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北朝鮮とヒラリー、ゴールドマンを結ぶ点と線~半島有事は近いのか=高島康司

北朝鮮はどうなるか?米国が外交目的を達成する際の特徴

これが「アラブの春」を計画した一連の流れの非常に簡単な要約である。これを見ると分かるように、アメリカが国外で大規模な計画を仕掛ける場合、証拠をたくさん提供し、隠す気配がない

もちろん、水面下の極秘の動きもあることだろうが、そうした動きの情報に頼らなくても、公表された情報を繋いでいくだけでアメリカがなにかをどこかの地域で計画していることはよく見えてくる。

ただ、具体的な最終目的だけが明かされないので、これが実際にはどのような出来事になるのかが見えないだけだ。

これは「アラブの春」のみならず、旧ソビエト共和国で発生した民主化要求運動の「カラー革命」でも同じ状況だった。いわばアメリカは、周到に準備しながら外交政策を計画し、その証拠を隠さずきちんと残すという興味深い特徴がある国だ。

では、これと類似した動きが北朝鮮のキム・ジョンウン体制崩壊に向けた動きにもあるのだろうか?もちろんアメリカが北朝鮮国内で民主化要求運動を誘導し、キム・ジョンウン体制の転覆を画策するという意味ではない。

「カラー革命」や「アラブの春」などの例が示しているのは、アメリカが特定の外交目標の実現を意図するとき、隠すのではなく、それを追求する論理的なステップを証拠として残しながら行うという事実だ。

もしアメリカが北朝鮮の崩壊を誘導する方向に外交政策を本当に転換したとするならば、「カラー革命」や「アラブの春」のときに見られたような論理的ステップが証拠として発見できてもよいはずだ。

朝鮮半島有事に向け、これまでに積み重ねられた「ステップ」

いま「従軍慰安婦問題」の不可逆的な解決に向けた日韓の合意が昨年末に成立し、オバマ政権が望むような日米韓の同盟関係が強化される方向に動いている。これに向かう流れを振り返ってみる。

この流れには、実はアメリカが特定の外交目的を実現するために組み上げられた論理的なステップが反映されている可能性が高い。

2012年8月、「第3次ナイ・アーミテージレポート」

ジャパン・ハンドラーの拠点であるシンクタンク、「CSIS」から、通称「第3次ナイ・アーミテージレポート」と呼ばれる報告書、「日米同盟」が発表される。このなかで日本は即刻「集団的自衛権」を法制化し、国際情勢安定のため米軍とともに海外に出兵すべきことが主張される。

2013年12月、「秘密保護法」の成立

この法律が成立することで、米軍の高度な軍事情報の自衛隊との共有が可能となった。自衛隊と米軍との指令系統の一体化が促進される。

2014年7月頃、スー・ミー・テリー博士による朝鮮半島統一に向けた北朝鮮崩壊推進論

「米国家安全保障会議」の元部長であり、韓国および北朝鮮政策の立案者の一人であるスー・ミー・テリー博士は、フォーリン・アフェアーズ誌などの外交雑誌で、キム・ジョンウン体制の崩壊を誘導し、朝鮮半島を統一することをアメリカの外交政策にすべきとの強い主張を展開する。TEDなど多くの講演会でもキャンペーンを展開。

2014年9月、「集団的自衛権」の成立

安倍政権の懸案であった「集団的自衛権」の容認を含む「安保法制」が、国民の強い反対にもかかわらず成立する。

2014年10月3日、日韓関係改善への強い圧力

「CSIC」は報告書、「安倍の危険な愛国主義」を発表し、安倍政権に韓国との関係改善を図るように強く圧力をかける。

2014年10月21日、韓国に特使を派遣

安倍政権の外交策士とも言われる谷内国家安全保障局長を韓国に特使として派遣し、「従軍慰安婦問題」の解決に向けての糸口を探る。その後、日韓高官の対話が繰り返される。

2015年11月、日中韓首脳会談と日韓首脳会談

11月1日、日中韓首脳会談が行われる。翌日、日韓首脳会談を改めて実施。

2015年12月20日、「CFR」による圧力

アメリカの外交政策の奥の院、「CFR」は「日本と韓国の緊張を管理する」という表題の論文を発表し、日韓は即刻関係を改善しないとアメリカが介入して強制的に改善させるとした。

2015年12月28日、「従軍慰安婦問題」解決

急遽、岸田外相が訪韓し日韓外相会談が開催される。これにより、「従軍慰安婦問題」の不可逆的な解決に向けての合意が成立し、日韓関係改善に向けた大きな一歩が記される。

このようにこれまで起こった出来事を時系列で見ると、やはりそこには「カラー革命」や「アラブの春」のときと同様、明確な外交目標の実現に向けたステップが論理的に準備されている可能性が極めて高いことが分かる。

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