでの営業活動と時代に合わせた新しい営業力の強化を行っています。現在は受注が非常に好調になってきており、取り組みが実を結びつつあると感じています。

開発人材については、新卒の場合、学生の売り手市場が続いており、採用活動は厳しい部分もあります。しかし、当社の理念や考え方に共感する学生が一定数おり、技術系の採用も継続できています。

今は技術の進化のスピードが非常に速く、AI分野などは特に若い世代のほうが順応しやすい傾向があります。このような時代の流れについていけるように、当社の開発部門も取り組みを進めています。

私も開発者でしたので、うまくいかないことがあるのも理解しています。しかし、それ以上に「やりたい」という意欲を尊重し、まずはトライしてみるという姿勢を大切にしています。もちろん失敗することもあるかもしれませんが、必ず技術力の向上につながると思っています。

子会社3社の合併に関してもそうですが、やはり人材を固定化することは、変化への追従やスピードアップを図る際の障壁になると考えています。そのため、一緒になることで、その時々に注力する事業や伸びている事業に合わせて、流動的に人材を配置していきたいと考えています。

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