fbpx

安倍内閣の支持率と官製相場を急落させる「逆賄賂」発覚リスク=吉田繁治

安倍首相と黒田日銀総裁の「勘違い」

日銀の当座預金はベースマネーであり、銀行団が日銀にもつ準備預金です。この日銀当座預金が1年に80兆円増えても、マネーサプライ(M3:1297兆円:17年5月)は年3.4%(40兆円付近)でしかない。

マネーサプライ(日銀用語ではマネーストック)は、銀行団(金融機関の全部)が、世帯と企業への貸出(企業と世帯側では借入金)を増やすことによってしか、その総量は増えません。

わが国では、世帯と企業のストックの預金の純増(年40兆円)により、マネーの流通速度が4%低下するので、4%以上の増加(40兆円以上)がないと需要型のインフレにはならないのです。2%のインフレには、1年に6%(77兆円)のマネーサプライの増加が必要です。

これが、岩田日銀副総裁などのマネタリストが目標としている、「M(マネーサプライ増加:7%)×V(マネーの流通速度:-4%)=P(物価水準:+2%)×T(実質GDPの増加率:+1%)」が意味するところです。。

マネーサプライは、日銀ではなく、銀行団の信用創造(貸し出し)によって増えます。日銀が国債を買い上げて増やせるのは銀行団が日銀にもつ当座預金であり、これはマネーサプライではありません。

安倍首相、日銀の黒田総裁、岩田副総裁は、ここを「勘違い」していたように思えます。日銀が国債を買って日銀当座預金を増やせば、マネーサプライ(世帯と企業にの預金)が増えるとしていました。このため、当初から政策を誤ったのです――
続きはご購読ください。初月無料です<残約6,000文字>

<初月無料購読ですぐ読める! 6月配信済みバックナンバー>

・世界的に政治リスクが高まった(6/22)
・日銀の信用創造の限界についての考察(6/15)
・RFIDの利用が広がり、流通産業革命に向かう(6/7)
・流通・小売りでのRFID革命が近づいた(6/1)

<こちらも必読! 月単位で購入できる人気バックナンバー>

・急に広がってきたフィンテック(5/31)
・小売り・流通でのRFID革命が近づいた(5/24)
・2020年からの中国の金融危機(5/17)
・中央銀行は、無限に信用創造ができるのか(5/10)
・出口政策を先送りした結果(5/3)
・金本位に向かう中国:詳細論(4/26)
・北の危機とトランプラリー(4/19)
・騒然としてきた世界を、事実から読む(4/14)
・迫ってきた、ユーロの金融危機(4/5)

※5月以前に配信された記事を読むには、6月分すべて無料の定期購読手続きを完了後、ご希望の配信月分バックナンバーをお求めください。


※本記事は有料メルマガ『ビジネス知識源プレミアム』2017年6月21日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

【関連】世論は無視できても…中曽根大勲位と米国を敵に回した安倍官邸の誤算=斎藤満

【関連】総理のご意向と裏腹に「安倍内閣が目指す日本」を疑いはじめた国民=近藤駿介

【関連】共謀罪ついに成立。「民主主義の死」を新聞各紙はどう伝えたか?=内田誠

1 2 3 4

ビジネス知識源プレミアム:1ヶ月ビジネス書5冊を超える情報価値をe-Mailで』(2017年6月21日号)より一部抜粋、再構成
※記事タイトル、本文見出し、太字はマネーボイス編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

ビジネス知識源プレミアム:1ヶ月ビジネス書5冊を超える情報価値をe-Mailで

[月額660円(税込) 毎週水曜日]
●最新かつ普遍的なビジネスの成功原理と経済・金融を、基礎から分かりやすく説いて提供 ●時間がない、原理と方法の本質を知りたい、最新の知識・原理・技術・戦略を得たいという方に ●経営戦略・経済・金融・IT・SCM・小売・流通・物流を、基礎から専門的なレベルまで幅広くカバー ■新規申込では、最初の1ヶ月間が無料です。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー