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苦境に立つ「伝説の空売り投資家」ジム・チャノス氏、最後の勝負手とは?=江守哲

「テスラ」の株価下落に賭けるチャノス氏

チャノス氏は、借り入れが極端に多い資本構成で「構造的に赤字体質」と指摘する電気自動車(EV)メーカーのテスラの株価下落に賭けているといいます。

テスラ株は年初から68%値上がりしており、依然として強気の中にいます。しかし、チャノス氏は自ら描いたシナリオに自信を示しているといいます。

ちなみに、チャノス氏はアリババ・グループ・ホールディングの空売りも行っていましたが、これを諦めました。今年1月には空売りを閉じていたようです。アリババ株はその後2倍以上に急騰しており、この判断は正しかったともいえます。

他の投資家と違うことをやってこそ

いずれにしても、空売りファンドは今かなり厳しい状況にあるといえます。

ヘッジファンドは「エッジ」の効いた戦略で収益を上げるからこそ、投資家の目を引くわけです。他の投資家と同じことをしていては、投資家の資金は集まりません。リスクを上手くコントロールし、リターンを挙げることは簡単ではありませんが、それがヘッジファンドの仕事です。これからも、このような空売りファンドの動向には注目していきたいと思います。

ちなみに、チャノス氏が運用する買いポジションを持ち、幅広い資産に投資するヘッジファンドは運用成績が好調のようです。ひとつは年初から9月までにプラス15.2%、もうひとつもプラス18.2%となっているといいます。

ヘッジファンド・リサーチ(HFR)によると、ヘッジファンドの1~9月の運用成績の平均は資産加重ベースでプラス4.3%ですので、かなり高いリターンを挙げている部類に入るといってよいでしょう。

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2017年10月16日号の目次

・マーケット・ヴューポイント~「上昇トレンドは不変、ただし10月には要注意」
・株式市場~米国株は連日の過去最高値更新、日本株も21年ぶりの高値に
・為替市場~ドル円は膠着だが、理論値から見るとやや割高
・コモディティ市場~金は大台回復、原油はいまだに割安
・今週の「ポジショントーク」~基本戦略は不変
・ヘッジファンド投資戦略~「空売り屋の苦境」-投資戦略構築のポイント~
・ベースボール・パーク~「土曜日・日曜日は雨で野球は中止」
・セミナー・メディア出演のお知らせ


本記事は『江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて』2017年10月16日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方は、バックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した日米株式、コモディティ各市場の詳細な分析(約2万2,000文字)もすぐ読めます。

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株式・為替・コモディティなどの独自の市場分析を踏まえ、常識・定説とは異なる投資戦略の考え方を読者と共有したいと思います。グローバル投資家やヘッジファンドの投資戦略の構築プロセスなどについてもお話します。さらに商社出身でコモディティの現物取引にも従事していた経験や、幅広い人脈から、面白いネタや裏話もご披露します。またマーケット関連だけでなく、野球を中心にスポーツネタやマーケットと野球・スポーツの共通性などについても触れてみたいと思います。

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