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鈴さんは、マネースクエアの「トラリピ」に代表されるリピート系自動売買の分野で長年にわたり独自のポジションを築いてきた発信者です。
そんな鈴さんが語る「相場観」は、意外にも“台風の進路予想”にたとえられます。裁量トレードをあえて行わない立場だからこそ見えてくる、相場との向き合い方。その考え方は、特定の層にとって非常に示唆に富むものと言えるでしょう。
聞き手:鹿内武蔵
FX雑誌『外国為替』vol.6より再構成/インタビュー日:2023年7月19日
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鈴さんプロフィール

会社を辞めたくてFXを始めたが、2015年末からの半年で500万円の損失を計上。そこから必死に勉強してトラリピで生活費を稼げるようになり、2018年9月に退職してセミリタイアを実現。さらに、2021年6月に田舎でスローライフを開始。【書籍】黄金の卵を産むニワトリの育て方 FXトラリピ最強トレーダーの投資術
ワイドレンジの設定には「ショック相場」を織り込む
─鈴さんといえば、トラリピを活用したリピート系自動売買で安定した成績を残している印象があります。まずは、鈴さんが考える「トラリピを活用した、稼げる仕組みづくり」について教えてください。
私のリピート系自動売買の戦略では、ワイドレンジにするか、ナローレンジにするか、この選択が成績を大きく左右します。ワイドレンジは、相場を細かく予想せず、幅広いレンジに仕掛けて運用していきます過去5年、10年、20年と、どの期間を参照するかは人によって異なりますし、最終的にはリスク許容度次第ですね。ちなみに、私は過去15年分の価格を参考にしました。
どの期間を選んだとしても、基本は同じで、長期的に見て高値圏だったら売りを仕掛ける、安値圏にあれば買いを仕掛けるというやり方です。

source: FX雑誌『外国為替』
─世界情勢やニュースなどは、あまり意識しないのでしょうか。
そうですね。ワイドレンジではファンダメンタルズを考えなくて済むのがメリットです。ユーロ円は例外ですが、他の通貨ペアは直近の金融ショック相場を想定に入れたかったので、基本的にリーマン・ショック(2008年)以降の変動が全てレンジに収まるように設定しています。
そうですね。ワイドレンジの運用では、ファンダメンタルズを深く考えなくて済む点が大きなメリットです。ユーロ円は例外ですが、それ以外の通貨ペアについては、直近の金融ショックを想定に入れたかったので、基本的にリーマン・ショック(2008年)以降の変動が全てレンジに収まるように設定しています。
─ユーロ円を例外とした理由は何だったのでしょうか。
ユーロが導入されたのが1999年ごろで、ヨーロッパの国と地域がEUの参加国になるという考え方も、通貨統合されて共通の通貨を使うということも新しいと解釈しました。だからこそ、リーマン・ショック時にユーロ円が170円近くまで上昇したのは、ユーロが過大評価されていたと考えたんです。ところが、ユーロ円を例外にしたことで今は困っていて……。金利差の影響で、今年は一時ユーロ円が157円台になり、リーマン・ショックの時以来の価格帯になってしまいました。勝手な解釈で例外を作らないことが大事という教訓になりましたね。
─ワイドレンジの範囲を決める際、最も重視している点は何でしょうか。
やはり直近のショック相場を含めることです。コロナショック(2020年)でも相場は大きく動きましたが、あれは金融ショックとは少し性質が異なります。そう考えると、直近の大きな金融ショックはリーマン・ショックでした。また、今後金利などの影響でショック相場が形成されれば、それがレンジに入るように設定を考えると思います。
当たれば大きな利益、外れれば損失も膨らむ
─次にナローレンジについて伺います。
ナローレンジは、相場の予想に沿って仕掛けていきます。「ナロー」といえど、レンジが狭いわけではなく、大きなトレンドに乗るイメージです。例えば、2022年は米国の利上げが先行した影響で米ドルが最強になり、日本は金利を据え置きし、円が一番弱くなりました。これを2021年の後半に予想し、米ドルの買いで勝負しようと決めたんです。その結果、ドル円が115円のときに仕掛けることができて大きな利益につながりました。

source: FX雑誌『外国為替』
─2023年の相場については、どのように見ていましたか。(編注:インタビューは2023年7月に実施)
2023年は、昨年とは逆の揺り戻しが起こり、円が最強、米ドルが最弱になると考えていました。クロス円の売りで一番強いのはドル円になると予想していましたが、実際にはその通りになっていません。米国の利上げ幅が残りわずかになってきた一方で、EUや英国の利上げ幅が大きくなり、クロス円全般で円高にはなっていないのが現状です。今のところ予想が外れているので、含み損と損切りが出ています。
─ナローレンジは、的中すれば大きなリターンが得られる反面、外れるとリスクも大きいですね。
その通りです。選ぶ際はそのリスクについてしっかりと理解した上で運用してほしいです。
相場観が当たれば利益大、外れれば損失も拡大
─もともとはワイドレンジ中心でトラリピを運用されていたイメージがありますが、ナローレンジを取り入れたきっかけを教えてください。
実は、今まで話していた相場観は私が予想をしているわけではなく、マネースクエアの「スリーミリオン倶楽部」から提供された情報を基に、私なりに解釈したものです。スリーミリオン倶楽部は、預託証拠金が2000万円以上で、四半期の取引高が600万通貨以上、または四半期平均のポジション残高が200万通貨になると自動的にメンバーになることができます。
─その情報をベースに、各自で設定を組み立てるわけですね。
そうです。スリーミリオン倶楽部の情報があれば、値動きのメインシナリオとサブシナリオのイメージがつくので、それに沿ってカスタマイズします。私自身は、テクニカルが苦手なので「ドル最強、円最弱」という予想シナリオが出たとしても、どの辺までドルの価格が上がるのか想定できません。その点、スリーミリオン倶楽部では、ファンダメンタルズとテクニカルの両方を考慮した予想を教えてもらえるので、トレンドに乗りやすく、予想が当たれば段階的に利確します。一方で、テクニカルで見た損切りラインも示されるので、損失も限定できます。今年は想定と逆に動いているので143円で損切りしました。
─損切りの想定レートを教えてくれるのはありがたいかもしれません。
メインシナリオとセットで提供されます。このラインを割ったらシナリオの見直しが必要というラインですね。その上でリスクリワードを考慮し、「運用するのか?」「運用するとして資金の割り当てをどうするのか?」を考えます。撤退ラインの近い戦略は損切りが必要になる可能性も高いですが、シナリオ通りに行けばリターンも大きくなります。相場予想が的中した2022年は利率が70%になりました。
─リスク許容度をどう設定するかは重要ですね。裁量と自動売買、どんなトレードにおいても。
本当にそう思います。人によって違うので、冷静さを保てる範囲で設計するのが良いと思います。
相場観は占いではない。台風の進路に似ている
─ワイドレンジとナローレンジ、どちらがおすすめでしょうか。
相場観があるなら、それに頼った方が利益率は上がります。逆に相場を読めないのであれば、ワイドレンジで仕掛けるべきです。ただし、相場予想を専業にしているプロでさえ予想を的中させることは難しいので、「大多数の人は相場予想ができない」というのが私の考えです。
プロでも百発百中というわけにはいきません。ワイドレンジの場合、利回りは良くて10%ほどになると思いますが、相場観がなくても勝つことができます。私自身は相場を予想できないので、相場観には頼っていません。
─ナローレンジで重要なポイントは?
予想に対する覚悟ですね(笑)。損切りをどこで行うか明確にできなければ資産を失うことになります。相場予想は決して占いなどではなく、台風の進路予想に近いものがあると思っています。台風がどこを通過しそうかは、気圧配置が変われば予想も変わります。相場予想も一緒で、利上げの動向などファンダメンタルズで相場予想は変わります。状況が変われば、損切りをしたり、設定を変えなければなりません。
私は、ファンダメンタルズとテクニカル両方を考慮した相場観を自分で出せないので、スリーミリオン倶楽部のサービスがなくなったら、多分ナローレンジでトラリピを運用するのをやめます。
─鈴さんにとって「相場観」とは何でしょうか。
トレードに必要なのは根拠だと思っています。ワイドレンジの場合、為替はレンジを形成するという考えが前提にあるので、「高値圏なら売り、安値圏なら買いを入れれば、長期的に見ると勝てる」はずです。これは私にとって根拠となっています。
ナローレンジでの相場観は、ファンダメンタルズとテクニカルで導き出されるものが根拠です。相場観は更新されていくので、柔軟に対応する姿勢を大切にしています。
─ありがとうございました。
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