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パナソニックなぜ業績低迷?中国で空気清浄機バカ売れも今後の成長が見えぬ理由=栫井駿介

世界中で売れるヒット製品が必要

ただ利益が改善しただけで、それは結局ダメだった事業を売っているので、これだけでは決して成長はありません。

世界中の競争は激しいですから、うかうかしていたら、どんどんシェアを奪われてしまいます。

そこで何らかの成長をしていく必要があるのですが、その課題としては車載電池に関しては、正直かなり厳しい収益環境になっています。ましてこの世界中で車載電池の競争が起きているということから、収益性が本当に確保できるのかというような課題があります。

またこの住設や家電に関しては、国内は正直、市場としても頭打ち。どんなに頑張っても伸びるのが難しいということになります。

一方で、コロナ禍で大きく売れている物がありまして、それが空気清浄機です。パナソニックの「ジアイーノ」というウイルスを退治するというようなことを謳った空気清浄機を出しています。それが中国でも日本でもバカ売れしています。

中国というともともとPM2.5の問題とかで空気に関しては、かなり敏感に対処をしています。もともと外の空気汚いというところもありますから、室内ぐらいは綺麗にしようということで、この空気清浄機が売れているということあります。このコロナ禍を受けてすごく売れてて、直近の利益にも貢献しています。

またこの住宅設備や家電、これらを全部インターネットで繋げて、スマホで管理できるというそういうシステムを作り上げることができれば、それ自体がかなり強みになるのではないかということが考えられます。

実際に今それを十分に行っているかというと、まだまだだという風には見えるのですが、その力を持った企業であることは確かではないかと思います。

パナソニックの課題は?

ただ1つ気になるのは、やはり国内が売上の中心ということですから、これをどうしても世界に持っていかないと利益、業績を伸ばしていくのは難しいです。

それだけの力と意欲があるのかというところであります。

また、BtoBということに関してはそこそこ儲かっています。馴れ合いだけでやっていたらそうそう利益が伸びるものではなくて、新たなの顧客を開拓してどんどん利益を伸ばしていく必要があります。

図で表しますと例えば成長率と収益性というマトリックスを取ると、今それぞれの事業はこういった状況ではないかと思います。

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住宅や家電に関しては、成長性も収益性もそんなにないというところだと思います。BtoBに関しては収益性はそこそこありますが、このままでは成長するのは難しいです。

車載電池に関してはどんどん成長するということが想定されていながら、収益環境に関して直近では黒字になったというところもありましたけれども、基本的にはまだ赤字で、しかも競争が厳しいということになっています。

車載電池に関してはもっと何とかして収益性を出さないといけないということになりますし、この住宅家電についてはもっとIOTとかそういった物で先進的な商品、あるいはユーザーの心にもマッチした製品という物を作っていくことで、収益性、あるいはもっと売れる商品としていかなければなりませんし、BtoBに関しても新しい顧客を捕まえなければいけない。

これらがやはりパナソニックの課題ということになってきます。

BtoB分野の成長戦略は成功するか?

特にBtoBの分野に関しては直近で手を打っている物がありまして、7,000億円をかけてアメリカの「ブルーヨンダー」という会社を買収するという報道が出ています。

このブルーヨンダーという会社がサプライチェーンを供給網の効率化を手がける米ソフトウェア大手ということですから、 BtoBの分野に関しては成長をするということで一つ手を打ってきたということが考えられます。

しかし、株式市場はネガティブに反応しています。

やはり7,000億円というのは高すぎるのではないか、まして売り手がブラックストーンとニューマウンテンキャピタルというファンドです。

ファンドの目的というのはとにかく高くこの株式をパナソニックに売るということが目的ですから、パナソニックとしては高値づかみになってしまう可能性があります。

また来年度から社長が代わって新体制になるのですけれども、そういう時に景気良く一発打ち上げるかということで、投資銀行なんかがこの会社買いませんかということで結構売り込んできます。

それに乗せられて買って、結局、利益を出せずにグダグダになってしまったケースが後を絶ちません。そもそも、M&Aの成功率は3割という風にも言われています。なので、そういった環境には注意する必要があるのではないかと思います。

Next: パナソニックは買いか? 求められるものは「強いアピール」

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