■会社概要
1. 会社概要
ベイシス<4068>は、通信キャリア向けのネットワークインフラ領域で培った高品質な現場実行力を基盤に、IoT・ITインフラ等へ事業領域を拡大してきたインフラテック企業である。全国の現場対応からプロジェクトマネジメント、運用・保守までを担い、テクノロジーを活用して業務の標準化・可視化・省力化を進めている。
「中期経営計画2030」では、現場実行力とテクノロジーを掛け合わせ、ICT・IoTインフラの構築・運用を一気通貫で提供するBPaaSを成長エンジンと位置付ける。BPaaSを通じて「現場実行力資産」「全国パートナー網資産」「顧客接点・案件実績資産」「現場データ資産」を蓄積・強化し、これらを核にインフラ構築・運用に必要な機能を一気通貫で提供するとともに、新たな領域・市場・サービスへ継続的に拡張する「インフラテックプラットフォーム」の構築・拡張を進める方針である。自社開発の「BLAS」は、現場作業の標準化・データ蓄積・可視化を担うSaaS基盤であり、AI・RPA・外部システム連携等と組み合わせて現場DXを支えている。
2. 沿革
2000年7月に広島で(有)サイバーコネクションとして設立し、モバイルエンジニアリングサービスを経営基盤としながら事業を展開している。2011年11月には(株)サイバーコネクションエンジニアリング(2014年にベイシスエンジニアリング(株)へ商号変更)を設立した。2012年8月に(株)CCソリューション(2014年にベイシスソリューション(株)へ商号変更)、(株)CCアドバンス(2014年にベイシスアドバンス(株)へ商号変更)を設立した。2013年7月にはベイシスエナジーシステム(株)(2014年にベイシスイノベーション(株)へ商号変更)を設立した。2015年4月からはインフラエンジニアリング事業をIT等のテクノロジーを活用したインフラテック事業として拡大している。2017年にはグループ会社の統合によるグループ1社化体制を進め、ベイシス(株)に社名を変更した。現在、全国主要都市に6拠点を構えている。
2023年11月には、顧客基盤及び事業基盤の拡大に向け、通信業界で人材派遣業を営む(株)アヴァンセ・アジルを100%子会社化した。また、2024年7月には、RPAと掛け合わせることで正誤確認作業工数を削減する画像認識AIの特許を取得するなど、インフラ構築とテクノロジーの融合を進めている。2026年9月には、高圧受電設備の保安管理業務を手掛ける(株)日本電気安全協会を完全子会社化した。
■事業概要
ネットワークで培った現場実行力をIoTへ展開し、SaaSで標準化・データ化する「インフラテック事業」を展開。2027年6月期から「ネットワーク」「IoT」「SaaS」の3サービス区分へ移行
同社は、ネットワークインフラの設計・構築・現地対応・運用保守を担う「ネットワークサービス」、IoT機器・設備の導入・施工・保守・運用を全国で一気通貫に提供する「IoTサービス」、自社開発の「BLAS」を基盤に業務標準化・データ蓄積・可視化・運用高度化を支援する「SaaSサービス」の3サービスを展開する。2027年6月期から、従来の顧客属性を中心とした区分(「モバイルエンジニアリングサービス」「IoTエンジニアリングサービス」「ITエンジニアリングサービス等のその他サービス」)から提供サービスの実態に基づく区分へ変更した。これにより、サービス別の成長性や収益構造を可視化するとともに、各サービスの位置付けと今後の成長戦略を明確化する。「中期経営計画2030」では、ネットワークで培った高品質な現場実行力をIoT機器・設備の導入・運用へと展開し、新たなインフラ領域への事業拡大を進め、BLASによって標準化・データ化することで、インフラテックプラットフォームを拡張する方針である。
1. ネットワークサービス
ネットワークサービスは、高品質な現場実行力の源泉となるサービスである。通信キャリア、データセンター事業者、ISP、SIer等を主要顧客とし、ネットワークインフラの設計・構築・現地対応・運用保守までを一貫して支援する。通信キャリア向けでは、基地局の設計・設置、通信品質改善、法令点検、監視・保守等まで幅広く対応しており、長年の案件実績と品質管理ノウハウを蓄積している。
2030年に向けては、ネットワークインフラの設計・構築・現地対応・運用保守までを一貫して支援できるエンジニアリング体制を確立し、収益改善が見込める上流工程への対応拡大、エンジニア育成、ナレッジの標準化を進める方針である。
2. IoTサービス
IoTサービスは、新たなインフラ領域への展開軸となるサービスである。インフラ事業者、機器メーカー、自治体、サービス事業者等を主要顧客とし、スマートメーター、カメラ、各種センサー等のIoT機器・設備について、導入・施工・保守・運用を全国で一気通貫に提供する。大規模なスマートメーター切替案件等で培ったプロジェクトマネジメント、品質管理、全国対応の実績を有する。
2030年に向けては、現場データとAIを活用し、導入・保守・運用・改善までを最適化する現場オペレーション基盤の確立を目指す。従来の単発的な施工・設置受託から、導入後の運用・改善まで担う現場オペレーション事業へ進化し、BPaaS化によって継続収益を拡大する方針である。
3. SaaSサービス
SaaSサービスは、インフラテックプラットフォームにおける標準化・データ活用の共通基盤と位置付けられる。自社開発の「BLAS」を通じ、現場業務の標準化、データ蓄積・可視化、品質管理、運用高度化を支援する。2030年に向けては、BLASを基盤に保守高度化・予兆保全・パートナー連携まで展開するBPaaS基盤を確立し、ストック収益と顧客LTVを拡大するとともに、同社全体のデータ活用基盤として成長させる方針である。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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