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復活の「原子力ムラ」 3・11の教訓を一顧だにせぬ原発再稼働の内幕=新恭

島崎氏と入れ替わりで規制委員会に加入したのはやはり「御用学者」だった

原子力発電所の再稼働審査にあたり、従来の地震動の想定方法に疑問が出てきたのなら、規制委員会はそこでしばし立ち止まり、徹底的に、本来の在り方を追求しなければならない。そうでなければ、再び「想定外」の大惨事を繰り返す恐れがある。にもかかわらず、再稼働を急ぐ電力会社と安倍政権に気を遣い、かつて委員長代理をつとめた地震学の権威が提起する安全への重大な疑義を、もみ消そうとしている

これでは、国として福島第一原発事故への真摯な反省もうかがえない。規制庁という新組織にほとんどそっくり移行した旧原子力安全・保安院の体質がそのまま残っていると言われても仕方がないだろう。島崎らが去ったあとの規制委員会には、その原子力ムラの理論的支柱田中知東大教授(原子力工学)が新委員として加入している。

設立当初の理念はどこかへ吹っ飛び、いつのまにか安倍政権と電事連の「虜」に再び変貌したように見える原子力規制委員会は、もはや再稼働審査というアリバイ作りの場でしかなくなったのだろうか。

参考
断層の長さ(L)から地震モーメント(Mo)を求める関係式の比較をわかりやすく表現した島崎の学会発表資料から、「入倉・三宅式」と「武村式」を例示しておこう。
入倉・三宅式:Mo=1.09×「10の10乗」×「Lの2乗」
武村式:Mo=4.37×「10の10乗」×「Lの2乗」

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国家権力&メディア一刀両断』(2016年7月28日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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