2026年10月21日に発表された、プリモグローバルホールディングス株式会社2026年8月期決算・中期経営計画説明の内容を書き起こしでお伝えします。
2026年8月期決算説明
澤野直樹氏(以下、澤野):プリモグローバルホールディングス株式会社代表取締役社長の澤野です。本日はご多用の中、貴重なお時間をいただき、厚く御礼申し上げます。
本日は、前期である2026年8月期の決算状況について、また、先週発表した新中期経営計画を踏まえ、今後のグループ全体の成長戦略についてお話しします。前期の決算においては、売上、利益ともに過去最高の数字となりました。
2026年8月期 通期決算 サマリー
前期の業績は、売上収益が315億7,100万円、営業利益が39億300万円となりました。先般掲げていた中期経営計画を1年前倒しで達成する運びとなり、今期、新たな中期経営計画を策定しました。
また、期中にプラチナの価格が高騰し、原材料費の上昇に伴い売上総利益率が一時的に悪化したものの、価格改定を行いながら利益を順調に確保することができました。その結果、今期に入り、さらに増収増益の計画を発表することができました。
連結業績ハイライト:2026年8月期

前期は、売上収益の成長率が前期比12.7パーセント、営業利益および事業利益はいずれも前期比で2桁パーセント以上の増益となりました。事業利益率は12.2パーセントとなり、中期経営計画を1年前倒しで達成するとともに、過去最高を更新しています。
売上収益:2026年8月期

セグメントごとの売上収益です。国内、海外ともに順調に売上を伸ばすことができました。詳細は後ほど説明しますが、今後の成長市場となり得る中国本土では、2期連続で増収増益となっており、足元の状況は良好です。
売上収益:全社四半期推移

四半期ごとの推移です。四半期の売上収益としては、過去最高となる83億円を記録し、前年同期比では10パーセント以上の成長となっています。順調に右肩上がりで推移していることがご覧いただけます。なお、当社には四半期ごとの季節性はあまりないとお考えいただいて差し支えありません。
営業利益・事業利益:2026年8月期

利益の状況です。事業利益、営業利益ともに前期比で2桁パーセントの増益となり、国内、海外のいずれも順調に伸びています。
連結損益計算書

こちらは損益計算書の第4四半期と通期を並べたものです。申し上げたい点は2つあります。
1つ目は、先般課題となっていた売上総利益率です。第4四半期は前期の水準には及びませんでしたが、最終的には62.1パーセントまで回復しました。この回復が今期の成長を支える土台となっています。
2つ目は、営業利益率です。第4四半期で12.0パーセント、通期でも12.4パーセントとなり、収益性が着実に向上しています。
営業利益・増減要因分析:2026年8月期

こちらは増減要因の分析です。前々期である2025年8月期の売上総利益率64.5パーセントを前提とした場合、約23億円の売上総利益を確保できる計算でした。しかし、先ほどお話ししたとおり、プラチナ価格の高騰により約12億円の減少が生じました。
それでも全体としては増益となり、しっかりと利益を確保しています。資料に記載のとおり、第3四半期の57.5パーセントを底に、第4四半期は62.1パーセントと、価格改定の効果を含めて売上総利益率は回復しています。
国内 セグメント実績:2026年8月期

セグメント別の実績です。国内においては、少子高齢化に伴い婚姻組数が緩やかに減少しているものの、単価の上昇もあり、市場は成長を続けています。そのような中で、当社も売上と利益をともに順調に伸ばすことができました。
特に、当社が運営するラグジュアリーブランド「LAZARE DIAMOND(ラザールダイヤモンド)」は、業績が大きく伸び、国内業績を牽引しました。
海外 セグメント実績:2026年8月期

海外についてです。以前からお話ししているとおり、中国本土事業は3年前に収益が悪化しましたが、さまざまな構造改革を実施した結果、前々期、前期と2期連続で大幅な増収増益となりました。中国本土事業は海外事業全体を牽引しており、セグメント利益は150パーセント以上の増益となっています。
第4四半期トピックス

第4四半期の主な動きです。前中期経営計画では出店の再開を2027年8月期に予定していましたが、1年前倒しで前期に再開し、中国本土で4店舗を新たに出店しました。第4四半期では、中国の深セン市に1店舗を出店しています。また、東南アジアを長期的な成長市場と捉え、6月5日にマレーシアのクアラルンプールに1号店を出店しました。
中国本土では、2016年7月に上海市に1号店を出店してから10周年を迎え、売上や利益の礎を着実に築いてきました。これからは、成長を加速させる計画を立てています。
連結財務ハイライト(BS)

財務状況について、まずはバランスシートです。ご覧いただきたいのは、のれんと無形資産です。これらは過去のM&Aを通じて積み上がってきたものであり、前期は主に為替の影響に加え、「LAZARE DIAMOND」の商流に関わるダイヤモンド調達権を約10億円で取得したことにより、資産がやや増加しています。
財務ハイライト(CF)

キャッシュフローです。前期同様、営業活動により約47億円のキャッシュフローを安定的に生み出しています。先ほどお話しした「LAZARE DIAMOND」のダイヤモンド調達権への投資と、前期に上場して以降、配当を着実に実施していることの2点がトピックスとなります。
2027年8月期ガイダンス

今後の見通しと今期の計画についてご説明します。中期経営計画についてはこの後お話ししますが、今期も引き続き持続的かつ安定的な成長を目指すことが当社の基本方針です。
売上収益は2桁成長の348億円、営業利益は収益性の向上と売上総利益率の改善を見込み、前期比23.0パーセント増の48億円を計画しています。また、さらなる成長に向けて、今期は7店舗の新規出店を計画しています。
株主還元

配当については、配当性向40パーセント以上を基本方針として公表しています。今期も、前期から11円の増配となる131円を予定しています。
通期施策

国内で出店を再開する「LAZARE DIAMOND」は、ダイヤモンド調達権を取得したことに加え、ブライダル以外の幅広いお客さまへの早期認知に取り組んでいます。ラグジュアリーブランドの領域を国内でさらに伸ばしていきたいと考えています。
以上が決算の説明です。
新中期経営計画「PRIMO Beyond 2029」のサマリー

中期経営計画「PRIMO Beyond 2029」についてご説明します。本計画には、現状の数字や状況に満足せず、さらに力強く飛躍したいという思いを込めて、「PRIMO Beyond 2029」と名付けました。
まず、今回の中期経営計画の概要です。最終年度に売上収益410億円、営業利益70億円、当期純利益45億円、ROE17.5パーセントを目指すこととし、KPIとして公表しました。
詳細は後ほどあらためてご説明しますが、今後も守りに入ることなく、積極的な投資を行いながら、持続的かつ安定的な成長を目指していきます。これは、上場前から変わらない当社の方針であり、確実に達成したいと考えています。
ご挨拶・代表メッセージ

我々の企業理念は「最高(プリモ)の夢(おもい)を最高(プリモ)の幸(かたち)に」です。当社グループを通じて出会ったすべての人々が個々にお持ちの「おもい」を一生の「かたち」に変えて提供していきたい、そのような会社であり続けたいと考えています。
国内だけでなく、今後の成長市場である海外においても同様の考え方のもと、現在1,100名強の従業員が一致団結しながら、お客さまの幸せをお手伝いし続けていきたいと考えています。
グループ構成、国内外の出店状況

当社の足元の状況について、「プリモグループとはどのような会社か」をお伝えするための3つの数字です。
前期の売上収益は315億円で、その約36パーセントを海外が占めています。当社にとって海外は、これから進出を目指す市場ではなく、すでに事業の柱となっています。「プリモグローバル」という社名のとおり、グローバルに事業を展開している会社です。
また、おかげさまで現在の店舗数は136店舗となり、日本を中心に6拠点で事業を展開しています。
ブランド一覧(国内/海外の主力ブランド)

当社は、4つのブランドを運営しています。資料左側の2つはプライベートブランドであり、ブライダルジュエリー専業に近い業態で展開する「I-PRIMO(アイプリモ)」と、ラグジュアリーな位置づけの「LAZARE DIAMOND(ラザールダイヤモンド)」です。
また、海外提携によるブランドとして、オーダーメイドジュエリーの「K.UNO(ケイ・ウノ)」と、日本のファッションジュエリー御三家の1つとされる「STAR JEWELRY(スタージュエリー)」を展開しています。これらのブランドを通じて、多くのお客さまとのタッチポイントを増やしていきたいと考えています。
沿革

沿革です。当社は1999年4月に銀座中央通りに1号店を出店し、今年で26年目を迎えます。順調に売上を伸ばしてきましたが、転機となったのは2007年の台湾進出です。当社はブライダルを主力とするジュエリー業界の中で、初めて海外に進出した先駆け企業です。
また、国内のジュエリーを含む小売企業で、海外進出により安定して利益を上げている数少ない企業の一つです。今後も日本で培ったビジネスモデルを海外に積極的に展開し、グローバル市場でさらなる成長を目指していきたいと考えています。
事業の特長・強み①

当社の事業の強みについてお話しします。なぜプリモグローバルホールディングスが成長を続け、今後もさらに発展ができるのか、という点です。
1つ目は、ブライダルリングへの特化です。当社は経営資源をブライダルリングの事業に集中して展開してきました。その理由は、ブライダルリングが一生の記念品となる買い物であり、景気の影響を受けにくく、安定した需要がある点に着目したためです。
当社が創業した当時は、バブル崩壊後のデフレ下で、日本経済が低迷していた時期でした。しかし、そのような厳しい状況下でも、ブライダルリングには安定した需要がありました。このため、経営資源をこの分野に絞ることを決めました。
2つ目は、パーソナルサポートです。ブライダルリングを購入されるお客さまは、商品のデザインやブランド力、価格を重視されることはもちろんですが、それ以上に、人生で最も幸せな瞬間における体験価値を非常に重視される傾向があります。
この傾向は、国内外で共通する価値観です。当社は、この点に着目し、単なる商品の提供にとどまらず、人の魅力を伝えるサービス業でありたいという想いを持っています。特に海外市場では、「日本式のおもてなし」を接客に取り入れています。
こうした取り組みの結果、当社で商品をご購入いただくお客さまの70パーセント以上が、「商品が良かった」「ブランドが良かった」「価格が良かった」という理由以上に、「担当してくれた販売者の対応が非常に良かった。だから商品を購入した」とおっしゃっています。この一人ひとりに寄り添う接客であるパーソナルサポートは、当社ならではの販売方法であり、当社の特長の1つです。
3つ目は、セレクトオーダースタイルです。ダイヤモンドとデザインリングを自由に組み合わせることができる仕組みであり、お客さまのご予算に合わせて好きなデザインを選ぶことができるため、高い顧客満足度につながっています。
また、お客さまが商品を選ばれた後に仕入れ発注する形式であるため、受注発注型のビジネスモデルが確立されています。当社はご覧のとおり、資産効率の高い事業を運営できています。以上の3つが当社の特長です。
事業の特長・強み②

中期経営計画や10年後のビジョンを含め、当社は今後も海外で積極的に事業を展開していく予定です。ジュエリー企業の中で、海外で安定して利益を上げている点が当社の特長です。
その理由の1つとしては、日本で培ってきた「ジャパンクオリティ」と呼ばれる、高品質な商品やデザイン、売り方です。当社では、物だけでなく人の魅力を提供する販売手法を、どの拠点でも変えることなく、日本式の手法を貫き通しています。
一方で、その地域での出店場所や、集客のための広告販促の方法については、現地の商習慣をじっくり理解した上で決めています。マーケティングの責任者には必ず現地の社員を起用し、「郷に入っては郷に従え」で、現地の特性に合わせて調整しています。
これらを組み合わせることで、当社は海外事業を成長させてきました。日本式の販売手法と現地化の両立は、容易なことではないと考えています。
事業環境:国内市場

国内市場における結婚指輪の取得率は安定して90パーセント以上を維持しています。また、コロナ禍以降、単価の上昇により、ブライダルジュエリー市場は年平均10パーセント以上の成長を続けています。
婚姻組数は若干減少していますが、それを上回る単価の上昇が市場の成長を牽引しており、国内のインフレや景気回復の影響もあって、市場が拡大しています。誤解のないように申し添えますが、ブライダルジュエリー市場は引き続き成長しており、好調が続いています。
事業環境:海外市場

海外では、中国本土と東南アジアは日本に比べて婚姻件数が格段に多く、ラグジュアリー商品への支出額も大きいため、成長余地は大きいと考えています。
前中期経営計画期間の実績

このような市場環境を背景に、前中期経営計画を振り返ります。資料中央に示した前回公表の計画では、3年目にあたる今期に連結売上収益305億円、連結事業利益33億円を目標として掲げていましたが、ご覧のとおり、この目標は前期の2026年8月期に1年前倒しで達成しました。計画が順調に進んだことから、今回、新たな中期経営計画を発表する運びとなりました。
前中期経営計画の成果、新中期経営計画における施策

前中期経営計画の主な点についてご説明します。国内市場では寡占化が進んでおり、当社のような一定の規模を持つ会社にお客さまが集まってきていることから、客数と客単価がともに大きく伸びています。また、「LAZARE DIAMOND」は全店舗で過去最高の売上を更新しました。
海外では、中国本土事業が大きく回復し、2期連続で増収増益となっています。一方で、台湾事業は婚姻件数の減少などの影響を受けて減収減益となりました。この点を反省材料とし、新たな中期経営計画に反映しています。
新中期経営計画の位置づけ

10年間のビジョンも含め、1枚の資料にまとめています。新中期経営計画の位置づけは、図の中央にある「グローバル展開の加速フェーズ」です。
国内事業は順調に成長し、海外でも売上と利益をともに一定程度確保できていることから、今後は成長余地の大きい海外を中心に業績を伸ばしていきたいと考えています。そのために、売上収益で年平均9.1パーセントの成長を目標に掲げました。3年後には売上収益410億円、営業利益70億円、海外売上比率41パーセントを目指します。
さらに10年後には、既存事業の延長線上にあるオーガニック成長で、売上収益600億円以上、営業利益120億円以上を目指します。加えて成長を加速させるために、M&Aや新たな出会いを通じてさらに飛躍を図り、10年後には世界中で愛され、支持される企業グループになることを目標としています。
新中期経営計画の全体像

新たな中期経営計画の全体像です。目指す成果は、持続的な企業成長と企業価値の向上です。資料中央に記載している3つの事業成長戦略は、上場以来変更していません。これらに、財務・資本戦略と経営基盤戦略を組み合わせながら、持続的な企業成長と企業価値の向上に取り組んでいきます。
経営目標

経営目標です。資料右端に記載している年平均成長率は、売上収益が9.1パーセント、営業利益が21.5パーセントと、これまで以上の飛躍的な成長を計画しています。ROEは17.5パーセントを目標に掲げ、資本効率を意識して取り組んでいきます。
成長ドライバー(売上収益)

売上収益の増加要因を示した図です。各地域でどの程度売上を拡大していくのかを示しています。国内市場では、企業価値向上を目指した定期的な価格改定や「LAZARE DIAMOND」の出店を引き続き進めていきます。
国内の35億円以上の成長に加え、中国本土や東南アジアを含む海外市場は、国内以上に成長フェーズにあると考えています。これらの地域では、出店も含めて売上を伸ばしていきたいと考えています。
事業戦略の全体像

3つの事業戦略です。売上収益の成長に向けて、まずはお客さまの数を増やすことを目指しています。1つ目のグローバル戦略では、各拠点で出店を進めながらお客さまを増やしていきます。2つ目のマルチブランド戦略では、提携ブランドを活用していきます。
これら2つの戦略で、顧客数を拡大するとともに、3つ目のライフパートナー戦略、いわゆるCRM(Customer Relationship Management)により、お客さまとの接点を高頻度かつ長期にわたって増やしていくことを目指します。そして、戦略ごとにKPIを設定しました。
〈重要事業戦略①〉グローバル戦略

1つ目のグローバル戦略です。主に中国本土と東南アジアを中心に、積極的に店舗数を増やしていきたいと考えています。KPIは店舗数とし、現在の136店舗から、3年後には162店舗へ、26店舗の増加を目指します。
〈重要事業戦略②〉マルチブランド戦略

2つ目はマルチブランド戦略です。ブランドポートフォリオの縦軸を「利用シーン」、横軸を「顧客への提供価値(=選ばれる理由)」としています。
当社の「I-PRIMO」と「LAZARE DIAMOND」という2つのブランドは、ブライダルを中心に展開しています。ブライダルという特別な人生の節目でお客さまと出会い、顧客数を増やしつつ、2つの提携ブランドを通じてさまざまな場面でお客さまを増やしていきます。
KPIとしては、「I-PRIMO」以外のブランドで、売上収益の年平均成長率10パーセント以上を目標に掲げています。
〈重要事業戦略③〉ライフパートナー戦略

3つ目はライフパートナー戦略です。結婚を起点に、生涯にわたってお付き合いいただけるよう、さまざまな接点を増やしていきたいと考えています。人生で最も幸せな瞬間に出会ったお客さまは、ブランドに対して深い愛着をお持ちです。その信頼にお応えしながら顧客生涯価値、いわゆるLTV(Lifetime Value)を高めていく方針です。
この戦略のKPIとして、ファッションジュエリーセグメントの売上収益の年平均成長率15パーセント以上を目標に掲げています。
〈事業別戦略①〉国内

3つの戦略について、事業所ごとにどのような取り組みを行うのかお話しします。国内については、先ほどお話ししたように「LAZARE DIAMOND」を毎年1店舗ずつ増やしていきます。これは、「LAZARE DIAMOND」の業績が好調で「I-PRIMO」との差別化が進んでいることが背景にあります。
国内市場については、少子高齢化に伴い婚姻組数が減少しているため、成長が難しいのではないかとのご懸念もあるかと思いますが、市場の寡占化が進む中で、足元でも10パーセント以上の成長を維持しています。
この3年間においても国内でしっかりと収益を上げ、将来の成長投資や株主還元の原資としていくため、国内事業も引き続き拡大を図っていきます。
〈事業別戦略②〉中国本土

中国本土です。今回の計画で最も成長を牽引する事業となります。売上収益は52億円から80億円へ、店舗数も14店舗増やす計画で、大幅な拡大を目指しています。
中国本土での事業は10年が経ち、口コミでも「珍しいブランドだが、品質が高く、値段も比較的お手頃」、さらに一部のお客さまからは「日本式のおもてなしも良い」という評価を頂きながら、少しずつ認知が広がってきています。
中国本土は景気が悪いと言われる中でも、ブライダル事業には景気の影響を受けにくいという強みがあります。この強みを活かしながら、事業を着実に伸ばしていきたいと考えています。
〈事業別戦略③〉香港・東南アジア

香港・東南アジアです。この資料では、有価証券報告書のセグメント区分に沿って3つに分けて、見やすさを重視しています。
東南アジア市場では、前期にクアラルンプールに出店しました。今後はシンガポールやクアラルンプールに加え、それ他の都市や国を含めて、新たに6店舗を展開していきたいと考えています。
東南アジアは、日本文化や日本の商品への好感度が高く、諸先輩方が築いてくださった日本への信頼も厚いことから、こうした市場の追い風と当社の「おもてなし」を組み合わせた事業を前向きに進められる市場であると考えています。
〈事業別戦略④〉台湾

台湾です。進出から20年、試行錯誤を重ねてきましたが、外部環境の逆風を受け、減収傾向が続いています。あらためて組織を見直し、3つのブランドの運営をより効率的に行うことで、収益を回復させる3年間にしたいと考えています。
資本効率を意識した経営目標

財務・資本戦略です。当社は財務・資本戦略の軸としてPBRの向上を掲げており、この資料では、ROEとPERに分けて考え方を整理しています。
ROEを高めるためには、本業の収益を拡大するとともに、配当や自己株式取得を含めた資本構成の最適化を図る必要があります。その上で、3年後にROEを17.5パーセント以上とする目標を掲げています。
PERについては、業績の拡大はもちろん重要ですが、持続的な成長を目指す上で、DXやAI、人財への投資を偏りなく進めることが求められます。また、資本コストを低減する観点から、情報開示を着実に行うことも重要です。
これは私の役割でもあると考えていますが、投資家のみなさまと積極的に対話を重ねることで、市場からの評価につなげていきたいと考えています。これらを通して、PBRの向上を目指していきます。
キャピタルアロケーション

キャピタルアロケーションです。東京証券取引所からの要請も踏まえ、当社としても考え方を開示し、目標を公表していきます。この3年間で実質営業キャッシュフロー約120億円を見込み、そのうち3分の2を配当および自己株式取得として株主のみなさまに還元します。
残りは成長投資に充てていきます。我々は小売事業を運営しており、店舗が収益を生む基盤です。そのため店舗への投資と、それに関連する商品への投資なども含めて、総額約30億円の投資を実施していきたいと考えています。
出店計画(成長投資詳細)

出店計画です。前期末の136店舗から、3年後には162店舗へ増やす計画です。中国本土および東南アジアを中心に出店を進め、国内では「LAZARE DIAMOND」を3店舗出店します。
株主還元方針

株主還元方針です。上場時から方針は変えていません。基本方針として、配当性向40パーセント以上の配当を行っていきます。また、今回は3年間で35億円の自己株式取得を計画しており、中期的な企業価値の向上につなげていきたいと考えています。
最適資本構成

最適資本構成は、ここまでご説明した考え方に沿ったものです。資料右下の財務規律の欄にあるとおり、当社ではネット有利子負債/EBITDA倍率を指標として管理していく考えです。
目安としては1.5倍を意識しつつ、基本的には新規出店を進め、既存店舗も含めて成長させることで、着実に収益を確保していきます。その上で利益を偏りなく還元し、借入金を返済しながら、資本効率を健全な状態に保つことが当社の方針です。
人財戦略の全体像

人財戦略の全体像です。当社はモノだけでなく、人の付加価値や体験価値を通じてお客さまから高い評価をいただいているブランドであり、人財戦略を重視しています。
特に教育面では、「プリモカレッジ」という10年間の育成プログラムを展開し、国内外でほぼ同じ内容で運用しています。資料中央のKPIでは、売上高ではなく売上総利益に着目し、従業員1人当たりの売上総利益を指標として掲げており、前期の1,729万円に対して、2029年8月期には2,200万円以上を目標としています。
また、多様性への対応として、国内における女性管理職比率を50パーセント以上、離職率12パーセント以下を目指しています。
当社に愛着を持つ多くの社員が、お客さまにまっすぐ向き合い、貴重な人財が長く働ける環境を整備し、企業価値の向上に努めていきます。
人財育成/DX・AIの取り組み

我々は、DXとAIを活用した業務の効率化にとどまらず、AIを接客訓練に活かすことで、社員の販売力の平準化や早期育成につなげており、今後はこの取り組みをさらに磨いていきたいと考えています。また、当社独自の知見も蓄積されてきたため、これをAIに学習させて、さらなる飛躍を目指していく考えです。
サステナビリティと企業価値向上の繋がり

5つのマテリアリティ(重要課題)の実践に取り組むことで、長期的に企業全体が発展し、投資家のみなさまへの還元につながり、多くのステークホルダーのみなさまに満足していただけるという考えを1枚にまとめています。
今回お伝えしたい中期経営計画の骨子としては、繰り返しになりますが、確実に、安定的かつ持続的に成長させていくという方針に変わりはないということです。その上で、国内も引き続き成長させるとともに、国内以上に、社名に恥じないよう海外展開を加速させるフェーズに入ります。
そして10年後に世界で認知される企業を目指していきたいという想いを込めて、中期経営計画を発表しました。
私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:売上総利益率が回復した要因について

質問者:前期と今期の計画について教えてください。第4四半期の売上総利益率が事前の想定どおり62パーセント台まで回復しましたが、これは主に価格改定の効果によるもので、「LAZARE DIAMOND」のダイヤモンド調達権の効果が完全には反映されていないという理解でよろしいでしょうか?
澤野:おっしゃるとおりです。会計上の第3四半期にあたる3月から5月が売上総利益率の底になることは、当初から想定していました。国内事業を中心に数回実施した価格改定の効果が第4四半期に最も大きく表れ、売上総利益率は62パーセント台まで回復しました。また、「LAZARE DIAMOND」の調達権は4月末に取得したものであり、その効果が少しずつ現れ始めたのが第4四半期という理解です。

質問者:2027年8月期は、営業利益率が前期比で1.4パーセントほど改善する予想となっていますが、こちらは主に売上総利益率の改善によるものでしょうか? 具体的には、残っている価格改定効果や、ダイヤモンド調達権の影響によるものと理解してよいでしょうか? 他に何か要因があれば教えてください。
澤野:ご理解のとおりです。主に価格改定の効果と調達権の影響の2点により、売上総利益率が改善し、営業利益率の向上につながると考えています。
質疑応答:2029年8月期の売上総利益率に対する考え方について

質問者:中期経営計画における2029年8月期の人員計画と1人当たりの売上総利益率の目標から逆算すると、売上総利益率の想定は約63パーセントとなり、今期とあまり変わらないように見えますが、理解として正しいでしょうか? また、もしそうであれば経費率の改善がポイントになると思うため、要因も含めて教えていただけますか?
澤野:目標値には「以上」と記載しており、実際には、3年後の売上総利益率はもう少し改善する見込みであり、63パーセントで着地するという想定は基本的にはしていません。保守的かもしれませんが、まずは着実な目標達成を目指します。
我々経営陣としては、それ以上を目指して取り組む意向です。単価上昇分に加え、DXやAIなどを活用した効率化によって1人当たりの生産性を高めていきます。その上で、社員へのベースアップも含め、還元していくことが基本的な方針です。
質問者:店舗数が26店舗増えるのに対し、従業員が60数人しか増えない点が興味深いです。AI活用によって店舗当たりの人員をあまり増やさなくて済むのか、この点を教えてください。
澤野:この人員計画には「STAR JEWELRY」の店舗人員も含まれています。「STAR JEWELRY」のようなファッションジュエリーブランドは、ブライダル部門と比べて6割程度の人員で運営できるため、比較的少ない人数で運営が可能です。
また、国内の「LAZARE DIAMOND」でも、4年から5年前の人員計画より3割ほど少ない人数でも、AIによる効率化や単価上昇、1人当たりの生産性向上により運営が可能です。そのため、現在の人員規模で十分であると考えています。
さらに、内数として産育休中の社員が相当数おり、その方々の職場復帰も見込んでいるため、実際には増員の60名だけで26店舗分を運営するわけではありません。
質疑応答:長期ビジョンにおける「一流ブランドの集合体」の目指す姿について

質問者:長期ビジョンの中で「一流ブランドの集合体」を掲げられています。これは、将来的に日本のジュエラー各社の海外展開を推進するプラットフォームのような役割を目指しているという理解でよろしいでしょうか?
澤野:そのご理解は、もちろん正しいです。ただし、当社が目指す世界で認知されるブランドとは、海外の高級ブランドのように、高級で高額であることを意味するものではありません。むしろ、ブライダルジュエリーを中心に、顧客体験価値や人財の面で魅力的な存在として世界的に認知されたいという想いがあります。
また、ご質問にあったとおり、国内のジュエリー業界において、当社の支援を通じた海外展開を広げることで、双方に利益のある事業モデルを築きたいという願いも込めています。そうした想いを長期ビジョンとしてお伝えしました。
質問者:ブランドが単独で展開するよりも、御社と組むほうが成功しやすい理由があれば教えてください。もしも「K.UNO」や「STAR JEWELRY」の実績などがあれば、それを踏まえてご説明いただけますでしょうか?
澤野:まだ道半ばではありますが、当社には日系企業として海外で事業を運営してきた経験があります。運営の経験がない企業が海外に進出する場合、相応のリスクが伴います。
また、多くの場合では現地の提携先と組むことになりますが、異文化間での提携にはうまくいかない部分も多く見られます。さらに、売上を上げていても十分な利益を出せていない企業が多いと認識しています。
その点、当社とは日系企業同士の提携となることに加え、当社は2007年に台湾へ進出してから、20年間にわたり海外事業を展開してきました。その中で経験を積み重ねて、利益を確保しながら事業を進められている点は、当社と組む利点だと考えています。
質疑応答:台湾市場の第4四半期実績と今後の回復見通しについて

質問者:今期の実績において、台湾に関しては外部環境として婚姻組数が低下している影響があり、苦戦されていたと思います。第4四半期の3ヶ月間で見ると、どのような状況だったのでしょうか? デジタルマーケティングなどさまざまな施策を行われていたと思いますが、その効果や、今後の回復の兆しも含めて教えていただければと思います。
澤野:台湾の前期第4四半期は、売上、利益ともに前年を下回る状況が続きました。これを受けて広告予算の配分を見直し、全体のデジタルマーケティングへの配分を引き上げました。その結果、足元では先行指標である予約件数が少しずつ増えています。
9月は社内目標を達成しましたが、前年割れを想定した目標設定をしており、前年比では受注はまだ戻ってきていません。ただし、今月中旬の時点では予約件数が回復傾向にあり、前年並みの水準に近づきつつあります。
質問者:今期以降、期待できるとして見ていればよろしいということですね。
澤野:ご理解のとおりです。下げ止まった後は、組織や運営基盤の効率を高める経営を進めていきます。その後は利益が回復しやすい構造になるため、早ければ今期、遅くとも来期以降には、グループの利益に貢献する地域になると考えています。
質疑応答:中国における出店用地の立地・売上目標達成に向けた課題について

質問者:新中期経営計画において、中国本土での出店がかなり増える計画になっていると思われます。その際、出店用地の立地についてはどのように考えているのでしょうか? また、口コミで広がってきたとのことですが、80億円の売上目標を掲げた新中期経営計画達成に向けた課題があれば教えていただけますか?
澤野:中国本土には1級都市、新1級都市、2級都市、3級都市などの区分があり、これらは経済状況や1人当たりGDP、可処分所得などを考慮して中国政府が定めているものです。当社が対象としているのは、上海市、北京市、深セン市、広州市の4つの1級都市と、新1級都市です。これらの可処分所得が高い地域に限定して、3ヶ年計画で出店を進めたいと考えています。
出店の立地については、その地域で最も有力な商業施設、または2番手の商業施設への出店を目指しています。当社は海外ブランドとして、現地ブランドに比べて1.5倍から2倍弱の価格で販売しているため、ブランドのロケーションという観点から出店場所が非常に重要であり、その点を意識しています。
日本の報道でもご存じのとおり、中国本土の景気は依然として厳しく、回復していない部分があります。景気低迷により物件の空きも増えており、当社の認知度や規模でも、一流の商業施設から出店のお声掛けをいただくことができています。こうした追い風を活かし、中期経営計画で掲げた店舗数を達成していきたいと考えています。
質問者:中国本土におけるオペレーション面について、完成形に近づいているという理解でよろしいでしょうか?
澤野:オペレーション面はすでに確立できています。ただし、年に5店舗程度の出店に対応するには、人財育成が円滑に進むかどうかが課題です。そのため、従来中国本土では4つの区域を4名の責任者が統括する体制をとっていましたが、今後の拡大に備えて、責任者を6名に増員しました。
これにより、地方も含めてきめ細かく指導や育成ができる体制を整えています。現在、2期連続の増収増益に加えて、予算も達成という状況で、現場のモチベーションも極めて高い状態です。こうした状況も含めて、期待をしているところです。
質疑応答:「LAZARE DIAMOND」に関する国内での施策について

質問者:「LAZARE DIAMOND」について、これまで国内を中心にどのような施策を行ってきたのかを教えてください。比較的外部環境の追い風にしっかり乗った印象があり、「LAZARE DIAMOND」独自の施策についてはあまり過去の説明会ではおうかがいしていないように思います。そのため、どのような取り組みを行ってきたかを教えてください。
また、今後の中期経営計画の中で認知拡大、価値訴求、ファッション性の高い商品といった点を目指されているようですが、そのあたりに課題意識をお持ちなのか、課題意識を踏まえながらこれまでの取り組みや、今後の方向性について教えていただければと思います。
特に店舗環境について、「I-PRIMO」が売上を伸ばす過程で、接客や改装なども強化されてきたと思いますが、「LAZARE DIAMOND」についても同様に投資を進めるフェーズがあるのかについても教えていただけますでしょうか。
澤野:当社は2023年に「LAZARE DIAMOND」の国内における商標権を取得し、それを契機に広告の方法を変えました。それまでは、ブライダル関連媒体を中心に、広告の90パーセント以上は結婚を予定されているお客さま向けに展開していましたが、現在は認知形成を含めた広告戦略に転換しています。
また、「I-PRIMO」との差別化のため、従来よりも高級寄りの路線に転換しました。国内での運営はすべて当社が行っていますが、「LAZARE DIAMOND NEWYORK」という海外ブランドである点を活かし、国内ブランドである「I-PRIMO」との差別化を図りました。高額な商品を積極的に開発した結果、婚約指輪の単価は「I-PRIMO」より30パーセント以上高い水準になっています。
おっしゃるとおり、日本がインフレ基調に入り、海外ブランドの人気が高まっているという外部環境も、当社にとって好影響となっています。こうした中で、前期は受注ベースで「LAZARE DIAMOND」を約40パーセント成長させることができました。
今後も引き続きブライダルを中心に事業を展開していきますが、ブライダル以外のファッションジュエリー、特に1点当たりの単価が30万円以上のラグジュアリージュエリーについても積極的に販売していきます。「I-PRIMO」とは差別化をしながら、国内で金融資産が増加しつつある現状を踏まえて、二極化した市場の上位層を対象とした戦略を実施していきたいと考えています。
質問者:店舗環境はいかがですか?
澤野:店舗環境に関しては、「LAZARE DIAMOND」、「I-PRIMO」を問わず、開店から10年以上経過すると設備の老朽化や商圏の変化が生じる可能性があるため、定期的に見直しを行っています。
そのため、現在の中期経営計画では、年間で4店舗から5店舗程度の修繕や移転計画を立てています。この中には「LAZARE DIAMOND」も含まれますが、「LAZARE DIAMOND」ブランドにおいて3年間で何店舗対応するかといった具体的な計画は現時点では決まっていません。
質疑応答:海外店舗への成長投資計画について

司会者:「成長投資について、海外店舗投資はキャッシュアロケーションで示された投資枠で十分でしょうか? 可能な範囲で海外の出店について、立地や規模などイメージをご共有いただけますと幸いです」というご質問です。
澤野:3年間の計画を達成する前提で投資枠を設定していますので、「十分か?」と問われれば十分と考えています。成長投資30億円のうち、25億円が店舗への投資となります。店舗の面積にもよりますが、商品や設備投資も含めて、1店舗当たりの投資額はおおむね7,000万円から1億円程度です。
そのため、このキャッシュアロケーション方針に基づく30億円の成長投資で、計画どおりの出店が可能と考えています。
質疑応答:店舗増設以外での利益率改善ドライバーについて

司会者:「本中計期間中で営業利益率は2026年8月期12.4パーセントに対し、2029年8月期には17.1パーセント目標、プラス5ポイントと急改善する想定となっていますが、店舗数増による増収、売上総利益の増益効果が主な成長ドライバーと認識するものの、他に店舗増設以外での利益率改善ドライバーがあればご教示いただきたい」というご質問です。
澤野:利益率改善の最大の要因は、売上総利益の改善と売上規模拡大の効果です。例えば地代家賃は、特に日本では固定家賃が多いため、売上収益が増加しても大きくは変動しません。その結果、販管費比率が下がり、営業利益率の改善が見込めます。
広告宣伝費については、海外で集中出店を行っても、売上収益の伸びに比例して費用が増えていく事業モデルではありません。規模の効果により広告宣伝費率が徐々に低下していくと考えており、その結果として効率は向上していきます。ただし、利益率改善の最大の要因は、やはり売上総利益率の向上と考えています。
質疑応答:中国本土事業における売上、利益率の改善要因について
司会者:「過去2年で中国本土事業では大きな売上、利益率の改善が見られます。何が変化点だったのか、外部環境、御社経営改善努力の2面で教えてください」というご質問です。
澤野:改善要因は、1点目は広告予算の配分です。SNSや口コミは非常に重要で、特に景気が厳しい時期にはお客さまがより慎重になります。一流ブランドの名前だけで選ぶのではなく、入念に調べてから購入するという新たな購買行動が生まれています。このため当社は、広告予算をSNSへ重点的に振り向け、集客を確保しています。
2点目は人財マネジメントです。日本人が営業責任者から外れ、現地社員を中心に業務を進めることで、言葉が伝わりやすくなったことに加え、中国人同士のほうが意思疎通が早いという利点がありました。
こうした改善の結果、接客をして成約に至る率が10ポイント以上向上しました。これらが成長の原動力となっており、今後もこの施策を貫いていきたいと考えています。
本日はありがとうございました。引き続きご注目をよろしくお願いします。
