探偵が警告。新型コロナと休校解除が「いじめ被害者」の心を殺す

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新型コロナウイルス対策として一斉休校措置が取られた全国の小中高校ですが、いじめ対策については遅々として進んでいない学校・自治体が少なくないようです。これまでに何度もいじめ事件を解決に導いてきた現役探偵の阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんは今回、自身のメルマガ『伝説の探偵』で、いじめ加害者を放置し被害者には何の支援策も示すことのない教育現場の杜撰さを指摘。さらにツイッターでやり取りをしたという現役教員の呆れた「本音」を紹介し、教育業界に抜本的な改革を求めています。

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加害者放置が止まらない―連鎖するいじめ加害

コロナウイルス問題でいじめ問題は報道されていない状態が続いているが、休校状態となっても、いじめ問題は日々発生している。

東京都千代田区では、小学校・中学校の一部で、学級崩壊が続き、すでに学校全体が崩壊気味となっているという。

高所得者や高級官僚も多く住む千代田区は、いわゆる名門公立校が存在するが、この問題に蓋を閉じることに必死になっている。

メジャーリーグにも行ったプロ野球選手のご子息がいじめに遭い、学校も教育委員会も彼のブログを消すために、強い圧力をかけたのは有名な話だ。

加害児童はまともな指導なく放置され、被害者だけが苦労をしたり、口を封じられるのは、高所得者が住む地域でもその構造は同じと言える。

もはや機能不全を超え、いじめが推奨されるに近い状況の中、インターナショナルスクールや私立校へ避難をするというのが上策になってしまっているのだ。

一方、東京都足立区では、日常的にいじめ暴力をふるわれ続けるという児童の被害が多発している。

被害にあったA君の保護者によれば、この加害児童は激しい暴力の継続の他、物壊しやわざとクラスメイトに肩をぶつけ、「どうしてくれるんや、コラッ」と凄むのだという。

まるで昭和のヤクザ映画そのものを子どもが面白がって、他の子にしているわけだ。

それがまだ、可愛いレベルであれば、教員が少しでも注意をすれば、すぐに収束するだろうが、全くそうではないのだ。

激しい暴力が行われ、ほぼ毎日病院で治療を受けるという事態も発生している。

この児童について家庭でも指導を求めた学校によれば、指導どころではなかったと話す。

「もともと地元の半グレのような親で、身体中、刺青まみれで、凄むんです」

この父親は、教員に対しても、校長などに関しても、刺青で威嚇し、「俺の仲間に、電話一本でどうにもでできるんだぞ」と脅し、母親は、「あいさつがないじゃないの!なめてるの!」と突然キレるのだ。

事件が起きたのは、今からおよそ7ヶ月ほど前の夏祭り、その前日に加害児童に激しい暴力をされ、怪我をした別の児童の保護者が、この暴力を注意したことがきっかけであった。

この一般的な許容範囲で行われた注意で、この加害児童はPTSDになったというのだ。

ご丁寧に、注意からおよそ半年後、大学病院で受診し、診断書をもらって、それをこの刺青男(加害者の父親)は持参したのだ。

日々、この加害児童は刺青親父と突然キレる母親に鉄拳制裁などを受けていたが、諭されたのが相当怖かったというのだ。

ここで加害者は被害者転換をし、親からとんでもない暴言を受けた、今すぐ謝れとこの別の保護者に迫ったわけだ。学校もこれに乗っかり、いじめ被害を訴えるこの被害保護者を黙らせるために、刺青男の協力した。

結果、保護者は校長に話し合いがしたいと騙され、この刺青男に校長室で、直接脅迫を受けることになった。

この事案については、後日詳細にレポートするが、公衆の面前で刺青を見せて威嚇をするようなチンピラに校長室を提供するなどということはあってはならない。しかし、現実被害として起きているのだ。

茨城では、有名私立校で、男子生徒が執拗に女性生徒に暴力をふるうといういじめ事件 が発生している。この男子生徒はサッカーのユースチームに所属する選手でもあるが、それ意外でも暴力事件を複数起こしている。

しかし、一向にお咎めがない上、学校はいじめ証言があったアンケートを紛失しており、追加証言が取れているのにも関わらず、自ら無くしたアンケートがないことを理由に、いじめを認めない方向で調整が進んでいる。

被害者側に弁護士がついて、いじめ防止対策推進法通りに法令遵守で事を進めようと提案しても、裁判でも起こさない限り、何のアクションもしないと突っぱねるのだ。

一方、この男子生徒は、ストーカーのように被害女子生徒を追いかけ、嫌がらせや暴力を続けるが、謝罪はしないと主張する。

この事案では、この男子生徒の保護者が問題発生前から弁護士を雇い、徹底的に抗戦する構えを見せていた。この保護者は、 他の暴力事件でも、「殴られるようなところにいた方が悪い、避ければいい。あなたの娘が避けないから、うちの子がまるで加害者みたいになってしまった。」と、被害生徒の親に言い放った ことがあるのだ。

もはや常軌を逸していると言わざるをえないであろう。

以前、「伝説の探偵」でもレポートした豊田市いじめ暴力事件(「女子小学生暴行事件の酷すぎる顛末。学校も教育委も『加害者側』」)でも、加害者は被害者に謝罪をしていない。学校長は、学校などが集まる全体会議では、聞かれてもないのに、私の記事を差し、何の前触れもなく記事にされて迷惑だと言い放ったそうだ。

さらに豊田市については、他事案、過去隠蔽についてもボロボロと報告が上がってきている。しかし、被害側の開示請求にはきちんと応じない姿勢を示しており、あくまで全てを隠蔽する方針のようだ。

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