なぜか伸びない業績
このように幅広いビジネス展開しているのですが、一方では業績というのは必ずしも芳しくありません。
このように過去十数年の業績を見てみますと、売上高に関してはほとんど伸びていないですし、利益も上がったり下がったりを繰り返すということで緩やかな衰退と言ってもいいのではないかと思います。
事業別に見ますと売上高に関してはかなり均等になっていて、一方で利益率のところに大きな差がありまして、アプライアンス家電のところは昨年度利益率2.5%で、あんまり儲かっていません。
ライフソリューションズは10%近くてわりと儲かっています。
コネクティッドソリューションズ部品のところもわりと儲かっているというところがありますが、一方でこのオートモーティブはこの車載用電池は今どんどん売上高が伸びているというところがあるのですが、利益に関しては赤字ということで、なかなか厳しい環境にあります。
では、業績の低迷の理由とは何なのかということについて、私なりに分析してみました。
日本でしか売れない家電
1つは家電部門の世界的競争激化ということがあります。
家電というと日本で言うとパナソニックやソニー、日立、東芝、三菱電機といったいわゆる総合電機と言われるところが提供してきたのですが、日本にも様々な外国の物も入ってきていますし、機能を絞った物で言えば最近ではアイリスオーヤマなんかが非常に人気で、一方で高級なところで言えばバルミューダですとか、そういった物がどんどん入ってきています。
とはいえ日本ではかなり高いシェアを誇っているのも間違いないのですが、ただこれが海外でウケているかというと決してそうではないのです。
日本向けにカスタマイズして色んな高性能な物を付けてきたのですが、日本人はそれでいいということになっても、海外に関してはそんなに機能はいらない、電子レンジは温められればいいと考えている人も少なくありません。
その結果、海外では韓国のLG電子とか中国のハイアールといった機能を絞って価格を抑えた物が売れていたりします。
その結果パナソニックの家電というのはほぼ日本でしか売れていないという状況です。
パナソニック全体の売上高で見ても国内の売り上げがおよそ半分ということで、国際競争力は必ずしもない。
そして日本の市場というのは必ずしも伸びていませんし、その中でこの高機能競争という形で高機能とそして値段の競争というのが家電量販店で常に行われていますから、なかなか利益を取りづらい分野になってしまっているということが挙げられます。