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2017年後半、真のリスクは「トランプ弾劾」ではなく「中国」にあり=栫井駿介

トランプ大統領の弾劾のリスクが高まったことから、市場は弱気に転じています。しかし、最近の好調な相場は期待先行の危ういものであり、トランプ政権のおぼつかなさを見れば十分に予見できたことです。

バリュー株投資家として成功するには、「期待」のような不確実なものをなるべく避け、経済の実態を見極めることが肝心です。先週(5月13日付)の有料会員向けレポートの一部を公開します。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

不確実な「期待」ではなく、実体経済で見極める本当のリスク

好調なマーケットに浮かれない

フランス大統領選挙ではマクロン氏が勝利し、政治的リスクの懸念が後退したことからマーケットは安堵からの小康状態を維持しています。国内企業の決算発表でも大きなサプライズはなく、日米ともに株価はここ1年間で最高の水準です。

欧州に関しては6月にイギリスおよびフランス、9月にドイツの議会選挙が控えますが、マーケットの波乱要因となる可能性は低いでしょう。そもそも選挙が経済実体に直ちに影響を与えるとは考えていません。

おぼつかないのはアメリカの政治状況です。トランプ大統領がFBI長官を罷免したことで、批判が高まっています。選挙中の自身のロシアとのつながりを調査しようとしたためだとも言われ、「第2のウォーターゲート事件」ではないかと騒がれています。

大統領に「重罪や軽罪」があれば、議会は弾劾裁判により罷免することができます。上記が認められるとすれば、共和党主流派の思惑次第では弾劾裁判を起こすことありうるでしょう。

もし弾劾裁判に至らなかったとしても、国内の信任を得られないトランプ大統領に共和党主流派が加勢するメリットはありません。そうなれば、この半年間株価を牽引してきた減税やインフラ投資は絵に描いた餅となり、市場の期待は剥落するでしょう。

もちろん、それも経済実体にただちに影響を与えるわけではありません。しかし、現在の株価は政策への「期待感」に支えられている部分が少なからずあり、それに乗ることは適当ではないと考えます。

私たちにできることは、実体の伴わない割高なものには手を出さないことです。一方で、経済は政治に関係なく刻一刻と変化するものですから、その動きを定点観測しながら、次の一手に思いを巡らすことが必要でしょう。

Next: この秋以降の「中国経済」に、特に注意しなければならない理由とは?

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