「バフェットの真似」だけではダメな理由
バフェット氏の投資手法は、『スノーボール』が出版される以前から投資の世界ではよく知られていました。私がインベストメントバンカーをやっているときにも、「私はバフェット氏のような投資手法でこの会社を大きくするのだ」と語る上場会社の社長を何人も見てきました。ですが、1社を除いて、すべての会社は失敗しています。
同じように、有名CEOとしてGEのウエルチ氏が名を馳せたときに、「GEのように業界でNo1またはNo2の事業を選択し、そこに集中させる」と言った企業は、東芝を始め、すべて失敗しています。
投資で成功するには、まずは「少額でポジションを取る」ことです。そして、初期の投資は失敗します。最後に成功している投資家は、必ずと言ってよいほど、最初に何回か連続して成功しても、10回目までには、投資金額のほとんどをすってしまいます。最初に数回成功すると、必ず有頂天になり、同じ戦略で倍々にかけていき、どこかでつまづいてしまうのです。
重要なのは、独自の投資戦略を考え、独自の分散の仕方、あるいは集中のさせ方を学ぶことです。投資の世界には、複利の計算方法やレバレッジのかけ方、計算方法についての公式はあっても、成功のための公式はないのです。
私が考えた独自の投資手法
私の現在の手法は主に2つで、年間20%のリターンを目指しています。正確には、8年間で4倍、10年間で6.2倍、12年間で9倍になりそうなプライベートエクイティ案件を中心に投資をします。分野としては、ミャンマー、養殖、ハイテクという3つの方向で、物事を分析します。
また、選択と集中の仕方はこうです。私の場合は、いろいろな案件が持ち込まれます。年間100件以上は持ち込まれます。その中で、暦年で決めるのは1件のみ。最初は、会社のお手伝いというところから入るケースもあります。これは、2011年に投資をして2014年にExitした、R&Yへの投資から実践しています。
また2012年のテーマは、ミャンマーへの精米所ビジネスでした。
2013年は、とんでもなくローテクで有名な養殖業でテキサスにあるハイテクベンチャー企業のGBTです。
2014年は、そのGBTの兄弟会社で、魚のハイテク養殖の知的財産権を世界中で持つというアイデアのパーシフォームスグループ。ギンダラのハイテク養殖が今年成功し、Seafood Newsに載りました。
2015年は、親エビ、孵化および子エビの研究を行う生産会社SPDへの投資。
2016年は、ヤンゴンのプライムロケーションに第一フェーズが完成した不動産関連の会社への投資です。
知名度が低い会社への投資になっているのは、偶然ではありません。40年スパンで伸びる会社を考えると、まだ発展途上の会社になってしまいます。
会社は、誰にでも成功するとわかった時には、純資産の4倍から8倍の値段がついてしまいます。逆に言うと、8年間かけて、無名の会社を有名にすれば、4倍のハードル(年間20%のハードル)を超えたことになります。
実際には、年率20%というのを12カ月かけて到達させるのではなく、10カ月、8カ月、あるいは半年で到達させることができれば、1千倍にするのが、40年かかるのではなく、20年間に短縮できるのです。
みなさんも、まずは100万円をすべてすってしまってもしょうがないというレベルから、投資をしてみて、独自の手法を編み出してはいかがでしょうか?
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※本記事は有料メルマガ『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』2017年3月6日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にご購読ください。今回の続編にあたる3月13日号「仮想通貨、カジノについて」も講読後すぐにお読みいただけます。
『房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」』(2017年3月6日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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世界の金融市場・投資業界で活躍する日本人投資家、房広治による、ブログには書けないお金儲けの話や資本市場に通用するビジネスマン・社長のあるべき姿などを、余すことなく書きます。