■要約
システムインテグレータ<3826>は独立系のソフトウェア開発会社である。「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」をコーポレート・スローガンに掲げ、企業の生産性向上に寄与するソフトウェアの開発・販売を行っている。主要事業として、データベース開発支援ツール「SI Object Browser」や統合型プロジェクト管理ツール「OBPM Neo」などを提供しているObject Browser事業のほか、ERP(基幹業務システム)事業、AI(人工知能)事業などを展開している。2025年3月に開発体制の強化を目的に、(株)システム開発研究所を子会社化し、2026年2月期第2四半期より連結業績に反映した。
1. 2026年2月期の業績概要
2026年2月期の連結業績は、売上高で前期比16.5%増の5,558百万円、営業利益で同119.3%増の595百万円と大幅な増収増益となった。企業の旺盛なDX投資を背景に、ERP事業の売上高が同20.7%増の4,649百万円、セグメント利益が同40.7%増の987百万円と伸長し、業績のけん引役となった。直近1~2年で採用した人材の戦力化と全社的なAI活用による生産性向上により、営業利益率も前期の5.7%から10.7%に上昇した。なお、先行投資段階のAI事業は、ディープラーニング異常検知システムの営業活動を終了し、生成AIを用いた新サービス(AIエージェントサービス、検図AIサービス)に事業リソースをシフトした。
2. 2027年2月期の業績見通し
2027年2月期の連結業績は、売上高で前期比13.3%増の6,300百万円、営業利益で同17.6%増の700百万円と2ケタの増収増益を見込んでいる。営業利益は7期ぶりの最高益更新となる(2020年2月期は単独決算で661百万円)。ERP事業では、受注環境が引き続き良好ななか、主力の「GRANDIT」に加えて、「SAP S/4HANA Cloud Public Edition」(以下、SAP Cloud ERP)や生産管理システム「mcframe」※1など他社製品をラインナップに加えたほか、2026年11月には持分法適用関連会社の(株)BizSaaS※2で次世代ERP「BizSaaS」のリリースを予定するなど、顧客の多様なニーズに対応できる体制を整えることでさらなる成長を目指す。また、検図AIサービスの導入拡大が進んでいるAI事業も黒字化する見通しだ。
※1 2025年1月に提供開始したビジネスエンジニアリング<4828>の開発製品で、生産・原価・在庫・販売といった業務管理だけでなく、設計と製造のプロセス連携なども可能なERP製品。
※2 中堅・大企業向けを対象としたクラウドネイティブなERPの開発・販売を目的に、富士ソフト(株)との共同出資により2025年4月に設立した会社(出資比率39%)。
3. 長期ビジョンと2年経営計画
同社は、「ものつくり企業のビジネスプロセスをITの力で本質的に変革する」という長期ビジョンの下、2033年2月期に売上高120億円、営業利益20億円を業績目標として掲げている。その実現に向けて、2028年2月期までの「2年経営計画」では、「収益基盤の多軸化とクロスセルによる成長加速」「AIネイティブ組織への進化と人的資本の最大化」「AIを軸にした新規事業の創出とアライアンスによる成長機会の拡大」を重点施策として取り組み、既存事業の収益拡大と生産性向上、並びに将来の成長ドライバーとなる新規事業を創出することで、2028年2月期に売上高71億円、営業利益8億円を目指す。
4. 株主還元方針
株主還元については、連結配当性向30%を下限にすることを基本方針としつつ、中長期的には累進配当を志向し、配当性向を段階的に40%水準まで引き上げることを目指す。2026年2月期の1株当たり配当金は前期比3.0円増配の13.0円(連結配当性向31.0%)を実施した。2027年2月期は前期に計上した特別利益が剥落する反動で1株当たり利益の減少を見込んでいることから、同2.0円減配の11.0円(同30.0%)を予定している。また、株主優待として、毎年2月末及び8月末時点の株主名簿に同一株主番号で記載された200株以上保有の株主を対象に、新潟県産の減農薬・減化学肥料栽培による新米コシヒカリを贈呈している。
■Key Points
・2026年2月期はERP事業の好調とAI活用により大幅な増収増益に
・2027年2月期は2期連続で2ケタ増収、営業利益は過去最高更新へ
・ERP事業の拡大とAIを含む新規事業の創出により年率2ケタ成長を目指す
・連結配当性向30%を下限とし、今後は段階的に配当性向の引き上げを目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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