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コマースOneHD、デジタルコマース戦略基盤投資で減益も、主力EC支援のARPU上昇とGMV堅調で成長持続

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2026年8月14日に発表された、株式会社コマースOneホールディングス2027年3月期第1四半期決算説明の内容を書き起こしでお伝えします。

目次

清水究氏:株式会社コマースOneホールディングス取締役管理本部長の清水です。本日は当社グループの決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

それでは、2027年3月期第1四半期の決算説明を始めます。本日のアジェンダはスライドに記載のとおりです。重要な部分を中心にご説明します。

2027年3月期 第1四半期 サマリー

決算概要のエグゼクティブサマリーについてご説明します。当第1四半期業績は、連結売上高9億7,000万円、連結営業利益9,000万円、連結営業利益率9.9パーセント、親会社株主に帰属する四半期純利益6,000万円となっています。

前年同期比で、連結売上高は6,000万円増、連結営業利益は3,000万円減、連結営業利益率は4.4ポイントの低下、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,000万円減となりました。

決算概要として、コア事業であるEC事業者の支援サービスを提供しているフューチャーショップにおいて、オプション機能などのサービスを拡充したことにより増収しました。一方で、昨年度から本格的に取り組みを始めている、デジタルコマース戦略基盤の再構築に伴いシステム開発投資ならびに人材関連などの費用が増加しています。結果として増収したものの減益となっています。

「通販する蔵(つうはんするぞう)」を提供するソフテルでは、顧客ニーズに即したカスタマイズ案件の提案に注力しましたが、大型案件の納期後ろ倒しの影響と、これに伴うエンジニアコストが増加したことで減収減益となりました。

その他、新規事業としてAI画像生成プロダクトの「AI Creative One」や将来債権の買取サービスである「OneCredit」など、収益化し利益貢献をし始めています。

2027年3月期 第1四半期 フューチャーショップ サマリー​

フューチャーショップ単体の実績についてご説明します。売上高は前年同期比2,000万円増の7億2,000万円、営業利益は前年同期比3,000万円減の1億7,000万円、営業利益率は前年同期比5.0ポイント減の23.7パーセントとなりました。

GMVは前年同期比28億2,000万円増の555億円、6月末契約件数は前期末比16件減の2,714件、ARPUは前年同期比4,874円増の8万9,490円となっています。

売上高およびARPUの増加要因としては、導入企業の成長に伴い、オプションやアライアンスサービスの利用が引き続き拡大したことが挙げられます。

一方で、当期は抜本的な基盤の再構築にかかる投資を行った影響で、営業利益は前年よりも減少しています。

2027年3月期 第1四半期 ソフテル サマリー

ソフテルの実績についてご説明します。売上高は前年同期比1,000万円減の2億円、営業利益は前年同期比1,400万円減の200万円となりました。営業利益率は前年同期比6.5ポイント減の1.3パーセントです。

開発売上総額は前年同期比2,080万円減の7,000万円でした。また、開発したシステムの保守に関わる売上であるストック売上は前年同期比1,030万円増の1億2,700万円となりました。また今期からAI活用による効率化のKPIとして保守工数を記載していますが、こちらは前年同期で22.58パーセント増加して四半期累計(3ヶ月間)で8,012時間となっています。

保守工数の増加は、AI駆動開発へのシフトに伴う増加になっており、効率化が進むにつれて、減少していくと想定しています。

減収減益の要因としては、開発売上高を構成する「通販する蔵」の大型案件の納期が後ろ倒しになってしまったことで減収したことが挙げられます。加えて、AI駆動開発へのシフトに伴う一時的な工数および費用増加があり、利益が減る結果となりました。

2027年3月期第1四半期 事業ハイライト

事業ハイライトについてご説明します。こちらは第1四半期に行った取り組みです。

フューチャーショップにおいては、デジタルコマース戦略基盤の再構築の一環として「商品管理画面改修」や「AI検索対応の基盤強化」などの開発を行い、MAツールオプションとして「future Scenario Cast」をリリース​しました。

またコマースコネクトにおいては、店舗横断で売上・受注データを見える化する受注分析SaaSである「CoBA」をリリースしています。現時点では「通販する蔵」との連携が可能となっています。

また、新規事業として請求書をクレジットカードで支払うサービス「OneCredit カード払い」をリリースしています。​

EC事業の成長を全領域で支えるコマースOneグループ

フューチャーショップを中心としたSaaS型ECプラットフォームとして、事業者さまに伴走しながら持続的な成長を支援し、成長ステージに応じたサービス提供により、事業者さまの生涯価値(LTV)を最大化し、安定した収益基盤を構築するフロントエンドを持っています。

さらに、ソフテルを中心とした複数ショップの運営における煩雑な業務を一元化して効率化するバックエンドソリューションも併せ持っています。その他にもUGCやVTuberによるマーケティング支援、AIを活用したクリエイティブ支援、金融における成長支援などのサービスも提供しています。

当社グループは、幅広い支援を通じて、EC事業者の成長を加速するソリューションの開発や安定提供を行っており、EC事業の成長を幅広い領域で支援するグループです。

創業からの軌跡

創業以来の事業の歩みです。当社グループは2006年にTradeSafeとして、ECショップ向けの第三者認証事業を祖業としてスタートしました。その後、さまざまな取り組みを経てグループ拡大を進め、現在に至っています。

社会のインフラを担う事業を通じ、全国の中小企業を含めがんばっていらっしゃる方々のビジネスをしっかりと支える基盤として成長を支えたいという思いで事業を行っています。

経済合理性の高いマルチテナント・ノンカスタマイズのSaaS型プラットフォーム「futureshop」

各事業会社についてご説明します。まずは、フューチャーショップです。同社は、経済合理性の高いマルチテナント・ノンカスタマイズのSaaS型プラットフォームを提供しています。

中小企業のみなさまが抱える課題としては、よく挙げられる「ヒト・モノ・カネ」に加え、ノウハウ不足などがあります。
また、大手EC事業者においても、販売チャネルの主導権を持てない、モールに依存してしまう、ツール環境が複雑化している、自走できない、EC運営体制を構築できないといった課題があります。

このような日本のEC事業者が直面する課題に対し、わたしたちは、マスターインテグレーター型サービスを提供することを価値としています。

マスターインテグレーター型とは、アプリ型や拡張型とは異なり、EC事業成長に必要な機能を厳選し、ネイティブ実装で提供するものです。ネイティブ実装ではデータの分断がないため、データやナレッジの積み上げと成功パターンの再現が可能であり、また、AI分析・活用ができます。

ニッチなトレンドには、当社グループがパートナーシップを締結している信頼性の高いアライアンスサービスとのAPI連携にて機能を拡張し、対応します。万が一の場合には、わたしたちが窓口となって円滑に問題解決を図ることで、店舗さまが安心してサービスを拡張できる体制をサポートしています。

また、わたしたちが20年以上にわたり培ってきたノウハウを有するカスタマーサクセスチームによって、お客さまの継続的かつ持続的な成長を実現できる体制を整えています。

顧客と伴走し、堅実に成長に寄り添う「futureshop」​

フューチャーショップのサービスの特徴をご紹介します。2年以上契約しているお客さまの売上は、平均で23.2パーセント成長しているというデータがあります。長期的に当社グループのサポートを活用することで、お客さまが継続的に成長できる実績が示されています。

お客さまの商材はアパレル・ファッションや食品・スイーツなど多岐にわたりますが、競合他社のSaaS型プラットフォームと比較して、1店舗あたりのGMVが非常に高い水準にあります。フューチャーショップを利用することで、着実な成長が見込めると考えています。

課金モデルが月額固定で手数料が中心となっているため、お客さまの視点から見るとROAが向上していく点も大きな特徴となっています。

サービスの特長 –「futureshop」「omni-channel」の顧客満足度および認知度​

スライド右側の表は、フューチャーショップにおけるお客さまの満足度および認知度をまとめたものです。ECサイト構築サービス部門の「Leader」バッジを28期連続、7年連続で受賞しています。これは、IT製品・クラウドサービスのレビューサイト「ITreview」において、顧客満足度および認知度の両項目で評価が高い製品であることを示しています。

ARPU向上を駆動する「高付加価値戦略」

今後、ARPUを向上させるための高付加価値戦略についてです。

「futureshop」は高い顧客満足度と低い解約率により、その基盤を盤石なものにしています。この点は「ITreview」LEADERバッジの7年連続受賞にも表れています。

そして、その基盤に価値を積み増す機能を実装しています。リピート売上向上を実現するCRM・メールマーケティング基盤「future Scenario Cast」、サイトの信用や購入率を向上させる購入者レビュー活用機能「future Review」、ライブコマースといった新しい販路の創出には「Live cottage」です。

「futureshop」は単なるECカートにとどまらず、高い品質を土台に、集客から購入、リピートまでを一気通貫で支援する機能拡張を行っています。

これらの取り組みの結果として、「futureshop」ユーザーであるEC事業者さまのLTV向上があり、1店舗あたりのGMVは前年同期比7.9パーセント増となっています。また、ARPUも前年同期比5.8パーセント増と、プロダクトの強化が結果に現れています。また、越境EC戦略も計画中であり、引き続き「futureshop」の付加価値向上を推進していきます。

そしてこれら「futureshop」サービス開発の根底にあるのが、「信頼を価値に変えるオーセンティックコマース」という考え方です。

いま、ECでの購買を後押しするのは、広告による価格競争ではなく、利害関係のない第三者の「本音」やブランドの「熱量」です。消費者の「本音」であるレビューや口コミは、ブランドや商品への「信用」を作ります。そして、「熱量」の高いライブコマースでは、共感や憧れがうまれていき、ブランドへの愛着、つまり「ロイヤリティ」が醸成されます。

「futureshop」は、「信頼」や「ロイヤリティ」といった目に見えないものを、AIが消費者に勧められるように、デジタルコマース戦略基盤へと進化中です。

顧客のGMVを堅実に成長させる「futureshop」

フューチャーショップのGMVの推移です。当第1四半期においては555億円で、前年同期比5.4パーセントの増加となりました。

市場環境としては、GMVが伸びにくい状況になりつつありますが、一時期よりは緩やかながらも、着実に成長を積み上げています。

これは、より多くの商材を扱うお客さまが増加していることに加え、当社グループのサポートとお客さまの努力によって成長が実現していると考えています。この成長に伴い、手数料収入も着実に積み上がっています。

顧客と共に成長する「futureshop」​

フューチャーショップの解約率とGMVの推移です。2027年3月期第1四半期の年間店舗数を基に計算した解約率は0.65パーセントと、低い解約率を維持しつつ、GMVはスライドのグラフのとおり右肩上がりで順調に推移しています。長期的な信頼関係に基づくお客さまの成長が、フューチャーショップの持続的な成長を実現すると考えています。

高付加価値戦略でARPU成長を実現する「futureshop」​

フューチャーショップのARPUの推移です。2027年3月期の第1四半期のARPUは8万9,490円で、スライドのグラフのとおり右肩上がりに順調に推移しています。

基本料金の価格改定を発表

2026年8月1日ご利用分より、futureshop Standard・Goldおよびomni-channelの基本料金を改定します。

為替変動やインフラ費用の上昇を踏まえ、より高い水準のサービス品質と安定運用を継続するために実施します。​

本改定は、1店舗あたりの生産性・収益性を重視する高付加価値戦略のもと、提供価値の拡充と適正な対価設定を通じて、EC事業者への価値提供とプラットフォームの持続的成長の両立を図り、事業者さまと共にグループとして成長するために実施します。

EC事業者の収益を最大化するデータ統合プラットフォーム​

「通販する蔵」は、EC事業者の収益最大化を目指し、モール・自社EC・実店舗を一元管理するデータハブです。倉庫データ、在庫数、売上集計、商品マスター、顧客情報などを統合し、外部の各バックエンドシステムへシームレスに連携します。

さらに、2028年の「Commerce Connect」への提供価値シフト完了まで、標準機能のAPI開発を進めるとともに、フィジカルAIによる倉庫作業の効率化機能拡充を図り、より安定的な収益確保を目指します。

「通販する蔵」 保守工数・開発売上高 推移​​

保守工数と開発売上高の関係を示したグラフです。限られたエンジニアリソースで最大の収益を得るためには、保守(ストック売上)にかかる工数はなるべく効率化を行い、この効率化により捻出されたリソースを新規の開発案件に振り向けることで開発売上が増加するという関係になっています。

保守工数を下げることで、開発売上高を取ることができるビジネスモデルになっているため、保守工数を効率化することが重要なKPIとなります。この点、当第1四半期はAI活用の保守開発体制など構造改革に注力しており、一時的に工数が増加していますが、​今後、効率化を進めて収益向上に向けた体制へシフトを行っていきます。

EC受注分析SaaS「CoBA」リリース​

「CoBA」は、複数店舗を運営するEC事業者向けの受注分析SaaSです。

自社EC、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなど、複数チャネルの売上・受注データを店舗横断で可視化します。これにより、商品別、店舗別、受注別、在庫・出荷別の状況を一元的に把握できます。

特に、複数店舗運営で課題となりやすいデータ分散を解消し、販売状況の分析を効率化します。また、AIコンシェルジュ機能により、週次推移や前年差、単価変動の要因分析を自動化していく方針です。すでに「通販する蔵」との連携を提供しており、受注データの自動取得から分析までを一体で利用できます。

今後は「Commerce Connect」との接続も予定しており、グループ内サービスとの連携を強化します。「CoBA」は、EC事業者の業務効率化と、当社グループのクロスセル機会拡大に貢献するサービスです。

ファクタリングサービス需要の高まり

昨年リリースした「OneCredit」というファクタリングサービスについてです。お客さまの金融ニーズに応える即効性のあるRBFサービスの提供を開始しています。いわゆる将来債権の買い取りで資金を提供するサービスです。

お客さまの資金ニーズにタイムリーに応えるとともに、ノウハウの蓄積や与信管理体制の強化を図っていきたいと考えています。無理のない範囲で進めつつ、ファクタリングサービスのリスクに配慮しながら、着実に間口を広げていきたいと考えています。

「OneCredit カード払い」リリース​

「OneCredit カード払い」は、企業の請求書支払いを、保有するクレジットカードで決済できるようにするサービスです。これにより、銀行振込などで即時に資金流出していた支払いをカード決済に切り替え、キャッシュアウトのタイミングを最大60日程度後ろ倒しすることが可能になります。

主な対象は、資金繰りニーズを持つ中小企業です。従来の借入や担保設定とは異なり、Web上で完結し、書類や担保を必要としないため、導入ハードルを抑えた設計としています。

当社グループとしては、既存の債権買取サービス「OneCredit」に加えて、「OneCredit カード払い」という新たな資金繰り支援の選択肢を提供することになります。企業ごとの調達額、緊急度、財務方針に応じて、複数の手段を使い分けられる点が特徴です。

また、利用時のサービス手数料のみで課金するモデルにしています。これにより、資金繰り課題を持つ企業との接点を広げ、将来的な顧客基盤の拡大にもつなげていきます。

累計の買取高・収益 推移​​

「OneCredit」は、2025年3月期第4四半期にサービスを開始して以降、取扱高を着実に拡大しています。グラフの棒グラフは累計の受取手数料を、折れ線グラフは債権買取の累計取扱高を示しています。債権買取の累計取扱高は、2026年3月期第1四半期の4億2,040万円から、2027年3月期第1四半期には7億9,910万円まで拡大しました。

これは前年同期比で約90パーセントの増加であり、資金繰り支援に対する中小企業のニーズが継続していることを示しています。また、累計受取手数料も取扱高の増加に伴って積み上がっており、「OneCredit」は収益化フェーズに移行しつつあります。

一方で、本事業は企業の資金繰り支援を扱うサービスであるため、取扱高の拡大だけを追うのではなく、平均的な利回り、手数料率、リスク管理を同時に確認する必要があります。

今後は、取扱高の拡大、手数料収入の積み上げ、与信・回収管理の精度向上を並行して進めます。「OneCredit」を高い収益性を確保できるビジネスモデルとして定着させることを目指します。

購買体験の変化によって向上する「futureshop」の価値​

ここから現在、開発投資をしている部分も含めて、今後の展望のお話をします。まずAI戦略の観点から、購買体験の変化によって向上する「futureshop」の価値についてご説明します。

今後、ECにおける購買体験は、消費者自身が検索し、商品を比較し、購入を判断する従来型の体験から、AIエージェントが消費者の代わりにピックアップし、パーソナライズされた商品を比較し、購入までを支援するエージェント型コマースへと、購買体験が変化していくと考えています。

この変化において重要になるのが、消費者の行動データです。

「futureshop」は、会員ランク、ギフト対応、定期購入、LINE連携など、日本の消費者行動に根ざした機能を提供してきました。これらの機能を通じて、購買前後の行動や嗜好に関するデータを蓄積できます。

当社は、このデータをAIが認識・活用しやすい形式へ変換していくことで、AIエージェント型コマースへの対応を進めていきます。

「AI検索時代」に選ばれるECへ ─ AI戦略の進捗​​​

続いて、AI戦略の進捗についてご説明します。

当社グループは、「AI検索時代」に選ばれるEC基盤となることを目指し、EC事業者さま向けに、AIを前提としたショップ運営支援機能を順次拡充していきます。具体的には、まずData Contextとして、EC事業者が保有する商品、注文、決済、会員、行動といったインターフェイスデータを構造化し、マーケティング、顧客体験、店舗運営、データ接続基盤の各領域での活用に向けて、AI機能を段階的に実装していく方針です。

マーケティング領域では、AIO対応、つまりAI検索最適化への対応を進めた先に、AI生成分析レポート機能を提供していきます。顧客体験領域では、AIパーソナルレコメンドを通じて、購買データや行動データに基づく、より精度の高い商品提案を実現します。

店舗運営領域では、AIカスタマーサクセスやAIコンテンツ生成支援により、問い合わせ対応やコンテンツ作成など、日常的な運営業務の効率化を支援します。

また、データ接続基盤では、外部のAIサービスが当社のデータを直接扱えるようにする仕組み、いわゆるMCPへの対応も検討しています。

これらの取り組みは、単なる機能追加ではありません。EC事業者がAI時代の購買行動の変化に対応し、消費者に選ばれ続けるための基盤づくりです。

最終的には、EC事業者さまの成長(LTVやGMVの向上)を通じて、当社グループの収益成長へとつなげていきます。

デジタルコマース戦略基盤へ進化​​​

続いて、「futureshop」の今後の進化についてご説明します。

当社は、「futureshop」を単なるECサイト構築サービスにとどめず、デジタルコマース戦略基盤へ進化させていく方針です。

2026年3月期から、土台の再構築を進めています。具体的には、商品管理画面のリプレイス、新認証システムの開発、「Commerce Connect」との共同連携開発、メール・LINEマーケティングの新バージョン開発、API強化やインフラ整備などです。

これらは短期的な売上拡大だけを目的としたものではなく、次の成長に必要なプロダクト基盤を整える取り組みです。

2027年3月期には、このデジタルコマース戦略基盤の完成とAI接続へと進めていきます。UIの全面刷新、グループサービスとの共通ID統合、セキュリティ向上、モールや自社ECを横断した受注一元管理、AIによるメール制作支援などを順次進める計画です。

特に重要なのは、次世代AI接続です。MCPサーバーを備えたエージェントコマース接続基盤を構築することで、AIがデータを直接参照・操作できる環境を整えていきます。

これにより、EC事業者さまは、商品管理、受注管理、顧客対応、マーケティング業務をより効率的に運営できるようになります。

また、当社グループとしては、「futureshop」、「Commerce Connect」、各種グループサービスを連携させることで、顧客接点を広げ、クロスセルやアップセルの機会を高めていきます。

今後は、グループ統合、AI接続を段階的に進め、「futureshop」を次世代国産ECプラットフォームとして成長させていきます。

生成AIなどのテクノロジーの進化とともに増大する電力消費

ここからは、新規の事業領域となる、エネルギー事業における持続可能な商取引のインフラ構築についてです。わたしたちは、エネルギー分野へも新たな投資を行っており、事業を立ち上げる準備をしています。

AIの急速な発展によって、社会に大変革が起きています。利便性が向上し、社会が非常に豊かになっていくことは明白ですが、一方で、電力需要の急増という負の側面にも向き合っていく必要があると考えています。

既存産業から排出される、廃棄バイオマスからクリーンエネルギーを生成

グループ会社であるエネサイクルの独自技術は高品質なクリーンエネルギーの効率的な生成を可能にし、社会の脱炭素化とエネルギーの供給を実現していきます。

TradeSafeとエネサイクルが生成する、カーボンクレジット

TradeSafeとCarbontribe Labsが共同で「バイオ炭由来脱炭素証明方法論」を開発し、第三者認証を取得しました。カーボンクレジットをこの方法論によって認証し、販売する事業を収益化へと進めていきます。

成長するCDR市場:供給ギャップに応える当社の優位性​

持続可能な商取引のインフラ構築に向けた取り組みとして、CDR市場における当社の優位性についてご説明します。

CDRとは、Carbon Dioxide Removal(Reduction)、つまり大気中などからCO2を直接除去・固定(減少させる)する取り組みを指します。現在、この市場は急成長が期待されており、世界的にもカーボンクレジットへの関心が高まっています。

一方で、足元では市場拡大に向けた課題もあります。資料に記載のとおり、事前購入契約は137億ドル規模に達している一方、2025年の持続可能なCDR償却実績は20万クレジット未満にとどまっています。背景には、高コスト、資金調達の難しさ、技術的課題があります。

当社は、この課題を解決できる価値を持つクレジットほど、将来的に契約実現および収益化の可能性が高いと考えています。

エネサイクルの独自技術の価値は、大きく3点です。

第一に、デジタル技術による効率化です。クレジット生成期間を約20分の1に短縮し、運用コストも約50パーセント削減できる可能性があります。これにより、CDRクレジットの供給拡大に必要なプロセス効率化に貢献します。

第二に、透明性と信頼性の確保です。AIとブロックチェーンを活用してCO2削減量や環境貢献度を自動で正確に測定することで、実態のない環境価値の主張、いわゆるグリーンウォッシュを防止します。さらに、全データをブロックチェーン上で公開し、第三者認証にも対応することで、投資家や需要家が安心してクレジットを利用できる仕組みを整備します。

第三に、技術的優位性です。当社は高炭化バイオ炭製造技術を活用し、化石資源などの外部エネルギーに依存せず、食品残渣やヤシ殻などを炭化度の高いバイオ炭へ変換することを目指しています。

今後は、CDR市場の成長を見据え、信頼性の高いクレジットの創出と収益化に向けた取り組みを進めていきます。

エネサイクルの事業進捗

エネサイクルの他プロジェクトの進捗状況は、スライドに記載のとおりです。

バイオ炭生成事業は、2026年4月に経済産業省のグローバルサウス向けフィージビリティ・スタディ調査補助事業に採択されました。

現在、東南アジアでの、バイオ炭の製造に必要な原料バイオマスの調達や、物流サプライチェーン構築のための調査を開始しており、すでにバイオ炭の品質が石炭やコークスといった従来の炭素源を概ね上回るクオリティであるという数値結果が得られています。この数値はラボベースのものですが、試験に合格しています。

また、今後は、実機試験用バイオ炭を製造して供給し、オペレーション試験を実施する予定です。

AI時代における電力消費やエネルギー供給確保に向けて、微力ながら脱炭素を実現するための現実的な解決策として、このエネルギービジネスを立ち上げ、社会にしっかりと貢献していきたいと考えています。今後はEC支援領域とエネルギー領域の両輪で、社会課題に貢献する企業を目指していきます。

前年度同期比 営業利益増減分析

ここからは数値に話を戻し、当第1四半期の決算について、詳しく分解してご紹介します。

スライドは、前年度同期比の営業利益増減分析を示しています。連結営業利益は当第1四半期において9,699万円となり、前年同期の1億3,078万円に比べて約3,400万円の減益となっています。

主な増益要因としては、その他販管費の減少が1,183万円ありました。これは、業務効率化による上場維持コストの減少などによるものです。

一方で、減益要因として、粗利の減少が2,434万円ありました。主な要因は、フューチャーショップにおける、デジタルコマース戦略基盤の再構築にかかる各種開発などによる原価の増加、またソフテルにおける大型案件の後ろ倒しです。

加えて、開発の効率を高めるためにAIサービス利用を増やしたことから支払手数料が978万円増加しました。

また、事業拡大に伴い新規採用ならびにグループ各社でのベースアップを行ったため人件費関連費用についても807万円増加しています。

以上の結果、売上成長に向けた開発投資、人員強化、AI活用、グループ拡大に伴う費用が先行し、前年同期比では営業利益が減少しました。

今後は、各投資の回収状況をKPIで管理し、粗利改善、販管費コントロール、既存事業の収益力強化を通じて、営業利益の改善に取り組んでいきます。

2027年3月期 第1四半期 営業利益~税金等調整前四半期純利益の増減分析​

連結営業利益以降の各利益については、スライドに記載のとおりですが、前年同期との主な差異は営業外収益の減少によるものです。内容としては、前期に発生した為替差益が、今期は減少したことによるものです。

2027年3月期 第1四半期 貸借対照表前期末比​


連結貸借対照表の前期末比較です。増減についてはスライド右側に記載されていますが、主に言及すべき項目としては現預金が挙げられます。約1億9,700万円減少しており、その要因の多くは配当金の支払いや自己株式の買付によるものです。

2027年3月期 第1四半期 キャッシュ・フロー前年度同期比​

連結キャッシュ・フロー分析についてです。

営業活動によるキャッシュ・フローは949万円の減少で、前年同期の8,979万円減少と比較して約8,030万円の増加となっています。主な要因は、前年同期に計上されていた「OneCredit」未収債権がしっかり回収されたことで、前期と比較してキャッシュ・フローが改善しています。

投資活動によるキャッシュ・フローについては、第1四半期会計期間で約6,242万円の投資を行いました。主な投資内容としては、海外のメガベンチャーに投資をしているファンドに情報収集の目的もかねて3,490万円、その他は主に「futureshop」のバージョンアップにかかるソフトウェア開発費です。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、当第1四半期会計期間で1億2,814万円の支出をしており、これはほぼ全額が配当および自己株式の取得といった株主還元に充てられています。

2027年3月期 第1四半期 連結業績推移​

当第1四半期は、売上高および売上総利益については継続的な増加を達成しました。売上高は9億7,664万円、売上総利益は5億2,514万円となり、過去の第1四半期推移と比較しても増収基調を維持しています。

一方で、営業利益は9,699万円となり、前年同期比では減益となりました。営業利益率は9.9パーセントとなり、前期第1四半期と比べて低下しています。

減益の主な要因は、フューチャーショップおよびソフテルにおける人件費の増加、AIサービス利用料の増加によるものです。

売上は拡大している一方で、成長投資、人員体制の強化、AI対応、新規連結会社の取り込みに伴う費用が先行したことで、営業利益を押し下げました。

当社としては、これらの費用増加を一時的なコスト増にとどめず、今後の売上成長および業務効率化に結びつけることが重要だと認識しています。

今後は、既存事業の収益力強化、AI活用による業務効率化、新規事業の早期収益改善を進め、売上成長を営業利益の改善へつなげていきます。

2027年3月期 第1四半期 予算進捗​

連結売上高は、通期予算43億4,502万円に対し、予算進捗率22.5パーセントの9億7,664万円となりました。

また、連結営業利益は通期予算5億50万円に対して進捗率19.4パーセントの9,699万円、連結経常利益は通期予算5億1,182万円に対し進捗率20.7パーセントの1億592万円です。結果として、親会社株主に帰属する四半期純利益は通期予算3億2,679万円に対して進捗率19.7パーセントの6,427万円となりました。

売上高を含め、全体的な予算進捗率は、第1四半期時点で25パーセントを下回る項目もあります。これは一部の新規事業における立ち上がりの時期による影響ですが、積み上げ型のストック利益が第2四半期以降に徐々に寄与することや、「futureshop」の価格改定も8月以降に実施し収益率を改善していく予定のため現状では想定内の進捗と考えています。

第2四半期以降、着実に売上を積み上げ、予算を達成できるよう経営を進めていきます。

自己株式取得​

株主還元の部分で、自己株式の取得についてご説明します。8月14日に弊社取締役会で決議しましたが、引き続き自己株式の取得を行っていきたいと考えています。2026年8月17日から2026年11月12日の約3ヶ月間にわたって取得していく方針です。

財務状況や株価の水準を総合的に勘案し、当社グループ目線で株価が割安だと考えられる間は、積極的に自己株式を取得していきたいと考えています。

以上で今回の説明を終了します。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

質疑応答(要旨)① 「投資フェーズ」はいつまで続くのか?

Q:デジタルコマース戦略基盤への投資で今期は第1四半期減益とのことですが、2027年3月期に「完成」する計画とのことです。投資が一巡すれば本当に利益率は戻る(=一時的な減益)と信じていいのか、それとも今後も新たな投資テーマが次々出てきて増収減益が常態化するのか、判断材料が欲しいです。

A:当社が現在進めているデジタルコマース戦略基盤への投資については、2027年3月期を主要な開発・再構築フェーズと位置付けており、その後は投資効果を売上成長と利益率改善につなげるフェーズへ移行させる方針です。

今期第1四半期の減益要因は、主に「futureshop」における商品管理画面のリプレイス、新認証システムの開発、UI刷新、API強化、AI接続基盤の整備など、将来の成長に必要な基盤投資が集中していることによるものです。これらは、継続的に同じ規模で発生する性質の費用ではなく、既存プロダクトを次の成長段階へ移行させるための再構築投資と認識しています。

一方で、当社は投資によって利益率を大きく毀損させるのではなく、一定の収益性を維持しながら投資を進める方針です。そのための施策の一つとして「futureshop」では2026年8月から基本料金の価格改定を実施します。為替変動、インフラ費用、人件費、セキュリティ対応など、サービス品質を維持・向上するためのコストが上昇している中で、提供価値に見合った適正な対価をいただくことが必要だと判断しました。

この価格改定は、単なる値上げではなく、デジタルコマース戦略基盤への投資原資を確保し、サービスの安定運用と機能強化を継続するための施策です。これにより、一定の利益率を維持しながら、AI対応、UI刷新、API強化、グループ連携などの中長期投資を進めていきます。

したがって、現在の投資が一巡すれば、少なくとも今期と同水準の投資負担が恒常的に続く前提ではありません。今後は、開発した機能や基盤を活用し、ARPU向上、オプション利用拡大、グループサービス連携、AI活用による業務効率化を通じて、利益率の改善を図っていきます。

一方で、EC市場およびAI関連技術の変化は速く、競争力を維持するための投資は今後も必要です。そのため、投資が完全になくなるという意味ではありません。重要なのは、現在のような大規模な基盤再構築投資から、売上成長や生産性向上に直結する選択的な投資へ移行させることです。

当社の考え方は、成長投資を継続しながらも、営業利益率とキャッシュ・フローを重視するというものです。2027年3月期は基盤再構築の重要な年度と位置付けていますが、「futureshop」の価格改定による収益基盤の強化も進めながら、その後は投資成果を収益性の改善に結びつけることを経営上の重要課題として取り組んでいきます。

質疑応答(要旨)② なぜEC支援会社がエネルギー事業に手を広げているのか?

Q:本業のEC支援と技術的にも顧客層的にも接点が薄く見えます。シナジーがあるのか、それとも経営リソースの分散になっていないか気になります。

A:当社がエネルギー事業に取り組む理由は、EC支援という本業から離れた多角化を目的としているのではなく、当社グループが掲げる「持続可能な商取引のインフラ」を拡張する取り組みとして位置付けているためです。まず、当社の中核事業は、引き続きEC事業者支援です。

フューチャーショップ、ソフテル、Commerce Connectを中心としたEC支援領域が、当社グループの収益基盤であることに変わりはありません。エネルギー事業は、この中核事業を置き換えるものではなく、中長期の社会課題と事業機会を見据えた新規領域として、段階的に検証を進めているものです。

長期的には、商取引の持続可能性において、脱炭素やエネルギーの安定確保は避けて通れないテーマだと考えています。AIやデジタル化の進展により、データセンターやECを支えるデジタル基盤の電力需要は増加していきます。商取引がデジタル化するほど、電力消費と環境負荷への対応は、企業活動の重要な前提条件になります。

当社グループはこれまで、EC事業者の売上成長、業務効率化、データ活用を支援してきました。今後はそれに加えて、商取引を支えるインフラが環境面でも持続可能であることが重要になります。

エネルギー事業は、その将来課題に対する先行的な取り組みです。また、今回取り組んでいるバイオ炭やカーボンクレジット領域では、単なるエネルギー供給だけではなく、CO2削減量の測定、データ管理、透明性の確保、第三者認証が重要になります。この点では、当社グループが培ってきたデジタル技術、データ管理、認証・信頼性に関する知見を活用できる余地があります。

ただし、現時点でEC支援事業との直接的な売上シナジーを過度に強調するつもりはありません。重要なのは、本業の経営資源を毀損しない範囲で、将来の成長機会を検証することです。そのため、エネルギー事業については、投資額、進捗、技術検証、収益化可能性を段階的に管理し、必要に応じて投資判断を見直していきます。

経営リソースの分散についても、当社として重要なリスクだと認識しています。したがって、エネルギー事業は、既存のEC支援事業の成長投資やプロダクト開発を優先した上で、グループ全体の中長期テーマとして取り組みます。既存事業の収益性を犠牲にしてまで拡大する方針ではありません。

当社の基本方針は明確です。短中期では、EC支援事業の成長と収益性改善を最優先します。その上で、中長期では、AI時代における電力需要増加と脱炭素ニーズを見据え、持続可能な商取引インフラの一部として、エネルギー・カーボンクレジット領域の事業化可能性を慎重に検証していきます。

したがって、エネルギー事業は本業からの無秩序な多角化ではなく、将来の社会課題と事業機会に対する選択肢の一つです。今後も、経営資源の配分、投資回収、既存事業への影響を丁寧に確認しながら、投資家のみなさまに判断材料を開示していきます。

質疑応答(要旨)③ 投資フェーズの最中に、なぜ配当性向90%超・自己株式取得を積極化しているのか?

Q:内部留保して成長投資に回す方が長期的にはEPS成長につながりそうな局面に見えますが、あえて株主還元を厚くする理由(株価対策なのか、財務戦略として明確な方針があるのか)を知りたいです。

A:当社が成長投資を進めている中で株主還元を継続している理由は、単なる株価対策ではなく、成長投資と資本効率の両立を重視しているためです。

まず前提として、当社は成長投資を抑制しているわけではありません。現在進めている「futureshop」のデジタルコマース戦略基盤への再構築、AI関連機能の開発、「Commerce Connect」との連携、新規事業への投資については、必要な投資を継続しています。

一方で、当社の既存事業はストック型収益を中心としており、一定の営業キャッシュ・フローを創出できる事業構造を有しています。そのため、すべての資金を内部留保として積み上げるのではなく、将来成長に必要な投資余力を確保した上で、余剰資金については株主のみなさまへ還元することが、資本効率の観点から合理的だと考えています。

配当については、短期的な利益変動だけで機械的に増減させるのではなく、財務健全性、キャッシュ・フロー、今後の投資計画を総合的に勘案して判断しています。結果として一時的に配当性向が高く見える局面はありますが、これは成長投資を犠牲にして配当を優先しているという意味ではありません。

自己株式取得についても、財務余力、株価水準、今後の投資機会を踏まえて判断しています。特に、当社の中長期的な企業価値と比較して株価が過度に低く評価されていると判断される局面では、自己株式取得は1株当たり価値の向上につながる有効な資本政策の一つと考えています。

もちろん、投資フェーズにおいては、内部留保を成長投資に振り向けるべきではないかというご指摘は重要だと認識しています。当社としても、今後の資金配分は、成長投資、財務健全性、株主還元のバランスを慎重に見極めて判断していきます。当社の基本方針は、まず中長期の企業価値向上に資する投資を優先し、その上で余剰資金を適切に還元することです。

今後も、投資の進捗と回収状況、キャッシュ・フロー、資本効率を丁寧に確認しながら、株主還元についても持続可能な水準で実施していきます。

※質疑応答部分は、企業提供の要旨になります。

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