投資で成功するには、まずは少額でポジションを取ることです。もちろん初期の投資は失敗します。しかし独自の投資戦略を考え、自分なりの分散・集中のさせ方を学ぶことが重要なのです。(『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』房広治)
プロフィール:房広治(ふさこうじ)
アメリカ、イギリス、香港など主要金融センターで著名な日本人投資家。留学中に外資系銀行に就職し、わずか10年で日本のインベストメントバンキングのトップに。投資家転向初年度に年率リターン90%以上の運用成績を出し、ファンドマネジャー・オブ・ザ・イヤーとなる。
「みんなと同じが安全」の人間心理を乗り越え、独自手法を構築せよ
投資の世界では「みんなと同じ」がギャンブルになる
Brexit直後に、日本のある代議士の秘書をやっていらっしゃる宮内さんという友人から、私に声がかかりました。投資に興味のある代議士が、「ポンドが下がったのでポンドを買おうと思っているのだが、専門家に話を聞いて欲しい」と言っているとのこと。そこで「房さんはどう思うか」と聞いてきたのです。ちょうどその時期は、Brexitの影響でポンドが約160円ぐらいのところから130円ぐらいに下がり、そしてまた少し上がりかかった2016年6月末頃でした。
世界中に同じ情報が流れるので、同じような投資行動に出ている人々が既にいるわけです。そこで私が宮内氏に伝えたのは、「今、行動しても、ギャンブルになる。もしポンドのポジションを持つリスクを取るならば、イギリスの会社のINDEX、できれば輸出産業ばかりをあつめた会社のバスケットを買うことをお奨めする」という内容です。
メンタリストのDaiGo氏(編注:著者とニコニコ動画で対談)は、この話から、「投資の世界では、みんなと同じことをしていてはギャンブルになってしまう」という私の言葉に反応しました。人間の心理としては、みんなと同じことをしているのが安全と思うとのことでした。まさに、これが私の言おうとしていたことです。
ウォーレン・バフェットの場合
「複利の魔法」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?ウォーレン・バフェット公認の伝記『スノーボール』に出てくる表現です。バフェットの投資での実績は何かと言えば、「年率20%で40年間資産を増やした」こと。年率20%で投資を増やすということは、難しいことですが、不可能ではありません。年率100%で増やすことに比べれば、100分の1も簡単なことです。即ちリスクもそんなに取らなくて済むのです。
さて、年率20%で4年間増やせれば、最初に投資した金額の2.07倍になるのです。話を単純にするため、2倍になるとしましょう。これを8年続けると4倍、12年続けると8倍になるので、40年続けると1,024倍になるわけです。1千万円の元手が100億円になるということになります。
バフェット氏の場合は、これを長期的に伸びそうな会社に対して、集中投資という形で実現しました。
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