■ドリーム・アーツ<4811>の事業概要
b) ホリゾンタルSaaS「InsuiteX」
「InsuiteX」は、2002年7月にリリースした「INSUITE Enterprise」の後継プロダクトとして、2020年に最新クラウドアーキテクチャをベースに全面刷新された。企業内の従業員が社内情報にアクセスするために訪れる「社内ポータル」を構築するためのツールで、利用ユーザー数は65万人を超える。「InsuiteX」は、経営情報から現場情報に至るまで、企業内のあらゆる情報を集約・発信・共有するプラットフォームとして、大企業の組織運営をサポートする。全社向けだけではなく、組織・個人ごとにポータルを作成し、業務遂行に必要な情報を集約することにより組織の生産性向上にも貢献する。企業文化・企業体質の強化に向け、単なる情報共有を「意識共有」と呼べるレベルまで発展させることをコンセプトとして、継続的な開発を進めている。
c) バーティカルSaaS「Shopらん」
「Shopらん」は、チェーンストアの店舗運営を支援するための情報共有ツールである。チェーンストア業界では本部店舗間の情報伝達に問題を抱えていることが多いが、「Shopらん」は本部からの指示を的確に店舗に届け、業務実施率を向上させることで機会損失の発生を防止する。また、現場情報をリアルタイムに収集し、店舗運営方針の転換に生かすなど、業界特有の課題に対応した機能を提供することで、現場の生産性向上や業務品質の改善、人材育成などをサポートする。「SmartDB」と同様に、「Shopらん」も「ITreview Grid Award 2026 Summer」において、店舗管理システムの部門で最高位の「Leader」に10期連続で認定された。また、富士キメラ総研の「業種別IT投資動向/DX市場の将来展望 2026年度版 IT投資編」においては、本部・店舗間コミュニケーションツール市場で「Shopらん」が2024年度ベンダーシェア51.6%でNo.1を獲得している。
d) 特定顧客向け開発運用一体型サービス「DCR」
「DCR」は、企業固有の戦略要件に基づいてシステムを開発し、クラウド基盤上で運用しつつ継続的な機能拡張開発を行う、特定顧客向け開発・運用一体型のサービスである。初期のシステム開発は、プロフェッショナルサービス事業で開発を請け負うが、運用開始後は月額利用料によるクラウドサービスとして提供する。「DCR」は特定の顧客2社に限定し提供しており、ソリューション例としては、ケーブルテレビ運営会社向け営業支援ソリューション、特殊法人向けファシリティ活用管理ソリューションがある。顧客数を増やす計画はなく、収益を確保しながら、最先端テクノロジーの活用による技術力の向上や、新たなプロダクト開発につながる顧客ニーズの発掘を目的としている。顧客の要件によっては、「SmartDB」をDCRシステムのパーツとして組み込むことも想定され、「SmartDB」を基盤とする新たなソリューション開発の可能性を模索している。
(2) オンプレミス事業
オンプレミス事業は、「SmartDB」及び「INSUITE」のアプリケーションソフトウェアをオンプレミス環境で利用するパッケージソフトウェアとしてライセンス提供している。ただし、新規顧客にはSaaSを提供し、パッケージソフトウェアの提供は既存顧客の追加発注に限定している。なお、パッケージソフトウェアの継続的な利用を促進するため、ソフトウェアメンテナンスを提供している。ソフトウェアメンテナンスには、技術的な問い合わせ対応に加え、バージョンアップ版の提供が含まれる。また、パッケージソフトウェアの拡張機能として開発したプラグインソフトウェア※の保守サービスも提供している。
※ プラグインソフトウェア(plug-in software):あるアプリケーションソフトウェアの機能を拡張するソフトウェアを指す。個別に追加してバージョンアップが可能で、不要になればアプリケーションに影響を与えることなく削除できる。
(3) プロフェッショナルサービス事業
プロフェッショナルサービス事業は、クラウド事業及びオンプレミス事業にかかるサービスを提供している。請負契約もしくは準委任契約に基づくシステム開発及び役務提供を行い、投入した工数に応じてスポット収益を得る。サービスの一例としては、各種SaaSのオンボーディング(導入支援)サービス、各種SaaSの利活用コンサルティングサービス、「DCR」の初期開発及び拡張開発などが挙げられる。また、パッケージライセンス用プラグインソフトウェアの改修及び追加開発やオンプレミス環境からのSaaS移行サービス、そのほかの役務提供サービスも提供している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)
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