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ロココ Research Memo(5):2025年12月期は2ケタ増収増益、過去最高売上を連続更新

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■ロココ<5868>の業績動向

1. 2025年12月期の業績概要
2025年12月期の連結業績は売上高で前期比17.8%増の9,189百万円、営業利益で同23.0%増の525百万円、経常利益で同14.4%増の505百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同14.3%増の317百万円と増収増益決算となった。売上高は連続で過去最高を更新し、各利益も3期ぶりの増益に転じた。

売上高は企業の生産性向上や業務効率化のためのIT投資拡大を追い風に、ITO&BPO事業、クラウドソリューション事業ともに2ケタ増収と好調に推移した。売上原価率が前期比2.2ポイント上昇したが、主にはWindows10のサポート終了に伴うパソコンの買い替え需要により、利益率の低いIT機器の販売が急増したこと、またエンジニアの積極採用や賞与の増額もあって労務費率が上昇したことが要因だ。エンジニアの採用については新卒・中途採用合計で過去最高となる98名(同20名増)となり、期末のエンジニア数は前期末比30名増の588名となった。

販管費は前期比8.2%増、金額で198百万円増加した。人件費や採用費・教育費等の増加に加えて、ポーランドの研究開発拠点立ち上げに伴う費用が増加要因となった。ただ、その他販管費抑制への取り組み、増収効果により販管費率は同2.5ポイント低下の28.5%となった。営業外収支は同34百万円悪化した。Automagicaの子会社化に係るM&A費用等31百万円を営業外費用として計上したことが主因だ。

会社計画に対しては、売上高、営業利益、経常利益ともに上回ったが、親会社株主に帰属する当期純利益のみ若干の未達となった。想定よりも法人税等調整額が膨らんだことによる。またパソコンを中心としたIT機器の販売増によるもので、約4億円の上振れ要因となった。一方、利益ベースでの上振れが小幅にとどまったのは、業績計画達成に伴い社員への賞与を約50百万円増額したことや、M&A費用を営業外に31百万円計上したことが主因で、これら要因を除けば経常利益は30%台の増益となった。

ITO&BPO事業、クラウドソリューション事業ともに2ケタ増収増益に

2. 事業セグメント別動向
(1) ITO&BPO事業
ITO&BPO事業の売上高は前期比20.3%増の6,166百万円、営業利益は同29.9%増の338百万円となり、営業利益は3期ぶりの増益に転じた。売上高は新規顧客・案件の獲得や既存取引先での増員・単価アップが進んだことに加えて、Windows10のサポート終了に伴うパソコンを中心としたIT機器の販売増が増収要因となった。販売ミックスがやや悪化したものの増収効果や派遣単価のアップが利益増に貢献し、営業利益率も同0.4ポイント上昇し5.5%となった。

事業別の動向を見ると、ITサービスマネジメント事業は新規顧客・案件の獲得や既存取引先での増員・単価アップ、IT機器の販売増により2ケタ増収と好調に推移した(IT機器の販売増要因を除いても2ケタ増)。カスタマーコミュニケーション事業についても新規顧客の開拓が進み、2ケタ増収と計画どおりに推移した。カスタマーサポート業務については、生成AIによる影響はまだ見られず、企業の旺盛なアウトソーシングニーズを取り込むことができているとしている。イベントサービス事業は受注見通しが立て難いため、売上計画は前期並みの水準を見込んでいたが、新規案件を受注できたこともあり増収となった。いずれの事業も増益に寄与している一方で、ソリューション事業は前期に大型の施設向けソリューション導入案件があった反動により減収減益となった。

(2) クラウドソリューション事業
クラウドソリューション事業の売上高は前期比14.2%増の2,897百万円、営業利益は同21.4%増の171百万円と2ケタ増収増益となり、営業利益率も収益性の高いServiceNow事業の構成比が上昇したことで同0.4ポイント上昇し5.9%となった。

事業別の動向を見ると、主力のServiceNow事業は企業のDX推進を追い風に新規顧客・案件を獲得したことにより、売上高は前期比2割増ペースが続き、利益も2ケタ増益となった。システムソリューション事業では、2024年12月に事業譲受したファンクラブプラットフォーム運営事業(数千万円の売上規模)が上乗せ要因となったほか、既存顧客向けの受注も増加し2ケタ増収となった。ただ、利益に関しては一部案件の外注費が嵩んだ影響で減益となった。HRソリューション事業は、2024年12月期に既存顧客に対する大型回収案件があった反動や、2025年12月期は製品力向上のための機能拡充に注力し、減収減益となった。

(3) その他
海外事業は売上高で前期比6.2%増の465百万円、営業利益で同38.5%減の15百万円となった。売上高は外部顧客向けが同11.5%減の126百万円と減少したものの、内部取引高がグループ向けの開発保守案件や研究開発受託の増加により同14.8%増の338百万円となった。利益面では、ポーランド子会社の新規設立や一部の子会社の人員増加等による人件費増が減益要因となった。

AutomagicaのM&A実施により、のれん及び有利子負債が増加

3. 財務状況と経営指標
2025年12月期末の資産合計は前期末比656百万円増加の4,997百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では売掛金及び契約資産が34百万円減少した一方で、現金及び預金が17百万円、前払費用が48百万円それぞれ増加した。固定資産ではAutomagicaの子会社化により、のれんが344百万円増加したほか、事業拡大を見据えた協業先へのマイノリティ出資により投資有価証券が212百万円増加した。

負債合計は前期末比446百万円増加の2,037百万円となった。M&A資金を借入金で充当したことにより有利子負債が150百万円増加したほか、未払費用が88百万円、未払金が62百万円、買掛金が44百万円、前受収益が36百万円それぞれ増加した。純資産合計は同209百万円増加の2,960百万円となった。配当金111百万円を支出した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益317百万円を計上したことによる。

経営の安全性指標について見ると、自己資本比率は前期末の63.3%から59.2%に低下し、一方で有利子負債比率は19.2%から22.8%に上昇した。M&Aの実施により有利子負債が増加したためだが、ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債)では1,268百万円のプラスとなっており、財務内容は健全な状態にあると判断される。収益性についてはROA、ROE、売上高営業利益率ともに若干ながら上昇に転じた。2023年12月期はカスタマーコミュニケーション事業における大型案件の終了が収益悪化要因となり、2024年12月期も一時的なエンジニアの稼働率低下と周年記念事業などの一過性費用の計上が収益性の低下につながったが、2025年12月期はこれらマイナス要因がなくなったことも収益性の改善につながった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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