箱根駅伝を観て、沿道の人の多さに呆れてしまいました。呆れたのは、今風でいうところの「ネットリテラシーのなさ」にです。実際、沿道の様子が「アホ面」として晒されています。今年の相場もDXだの5Gだの、デジタル庁発足が何だの、上っ面の言葉に踊らされっ放しの展開が連想されます。(『高梨彰『しん・古今東西』高梨彰)
※本記事は有料メルマガ『高梨彰『しん・古今東西』』2021年1月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
日本証券アナリスト協会検定会員。埼玉県立浦和高校・慶応義塾大学経済学部卒業。証券・銀行にて、米国債をはじめ債券・為替トレーディングに従事。投資顧問会社では、ファンドマネージャーとして外債を中心に年金・投信運用を担当。現在は大手銀行グループにて、チーフストラテジスト、ALMにおける経済・金融市場見通し並びに運用戦略立案を担当。講演・セミナー講師多数。
箱根駅伝「沿道観戦」でネット上に顔が晒される
新年早々ボヤキです。箱根駅伝を観て、沿道の人の多さに呆れてしまいました。
別に感染リスクを軽く見ているとか自粛呼びかけに応じないとか、そんなことに呆れたわけではありません。今風でいうところの「ネットリテラシーのなさ」に呆れています。
具体的に言えば、沿道で観戦することにより、自分の顔が「アホ面(づら)」としてネット上に晒されるリスクを考えていない、そんなところです。実際、沿道の様子が「アホ面」として晒されています。今のスマホカメラの性能を軽く見過ぎ、とも言えます。
往路のそんな様子が気になったので、復路の当日、未だ交通規制も行われていない時間帯にコースの近くをジョギングしてみました(実際には10キロちょっと先のラーメン屋「ホープ軒」に行っただけですけど)。
コース周辺には規制用のロープみたいなものが張られていましたが、人はまばら。「皆さん、アホじゃなかったのね」とホッとして、その場を通り過ぎたものです。
しかし、中継を観るとご承知の通り。多分、早い時間に着いた人は「誰も居ないから大丈夫」と感じたのでは。その後、人が増えると、今度は「皆が居るから目立たないか」として留まった人が少なからず居たはずです。
その結果、ネット上に「アホ面」が溢れます。
日本はDX(デジタルトランスフォーメーション)とは程遠い?
新年の経済関連記事を読むと、仰々しくDX(デジタルトランスフォーメーション)がなんちゃらと書いてありましたが、そんな事書く前に「アホ面」リスクに警鐘を鳴らすべきではないかと。
テレビ中継では、沿道での観戦を遠慮するよう促す文言が出続けました。
しかし、あれも「沿道に出ると、皆さんが『バカな顔』として晒されるリスクも高まります」とでもやった方が効果はあったはずです。
それくらい、多くの人がネットの怖さを軽視しています。今どきのアイドル達が相次いで休業に追い込まれ、あるいは自らの命まで絶ってしまっている現実を理解すべきです。
それとも沿道に居た皆さんは、「アホ面、上等」の覚悟でもあったのでしょうか。
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