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かんぽの問題は起こるべくして起きた?自らの強みを「情弱ビジネス」に悪用した末路=栫井駿介

情報弱者に対する、かんぽ生命の不適切な保険販売が話題となっています。この問題が起きた背景について、日本郵政との関係性から解説します。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

ガバナンス不在で問題だらけの日本郵政グループ

かんぽ生命、ゆうちょ銀行の窓口である郵便局の立ち位置

かんぽ生命<7181>で不適切な保険販売が問題となっています。
※参考:かんぽ生命不正 倍増し18万件に 過去5年間で-FNN(2019年7月31日公開)

ざっくり言えば、郵便局員が営業成績達成のため、不必要・不適切な乗り換えや重複契約、ひどい例では特定の顧客に何重もの保険契約を結ばせていたということです。

「民営化の成功例」JRとの大きな違い

郵政グループは郵政民営化によって2006年に誕生しました。民営化により持株会社の日本郵政<6178>傘下にかんぽ生命とゆうちょ銀行<7182>がぶら下がる形となっています。

出典:日本郵政グループ ディスクロージャー誌 2017

出典:日本郵政グループ ディスクロージャー誌 2017

別会社にはなっていますが、かんぽ生命・ゆうちょ銀行の窓口は結局のところ郵便局です。今回の不正をはたらいたのも大半は郵便局員と考えられます。これらの会社は切っても切り離せない関係にあります。

私は証券会社にいた時にグループの新規上場に関わっていましたが、このニュースを見て、「なるべくしてなった」という印象を抱かざるを得ませんでした。

なぜなら、このグループは問題だらけだからです。特に問題を抱えているのが、ガバナンス構造です。

郵便事業は公営事業でしたから、利益を出すための構造を持っていません。民間企業、まして上場企業としてやっていくには本来大規模な改革が必要となります。

例えば、かつての国鉄であるJRは、労働組合とのあつれきを経ながら、相当な苦労をして現在のピカピカの形に持っていきました。それを可能にしたのは、会社の中にいて熱い志を持った経営陣です。

振り返って、日本郵政グループの役員を見ると、外部の金融機関や大手企業出身者、旧郵政省の役人ばかりです。

国鉄改革は、赤字を垂れ流す経営を改革することが目的でした。しかし、郵政グループは、なまじそこそこの経営ができていたために、経営改革ではなく株式売却による国庫収入の増大が目的となったのです。

そのため、この会社の至上命題は「いかに高く株を売るか」ということになってしまいました。だれも本気で経営改革を行う気概など持っていないのです。

Next: 日本郵政上場後、なぜ状況は悪化したのか?

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