■山田コンサルティンググループ<4792>の業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比17.3%増の26,711百万円、売上総利益で同5.5%増の20,500百万円、営業利益で同9.4%減の3,740百万円、経常利益で同9.4%減の3,712百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.4%増の2,895百万円となり、売上高・売上総利益・親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新した。売上総利益は増益となったが、M&Aアドバイザリー事業の減速、並びに持続的成長を支える人材確保に向けた採用及び昇給の実施による人件費の増加により、営業利益・経常利益は減益となった。ただ、不動産投資事業における不動産M&Aの実施※1に伴う負ののれん益110百万円を特別利益として計上したこと、並びに非支配株主に帰属する当期純利益が前期の107百万円から14百万円に減少※2したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は増益を確保した。
※1 不動産物件を取得する際、同物件を保有する(有)大黒ビルをM&Aにより取得。
※2 2025年3月期にM&A成約件数が集中し大きく伸長したピナクル(株)の反動減が主因。
営業利益は前期比で391百万円の減益となったが、主な増減要因を見ると売上総利益の増加で1,077百万円(コンサルティング事業773百万円、投資事業307百万円)であったのに対し、販管費では人件費が1,220百万円、人材募集費で64百万円、旅費交通費で59百万円、その他販管費で126百万円それぞれ増加した。人件費については前期に続いて約8%の昇給を実施したこと、並びに期中に207名が入社するなど採用が順調に進んだことが増加要因となった(2026年3月期末の連結従業員数は1,154名(前期末比87名増)、うちコンサルタント942名(同72名増))。
2. セグメント別の業績
(1) コンサルティング事業
2026年3月期は売上高で前期比4.0%増の21,183百万円、売上総利益で同4.2%増の18,960百万円とそれぞれ過去最高を更新した一方で、営業利益は同18.6%減の2,584百万円と減益に転じた。営業利益の減益要因は、人員増及び賃上げによる人件費の増加と、前期にM&A成約件数が集中したピナクルの反動減が主因である。
事業別の売上総利益を見ると、経営コンサルティング事業は前期比7.8%増の7,969百万円と増益基調が続いた。人手不足に伴う持続的成長コンサルティング分野の引き合いが堅調に推移したほか、上場会社の資本効率向上を目的とした子会社等の業務改善コンサルティングの需要が増加した。
M&Aアドバイザリー事業は同2.6%増の7,949百万円と伸びが減速した。非公開化やカーブアウト等の上場企業案件が増加したほか、PEファンドとの連携強化による直接受注が増加したものの、ピナクルの反動減に加えて地方拠点におけるM&A案件の受注が想定を下回ったことが要因である。
事業承継コンサルティング事業は同5.0%増の2,032百万円と増益基調が続いた。引き続きオーナー企業を中心とした事業承継相談が堅調であり、他事業への連携も推進した。不動産コンサルティング事業は同9.8%減の1,009百万円となった。不動産の売却・有効活用に関する相談や富裕層の購入ニーズが堅調に推移したものの、大型売却案件が前期よりも少なかったため全体としては減益となった。
(2) 投資事業
2026年3月期は売上高で前期比130.2%増の5,550百万円、売上総利益で同24.9%増の1,542百万円、営業利益で同21.5%増の1,159百万円となった。2026年3月期は未上場株式投資事業、不動産投資事業ともに売却が順調に進んだことに加え、前期は収益性の高い案件の売却があり、売上総利益に対する売上高の水準が例年よりも低く抑えられていたため、大幅な増収となった。このため、売上総利益率は前期の51.2%から27.8%に大きく低下したものの、2024年3月期は19.2%であり、売却案件の中身によって売上総利益率は大きく変動する特性を持つ。
また、2026年3月末の未上場株式投資事業における営業投資有価証券残高は前期末比127百万円増加の7,131百万円、不動産投資事業における不動産投資残高は同2,875百万円増加の4,276百万円とそれぞれ増加したほか、ファンド事業による営業投資有価証券残高が3,966百万円となり、合計で同6,969百万円増加の15,374百万円に積み上がった。未上場株式投資事業においては、事業承継ニーズの高まりを受け、資本構成の再構築が必要な未上場企業からの出資依頼が増加したことに加え、金融機関との関係強化による新規案件の発掘も進んだ。不動産投資事業では、金融機関及び不動産仲介会社からの紹介件数が50件(527区画)と当初想定を上回り、このなかから想定IRRで20%以上が見込める案件を厳選し、7件(46区画)の投資を実行したことで期末残高が大きく積み上がった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
いま読まれてます
記事提供: 
元記事を読む