2026年2月16日に発表された、Atlas Technologies株式会社2025年12月期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。
会社概要
山本浩司氏:Atlas Technologies株式会社、代表取締役社長の山本です。本日は決算説明会をご覧いただきまして、誠にありがとうございます。これより2025年12月期通期決算についてご説明します。
まず、当社の会社概要と事業内容についてです。
Atlas Technologies株式会社は、東京とシンガポールを主な拠点とし、Fintech領域のコンサルティングサービスを提供する独立系企業です。
事業紹介

事業の概要です。当社は、金融領域に特化したコンサルティングサービスを提供しています。祖業である決済分野に加え、2024年度から新たに立ち上げた銀行・保険・証券分野をサービス分野として展開しています。
また、それらの分野を横断するかたちで、データ分析、ITリスク管理、サイバーセキュリティ対策、PMO支援などを提供しています。これらの専門性に富んだ高付加価値サービスにより、戦略の立案からプロジェクトの実行まで、クライアントのニーズに合わせて幅広い課題解決を支援しています。
FY2025 通期決算 エグゼクティブサマリー

FY2025通期決算のエグゼクティブサマリーです。スライド上段に記載のFY2025通期業績について説明します。
通期では黒字化を達成しました。売上高は22億8,000万円で、前年比107.5パーセントの増収となり、営業利益は900万円で、前年から3億9,100万円の赤字を縮小しました。クライアント数は37社に達し、19社から新規プロジェクトを受注しました。
また、コンサルタント数は63名となりました。積極的な採用により一定数の人員は確保できたものの、シンガポール体制の見直しの影響により、前年末からは1名の増加にとどまっています。
スライド中段のFY2026の通期業績予想についてです。売上高は24億円、営業利益は6,000万円と、増収増益を見込んでいます。FY2026は当期の黒字化達成を起点に、安定的に利益を創出するフェーズへと移行していきます。
スライド下段の中期経営計画と成長戦略方針についてですが、中期経営計画の事業戦略に変更はありません。一方で、財務計画は取り下げることとしています。さらに、今後の成長戦略の方針として3つを掲げています。
1点目が「着実な戦略推進による事業成長」、2点目が「株式市場における当社の立ち位置を再定義」、3点目が「投資判断の決め手となる資本施策」です。これらを掛け合わせることで、総株主利益を追求し、総合的な投資魅力の向上に資する成長戦略を推進していきます。
FY2025第4四半期 四半期業績推移

続きまして、FY2025第4四半期および通期業績についてご説明します。
まず、第4四半期の業績推移です。売上高は6億3,700万円で着地しました。
祖業である決済分野の受注は堅調に推移し、新規サービス分野におけるプロジェクトの受注獲得を積み上げたことが主因となり、前年同四半期比で117.5パーセントの増収となっています。
営業利益は9,000万円となり、売上高の着実な積み上げや販管費の最適化により黒字幅を拡大しました。今後も成長を伴いながら黒字のトレンドを継続させていきます。
FY2025通期業績 当初公表業績予想に対する進捗率

FY2025通期の業績予想に対する進捗率についてご説明します。
売上高は22億8,000万円で、業績予想に対しては95.9パーセントの着地となりましたが、前年比では107.5パーセントの増収となっています。営業利益は900万円で、業績予想に対して2,000万円ほど未達でしたが、通期での黒字化を達成し、前年からは3億9,100万円赤字幅を縮小しました。
なお、当期においては、新規サービス分野の収益貢献が想定を下回ったことなどが影響し、当初発表した業績予想を修正しています。
修正後の業績予想と当期実績の差異が軽微であるため、比較情報の掲載は割愛し、当初発表の業績予想と実績の比較情報を掲載しています。
クライアント数・クライアント別売上高比率の推移

次に、クライアント数およびクライアント別売上高比率の推移についてです。当第4四半期累計では、新たに19社からプロジェクトを受注し、合計で37社のクライアントと取引しました。プロジェクトのパイプラインを着実に積み上げており、来期の目標達成に向けて、さらにクライアント獲得に注力していきます。
また、NTTドコモ社以外のクライアントの売上高比率は48.4パーセントで、前年期末比で8.5パーセント増加しました。新規クライアントからの受注や既存クライアントからのアップセルにより、クライアント別売上高比率は引き続き適正化の傾向にあります。
クライアントの継続性

クライアントの継続性についてです。スライド左側の円グラフが示しているとおり、継続クライアントの売上比率は83.4パーセントとなっています。
また、スライド右側の棒グラフにおいて、NTTドコモを除く継続クライアントの売上高比率は前年比で4.6パーセント増加しています。このように高い継続性を維持しつつ、追加受注によるアップセルに引き続き注力し、安定した業績拡大とクライアントの売上高比率の適正化を着実に推進していきます。
コンサルタント数の推移

次に、コンサルタント数の推移についてです。当期末時点で、コンサルタント数は63名となりました。積極的な採用を継続し、一定のコンサルタント人員を獲得しましたが、シンガポール現地法人の体制見直しの影響により、全体では前年比で1名増という結果になっています。
当社には、多様なバックグラウンドを持つ優秀なコンサルタントが参画しています。専門性の高い付加価値サービスを提供することで、クライアントの課題解決を支援しています。コンサルタント人材は当社の事業成長の要であるため、今後も積極的な採用と育成を継続していきます。
FY2025通期事業総括 │ 新規サービス分野で収益貢献拡大

当期の事業総括についてです。新規サービス分野での収益貢献が本格的に始まりました。祖業である「決済」分野は堅調に受注を獲得しています。
新規サービス分野である「銀行」「保険」「証券」「PMO」「ITリスク」においても、プロジェクトの受注を新たに獲得し、収益貢献を開始しています。
主な受注プロジェクトの概要については、スライド右側の表をご参照ください。新規サービス分野では、着実にプロジェクト実績を積み上げており、新規クライアントと既存クライアントの両者から引き合いが発生しています。
FY2026 通期業績予想

FY2026通期業績予想についてご説明します。
FY2026は、安定的な利益創出フェーズへ移行します。売上高は24億円を見込んでおり、FY2025比で105.3パーセントの増収、営業利益は6,000万円でFY2025比5,000万円の増益を予想しています。引き続き、中期経営計画に掲げた事業成長戦略に注力し、高付加価値なコンサルティングサービスの提供を続けていきます。
また、新規サービス分野では、着実に受注を積み上げることで収益貢献を図る見込みです。
販管費などにおいても、財務規律を踏まえた効率化を継続し、収益の進捗状況や外部環境の変化に対して、機動的かつ最適な投資判断を行っていきます。
中期経営計画 財務計画の取り下げについて

続きまして、中期経営計画のアップデートと今後の成長戦略方針についてご説明します。2024年8月に公表した中期経営計画の進捗とアップデート状況についてお伝えします。
中期経営計画の財務計画の取り下げについてですが、当社は、2024年より立ち上げ支援実績が本格化した新規サービス分野における収益貢献が当初の想定を下回った影響などを受け、FY2025の業績予想を修正するに至りました。
これに伴い、中期経営計画の定量的要素について見直しが必要であると判断し、2024年8月14日に公表した中期経営計画の財務計画を取り下げることとしました。
新たな中期経営計画の財務計画については、当社を取り巻く昨今の事業環境などを総合的に勘案し、合理的に策定できるようになった時点で速やかに公表する予定です。なお、中期経営計画に掲げている事業成長戦略などについては変更ありません。
次のスライド以降では、中期経営計画の進捗をアップデートした最新の情報を掲載しています。
FY2026以降の成長戦略に関する方針

中期経営計画のアップデートとともに、FY2026以降の成長戦略に関する方針を示します。方針は3点あります。
1点目は「着実な戦略推進による事業成長」です。中期経営計画の事業成長戦略を引き続き推進し、プロジェクト実績を着実に積み上げる見込みです。
また、コンサルタントの採用や育成をさらに強化し、コンサルティングサービスの高付加価値化に注力します。これにより、まずはFY2026の目標を必達とし、安定的に利益を創出するフェーズへと移行します。
2点目は「株式市場における当社の立ち位置を再定義」です。グロース市場の新たな上場維持基準として、2030年で時価総額100億円を意識し、当社の立ち位置を再定義するとともに、成長戦略のブラッシュアップを図ります。
3点目は「投資判断の決め手となる資本施策」です。株主利益最大化を念頭に、安定的な事業成長を目指しながら、投資対象としての魅力を向上させるため、投資判断の決め手となる資本施策を企画します。
これら3点を組み合わせることで、総株主利益を追求し、総合的な投資魅力の向上に寄与する成長戦略を推進します。
中期経営計画の位置づけ

中期経営計画の位置づけは、当初掲げたとおりで、FY2028に向けて「サービスの拡大と高付加価値」「優秀な人材の採用と育成」「クライアントの獲得と深耕」の3点に取り組み、収益性を伴う事業成長を推進していきます。
中期経営計画(FY2025-2028)のサマリー:事業成長に向けた取り組み(1/2)

事業成長に向けた取り組みのアップデートについてご説明します。FY2026の業績予想達成に向けて、引き続きコンサルタント体制の拡充とクライアント基盤の構築を推進します。
祖業である決済分野のコンサルタント体制については、日本有数の決済に関する専門家集団を組成しており、今後は育成を強化することで、サービスの高付加価値化に注力します。
クライアント基盤の構築においては、既存顧客の深耕と新規顧客の獲得をさらに強化し、決済分野での強みを最大化していきます。
また、これまでに積み上げたノウハウを活用し、分野横断の提案活動を強化します。これにより、決済分野の収益は堅調に推移し、より盤石な体制となる見込みです。
銀行・証券・保険・PMOといった新規サービス分野のコンサルタント体制については、優秀なコアメンバーの採用を完了しました。高い専門性を持つプロジェクト支援体制の確立をさらに推進していきます。また、着実な支援実績を積み上げるため、コンサルタントのアサインを最適化していきます。
クライアント基盤の構築については、引き続きニーズを的確に見極め、積極的な新規開拓を推進しながら支援実績を着実に積み上げるとともに、クライアントからの信頼を獲得していきます。
また、アライアンスを推進し、新たなプロジェクトの受注チャネルを拡充していきます。これにより、新規サービス分野においても着実に収益へ貢献することを見込んでいます。
中期経営計画(FY2025-2028)のサマリー:事業成長に向けた取り組み(2/2)

当社は、決済分野や新規サービス分野の双方で、戦略や企画立案などの上流を手がけるビジネス・コンサルティングと、実行支援およびソリューションなどを提供するテクノロジー・コンサルティングを展開しています。
引き続き積極的にコンサルタントの採用を進めるとともに、サービス単価やコンサルタントの稼働率向上に取り組むことで、さらに事業の拡大が見込まれます。
また、当社のシンガポール拠点とのシナジー創出や、他企業との戦略的パートナーシップおよびM&Aの実施を含め、オーガニックな成長だけでなく非連続的な成長戦略についても検討を進めていきます。
中期経営計画(FY2025-2028) │ クライアント戦略 │ プロジェクト獲得施策

プロジェクト獲得施策についてです。
1点目に、既存クライアントでのアップセルおよびクロスセルの獲得や、経営層やマネジメント層とのリレーションを活用した新規開拓など、自社単独でクライアントニーズの掘り起こしを推進していきます。
2点目に、既存クライアントからの紹介を足がかりとして、グループ関連企業への横展開を図る提案活動に注力します。
3点目に、シナジーが見込める外部企業との協働やアライアンスを推進します。特にFY2025においては、アライアンスによる新たなプロジェクト受注体制が確立しており、今後の収益向上に寄与する見込みです。
中期経営計画(FY2025-2028) │ 人材戦略(1/2) │ 優秀なコンサルタントの採用と育成

当社では、事業戦略と並び、人材戦略を事業成長の要となる戦略として位置づけています。
「優秀な人材の採用」「働きがいのある環境の整備」「サービスの高付加価値化」の3点に注力し、採用への積極投資を継続するとともに、働きやすく成長できる環境を提供することで、コンサルタントの定着率を向上させていきます。
また、教育研修を充実させて専門性を高めることで、コンサルティングサービスの高付加価値化を推進します。
中期経営計画(FY2025-2028) │ 人材戦略(2/2) │ カルチャーの醸成・浸透

当社には、さまざまなバックグラウンドを持つ優秀なコンサルタントが在籍しています。一体感のある組織として成長を図るため、先ほど述べた戦略に加え、カルチャーの醸成と浸透にも注力していきます。
中期経営計画(FY2025-2028) │ 外部環境(1/2):コンサル市場とテクノロジー投資の展望

外部環境についてです。中期的な外部環境として、コンサルティング市場の展望についてお伝えします。
Fintech領域では、金融機関のサービス効率化や異業種によるサービス参入が現在も続いており、今後も大きなサービス需要が見込まれます。
これらのコンサルティングニーズやDX支援に関して、当社の強みである戦略から実行までの一気通貫によるサービス提供と、Fintech領域のコンサルティング経験を踏まえた知見を最大限に活用し、プロジェクト支援実績の積み上げを図っていきます。
Appendix │ 事業成長のための資金使途の充当状況及び今後の資金使途

調達資金の充当状況と今後の予定です。当社はこれまで順調に人員拡大を進めてきましたが、ハイブリッドワークの推進などにより、当初の想定と異なり、現時点では大規模なオフィスの移転や拡充は必要としない見込みです。
一方で、事業成長の要となる優秀なコンサルタントや職員の採用や教育には、引き続き積極的な投資が必要と見込んでいます。
このような背景を踏まえ、当初予定していた資金使途の内訳および充当予定時期を変更しました。
①の人材関連費用については、未充当金額が3億3,340万円となっており、FY2027までに充当する予定です。
②の設備関連費用については、先ほど申し上げた理由から、FY2025をもって充当を完了し、未充足の金額は①の人材関連費用にて充足する予定へと変更しています。
詳細は、2026年2月13日に開示しました「上場調達資金使途変更に関するお知らせ」をご確認ください。
質疑応答:黒字化の継続やその要因について
「2025年度の通期黒字化が達成された後、2026年以降も黒字が継続していくのでしょうか? また、黒字化の要因をご教示ください」というご質問です。
祖業である決済分野の収益貢献は堅調に推移しており、より盤石な体制となっています。また、新規サービス分野における着実な受注の獲得により収益の貢献が本格化したことが、黒字化の最大の要因となっています。
FY2026においては、プロジェクトの実績を着実に積み上げ、さらなる収益貢献を見込んでいます。
また、投資の観点では、財務規律を保ちながら、需給を見極めた人材の採用、ハイブリッドワークの推進や管理部門の業務基盤の強化など、販管費の効率化にも引き続き注力していきます。
これらにより、FY2026から安定的に利益を創出するフェーズへ移行していく見込みです。
質疑応答:人員拡大について
「コンサルタントの人数が微増となっていますが、今後はどの程度の人員拡大を見込んでいますでしょうか?」というご質問です。
FY2025の人員増減に関して、東京拠点での事業成長を支えるコンサルタント人材の採用を積極的に進めました。その結果、一定数の人員およびコンサルタントの確保ができています。
一方、シンガポール拠点の体制見直しが大きく影響し、全体としてコンサルタント数は微増にとどまりました。
今後も採用基盤の強化に注力し、応募者の母集団形成が順調に進んでいる状況です。引き続き、積極的なコンサルタント人材の獲得を推進していきます。
質疑応答:グロース市場の上場維持基準の見直しについて

「グロース市場の上場維持基準の見直しについてリリースされていますが、それを意識した方針策定やM&Aなどを検討しているのでしょうか? 方針などに関するアップデートがあればご教示ください」というご質問です。
FY2026以降の成長戦略に関する方針のスライドをご覧ください。こちらをもとに回答しますが、あらためまして、今後の成長戦略に関する方針をご説明します。
1点目に関しては「着実な戦略推進による事業成長」、2点目が「株式市場における当社の立ち位置を再定義」を行うこと、3点目が「投資判断の決め手となる資本施策」を企画立案することです。
これらを組み合わせ、総株主利益を追求し、総合的な投資魅力の向上に寄与する成長戦略を推進していきます。
なお、M&Aなど、現時点で具体的に決定している事項はございません。重要な決定事項が発生した際には、適切なタイミングでみなさまにお知らせします。
山本氏からのご挨拶
Atlas Technologies株式会社のさらなる企業価値向上に向け、役職員一同、引き続き邁進していきます。みなさまには、引き続き当社の成長にご期待いただくとともに、温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。
ご清聴いただき、誠にありがとうございました。
