2026年9月28日に発表された、株式会社ファーマフーズ2026年7月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
アジェンダ
青木資明氏(以下、青木):IR担当の青木です。株式会社ファーマフーズ2026年7月期の通期決算説明会および中期経営計画発表会を開催します。みなさま、お忙しい中ご参加いただき、誠にありがとうございます。本日は、当社代表取締役の金武祚をはじめ、各取締役が参加しています。
詳細な事業計画、中期経営計画について説明するとともに、将来に向けた期待感を醸成したいと考えています。最後までどうぞよろしくお願いします。
本日は3部構成でお話しします。はじめに2026年7月期決算の説明を行い、その後、2つ目として、当社が中期経営計画として掲げてきた「1Kプロジェクト」の5年間を振り返ります。そして最後に、今回最も注目されている中期経営計画を発表します。
2026年7月期 通期連結業績概要

それでは、通期の決算説明に移ります。まず、2026年7月期通期連結業績についてご説明します。
今回の通期決算では、減収となりましたが増益を達成しました。これは、期初の計画に基づき、上期を積極的な戦略投資の期間と位置づけ、下期を利益転換のための成長投資の期間とした結果です。
みなさま、決算短信などをご覧いただいているかと思いますが、当社は四半期ごとにしっかりと利益を生み出せる体質になっていると考えています。
第4四半期においても、収益を改善し、財務体制を強化することができました。営業利益は昨年対比で11.2パーセント増、当期純利益は439パーセント増と、大幅な増益を達成しています。
資産・負債・資本、キャッシュ・フロー

バランスシートの状況です。今回、当期純利益を順調に達成できたことで、利益剰余金に厚みを持たせることが可能となり、同時に自己資本比率も改善しました。
また、第29期で最も大きなバランスシート上の変更として、明治薬品の新工場建設に向けた積極的な投資を進めるという取り組みがスタートしています。それに伴い、一部で借り入れが増加していますが、これは将来に向けた非常に重要な成長投資であると位置づけています。
セグメント別売上高・営業利益、営業利益の増減要因分析

各セグメント別の売上高・営業利益、そして営業利益の変化についてです。
売上高は微減となりましたが、営業利益、とりわけBtoC事業である通信販売事業においては、事業部単体でもしっかりと営業利益を確保できている状況です。
現状、広告費に対して投資家のみなさまから非常に高い関心をいただいているかと思いますが、通信販売事業部は営業利益を確保できる体制を維持しています。その中でも「ニューモシリーズ」がしっかりと収益の柱に育ちつつあります。
「ニューモシリーズ」の次に、当社グループ会社である明治薬品があります。明治薬品は、主に医薬部外品の中でもお客さま一人ひとりの悩みに寄り添った商品、例えば整腸薬や耳鳴り対策の医薬部外品など、そうしたお悩み解決型の商品を当社の研究開発に基づいて販売している会社です。これらも含めて、BtoC事業で利益を確保できています。
BtoB事業売上高、売上増減要因

各事業部について見ていきます。はじめにBtoB事業です。
実際の売上高は微減し、81億円から74億円となっています。ただし、詳細を見ると、国内よりも海外、とりわけ北米とタイにおいて、売上高や最終ユーザー、飲料メーカーなどによる採用件数が着実に伸びています。
当社の「PharmaGABA(ファーマギャバ)」を中心とした素材が多く採用・支持されていることが要因です。
BtoC事業売上高、売上増減要因

BtoC事業に移ります。BtoC事業は当社の売上収益の86パーセントを占める重要な事業部です。「ニューモ」ブランドをはじめ、「ニューモVactory(ヴァクトリー)シャンプー」は累計出荷数が156万本に達し、収益の改善に大きく貢献しています。
また、先ほども申し上げたとおり、「ラクトロン錠」という整腸剤など、お客さまの悩みに深く寄り添った解決型の製品を、当社の研究開発に基づき、世の中へ役に立ちたいという思いで広めています。これが売上収益に結びついている状況です。
全体的な売上の傾向については、前年同期比でおおむね維持できています。
あらためて申し上げますが、当社の売上の86パーセントは通信販売事業が占めています。今後も広告宣伝費の投資効果をしっかりと見極めながら、力強く推進していきたいと考えています。
以上が、2026年7月期の通期決算の簡潔な振り返りです。続きまして、中期経営計画2026「新価値創造1Kプロジェクト」の総括と振り返りを、代表取締役の金武祚がご説明します。
中期経営計画2026「新価値創造1Kプロジェクト」総括

金武祚氏(以下、金武):代表取締役の金武祚です。いつもお世話になっています。「1Kプロジェクト」の総括について、私からご説明します。
2022年から2026年の5年間、私たちは新しい技術で新製品を開発すること、国内外で新しい市場を開拓し販売を行うこと、さらに国内外でビジネスを展開する際に新しい組織を作ることに取り組んでいます。
これら新製品・新市場・新組織をトータルで「新価値創造」と呼んでおり、「1K」は1,000を意味します。つまり、売上1,000億円規模の企業に到達することを目指して努力してきました。
私たちは、その前に「112プロジェクト」として、売上100億円・1部上場・第2研究所という目標を掲げ、5年間取り組み、みなさまのご協力によりなんとかその目標を達成し、売上100億円を超えることができました。その上で、次なる目標として1,000億円の売上到達に向けた活動を、助走期間を経て進めてきました。
中期経営計画2026「新価値創造1Kプロジェクト」総括

結論はスライドのとおりですが、みなさまもご承知のように、正直に申し上げて達成することはできませんでした。私の責任です。本当に申し訳ありません。
私を含めた関係者は「中国の問題がある」「アメリカの輸出の問題がある」「原料高がある」など、さまざまな意見を述べていますが、言い訳はできないと考えています。
私たちのビジネスの根幹は、大きく分けて医薬、機能性食品、化粧品にあり、その部門で700億円の売上を達成することを目標としています。また、不足している部分については、投資を含めたM&Aで埋めることを目指し、5年間で達成できるとして進めてきました。
この間、トータルでは468億円の売上が630億円に増加したのは事実ですが、目標未達成であることに変わりはありません。この点について率直にお詫び申し上げます。
一方で、この期間にさまざまな施策を行ってきたことも事実です。差し出がましいようですが、まだチャンスがあると考えていますことをお伝えし、これをもって本日の総括とします。
一言で表すならば「700億円の壁は厳しい」というのが、1年ほど前から感じている課題です。
最大売上が680億円に到達しましたが、その後は従来の売上がなくなる分を補いつつ、新しい売上を伸ばしていく努力を続けてきました。しかし、BtoBやBtoC、国内外の取り組みを進めながらも、700億円の壁を超えることは一度もありませんでした。
さらに、みなさまの前でもお話ししましたが、M&Aについては少なくとも100億円規模の案件を3件、私たちに極めて高いシナジー効果があると判断し、進めてきたところです。
約10社を選定し、最終的に3社に絞って交渉を進め、前期(7月末)までにM&Aを実現できる段階まで進展しましたが、最終的には成立に至りませんでした。そのため、最終的な結果としては1件もM&Aを実現できなかったことになります。申し訳ありません。
ただし、数日前にリリースした内容をみなさまもご覧いただいているかと思いますが、前期においては95億円、そして今期には500億円を超える規模の会社をグループ化することができました。
私は個人的に、少なくとも7月末までは、この1社の方々と手を組んでやれるはずだと思っていましたが、諸手続きが遅れて先週に至りました。後ほど説明があるかと思いますが、ここは私たちと極めてシナジー効果があること、また、のれん代についても私たちの許容範囲内であることから交渉に入り、半年かけて無事に提携することができました。
現在、1つの提携が完了しましたが、私たちはM&Aを成長路線の1つのビジネスモデルとして掲げていますので、まずは、私たちの本来のビジネスモデルにおいて、売上700億円を超え「700億円の壁」を達成することを目標としています。
さらに「1K」に関しては、これを1件ではなく複数行うことで、トータルで1,000億円を達成することを目指します。
それでは、今までの準備がゼロではなく、アグリビジネス、繊維ビジネス、そして従来取り組んできた創薬ビジネスが、満を持して具体的なかたちが見えるところまで到達しました。このプロジェクトをあと3年間進め、新たなプロジェクト「新価値創造1K」に着手することで、私たちは必ず「1K」を達成します。
また、可能であれば、あと2年から3年の猶予をいただきたいと、社長としての自らの決意とともにお願い申し上げます。総括としては不十分かもしれませんが、次のセクションでは当社の具体的なビジョンについてお伝えし、あわせてご理解いただければ幸いです。引き続きよろしくお願いします。
金英一氏(以下、金英):専務取締役の金英一です。それでは、私からあらためて今回の「1K」の振り返りとその詳細についてお話しし、その後で次の中期経営計画についてご説明します。
この5年間、私たちは覚悟を持って「1K」を達成するために、食品、化粧品、創薬、繊維、アグリの5つの部門を事業化し、柱にするべく取り組んできました。
結果として、社長が述べたとおり、目標値であった1,000億円を達成することができず、「700億円の壁」にも到達できませんでした。この結果について、私たちも非常に悔しい思いを抱いており、深くお詫び申し上げます。あらためて、申し訳ありませんでした。
その上で、これまでに何ができたのか、また何が課題だったのかについて、あらためて振り返ります。
「新価値創造1Kプロジェクト」 財務目標の達成状況

私たちが「1Kプロジェクト」を2022年に開始した際の目標設定については、大きく売上、年平均成長率、総還元性向の3つでした。
ご承知のとおり、売上は目標に到達せず、年平均成長率20パーセントも未達となったという結果です。
もう1つの総還元性向20パーセントに関しては、ある程度目標到達レベルに達したと考えています。財務目標に対する達成状況は、スライドに記載のとおりです。
BtoB事業(国内):安心安全・高品質により大手採用が継続

次に、具体的に取り組んだことを振り返ります。
もともと私たちの基盤事業であるBtoB、特に国内においては、「GABA(ギャバ)」や「ボーンペップ」をはじめとするさまざまな機能性素材があります。これらは安心・安全かつ高品質であるため、大手メーカーでの採用が堅調に継続しています。
例えば、ロート製薬の「セノビック」やグリコの「GABA(ギャバ)」チョコレートは、すでに20年来のブランドとなっています。
ここ数年での新規採用の一例としては、コカ・コーラの「綾鷹」やキリンの「プラズマ乳酸菌」ミニペットの商品に、私たちの「GABA(ギャバ)」をご採用いただいています。これらはすべて、安心・安全・高品質であること、特にエビデンスの部分が採用の決定打となりました。
BtoB事業(国内):サプリに加え、一般食品にも機能性が拡大

私たちはこれまで飲料やサプリメントを中心に展開してきましたが、新たにおにぎりなど、例えば大手コンビニエンスストアで手に取るようなおにぎりにおいても、私たちの「GABA(ギャバ)」や機能性素材が応用される事例が出てきています。
このように、一般食品にも機能性が拡大していくことが、新市場拡大の1つの足がかりとなり、今後の成長を支えていきます。
BtoB事業(海外):国内中心から、海外が大きな成長ドライバーに推移

海外市場においては、アメリカ、カナダ、タイなど北米およびタイが大きな成長ドライバーとなっています。例えば、アメリカでは昨年対比16パーセント増加し、タイでは昨期比60パーセント増加と、高い成長率を示しています。
特にタイにおいては、年間で25社が新規採用を確定しており、今後の大きな成長ドライバーになると考えています。
BtoC事業:独自素材を活かしたカテゴリートップ・ブランドを育成

BtoB事業に加え、当社のBtoC事業として機能性素材を最終製品に落とし込んだものでは、例えば「ニューモ」や「タマゴサミン」、さらにはまつ毛美容液の「WMOA(ウモア)」が挙げられます。これらはニッチなカテゴリではありますが、カテゴリのトップを占める製品、あるいは長期的なブランド育成につながっています。
「ニューモ」については、5年連続で世界No.1のご愛顧をいただいています。また、「WMOA(ウモア)」については、2年連続で世界No.1の状況です。
BtoC事業:「オムニチャネル戦略」により新規顧客を開拓

このように育成してきたブランドを、私たちはオンラインだけでなく、オフラインにも展開するべく注力してきました。例えば、コストコやロフトでは、私たちの「ニューモ」や「WMOA(ウモア)」が店頭に並ぶようになりました。
結果として、お客さまの取り合いを避けることができ、オムニチャネル戦略としてオンラインのお客さまとは異なる新たなオフラインのお客さまを獲得することができました。この戦略は今後も継続していきます。
バイオメディカル事業:抗体技術ALAgeneのアライアンス成功

BtoB、BtoCに加えて、私たちが重要視している創薬やバイオメディカル事業については、田辺ファーマにライセンスアウトした当社の抗体技術において、2024年と2025年にそれぞれマイルストーンを達成しました。このマイルストーンビジネスが現在進行中です。
加えて、武田薬品工業にこの「ALAgene technology(アラジン テクノロジー)」で得られた抗体配列情報をライセンスアウトし、新たなアライアンスを構築することに成功しました。
バイオメディカル事業:「創薬企業」から「製薬企業」へ。共同開発が加速

このバイオメディカル事業をさらに加速するために、東京大学工学部長の津本教授と協力し、AIを活用した次世代抗体の創薬プラットフォームを創出しています。
また、大阪にある国立循環器病研究センター副院長の猪原先生とは、指定難病の「CADASIL(カダシル)」に対し、「アドレノメデュリン」というペプチドを用いた新規治療薬の開発や病態解明に取り組んでいます。
このように、私たちが「1K」において取り組んできた事業は、BtoB、BtoC、さらにはバイオメディカル分野でそれぞれ成果が現れ、次の柱となるまでに成長してきました。
一方で、目標を達成できなかった理由について一言で申し上げると、研究開発、営業、通販、そしてM&Aを含めた各部署の個別の取り組みに、時間がかかりすぎてしまったことが挙げられます。
諸活動に時間を要し、期間内での目標到達が叶わなかったことが、私たちの反省点です。次の中期経営計画では、時間内でやり切ることを踏まえ、このポテンシャルのある事業をいかに伸ばし、基盤を固めていくかが重要な課題となります。
PFIグループあるべき姿「研究開発型企業」

それでは、私たちから「中期経営計画2029」のご説明をします。
私たちが新たな中期経営計画を説明するにあたり、この1年間を通じて、幹部や取締役のメンバーとともに、どのような会社になりたいのかをしっかりと議論してきました。
結果として、変わらぬ姿として、当社は研究開発型の企業でありたいと考えています。
当社は、30年前から変わらない「夢がある」「笑いがある」というポリシーのもと、「研究開発型企業」として取り組んでいきたいと考えています。
強力な研究体制:大学や研究機関と連携し、イノベーション創出を構築

全国のアカデミアの先生方や各国立研究機関の先生方と連携し、さまざまなイノベーション創出を進めてきた強力な研究体制が、こちらのスライドに示されています。
例えば、東京大学とは抗体やバイオスティミュラントの開発、京都大学とは機能性アミノ酸の研究開発、国立循環器病研究センターとは希少疾患の新薬の開発など、これらは一例ですが、このようなすばらしい先生方とタッグを組み、取り組んでいます。
ファーマフーズ総合研究所 所長 佐藤健司

さらに、この4月からファーマフーズには総合研究所の所長として佐藤健司氏を迎えました。佐藤氏は京都大学の名誉教授で、今年3月まで京都大学農学部で教鞭を執っていました。
この4月から、ファーマフーズの研究において、私たちの「もっとペプチドという分野に取り組みたい」という理念を共有いただき、佐藤先生にジョインしていただくことになりました。
佐藤先生は「ペプチドハンター」として広く知られるほど、卵やお米、発酵食品など身近にあるさまざまな天然物から、ペプチドと呼ばれる化合物の探索や構造決定に取り組んでこられた先生です。
私たちは特に「ボーンペップ」「ランペップ」など、卵由来のペプチドを多く持っていますので、佐藤先生の研究力を活かして、これらをさらに世界に広げていきたいと考えています。
「PFサイエンス奨学金」を設立し、次世代研究者の育成

私たちは2024年に一般財団法人PFサイエンスを設立し、若手研究者の育成を目的に奨学金を設立しました。今年で3期目となります。
全国の学生に対し、研究に集中できるよう、少額ではありますが奨学金を提供しています。また、将来一緒に活動できるよう、現在もコミュニケーションを取っています。
ファーマフーズの事業領域における「5つの柱」

このように、研究の力を通じて私たちは機能性素材を開発し、食品、化粧品、創薬、アグリ、繊維の5つの柱を今後さらに伸ばしていきたいと考えています。
中期経営計画2029

それをもとに、私たちは次の経営計画として、中期経営計画2029「1Kプロジェクト -SPRING戦略‐」を策定しました。
中期経営計画2029「1Kプロジェクト-SPRING戦略-」基本方針

「SPRING戦略」には、基本方針として大きく3つあります。1つ目は新規事業の積極的な育成、2つ目は財務基盤の徹底的な強化、そして3つ目は連続的なM&A事業による飛躍的な成長です。
特にこの「SPRING」という言葉には、「バネを縮める」という意味で力を蓄えるということと、その蓄えたものを泉のように湧かせるという意味での「SPRING」、利益を生み出すようなかたちとして、この「SPRING」を大きく考えています。
また、次の3期以降に「1K」を必ず到達できるような準備期間として設定しています。
01 成長事業「創薬」 :抗体技術を基盤に製薬企業に成長

新規事業の積極育成についてご説明します。
新規事業の中で、特に創薬、繊維、アグリの3つがありますが、最も注力したいのが創薬です。
「ファーマフーズ」の「ファーマ」は「pharmaceutical」を指しますが、文字どおり「ファーマ」の部分に「将来的に製薬会社になりたい」という思いを込めて、これまで30年間取り組んできました。
その経緯をイラストで示しています。階段としては、現在ちょうど3段目に差し掛かったところです。1段目では創薬研究「ALAgene technology(アラジン テクノロジー)」を確立し、その後、確立した技術を田辺ファーマにライセンスアウトすることができ、各マイルストーンを着実に達成しています。いわゆる2段目として、マイルストーンビジネスが着実に進行している状況です。
そして3段目では、その技術をライセンスアウトするのではなく、自分たちが創薬だけでなく製薬企業として直接患者さまに医薬品を届ける企業になることを目指し、この取り組みに注力しています。
私たちが目指しているのは、創薬だけでなく、製薬企業としての取り組みを実現することです。
01 指定難病「カダシル」に対する新薬の開発

そのため、現在タッグを組んでいるのが、スライド右側に示している国立循環器病研究センターの猪原先生です。
ターゲットとなるのは、指定難病の「CADASIL(カダシル)」という病気です。この病気は脳の血管に障害が生じる遺伝性の難病で、特に若い頃、30代や40代から偏頭痛が起き始め、脳梗塞、さらには認知症の症状が発症し、最終的には死に至るという非常に悲しい病気です。
非常に残念ながら、現在、根本的な治療薬は確立されていません。そのような中で、私たちは「アドレノメデュリン」というペプチドを通じて、この病気に対する治療薬の開発につながる可能性を見いだしました。日本初・世界初となる画期的な新薬の開発に向けて、現在取り組んでいるところです。
フェーズ2が完了し、現在はPMDA(医薬品医療機器総合機構)と相談しながら2030年の早期承認を目指しています。この早期承認後における私たちの取り組みとして、ファーマフーズが製薬企業として「アドレノメデュリン」および「CADASIL(カダシル)」に対応する新薬・治療薬を販売し、患者さまに届ける予定です。
最終的には、ビジネスとして近いうちにピークセールスとして20億円を見込んでいます。
01 成長事業「創薬」 :独自技術を活かした研究開発パイプライン展望

「CADASIL(カダシル)」は、当社の大きな柱の1つです。これまで作り上げてきた抗体のパイプラインには、例えば自己免疫疾患向けに田辺ファーマにライセンスアウトしたものや、スライドに記載されているがん抗体の1・2・3のほか、今後も引き続き展開されるものが揃っています。
このパイプラインを活用することで、当社の創薬ビジネスをさらに飛躍的に成長させられると確信しています。
01 経産省「バイオものづくり革命推進事業(51億円)」に採択。新たな事業が確立。

ここからは、繊維、アグリ、および電極材料の3分野についてご説明します。
これまでに何度かご紹介したとおり、経済産業省の「バイオものづくり革命推進事業」事業において、研究費として51億円が採択されました。
このプロジェクトによって、卵殻膜から新たな産業として繊維産業、アグリのバイオスティミュラント産業、電極材料の新産業につながることがわかってきました。特に、卵殻膜を用いた繊維やアグリのバイオスティミュラントにおいては研究開発段階が終了し、事業化に向けた販売がすでに始まっています。
01 成長事業「繊維」 :新規ハイブリッド繊維ovoveil (オボヴェール)

繊維に関しては、スライド左上にある廃棄予定の卵殻を最終的に卵殻膜だけ分離し、これを液状化してセルロースと混合することで、スライド左下に示された「ovoveil(オボヴェール)」という、唯一無二の新しいハイブリッド繊維を誕生させることができました。
01 成長事業「繊維」 :大阪関西万博にて「ovoveil」を世界中に披露

昨年の「2025年大阪・関西万博」で、私たちの「ovoveil(オボヴェール)」を世界中に披露することになりました。
特に海外の方や小さいお子さまへ言葉で説明しなくても、卵殻膜繊維が非常に柔らかいことから、「何からできているのか」「こんな繊維があるんだったら一日中着ていたい」といった驚きの声をたくさんいただきました。私たちは「これは事業になる」と確信して取り組んでいます。
01 成長事業「繊維」 :Paris Collection 2025にてovoveilが大注目

当社の繊維を世界中に広げる中で、特にパリでは「ovoveil(オボヴェール)」の繊維を「パリ・コレクション(パリコレ)」に登場させたいという声をいただきました。そして、Tシャツやジーンズ、ジャケット、インナーなど、さまざまな服に応用できることがわかりました。
特にヨーロッパでは、カシミヤやウールといった動物性の繊維が動物愛護の観点から今後使用が難しくなる状況にあります。そのような中で、私たちが日々食べている卵の卵殻膜を利用した繊維が代替として利用できることがわかりました。このため、ヨーロッパを中心に大きな市場拡大を見込んでいます。
01 成長事業「繊維」 :欧州中心に注目を浴び、「ovoveil」の認知が拡大

その一例として、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)のみなさまには、カシミヤに代わる卵殻膜の繊維「ovoveil(オボヴェール)」をぜひ採用したいとのことで、彼らが主催する特別展に招待され、お披露目する機会をいただきました。
また、特に生地やファブリックに関して、世界最高峰のファッションショーの素材市である「プルミエール・ヴィジョン・パリ」にも今年出展することができました。これをきっかけに、ヨーロッパだけでなく国内でも需要が増えてきています。
01 成長事業「繊維」 :国内外でovoveil販売が開始。’31年売上30億円を見込む

さらにはデニムにも応用させたいということで、セレクトショップのBIOTOP(ビオトープ)がデニム生地にも採用しており、「非常に履き心地が良く、ずっと穿いていたいデニムになった」とうれしいお声をいただいています。
01 成長事業「繊維」 :国際展示会(ドイツ)にて、「ovoveil」がセルロース部門賞を受賞

その中で昨日、ドイツ・ミュンヘンで開催された繊維の国際展示会「PERFORMANCE DAYS」において、私たちの「ovoveil(オボヴェール)」が登場し、セルロース部門の部門賞を受賞しました。
CELLULOSE AWARD

ここに、当社のメンバーが現地に赴き7分間のスピーチを行ったところ、拍手喝采を受け、「ぜひこういう卵殻膜の繊維をもっと使いたい」「ぜひ応用したい」という声を多くいただいています。
01 成長事業「アグリ」 :バイオスティミュラント(BS)により世界の農業危機を救う

この繊維とともに、次に私たちが柱に据えたいのがアグリです。アグリでは、私たちはバイオスティミュラントという技術を開発し、世界の農業危機を救うことを目指しています。
スライド左側は通常の肥料で育てたバラであり、右側は私たちのバイオスティミュラントを使用したものです。バイオスティミュラントを使うことで、早く、多く咲くことが確認されました。
バイオスティミュラントは、植物の持つ内側の力を引き出し活性化させることで、気候や地球環境を含めて植物を環境の変化に強くする能力を持っています。この技術を現在開発しています。
01 成長事業「アグリ」 :BS「ルートクイーン」が猛暑下の水稲栽培を救う

応用として、私たちのバイオスティミュラント(BS)が、特に暑い環境で育つ水稲を保護できることがわかってきました。現在進行している5年間の研究の中で、今年は研究最終年度として、全国8府県、東北から九州の17圃場で水稲に関する実証実験を実施しました。
これは秋田の様子です。手前にいる2人は当社のメンバーです。
01 成長事業「アグリ」 :BS「ルートクイーン」が猛暑下の水稲栽培を救う

育てている様子を少し見てみると、通常の栽培では稲の育苗段階での苗はスライド上側のような根の生え方ですが、私たちのバイオスティミュラント「ルートクイーン」を散布することで、根の張りが顕著に変わります。しかも1回の散布でここまで変わるため、農家の方々から驚きの声をいただきました。
01 成長事業「アグリ」 :国内でBS販売開始。’31年売上10億円を見込む

例えば、スライド左に示されている秋田での補助試験の結果として、通常栽培区であるスライドの棒グラフにおける青色のバーは560キログラムですが、当社のバイオスティミュラント「ルートクイーン」を散布することで、615キログラムもしくは620キログラム程度、10パーセントから12パーセント増加することが明らかになりました。
特に、昨日農林水産省が発表した全国平均の収量が540キログラム強という報告があり、それに加えて当社のバイオスティミュラントを年に1回散布するだけで、収量が約10パーセント以上伸びることが確認されました。
これを基に、私たちは東京大学、京都府、佐賀大学と連携し、研究コンソーシアムを組んで取り組んでいます。加えて、事業化を加速させるために、伊藤忠商事グループとともに取り組みを進めています。
結果として、5年後の2031年には売上10億円を見込むかたちで、この3年間で事業化を加速していきたいと考えています。
01 未利用資源が未来を動かす:卵殻膜から生まれた新電極材料

新規事業の最後として、さらにもう1つ、電極材料への応用も進めています。スライドには、卵殻膜をナノファイバー化した後に炭素化したものが示されています。
01 次世代の高性能電極材料として社会実装へ

それを実現することで、急速蓄電、瞬発出力、そして長期安定性の3つを兼ね備えた電極材料が完成しました。これを基に、スマートデバイス産業やドローン、AIを活用した大規模データセンターへの応用を進めています。
この取り組みは信州大学の先生方と協力しながら進めており、5年以降の事業化を目指しています。この事業は無限の可能性を秘めており、今後最も大きな期待とポテンシャルを持つ事業であると考えています。
02 基盤事業 :PharmaGABA ® の安全性データにより欧州展開が加速

一方で、基盤事業について私たちは「PharmaGABA(ファーマギャバ)」をさらに成長させるべく、特に海外市場での拡大に注力していきます。
このスライドは、「PharmaGABA(ファーマギャバ)」の安全性データに関する論文です。アメリカFDAの認証を取得するために、非常に重要な安全性データの収集に取り組んできました。
その結果、安全性が認められたため、これを基に特に品質と安全性を重視した取り組みを進めていきます。北米および欧州のグローバル企業からの採用が大きく加速すると予測されます。
02 基盤事業 :PharmaGABA ® が“ISPH Gold Award” を受賞

もう1つ、ISPH(国際精密医療学会)で、高エビデンス・高品質なものに贈られるGold Awardを「PharmaGABA(ファーマギャバ)」が受賞しました。
この学会はアジアでの知名度が非常に高いため、これを基にタイ、台湾、中国を中心にさらなる成長が予測されます。
02 基盤事業 :“北里プレミアムAWARD”最高金賞受賞

今までは「PharmaGABA(ファーマギャバ)」をBtoB事業として発展させる一方で、基盤事業としては、BtoCにおいて「PharmaGABA」を「ノウベルQi」というサプリメントに応用し、自社オンラインで販売しています。
この度、「ノウベルQi2」という商品が、北里プレミアムAWARDの最高金賞を受賞しました。北里プレミアムAWARDは、品質・安全性、表示の適正性、衛生管理体制を含め、総合的に品質が高い商品に贈られる賞です。
非常に名誉ある賞であり、この受賞を基に「GABA(ギャバ)」や最終製品の販売をさらに伸ばしていけると確信しています。
02 基盤事業 :GABAに続く機能性素材で国内外のビジネスを強化

「GABA(ギャバ)」に続いて、当社には「ボーンペップ」「ランペップ」、さらに「タマリノール」という素材があります。
「ボーンペップ」は骨や関節を強化する成分であり、「ランペップ」は新たにむくみを軽減することが明らかになりました。「タマリノール」は内臓脂肪を軽減することが確認されています。
「ボーンペップ」は「カルピスキッズ」という商品に採用が決定し、韓国最大のミルクメーカーであるSoul Milkでも子ども向け飲料に応用され、上市されています。
むくみ軽減の「ランペップ」、内臓脂肪軽減の「タマリノール」については、来年の春に機能性表示化が見込まれるため、それを基に国内外で大きく成長させていけると考えています。
02 基盤事業「海外事業」 :グローバル成長を加速する人財戦略

私たちの技術を海外で拡大するための戦略です。グローバル成長を加速する人材戦略として、グローバルメンバーとの協力を基に進めていきます。
スライドに記載されたメンバーが、科学技術からビジネス展開まで、各国のレギュレーションを調査しつつ、それをいかに迅速に各国に届けるかに取り組んでいきます。
02 基盤事業「明治薬品」 :新工場によりCMO事業が強固な利益基盤に

あわせて、富山にいる私たちの大切な仲間「明治薬品」では、基盤事業であるCMO事業のさらなる強化が期待されています。
その理由は、2029年に本格稼働が予定されている新工場の存在です。今年7月に着工が開始され、この新工場を基盤として、5年後の売上目標である50億円の達成を目指して営業活動を進めた結果、すでに41億円分の受託契約を獲得しています。
この新工場は、ただの新工場にとどまらず、CMO事業をより強固な利益基盤にする私たちの強力な武器として、今後大きく成長させていきます。
02 基盤事業「BtoC」 :営業CFを安定化&黒字化

中期経営計画において、最も注力すべきポイントがこちらのスライドに示されています。この3年間で営業キャッシュ・フローを安定化し、黒字化を徹底して取り組んでいきます。
リピート率やロイヤル顧客比率を大きく伸ばすことに加え、商品回転率を向上させることで、スピーディにキャッシュ化を図ることに徹底的に注力していきます。
これまでのやり方と仕組みを徹底的に見直し、当社が大切にしているBtoC事業やそのお客さまに対して、いかに利益を生み出すビジネスモデルへ進化させるかが今回のポイントです。ここを徹底的に取り組んでいきます。
以上が、新規事業および基盤事業に関する説明となります。
03 M&A戦略:マリン・プロフーズ社を100%株式取得契約

ここからは、M&A戦略についてのスライドです。
10月6日にマリン・プロフーズ社を100パーセント株式取得契約し、ファーマフーズグループに加わっていただきました。
「1K」をスタートした当初から、M&A戦略として複数の企業と対話し、交渉を重ねてきましたが、その中で第1号として取り組むことができた、非常に大切なパートナーであると考えています。
03 M&A戦略:マリン・プロフーズ社を100%株式取得契約

あらためてマリン・プロフーズ社についてご説明します。同社には大きく3つの強みがあります。1つ目は、紀文グループやキッコーマングループでの事業運営を経て、2022年に独立したメーカーである点です。非常に高い信頼性を持つ品質が強みです。
また、スライドの右側にあるような良質なフィッシュプロテインを用いた水産加工品は、病院食・介護食・給食を中心に広めています。強固な販路を持っていることも特徴です。
さらに、同社はファブレスであるため、生産工場を持たず、提携する工場と協力して製造を行うアセットライトなビジネスモデルを採用しています。
03 M&A戦略:マリン・プロフーズ社×ファーマフーズの狙い

私たちがマリン・プロフーズ社と協力して取り組みたいのは、こちらに示す「メディカルフード」です。
私たちファーマフーズは、「ファーマ」と「フード」を掛け合わせたコンセプトを掲げています。その具体的なかたちとして商品化されたのがメディカルフードです。当社では、事業化の初期段階からメディカルフードをぜひ推進したいと考え、これまでさまざまなM&Aのパートナーを模索してきました。
その中で実現したのが、マリン・プロフーズ社との協力です。今後はこのパートナーシップにおいて、メディカルフード事業に取り組んでいきたいと考えています。具体的には、メディカルフードとは、おいしさや安心・安全に加え、栄養と機能が一体となった商品です。
03 M&A戦略: 栄養と機能の同居したメディカルフード

その一例がこちらのスライドです。これは、私たちがこれまでに「GABA(ギャバ)」を使って取得したデータを示しています。
通常のプロテインを10グラム摂取した場合と、プロテイン10グラムに「GABA(ギャバ)」を加えた場合を比較すると、結果として筋肉が7倍増加しやすいというデータが確認されています。「GABA」を加えるだけで、筋肉量の増加効率が大きく向上するデータです。
これをどのように応用できるかについてですが、特にシニアの方、介護施設の入居者、病院の患者などにおいて、筋肉をつけるためにはプロテインを十分摂取する必要があります。しかし、大量の摂取が難しい状況もあります。
そうした中で、摂取した栄養を効率的に変換し、筋肉として活用できるのが「GABA(ギャバ)」の特長です。マリン・プロフーズ社が有する栄養技術と、私たちが有する機能を組み合わせることで、メディカルフードの事業化をさらに加速させていきます。
03 M&A戦略:新たな成長領域 「メディカルフード事業」 を創出

私たちは「PharmaGABA(ファーマギャバ)」だけでなく、「ボーンペップ」「ランペップ」など、さまざまな素材を取り扱っています。メディカルフードを通じて、病院や介護施設などに展開しています。さらに、大手商社や製薬企業と連携することで、さらなる事業拡大を目指しています。
03 M&A戦略:「メディカルフード事業」のさらなる市場拡大

その一例が、こちらのスライドに示されている内容です。メディカルフード事業をBtoBで国内の病院や介護施設、学校へ展開するだけでなく、スライドの左側にあるように、大手コンビニエンスストアや大手スーパーマーケットへの一般家庭向け販売も進め、新たな市場拡大を見込んでいます。
メディカルフード事業で培ったノウハウを海外、特にアジア地域へ展開することで、私たちの事業をさらに市場拡大させていきたいと考えています。
中期経営計画2029 「1Kプロジェクト-SPRING戦略-」財務目標

「1Kプロジェクト -SPRING戦略- 」において、私たちの数値目標をこちらのスライドで示しています。
売上は670億円を今期のスタートとし、3年後の2029年7月期には720億円を目標としています。その大きなポイントは、売上高の堅調な成長とともに、営業利益を大きく伸ばしていくことです。
基本方針は、新規事業、特に創薬を中心に積極的に育成し、次の柱としていきます。また、基盤事業の営業キャッシュ・フローを安定化・黒字化することで財務基盤を強化します。さらに、M&Aを駆使して飛躍的な成長を目指し、この3年以降、非常に早い時期に「1K達成」に挑む考えです。
中期経営計画2029 「1Kプロジェクト-SPRING戦略-」財務目標

それとともに、私たちの財務目標として、売上高や営業利益に加え、営業キャッシュ・フローとEPSをスライドに示す数値として設定し、徹底的に取り組んでいきます。
事業成長ポートフォリオ

最後のスライドです。今回の「1Kプロジェクト -SPRING戦略- 」をまとめると、既存事業のBtoBおよびBtoCでは財務基盤を徹底的に強化し、収益性を高めます。さらに、次の柱となる創薬、繊維、アグリを成長分野として積極的に育成します。連続的なM&Aを事業に加えることで飛躍的な成長につなげ、「1K」達成に挑みたいと考えています。
当初の目標である「1K」、すなわち1,000億円企業、100億円営業利益の達成という目標はぶれず、そのために何をすべきかをこの3年間で徹底的に体質改善し、成長するための基盤を強化することだと考えています。
ここにいるメンバーで覚悟を持って取り組んでいきますので、ぜひ応援のほどよろしくお願いします。発表は以上です。ありがとうございました。
質疑応答:「ニューモシリーズ」の今後の成長見通しについて
質問者:社長にお尋ねします。「ニューモ」はこれまで急成長を遂げてきましたが、売上高などが少し横ばいの状況かと思います。今後の成長の余地をどのようにお考えか、率直におうかがいできますか?
金武:「ニューモ」に関しては、取締役の鳥尾が答えます。
鳥尾公助氏(以下、鳥尾):取締役の鳥尾です。「ニューモ」に関しては「ニューモシリーズ」であり、「ニューモV(ファイブ)」もしくは「ニューZ(ニューゼット)」という商品もあります。この分野では積極的な投資を行い、効率を重視しながら再度注力して進めていきます。
質疑応答:今後の企業のブランディング戦略について
質問者:「ニューモ」以外にも繊維など、卵にまつわるさまざまな事業で収益の柱を築こうとされています。卵を基にした企業のブランディングについて、現在、消費者を中心に「ニューモ」のイメージが強いように思われます。今後はどのようにブランディングを進められるのか、教えていただけますか?
金武:私が広く考える視点としては、卵のサイエンスを基軸にしたファーマフーズのブランディングです。その中でも「ニューモ」は非常に有望だと考えています。これだけの潜在的ポテンシャルがあることに、事業展開を進める中であらためて気づきました。また、新しい市場の開拓に成功したとも思っています。
さらに、「ボーンペップ」に代表される骨の形成の分野にも注目しています。例えば、ロート製薬が取り組んでいる分野や、エルビーが今月から「カルピスキッズ」で「ボーンペップ」を採用した事例などがあります。海外では、韓国のソウル乳業が「ボーンペップ」を採用しており、卵製品が利用できなかった国でも、説明を重ねることで徐々に受け入れられる状況が広がっています。
また、ひざ関節サプリの「タマゴサミン」については、現在800万セットを出荷しています。卵製品において、このような第2、第3の商品を開発・推進しなければ、「ニューモ」に依存しすぎる結果となりかねません。1つの柱ではなく、複数の収益源を作ることが重要です。
さらに、食品分野では「GABA(ギャバ)」にも取り組んでいます。「GABA」は現在、世界的に注目される素材であり、より一層発酵食品としての展開を進めていきます。
ただし、こうした取り組みが売上につながる一方で、メッセージがきちんと伝わっていない部分や、レギュレーションの壁などの課題もあります。特に中国やアメリカへの輸出の遅れといった事情もありましたが、これらを言い訳とするのではなく、第2、第3の商品を確実に育てていくつもりです。
金英:金社長のコメントに少し補足します。当社はこれまで卵に取り組み、「ニューモ」という1つの柱を築きました。「タマゴサミン」以降の商品化も引き続き徹底して進めていく方針です。
その中で、卵をあらためて見つめ直し研究する、社長が本回答の冒頭で申し上げた「エッグサイエンス」についても取り組んでいます。卵をサイエンスすることで生まれるものとして、「ニューモ」や「タマゴサミン」、繊維、さらにはバイオや創薬の分野も含まれています。
こうした研究や取り組みを通じて、卵を会社のブランディングの1つとして大切に育てていきたいと考えています。
質疑応答:2027年7月期の設備投資と注力分野について
質問者:「GABA(ギャバ)」や「ニューモ」などの主力製品に加え、新たにアグリ事業や繊維事業などにも取り組まれていると認識しています。2027年7月期の今期や今回の中期経営計画において、設備投資、つまり資金を投じて注力していく分野について教えてください。
金英:私から代表してご説明します。大きく2点ございます。1つ目は、先ほど申し上げた明治薬品での新工場です。それに加えて創薬にも注力していきます。
特に、医薬品分野では「CADASIL(カダシル)」を中心に、これまで取り組んできた事業の事業化を加速すべく、投資し、成長のための育成を進めていきます。この2点を大きな目玉として考えています。
質疑応答:今後のM&A方針と創薬領域への対応について
質問者:M&Aについてお聞きします。今回はメディカルフードで、御社に足りなかった分野を補っていくイメージだと思います。今後のM&Aの方針としても、このような分野で補っていきたいという方針はありますか?
金武:私が担当しましたが、現在、同時並行で3件ほど進めています。
2件目は創薬に関してですが、競争でなかなか勝てなかった領域として、「CADASIL(カダシル)」について縄野さんより説明をお願いします。

縄野:取締役の縄野です。スライドに記載がありましたように、「CADASIL(カダシル)」については、2030年の申請を目指して現在フェーズ3の臨床開発を準備しています。
これに加えて、製薬企業としてはクオリティアシュアランスやファーマコビジランスなど、守りの部分も非常に重要になってきます。そうしたこともあり、自社内での立ち上げも検討していますが、営業の観点も踏まえると、買収も選択肢の1つと考えています。
立ち上げを早めるためには、すでに事業を持っている企業と提携するか、買収することが1つの選択肢だと思います。
質問者:3つ並行してM&Aを検討されていたというのは、今回の「GABA(ギャバ)」を活かすところと、創薬、そしてもう1つ別のジャンルがあるのでしょうか?
金武:繊維です。繊維事業も想定以上のスピード感で進展しています。先週もドイツ・ミュンヘンで賞を受賞しました。現在、特にヨーロッパの市場では、予想以上に環境意識が高まっています。
当社の原料は廃棄されていた卵殻膜を使用しており、未利用資源を活用している点がアップサイクルと評価されています。また、実際に触れてみると非常に高品質で、カシミヤのような手触りと伸縮性が特徴です。この分野での新たなパートナーシップを検討しています。
質問者:販売網のパートナーというイメージでしょうか?
金武:まだ製造段階です。販売については、たくさん取り組みたい分野があります。大手企業もありますし、海外市場も視野に入れています。繊維については専門ではありませんが、今回20トン以上の生産を達成しました。それまで100グラムから200グラムの生産量でしたが、20トンを生産し、すべて完売しました。
少なくともその5倍や6倍の規模でボリュームを増やしていこうと考えた場合、独自で行うよりもパートナーを組むほうがよいのではないかと考えています。
質疑応答:中期経営計画の業績目標と事業の推進要因について

質問者:中期経営計画の業績目標についておうかがいします。売上が2029年7月期までに約90億円、利益が約15億円伸びると予想されていますが、どの事業が牽引するのでしょうか?
金英:大きく牽引するのは、M&Aでジョインしたマリン・プロフーズ社の売上です。それに加え、その後徐々に拡大していくバイオメディカル分野と繊維分野が挙げられます。90億円のうち、大きな部分を占めるのはこれら3つと考えています。
質問者:基盤事業について、BtoBとBtoCはこの3年間、売上が横ばいと見てよろしいでしょうか?
金英:基盤事業については、売上以上に利益を生み出すことを徹底的に追求していきます。売上が下がることは予想していませんが、利益を重視した成長を考えています。
質問者:全体の利益増加は2026年7月期からプラス15億円ですが、このプラス15億円は基盤事業のBtoBやBtoCの収益性改善で達成しようということですね?
金英:そのように考えています。
鳥尾:先ほどの「ニューモ」の伸びしろにも関連していると考えています。「1K」を目指す基本方針に変わりはありませんが、先ほど説明があったように、利益をしっかり出せる企業へと成長していく方針です。売上をただ積み上げていくことを重視するのではなく、これからは利益をしっかりと出せる体質改善の期間にしたいと考えています。
質疑応答:今後の設備投資計画と投資金額のイメージについて
質問者:設備投資に関する今後の考え方について質問です。向こう3年あるいは向こう5年程度で、設備投資の金額や減価償却費について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
金武:1つ明確なのは、先ほどお話があったように、「明治薬品」の125億円の投資を決定した件です。この投資は2年間で行い、3年目から稼働を開始し、利益を確保する計画です。
ただし、3年目から取り組むのではなく、すでに富山には老朽化した製薬会社が存在すると聞いており、私たちは清水建設とともに最新の設備の導入を進めています。営業部門の努力もあり、2年後には約41億円分の利益を確保できる見込みです。社内として、稼働開始時には黒字転換が十分可能な状態でスタートできる計画です。
もう1つは創薬に関する内容です。創薬については投資額が決まっており、例えば技術の導出によりロイヤリティを受け取ることなど、収益バランスを考慮しながら進めています。
質問者:具体的な金額は、全体的なイメージとしてどのような規模感でしょうか?
金武:最低で155億円程度を使う予定です。
質問者:今期のことですか? それとも3年間での計画ですか?
金武:3年間です。もっと取り組みたいところですが、「もっともっと資本を厚くしよう」と言われていますので、再び資金を回しながら、借り入れにとどまらず、もう少し市場からの評価を得られれば、株価も上昇するかもしれません。いろいろな手法を検討しながら、資金を投入していきたいと考えています。
質疑応答:フリー・キャッシュ・フローと資金調達の戦略について
質問者:フリー・キャッシュ・フローについての考え方をお聞かせください。過去10年間を振り返ると、フリー・キャッシュ・フローが赤字の期間が非常に多かった状況です。
フリー・キャッシュ・フローは、投資家から非常に注目されている指標であり、自由に使える現金を自ら作り出せる考え方として位置づけられています。設備投資を今後も継続するのであれば、営業利益率(OPマージン)をさらに向上させなければ、十分に対応できない状況にも思えます。
キャッシュ・フローに関する戦略的な考え方として、具体的にどのようなKPI(重要業績評価指標)を設けてマネジメントされているのでしょうか?
金武:これまではKPIは特に定めず、積極的に取り組む姿勢を取っていました。ただ、キャッシュ・フローがこれほど薄くなるのは問題であるため、あらためて厚みを持たせる手立てを実施していきます。ここからは、担当の青木から回答します。
青木:IR担当の青木と申します。ご質問ありがとうございます。中期経営計画では、あえて営業キャッシュ・フローをしっかり確保していく方針を掲げています。
決算短信をご覧になっておわかりのとおり、2期連続でマイナス10億円、マイナス11億円という結果で、営業活動キャッシュ・フローも赤字になっています。財務諸表を見ても、誰が見てもこのような数字であることは明白です。
その内訳を見ると、棚卸資産や未払金の増減がマイナスで計上されています。この部分をどのように改善して営業キャッシュ・フローを黒字化させるか、つまりマイナスをしっかりと逆転させることが最も重要だと考えています。
中期経営計画の中でも「商品回転率」という言葉を用いてご説明しました。商品が着実に積み上がりつつ、回転率を向上させてキャッシュを稼ぐことで、営業キャッシュ・フローに厚みを持たせることができます。
こうした取り組みを行えば、投資キャッシュ・フローを上回る金額、すなわちご質問いただいたフリー・キャッシュ・フローをプラスにすることが可能となります。
製造業や小売業において在庫の管理は非常に重要であり、奥深い課題でもあります。当社としても、商品ごとの回転率をしっかりと管理しながら、営業キャッシュ・フローを黒字化することを目指していきます。
また、減価償却についてのご質問もありましたが、現状では各期7億円程度を計上しています。今後、明治薬品の工場建設および今回のマリン・プロフーズ社買収に伴い、通常ののれんが発生し、その減価償却も加わる見通しです。
ただ、いかにキャッシュを生み出すかを非常に重視しています。EBITDAやキャッシュを各期しっかりと生み出すこと、減価償却や利益が減少しても、どれだけフリー・キャッシュ・フローを生み出せるかを重視していきたいと考えています。
質問者:営業キャッシュ・フローを重視されていることは理解しました。ただ、御社のように投資を積極的に行う場合、フリー・キャッシュ・フロー、つまり営業活動のキャッシュ・フローと投資活動のキャッシュ・フローを合算したかたちで見るほうが適切ではないかと思いました。
また、自己資本比率がやや低く見受けられます。フリー・キャッシュ・フローが現金の積み上げにつながらない場合、借入金に依存するかたちとなり、仮に今後金利が上昇した場合に負担が増加する可能性があります。その点について、どのような資金調達の考え方をお持ちでしょうか?
東山寛尚氏(以下、東山):取締役の東山と申します。ご指摘のとおり、明治薬品の工場やM&Aの資金は借入で賄っています。将来的には株価を上げ、市場の評価をきちんといただいた上で資本を厚くし、エクイティ調達を進めることで、借入の財務負担を軽減していく必要があると認識しています。
質問者:反対に、時価発行増資になると希薄化が起こる可能性もあります。
東山:そこはトレードオフになると思います。そのためには、しっかりと株価を上げなければ、エクイティで調達できる金額も少なくなります。今日のように、将来的な展望を根気よく株主のみなさまにお伝えしながら、株価への期待を高めていくことを並行して取り組む必要があると考えています。
質問者:先ほど、金利上昇時にどうなるかについて言及しましたが、あまり負担が大きくならないのであれば、間接調達、つまり金融機関からの調達を優先されるほうがよいと感じます。
また、ファイナンスという観点では、ファイナンスリスクの影響が投資家に認識されると、逆に株価が上がらず、アップサイドを抑える圧力になる可能性があると思います。
ファイナンスについては非常に重要な事項であるため、詳細な質問は控えますが、次回の説明会では、フリー・キャッシュ・フローについて、営業キャッシュ・フローだけでなく、設備投資を含めた考え方についてもう少し詳細にご説明いただけるとありがたいです。
御社は研究や技術的な面で非常に優れた印象を受けます。これらは御社の重要な強みであり、投資を完全にゼロにすることはあり得ないと考えています。そのため、営業キャッシュ・フローと投資のバランスを考慮した概念の説明をいただきたいと思います。以上です。
