fbpx

地主、通期は増収増益・増配を計画 売却予定案件の92%が決定済、当期純利益予想80億円の達成確度は高い

マネーボイス 必読の記事

2026年8月14日に発表された、地主株式会社2026年12月期第2四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

損益計算書

西羅弘文氏(以下、西羅):地主株式会社の西羅です。2026年12月期第2四半期決算についてご説明します。よろしくお願いします。

はじめに、損益計算書についてです。第2四半期の売上高は345億円、営業利益は44億円、経常利益は32億円、親会社株主に帰属する当期純利益は20億円となりました。

2026年12月期は主に第4四半期に利益を計上する計画であり、想定どおりに進捗しています。

貸借対照表

貸借対照表です。第2四半期の総資産は2,066億円となり、前期末から602億円増加しました。これは、販売用不動産が344億円増加し1,137億円となったことに加え、長期賃貸事業として取得した案件を固定資産として計上したことによるものです。

自己資本比率は24.6パーセントですが、第4四半期に計画している案件売却により、財務規律としている30パーセント程度まで回復する見込みです。

仕入(契約ベース)

仕入についてです。第2四半期累計の仕入契約件数は41件、契約額は494億円となりました。年間の仕入目標である1,000億円以上の達成に向けて順調に進捗しています。

引き続き、さらなる仕入拡大を目指して取り組んでいきます。

2026年12月期 連結業績予想達成に向けた取組状況

2026年12月期の業績予想の達成に向けた取組状況をお伝えします。

まず、2026年12月期の業績見通しです。2026年12月期に売却を予定している案件の92パーセントは、すでに決定済みです。加えて、残りの8パーセントについても、現時点で、すべての案件において購入意向表明書を受領しており、2026年12月期の売却は確実といえます。

中東情勢による影響はなく、金利上昇についても年2回の利上げを織り込んでいます。当期純利益予想80億円の達成確度は高い状態です。

続いて、金利上昇局面およびインフレ進行下における当社の取組をご説明します。金利上昇への対応として、主な売却先である地主プライベート投資法人(地主リート)などの取得目線を常に把握した仕入を徹底するとともに、一定の金利上昇を織り込んだ利回り水準での仕入を実施しています。加えて、金利連動条項やCPI連動条項の導入も着実に進めています。

また、インフレに対しても、建物を所有せず土地のみに投資する「JINUSHIビジネス」は、建築費や運営管理費、水道光熱費など、建物所有に伴うさまざまな変動要素を排除しているため、建物に関するコスト上昇の影響を受けません。

収益変動リスクが低く、インフレ進行下での地価上昇も期待できることから、底堅い投資需要があります。特に、地主リート以外へ売却する際には、計画を上回る売却額となるケースが多く見られます。各種施策を進めながら、業績予想を上回る結果を目指していきます。

仕入を加速する機会

あらためて、足元の事業環境についてご説明します。東証改革や投資家からの要請、建築費の上昇といった社会の変化が、当社の仕入を加速させる追い風となっています。

東証の「資本コストや株価を意識した経営」や、アクティビスト・PEファンドなどの投資家からの要請を背景に、多くの企業が所有不動産の売却やCRE戦略の見直しを加速させています。その結果、「JINUSHIリースバック」へのご相談も増えています。

また、建築費の上昇を背景に、開発プロジェクトを断念した不動産デベロッパーから、開発用地を素地で売却したいとのご相談を、当社にいただくケースが増加しています。

社会の変化を追い風に、仕入を拡大

このような社会の変化が、2022年の「地主株式会社」への社名変更を契機にスタートした3つの成長戦略、「テナント業種の多様化」「事業エリアの拡大」「JINUSHIリースバック提案」を後押しし、仕入を加速させています。継続的に年間1,000億円以上の仕入を実現し、常に前年度を上回る仕入を目指していきます。

引き続き、みなさまのご期待に応えられるよう取り組んでいきます。

最後に、テレビCMについてお伝えします。足元でご相談いただく機会が増えている「JINUSHIリースバック」の認知を一層高めるため、今年7月1日より新たなテレビCMの放送を開始しました。新テレビCMを通じた認知向上による「JINUSHIリースバック」と新規開発の両輪により、さらなる仕入の拡大を図っていきます。

質疑応答:金利上昇の影響について

質問者:金利上昇についての質問です。事業は順調に進捗していると理解していますが、金利上昇の影響はいかがでしょうか?

地主リートへ投資したい投資家の需要が旺盛な状況は、現在も変わっていないと理解しています。一方で、10年国債の利回りは3パーセントに近づきつつあります。この利回りが、どの程度の水準まで上昇すると投資家需要に影響が生じるのか、投資家の声などもあれば、あわせて教えてください。

西羅:もちろん地主リートも金利の影響は受けます。ただし、当社の商品は他の不動産金融商品とはまったく異なります。権利は不動産ですが、建物を持たないことで、自然災害やマーケットボラティリティに強い、長期安定の社債代替商品を提供しているという感覚です。地主リートは運用開始以来10年連続で増資を実現していますが、そのトラックレコードや、商品の独自性への評価は、ますます高まっていると感じています。

現在、地主リートは次の増資に向け、7月からマーケティングを開始しています。ミーティングの数もこれまで以上に多く、新たな年金投資家の参加も相当数見込める状況であり、予想どおり順調と聞いています。

さまざまな不動産金融商品がある中で、地主リートは、長期安定性やボラティリティの低さ、モニタリングの手間がかからないといった独自の商品性をご評価いただいています。投資家のみなさまは、当社の商品を理解・評価した上で、投資ポートフォリオにどの程度組み入れるかを判断していると思います。

不動産金融商品というカテゴリの中で、当社の商品の独自性が評価され、支持を得ていることを、あらためて実感しています。

質問者:投資家からの商品への評価について、追加の質問です。5年や10年以上の投資を視野に入れている超長期の投資家は、賃料の安定性に加え、将来の賃料更改も見据え、土地をインフレ資産として評価しているのでしょうか? それとも、安定性だけで十分に人気があるということでしょうか?

西羅:足元では、土地のみの安定感や手間のなさ、地主専業25年超、地主リート運用10年の安心感が主な評価ポイントです。一方で、インフレが進行すれば土地の価値が上がるのは当然です。また、将来の契約更改タイミングでは、借地料の引き上げも見込めます。こうした特徴も含め、丁寧に説明していますので、投資家のみなさまには、十分にご理解いただいています。

質疑応答:「JINUSHIリースバック」の引き合いについて

質問者:仕入について質問です。第2四半期の3ヶ月間だけで見た場合、「JINUSHIリースバック」案件は少なかったようです。まだ契約に至っていないものなど、進行中の案件があると思います。昨年同時期と比べて、案件数や規模は増加傾向にあるのでしょうか?

特に、昨年度は年間の仕入額が大きかったため、「JINUSHIリースバック」の増加トレンドが一巡したと捉えるべきかも含め、状況を教えてください。

西羅:「JINUSHIリースバック」に関するトレンドは変わらず、むしろご相談は増えています。仕入や契約のタイミングは案件ごとに異なるため、四半期や年度で単純に比較できるものではありません。

大企業からの相談案件もあり、契約前の交渉や先方の意思決定に時間がかかる傾向があると感じていますが、下期以降、さまざまな案件を着実に具体化していけると考えています。

私自身、現地調査の時間を確保するのが難しいほど、多くの案件が進捗しています。このような取組を確実に仕入、商品化につなげて、みなさまには、下期以降、実績としてお示ししていきたいと思います。

質疑応答:金利連動条項の導入状況について

質問者:金利連動条項の導入状況について伺います。新規テナントとの契約において、どの程度普及が進みそうか、またテナント側からどのような声が寄せられているのかも含めて、教えてください。

西羅:金利連動条項の導入については、新たに取引を開始するテナントだけではなく、既存のテナントとも、導入に向けた議論を継続しています。

既存のテナントは、従来の契約内容を踏襲したいという意向があり、導入が進みにくい場合もあります。ただ、過去に固都税連動条項を導入した際も、「ハードルがある」と言われましたが、現在では大多数の案件で導入済みです。金利連動条項の導入も、時間を要する可能性はありますが、着実に進めていくことを考えています。

実績としては、2026年12月期第2四半期決算説明資料の10ページに記載のとおり、2026年12月期第2四半期累計で41件仕入しており、そのうち8件で金利連動条項を導入しています。この比率は徐々に上昇していく見込みです。

質疑応答:地主ファンドの進捗状況と今後の取組について

質問者:地主ファンドについて質問します。2026年12月期の売却予定案件の内訳を記した円グラフには、地主ファンドや地主リート向けの売却という区分があります。地主ファンドは、2026年中の運用開始を予定していると思いますが、現時点で共有いただける情報があれば、教えてください。

また、三菱HCキャピタルリアルティ株式会社以外とも取り組んでいきたいというお話が過去にありました。他の投資家との検討状況についても、お教えください。

西羅:三菱HCキャピタルリアルティ株式会社との地主ファンドについては、運用開始に向け、具体的な組入案件を含め、順調に進んでいます。

地主ファンド構想は、仕入の加速と地主リートの成長スピードとのギャップを埋めるための仕組みづくりとしてスタートしました。

投資家ごとにオーダーメイドで地主ファンドを組成していく方針は変わりません。現在もさまざまな投資家と協議を進めています。

また、地主ファンドには、地主リートへのブリッジ機能も持たせています。ブリッジスキームについては、さまざまなリース会社と取引をしていますが、一部のリース会社については、金利上昇により目線が合わなくなるケースも出ています。これについても、新しいリース会社との取引をスタートさせるなど、柔軟に対応していきます。

地主ファンド構想を含め、さまざまな取組や議論を進めながら、仕入の加速に対応していきますので、ご安心ください。

質疑応答:金利上昇下での戦略について

質問者:先ほど、ブリッジスキームについて「金利上昇の中で目線が合わない会社も出てきているため、他のリース会社を開拓している」という発言があったと思います。また、先ほど「地主リートは、10年債利回りが3パーセントを超える環境でも問題ないのか?」という質問もありました。

金利上昇下でこれまでの方針を変える必要が出てきているのか、他のリース会社を開拓した後も、金利上昇によって戦略変更を迫られたり、問題が生じたりする可能性があるのかどうか、追加で教えてください。

西羅:常に、世の中の変化に対応していく必要があります。当然、足元の金利上昇を踏まえ、一定の金利水準を織り込んだ利回り水準での仕入や、金利連動条項の導入比率を高めるなどの対応を進めています。また、地主リートについても同様に、現在の事業環境を意識しながら適切に対応を進めていますので、ご安心いただければと考えています。

他の不動産会社では、金利以外にも、建築費や運営管理費、水光熱費等、建物所有のさまざまなコスト増に悩まされています。また、建物修繕などの問題を先送りしているケースもお聞きしています。

一方、当社は金利への対応のみですので、より柔軟に対応ができます。これまで同様、土地だけの商品の独自性や優位性は、マーケットが変化した時にこそ、さらにご評価いただけるものと考えています。

質疑応答:株価と資本市場との対話について

質問者:ある投資信託のファンドマネージャーが、御社に対してではありませんが「期末近辺で上方修正しても、来期のガイダンスが保守的だと株価が上がりにくい」といった趣旨のコメントをしていました。

この観点は、第4四半期に不動産売却が集中する傾向にある御社にも当てはまる部分があるのではないでしょうか。株価が軟調な状況が続いていますが、現在の株価推移を踏まえ、どのように資本市場と対話していくのか、教えてください。

西羅:株価については、さらに評価いただけるよう、結果を出し続けなければならないと考えています。当社のビジネスモデルは地味に映る面もありますが、順調に当期純利益を成長させ、持続的な成長を実現しています。直近の5年間も、期初に発表した業績予想を毎期上回りながら、継続的に増益・増配を達成してきました。まずは、この実績を信頼していただきたいと考えています。

当然、可能な限り早くポジティブなニュースをお届けしたいという思いもあります。一方で、発表した内容は、確実にやり遂げる姿勢を大切にしており、当社のビジネスモデルが持つ安定性や安心感にもこだわりがあります。「つまらない」と映る点もあるかもしれませんが、そこが当社の大切な要素の一つだと考えています。

「“おもしろくない”“地味に映る”から低評価なのか」と考えることもありますが、軸をぶらさず、利益成長とともに、増配を目指します。ぜひ長い目で見ていただきたいと考えています。サプライズや派手な動きがないと見えるかもしれませんが、「地主株式会社はそのような経営方針である」、「長期安定でボラティリティがない。言ったことをきちんと実行する。安心感のある会社だ」とご評価いただきたいと考えています。

質疑応答:仕入と金利上昇への取組について

質問者:仕入についての質問です。金利が上昇する中で、仕入時の利回り水準を引き上げるなど、変更している点があれば教えてください。

西羅:仕入時の利回りに関しては、金利動向や世の中の変化を考慮しています。従来とまったく同じ条件で進めているわけではありません。案件ごとに個別性はありますが、金利も意識しながら、しっかり交渉した上で商品化しています。

また、利回りを調整する必要があるから、仕入ができないということではありません。社内には「多くの会社は、金利の影響に加え、建築費やエネルギーコストが上昇しており、土地代まで資金が回らないこともある。当社のビジネスの独自性を踏まえれば、むしろ優位性を持って取り組める環境である」と伝えています。

仕入時の利回りを調整したとしても、仕入が減少するわけではなく、むしろ独自性と優位性を活かすことで、仕入を拡大していけると考えています。

質疑応答:下期の方針について

質問者:今期の売却予定案件は、92パーセントが決定済みであり、業績の達成確度は高いと理解しています。下期については、2026年12月期の売却案件を積み増すのか、来期の売却案件を進めるのか、あるいは仕入に注力するのか、下期の方針を教えてください。

西羅:案件売却については、2026年12月期の業績予想を達成できる数字は確保できており、ダウンサイドはありません。あとはアップサイドのみです。

下期は仕入に注力する方針です。今期の最終的な着地点をどのようにするかは、仕入の進捗を見据えながら検討していきます。

質疑応答:販売用不動産・固定資産の仕入について

質問者:2026年12月期第2四半期決算説明資料の23ページの仕入(計上ベース)の進捗について質問です。販売用不動産と固定資産の双方で仕入が進んでいますが、固定資産の割合が増えている背景を、お教えください。

西羅:当社は、保有中の賃貸収益や、地主リートの運用報酬を含むストック収益で、販管費を早期にカバーするという方針があり、固定資産の比率については、社内でも常に議論しています。

仕入の総量を増やしつつ、物件の個別性や特性を考慮しながら、販売用不動産と固定資産の振り分けを適切に判断しています。

質疑応答:デベロッパーからの素地売却の相談について

質問者:2026年12月期第2四半期決算説明資料の24ページに記載されている「多様な仕入手段」についてです。上期は多くの物件を取得されていますが、建築費の高騰により、デベロッパーが素地を売却するケースが増えていると聞いています。

このような素地を御社が取得する場合、デベロッパーが想定していた用途とは異なるかたちで商品化するのでしょうか。あわせて、そのような事例があればお教えください。

西羅:戸建てデベロッパーやマンションデベロッパーなどが土地を取得したものの、その後、建築費などのコスト高騰によりプロジェクトを断念し、素地として売却するケースが増えています。こうした場合に、競合他社ではなく当社にご相談いただけるのは、住宅系とは異なる商品にできることや、これまでの実績による信頼や安心感が理由です。

個々の立地の特性に応じて異なりますが、商業テナントとの取組なのか、ホスピスなどの社会インフラを担うテナントとの取組が適しているのかなど、さまざまなケースを検討しながら対応しています。

地主専業であるという強みから、デベロッパーの方々にも安心してご相談いただき、それが仕入につながっています。

質問者:例えばデベロッパーが住宅用地として仕入れた土地を別の用途で商品化する場合、御社が仕入れてから売却に至るまでの期間は、通常の開発案件と変わらないのでしょうか。

西羅:ご相談を受けてから、当社が取組可否を検討する期間は、他の案件と同様に、時間をかけずに決定できます。

もちろん、当社が対応できる立地とできない立地があり、できないものはお断りします。ただ、デベロッパーからの持ち込み案件の場合、戸建てやマンション用地の開発を検討されていた立地です。そのため、それ以外の用途でも対応可能なケースが多く、商品化できる確率が高いと言えます。

いま読まれてます

記事提供:

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー