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Appier Research Memo(4):2026年12月期も23.5%の増収・44.9%の営業増益を見込む

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■Appier Group<4180>の今後の見通し

2026年12月期通期の連結業績は、売上収益で前期比23.5%増の54,013百万円、営業利益で同44.9%増の4,313百万円、税引前利益で同37.0%増の3,663百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益で同35.4%増の3,463百万円と、増収増益の見通しである。

売上収益は、主要セクターであるEコマースとオンライン旅行業を含むその他インターネットサービス、主要地域である北東アジア(日本・韓国)・米国及びEMEAにおいて既存顧客との取引拡大と新規顧客獲得を推進し、地域・業種の拡大を進めることで、過去最高の更新を見込んでいる。利益面では、自律型AIモデルの技術的優位性に伴う原価率低減により、売上総利益率は54.5%(前期比0.7ポイント上昇)を見込む。営業利益については、継続的な売上収益の拡大に伴うオペレーティング・レバレッジの発現により、セールス人材の採用やAIモデル開発などの投資増加を吸収する計画である。生産性向上を背景とした財務規律を維持することで、営業利益率は8.0%(同1.2ポイント上昇)へと改善を伴いつつ、44.9%の増益を見込む。

■中長期の成長戦略

2027年12月期目標は営業利益90~110億円以上。利益率も引き上げへ

1. 2027年12月期の財務目標
同社は2027年12月期の中期目標として、売上収益70,000百万円以上、営業利益9,000〜11,000百万円以上を目標としている。2025年12月期の売上収益は、2019年12月期比で約6倍に拡大したが、2027年12月期の目標達成に向けてさらに約1.6倍の規模拡大で到達する計算となる。引き続き、既存顧客及び新規顧客からのバランスの取れた成長を継続することで達成可能な計画である。利益成長率は売上成長率を上回る設計とし、トップライン拡大と収益性向上を両立させる戦略である。

2. 成長戦略
同社は、自律型AIを活用した既存事業の高度化を通じて、Agentic AI as a Service(“AaaS”)のパイオニアとしてのリーダーシップ確立を成長戦略の中核に据えている。北東アジア(日本・韓国)・米国及びEMEAを主要重点地域と位置付け、既存顧客への浸透拡大及び新規顧客獲得を通じて売上拡大を推進する。また、重点地域における営業体制強化とフルファネルのプロダクト浸透により、ARPCの上昇と顧客基盤拡大の両立を図る。

(1) ファーストパーティーデータのトレンド活用
同社の継続的な成長を支える背景の1つに、マーケティング業界におけるファーストパーティーデータ活用の重要性の高まりが挙げられる。デジタル広告市場ではサードパーティーデータの活用制限が進むなか、顧客企業が保有する購買・行動データをAIモデルが学習することによって活用する重要性が高まっている点は、同社にとって追い風である。これらのデータを同社が創業以来開発してきたマーケティングに特化したAIモデルが学習することにより精度を高め、エンタープライズ顧客のROI改善に貢献することでプラットフォームの利用量を拡大させ、顧客基盤を広げてきた。今後も業界トップ企業との取引拡大を通じて継続的にデータを学習し、予測AI・生成AIの精度向上と自律型AIへの進化を実現することで、トップラインの持続的成長を目指す。

(2) 新プロダクトの投入
同社は「AIQUA」「AIXON」「AiDeal」「BotBonnie」「AIRIS」など段階的に投入し、マーケティングファネル全体をカバーする体制を構築し、AIを活用したクリエイティブの自動生成ツールである「AdCreative.ai」の買収によりプラットフォームの価値をさらに拡大することで、広告クラウドから、パーソナライゼーションとデータ活用領域へプロダクトファネルを拡充してきた。今後は、自律型AIを中核としたネイティブなAIプロダクト展開の強化を進め、各クラウド毎の成長及びクラウド間のクロスセルを加速させて収益性の向上を図る。

(3) 主要地域戦略の展開
同社は、北東アジア(日本・韓国)に加え近年では米国及びEMEAが成長ドライバーとなっている。欧州では「AdCreative.ai」の顧客基盤活用、米国ではEコマース・その他インターネットサービス分野での展開強化により、北東アジアと並ぶ成長率を見込む。その結果、2027年12月期の地域別売上収益構成は、北東アジア63〜68%、米国及びEMEA25〜30%を目標とし、地域ポートフォリオの分散と拡大を進める。

(4) 業種拡大
業種面では、Eコマースを中核としつつオンライン旅行業を含むその他インターネットサービスへの展開を強化し、トップライン成長の加速を図る。両業種は市場規模が大きく、AI活用によるROI改善効果が顕在化しやすい分野である。一方、金融サービスを含む新しい業種への展開も進め、業種ポートフォリオの分散により収益基盤の安定性向上を目指す。金融分野ではスマートフォンアプリ利用促進に伴う新規顧客獲得の拡大が追い風になっているほか、フードデリバリー分野では業界トップクラスの企業との取引も開始している。重点業種の深耕と新規業種の拡大により、成長と安定性の両立を図る。

■株主還元策

コア・フリー・キャッシュ・フローの創出に伴い配当水準は引き上がる見込み

同社は、持続的な成長投資と財務健全性を確保しつつ、株主への利益還元を実施することを基本方針としている。2025年12月期の年間配当は2.25円を実施し、前期比0.25円の増配となった。2026年12月期は年間2.30円を予定しており、0.05円の増配を見込んでいる。

2026年12月期も増益を予想しているが、利益成長に加え営業活動によるキャッシュ・フローからソフトウェア投資額を控除したコア・フリー・キャッシュ・フロー※の状況を踏まえながら、株主還元を行う方針である。

※ コア・フリー・キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+無形資産の取得による支出

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)

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