■業績動向
(2) BPO事業
クオールホールディングス<3034>のBPO事業の売上高は前期比5.1%増の14,300百万円、営業利益は同11.3%増の1,898百万円と増収増益が続いた。会社別では、CSO/CRO事業を展開するアポプラスステーションが増収増益、医療系人材紹介派遣事業を展開するアポプラスキャリアが増収減益となった。
主力のCSO事業は製薬企業からのCMR活用ニーズの増加を背景に増収となったが、需要に対してCMRのリソースが不足している状況が続いており、広告宣伝費を投下するなどして採用を強化した。この結果、CMR数は前期末の約650名から約700名に増加し、今後もCMR1千名を目標にリクルーティングを強化していく方針だ。CRO事業では、健康食品などの食品試験を中心に受注が伸び増収となった。また、2025年11月にクリンクラウドをグループ化したことで約2億円の増収要因となったが、M&A費用の計上により利益面への影響は殆どなかった。医療系人材紹介派遣事業は、主力の薬剤師の紹介派遣が伸びたことで増収となったが、人件費や広告宣伝費が増加したこと、紹介案件が低調だったことが響いて減益となった。
(3) 製薬事業
製薬事業の売上高は前期比25.8%増の99,010百万円、営業利益は同32.0%増の6,960百万円と高成長が続いた。このうち、第一三共エスファの業績は売上高で前期比200億円増の970億円、営業利益で同17億円増の73億円と大幅増収増益となり、営業利益率も前期の7.3%から7.5%に上昇した。
2024年12月に発売したAG3製品及び2025年12月と2026年3月にそれぞれAG1製品を発売し、それぞれ販売が順調に拡大したことが主な増収要因となった。利益面では、新製品の貢献に加えて、原価低減施策を実施したことや販管費の削減に取り組んだことも増益要因となった。予想比で売上高は117億円、営業利益は5億円それぞれ上振れたことになる。前期業績が想定を下回ったため、期初段階で保守的な予想を立てていたのに対して、新製品の販売が順調に拡大したことや既存品の薬価引き下げ率が想定よりも小幅にとどまったこと、などが売上高の上振れ要因となった。利益面では増収効果に加えて、在庫回転率が向上したことや在庫補償料が想定を下回ったことなどが上振れ要因となった。
2024年12月以降、発売した5つの新製品のなかでも、血栓塞栓症治療薬の「リバーロキサバン錠(先発品名 イグザレルト(R)錠)」及び「リバーロキサバンOD錠(先発品名 イグザレルト(R)OD錠)」は、複数のGE医薬品が発売されたなかでもAG製品としての信頼性の高さや、適応範囲が他のGE医薬品より広かったことが評価され、市場シェアで約8割と圧倒的シェアを獲得した。売上高は薬価ベースで18,997百万円となり、そのほかの4製品※と合わせた売上高では27,255百万円(前期は3製品で7,550百万円)と増収要因の大半を占めた。一方、藤永製薬については、売上高で20億円前後、営業利益も収支均衡水準と前期比横ばい水準となった。
※ 2024年12月に経皮吸収鎮痛抗炎症剤「ロキソプロフェンNaテープ(先発品名 ロキソニン(R)テープ)」、免疫調整剤「ヒドロキシクロロキン硫酸塩錠(先発品名 プラケニル(R)錠)」、2025年12月に前立腺癌治療剤「アビラテロン酢酸エステル錠(先発品名 ザイテガ(R)錠)、2026年3月に抗血小板剤「プラスグレル錠(先発品名 エフィエント(R)錠)」及び「プラスグレルOD錠(先発品名 エフィエント(R)OD錠)」を発売した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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