教育と大学の劣化が、日本の惨状を生んでいる
教育改革が騒がれるたびにゆとり教育をやらかしたり、入試改革ばかり行われるが、40代で教授になってから定年まで身分が保証され、上の言うことを聞かせるクズな大学教育は変わることがない。
日本の高校までの教育はアメリカやイギリスやアジアの国々の教育改革のモデルになっていて、大学の教育は世界でもバカにされつつあるのに、なぜこんなことになるのか?
私は審議会の委員が、現場の初等中等教育を行っている人間でなく大学教授ばかりなので、既得権益を守るためだと考えていた。
その要素もあるだろうが、これは文科省の人たちに都合がいいから、あるいは官僚全体に都合がいいからだと考えるようになった。
最近も、九州大学で役人が大学教授に天下るという話を聞いた。役人の天下りに厳しくなった今、大学教授というのが、役人たちのいちばんおいしい天下りの口だ。何の業績もなくても、教育歴がなくても、国立でも私立でも引く手あまただ。
ゆとり教育の旗振りの寺脇研氏も大学教授になっている。国立大学が国立大学法人になり、私立大学の多くも補助金に依存しているのだから、役人の天下りを教授にしたほうが、それがうまく配分されるのだろう。
かつて山形大学の学長に文部省の元次官が選ばれたが、補助金を大量に集める達人だったという(そのおかげで有機ELの研究は全国トップレベルだったそうだが)。役人の天下り先である以上、定年まで身分が保証されていないといけない。これが思考の自由を育てない教育につながるのだろう。