■True Data<4416>の今後の見通し
● 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の業績は、売上高2,200百万円(前期比17.6%増)、営業利益80百万円(同21.3%減)、経常利益78百万円(同27.6%減)、当期純利益63百万円(同21.4%減)と増収減益を見込んでいる。なお、利益面については、新中期経営計画の「パートナー連携×パターン化」という事業戦略により、中期的な利益拡大に向けた仕込みを強化する期として費用投下を強化するが、一定の不確実性を織り込んでいるようで、上振れの余地は十分あると考えられる。
売上面では、増収分の大半をストック型売上の積み上げで確保する計画だ。ストック型については、前期の大手小売業向け案件が通期で寄与する見通しのほか、伊藤忠商事等パートナーとの協業による新規案件の積み上げや、リテールメディアのデータ連携収益拡充を見込む。パートナーとの協業によるソリューションの拡販では収益をシェアするため、1件当たりの収益性は同社の単独契約案件と比較して限定的となるが、パートナー顧客への広範で容易なアクセスはもちろん、パートナーが顧客に提供しているサービスと同社ソリューションのシナジーによって、競合に対する参入障壁を築ける可能性がある。そのため、顧客層の広がりによる量的拡大を優先し、その後アップセルやクロスセルを進め、長期的な視点で収益への貢献を見通す。スポット型売上高は前期に続き大手小売向け案件の追加開発や、AI活用に係る顧客要望への対応を複数見込み、引き続き高水準の業績を予想する。
利益面は、ストック型での協業契約の増加やスポット型売上の増加による原価増を要因に、売上総利益率は51.0%(前期比5.1ポイント減)を予想している。また、クラウドインフラを中心とする主要システムコストの値上げや円安リスクが利益率抑制の一因となり得るため、期初段階で一定の費用増を保守的に織り込んでいる。ただし、同社ではシステムアーキテクチャの最適化や効率的なリソース管理によるITコスト抑制策も並行して徹底する方針であり、不確実性を吸収した上での利益上振れ余地は十分にあると考えられる。販管費については、新規採用は若干名にとどまるものの、適切な人的資本投資として賃上げを含む人件費の増加を見込むほか、AIスタートアップ企業とのAIシフトに向けた新たな取り組みや中長期的な収益拡大に資する施策は積極的に模索・実行するため、新中期経営計画で定めるM&A投資に係る費用の一部を戦略投資費用の予算枠として組み込んでいる。そのため、営業利益は第1四半期に損失を予想するが、第2四半期以降はスポット型収益の積み上がりと、ストック型収益の拡大により黒字転換し、下期偏重型の業績推移を予想している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
いま読まれてます
記事提供: 
元記事を読む