■業績動向
1. 2026年5月期の業績概要
インテリックスホールディングス<463A>の2026年5月期の連結業績は売上高が前期比30.5%増の58,471百万円、営業利益が同26.7%増の3,023百万円、経常利益が同8.3%増の2,346百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.5%増の1,675百万円といずれも期初計画を上回り、過去最高業績を更新した。
売上高は、リノヴェックスマンションの販売価格上昇等により、リノベーション事業分野が前期比28.7%増となったほか、ソリューション事業分野も一棟収益物件等の物件販売増に加えて不動産パートナー共同事業が拡大したことにより同36.0%増と好調に推移し、18期ぶりに過去最高を更新した。売上総利益はリノベーション事業分野が販売価格の上昇と売上総利益率の改善により同32.9%増となった一方で、ソリューション事業分野は前期に好採算の一棟収益物件の売却があった反動で同2.8%減にとどまり、全体では同16.9%増の9,317百万円となった。
販管費は販売仲介手数料や人件費、本社移転に伴う賃料の増加に加えて、創立30周年記念のイベント費用を計上したこともあり同12.7%増となったが、売上総利益の増加で吸収し、営業利益は19期ぶりに過去最高を更新した。有利子負債の増加や金利の上昇により、支払利息が277百万円増加するなど営業外収支が悪化したことで経常利益は1ケタ台の増益にとどまったものの、2期連続で過去最高益を更新した。
リノヴェックスマンションの平均販売単価が市況上昇を追い風に前期比30.1%増の3,824万円、計画比でも15.7%上回ったことが主な上振れ要因となった。
リノベーション事業分野はリノヴェックスマンションの平均販売価格の上昇で2ケタ増収に
2. 事業セグメント別動向
(1) リノベーション事業分野
リノベーション事業分野の売上高は前期比28.7%増の43,208百万円、売上総利益は同32.9%増の5,830百万円と2ケタ増収増益となり、売上総利益率も前期の13.1%から13.5%に上昇した。
売上高の内訳を見ると、物件販売が前期比29.3%増の40,003百万円、賃貸収入が同19.9%増の152百万円、その他収入が同22.5%増の3,052百万円といずれも増収となった。物件販売については、リノヴェックスマンションの販売件数が同0.9%減の1,043件となったものの、平均販売価格が同30.1%増の3,824万円と大きく上昇したことが増収要因となった。平均販売価格の上昇要因は、新築マンションの市況上昇に合わせて中古マンションの販売価格も全国的に上昇傾向が続いたことに加えて、平均価格の高い東京23区内の販売比率が件数ベースで前期の21.6%から25.2%に上昇したことが挙げられる。賃貸収入は手持ち物件の増加により増収となった。また、その他収入ではリノベーション内装事業が法人向けを中心に同23.6%増の28.1億円と拡大基調が続いたほか、FLIE事業も不動産業界向けDX支援サービス「FLIE ONE」の契約件数の増加、並びに中古マンション売買プラットフォーム「FLIE」の成約件数の増加により増収に寄与した。
売上総利益の内訳は、物件販売が前期比34.5%増の5,273百万円、賃貸収入が同6.4%増の96百万円、その他収入が同23.2%増の460百万円となった。リノヴェックスマンションの売上総利益率は13.2%と前期比で0.5ポイント改善した。事業期間は前期の167.5日から170日と若干長期化したが、内訳を見ると施工期間が51.5日から60.5日となったのに対して、販売期間は116日から109.5日に短縮しており、旺盛な需要を背景に適正価格で販売した物件が多かったことが利益率の改善につながったと見られる。同社では各種データを活用して需要が見込めるエリアや物件をターゲットに仕入れを強化する取り組みを推進しており、こうした仕入戦略も販売期間の短縮につながった。施工期間の長期化については首都圏の販売構成比が前期の43.2%から44.1%に上昇した影響が大きい※。
※ 1件当たりの施工人員(電気・水道工事除く)は首都圏が基本的に1人体制であるのに対して、地方はエリアによって2人体制となっている地域もあるため、施工期間は地方エリアのほうが概して短い。
リノヴェックスマンションの販売件数をエリア別で見ると、首都圏が前期比1.3%増の460件、地方エリアが同2.5%減の583件となった、首都圏のうち、東京23区が同15.9%増の263件となった一方で、神奈川・埼玉・千葉の3県はいずれも減少した。需要の旺盛な東京23区を中心に仕入れを強化したことが要因だ。仕入件数については同2.6%減の1,047件となったものの、うち東京23区内は同15.5%増の305件と積極的に物件取得を進めた。この結果、仕入高は同37.7%増の33,651百万円、平均仕入単価は同41.4%増の3,214万円と大きく上昇した。
(2) ソリューション事業分野
ソリューション事業分野の売上高は前期比36.0%増の15,262百万円、売上総利益は同2.8%減の3,486百万円となった。前期に好採算の一棟収益物件の販売があった反動で売上総利益率は31.9%から22.8%に低下した。
売上高の内訳を見ると、物件販売が前期比43.0%増の12,605百万円、賃貸収入が同9.3%増の1,068百万円、その他収入が同10.9%増の1,588百万円となった。物件販売の内訳を見ると不動産パートナー共同事業については、パートナー先の拡充による案件増加により2ケタ増収となった。リースバック事業では、リースバック物件の流動化(1,825百万円)を実施したことが増収要因となった。一方、アセットシェアリング事業については不動産小口化商品に関する税制改正の方針を受けて、下期から新規商品の販売見送りを決定したこともあり減収となった。一棟収益物件の販売は、前期並みの利益を確保するために手持ち物件の売却を進めたことにより増収となった。その他収入の大半を占めるホテル事業の売上高は、インバウンド需要の拡大を背景に前期の約13億円から約13.8億円に増加した。
売上総利益の内訳は、物件販売が前期比11.6%減の2,164百万円、賃貸収入が同16.0%増の587百万円、その他収入が同16.4%増の734百万円となった。物件販売については前期に好採算の一棟収益物件の売却があった反動で減益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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